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2016年度 理学部に「宇宙物理・気象学科」を開設―京都産業大学

2015年10月1日

京都産業大学

京都産業大学では、2015年に創立50周年を迎え、さらに大学・教学改革を進めるため、開学(1965年)と同時に設立した理学部の「教育」、「研究」、「社会・地域貢献」の充実を図り、2016年度より新たに「宇宙物理・気象学科」を開設します。

【概 要】
(1)名  称: 京都産業大学 理学部 宇宙物理・気象学科
        (Department of Astrophysics and Atmospheric Sciences)
(2)入学定員・収容定員: 入学定員40名、収容定員160名
(3)修業年限: 標準修業年限4年
(4)学  位: 学士(宇宙物理・気象学)
        (Bachelor of Astrophysics and Atmospheric Sciences)
(5)教員組織: 教授4名、准教授4名
(6)開設時期: 2016(平成28)年4月


【設置趣旨】
 京都産業大学 理学部は、開学以来、理学の基礎を身につけた有為な人材を育成してきました。
 これまで、理学部の卒業生は延べ6,500人を超え、理系産業人や中学高校教員、研究者として、国内外で活躍しています。特に、物理科学科は、理論物理学・実験物理学(物性・物質)や宇宙物理学・気象学にまたがる幅広い領域の教育研究を展開してきました。こうした学問分野においては、物理学の基盤科目である力学、電磁気学や数学を共通の素養とするものの、各分野の必須の素養である専門発展科目においては異なる教育体系を要し、カリキュラムの齟齬が問題となってきています。また、それぞれの分野の急速な発展・多様化や社会の物理学への要請に対して、現在の体制では十分に対応できない懸念もあります。こうした状況に適切に対応し、基礎を重視する教育研究をさらに進めるため、ミクロな現象を通じて物理学を学ぶ物理科学科に加えて、よりスケールの大きな地球大気から宇宙空間の物理現象を通じて物理学を学ぶ宇宙物理・気象学科を設立することとしました。2学科連携のもとに教育・研究を行い、物理学を基盤とする理学の素養を持った人材を育成することを目指します。これは、宇宙物理学者だった開学の祖 荒木俊馬博士の創立理念を具現化するものです。


【育成する人物像】
 観測を通して宇宙における様々な現象を正確に捉え理解するには、観測・測定機器等のハードウェアに精通し、高度なデータ処理・分析能力を有することが不可欠です。こうした体験に基づく総合的問題解決能力を育んだ人材が現代社会の様々な局面で必要とされていることを鑑み、宇宙物理・気象学科では、このような能力を持った理系産業人を育成することを目指します。
 また、異常気象や地球温暖化などの人類の生存基盤を脅かす様々な気象現象を、地球のみならず太陽系惑星も含めた広い見地から理解・解明し、解決の方策を探ることが社会から要請されており、このような課題に立ち向かう志を持った学生を育成することを目指します。
 想定される進路としては、公的天文台・科学館の学芸員、防災に関わる地方公共団体、気象庁、気象関係の民間企業、農業をはじめとする第一次産業・小売業・流通業等の気象情報に大きく影響される民間企業、情報系技術者、メーカー(光学機器、制御機器等)、中学校・高等学校の教員、大学院進学などです。


【カリキュラム編成】
 宇宙に広がる天体現象や日々の生活に密接に関係する大気現象は、人々の純粋な知的好奇心をかき立てると同時に、人類の生存基盤に直接関係する学問領域です。宇宙物理・気象学科では、人類の生存基盤としての地球の大気圏と、それを取り囲む宇宙を有機的かつ体系的に学び研究できるカリキュラムを構築するとともに、観測実習科目を充実させます。

(ア)体系的なカリキュラム
物理科学科と宇宙物理・気象学科では、理論物理学・実験物理学および宇宙物理学・気象学を総合的かつ体系的に学べるカリキュラムを構築する。また、両学科の連携のもと、学生が興味に応じて物理学全般を学べる体制を目指す。

(イ)基礎重視の教育課程
物理学は、一歩一歩基礎から積み上げることによりはじめて十分に理解できる学問である。また、基礎的な数学の知識も欠くことができない。物理科学科および宇宙物理・気象学科では、1・2年次において、力学、電磁気学、熱力学等の物理学の基盤的部分と微分積分学や代数学・幾何学等の数学の基礎について、講義科目・演習科目により着実な理解ができるようなカリキュラムを構築する。また、3年次(一部2年次)に各分野の基礎となる科目群(専門展開科目群)を設置し、専門分野の基礎知識を着実に修得できるようにする。

(ウ)神山天文台との連携
本学の敷地内に設置された神山天文台との連携を強化し、実習科目の「観測天文学実習」を充実させる。さらに、日本の私立大学としては最大級の望遠鏡や世界最高水準の性能を持つ近赤外線高分散分光器等を教育・研究に活用する。

(エ)他研究機関との協力
国立天文台、NASA(アメリカ航空宇宙局)、ESA(欧州宇宙機関)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、京都大学防災研究所等の研究機関の協力のもとに、4年次の特別研究等の教育を充実させる。


京都産業大学HPでも紹介
http://www.kyoto-su.ac.jp/department/sc/change_sc/index.html
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