Nature Index 2016日本版公開:日本の高品質科学論文を探る
[16/03/17]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2016年3月17日
シュプリンガー・ネイチャー
Nature Index 2016日本版公開
日本の高品質科学論文を探る
「Nature Index 2016 Japan」レポートの分析によると、Nature Indexのトップ100研究機関には日本から7つの機関が入り、日本は今も変わらず科学の世界で大きな存在感を示しています。また日本は、2015年のNature Indexデータベースを国別で見た場合でも、米国、中国、ドイツ、英国に続く5位に入っています。しかし、WFC(weighted fractional count;後述)で4位を獲得した2014年からは1つ順位を下げました。2012年以降、日本から出版された高品質な科学論文のWFCは12%下がっており、この低下傾向は、米国やフランスなどの主要研究大国の一部でも認められ、それに対して中国が堅調な伸びを示しています。
日本が研究力を堅調に維持できている理由の一つとして、共同研究の増加が考えられます。これは、大学をグローバル化して国際的なパートナーシップを進めようという政府方針を反映しています。日本は、成長の減速が3年続いた後の2014年から2015年にかけて、フランス、ドイツ、英国、中国との共同研究が、それぞれ37%、21%、21%、7%増加しました。Nature Indexの数値によると、日本の論文の共著パートナーとしての首位は依然米国で、これにドイツ、中国が続きます。
Nature Indexは、2012年以来、独自に厳選した68の自然科学系学術ジャーナルから出版される年60,000件近い高品質の科学論文記事を収録し、研究成果を国、機関別にプロファイリングしてきました。2015年12月、日本の総合科学技術・イノベーション会議は、科学技術の分野において、日本の立ち位置が世界の中で低下傾向にあることに言及しました。Nature 2016年3月17日号の特別企画冊子として今週発行される「Nature Index 2016 Japan」では、この状況を分析し、日本の研究論文に基づく出版数、成長率、共同研究に関するデータを、日本の主要なオピニオンリーダーからのコメントと共に提示しています。
共同研究*を行っている日本の研究機関上位5つのうち4つ(東京大学、理化学研究所、京都大学、大阪大学)は、高品質の科学研究論文を最も多く発表している機関でもあります。上位5つのうち、4位に入った自然科学研究機構(NINS)は、最新設備で大規模な研究を実施できるよう設けられた機関です。これら5機関を含む日本の上位10の共同研究機関が、日本の全共同研究スコア[共著者の割合に応じて国に論文数を割り振るFractional Count(FC)計算方法を用い、該当国のFCを合計した数値]の75%を占めています。
「多くの先進国、発展途上国において、質の高い研究発表を増やすことが重要課題の一つとされています」と話すのはNature誌のエグゼクティブエディターNick Campbell氏です。彼は「こうした競争の激化がNature Indexに表れており、日本など、昔から強い力を示してきた研究大国の多くが、その位置付けを守るのに苦労していることが明らかになっています。日本の場合、それでも政府主導のイニシアティブが多数あり、各機関レベルのパフォーマンス向上を奨励していることから復活の兆しを感じ取ることができます」と述べています。
機関の国際的な位置付けの向上と、国際化を図ることを目的とした政府プログラムに選ばれた研究機関は、2012年から2015年にかけて、顕著なWFCの伸びを示しています。例えば、2014年に開始した、大学改革を通して日本の高等教育の国際競争力を高めることを目的とした「スーパーグローバル大学創生支援プログラム」に採択された岡山大学は、WFCが2012年以降7.0ポイント(28%)以上上昇しています。
Nature Indexに関する詳しい情報については http://www.natureindex.comをご覧ください。
*共同研究とは、2015年に日本の機関と論文を執筆している国内外の共著機関を対象としています。
「Nature Index 2016 Japan」は、こちらからご確認いただけます。
http://www.nature.com/natureindex-japan
【Nature Indexについて】
・Nature Indexは、世界トップクラスの研究成果を国・機関別にプロファイリングするデータベースです。
・研究者が自身の最高研究成果を発表したいジャーナルとして選んだ68誌を厳選収録
・世界の国々と2万機関以上の研究プロファイルに容易にアクセス
・最新の研究成果を報告する原著論文のみを収録
・直近12か月分のデータ毎月更新
・クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で無料公開
【Nature Indexの論文カウント方法】
Article Count(AC):共著機関または共著国全てに対して1論文を1と数える計算方法
Fractional Count(FC):共著者の割合に応じて国や機関に論文数を割り振る計算方法
Weighted Fractional Count(WFC):世界で出版されているジャーナル総数が極めて少ない宇宙物理科学を他分野と同様にカウントすると比重が重くなりすぎるため、宇宙物理科学にのみ重み付けを行うことで標準化している。
【シュプリンガー・ネイチャーについて】
シュプリンガー・ネイチャーは、研究、教育、専門領域において世界をリードする出版社の1つです。高い評価と信頼を得ている多くのブランドから成る革新的な製品やサービスを通して、高品質なコンテンツを提供しています。シュプリンガー・ネイチャーは、世界最大規模の学術書籍出版社であり、世界で最も影響力のあるジャーナルを多数発行しています。またオープンリサーチにおけるパイオニアでもあります。当社の50か国超に及ぶ従業員数は約13,000人で、売上高は15億ユーロです。シュプリンガー・ネイチャーは、ネイチャー・パブリッシング・グループ、パルグレイブ・マクミラン、マクミラン・エデュケーション、シュプリンガー・サイエンス+ビジネスメディアの合併により2015年5月に誕生しました。詳細については http://www.springernature.comをご覧ください。twitter公式アカウントは@SpringerNatureです。
詳細は、次の担当者までお問い合わせください。
大場 郁子
E:ikuko.oba@springernature.com
シュプリンガー・ネイチャー
Nature Index 2016日本版公開
日本の高品質科学論文を探る
「Nature Index 2016 Japan」レポートの分析によると、Nature Indexのトップ100研究機関には日本から7つの機関が入り、日本は今も変わらず科学の世界で大きな存在感を示しています。また日本は、2015年のNature Indexデータベースを国別で見た場合でも、米国、中国、ドイツ、英国に続く5位に入っています。しかし、WFC(weighted fractional count;後述)で4位を獲得した2014年からは1つ順位を下げました。2012年以降、日本から出版された高品質な科学論文のWFCは12%下がっており、この低下傾向は、米国やフランスなどの主要研究大国の一部でも認められ、それに対して中国が堅調な伸びを示しています。
日本が研究力を堅調に維持できている理由の一つとして、共同研究の増加が考えられます。これは、大学をグローバル化して国際的なパートナーシップを進めようという政府方針を反映しています。日本は、成長の減速が3年続いた後の2014年から2015年にかけて、フランス、ドイツ、英国、中国との共同研究が、それぞれ37%、21%、21%、7%増加しました。Nature Indexの数値によると、日本の論文の共著パートナーとしての首位は依然米国で、これにドイツ、中国が続きます。
Nature Indexは、2012年以来、独自に厳選した68の自然科学系学術ジャーナルから出版される年60,000件近い高品質の科学論文記事を収録し、研究成果を国、機関別にプロファイリングしてきました。2015年12月、日本の総合科学技術・イノベーション会議は、科学技術の分野において、日本の立ち位置が世界の中で低下傾向にあることに言及しました。Nature 2016年3月17日号の特別企画冊子として今週発行される「Nature Index 2016 Japan」では、この状況を分析し、日本の研究論文に基づく出版数、成長率、共同研究に関するデータを、日本の主要なオピニオンリーダーからのコメントと共に提示しています。
共同研究*を行っている日本の研究機関上位5つのうち4つ(東京大学、理化学研究所、京都大学、大阪大学)は、高品質の科学研究論文を最も多く発表している機関でもあります。上位5つのうち、4位に入った自然科学研究機構(NINS)は、最新設備で大規模な研究を実施できるよう設けられた機関です。これら5機関を含む日本の上位10の共同研究機関が、日本の全共同研究スコア[共著者の割合に応じて国に論文数を割り振るFractional Count(FC)計算方法を用い、該当国のFCを合計した数値]の75%を占めています。
「多くの先進国、発展途上国において、質の高い研究発表を増やすことが重要課題の一つとされています」と話すのはNature誌のエグゼクティブエディターNick Campbell氏です。彼は「こうした競争の激化がNature Indexに表れており、日本など、昔から強い力を示してきた研究大国の多くが、その位置付けを守るのに苦労していることが明らかになっています。日本の場合、それでも政府主導のイニシアティブが多数あり、各機関レベルのパフォーマンス向上を奨励していることから復活の兆しを感じ取ることができます」と述べています。
機関の国際的な位置付けの向上と、国際化を図ることを目的とした政府プログラムに選ばれた研究機関は、2012年から2015年にかけて、顕著なWFCの伸びを示しています。例えば、2014年に開始した、大学改革を通して日本の高等教育の国際競争力を高めることを目的とした「スーパーグローバル大学創生支援プログラム」に採択された岡山大学は、WFCが2012年以降7.0ポイント(28%)以上上昇しています。
Nature Indexに関する詳しい情報については http://www.natureindex.comをご覧ください。
*共同研究とは、2015年に日本の機関と論文を執筆している国内外の共著機関を対象としています。
「Nature Index 2016 Japan」は、こちらからご確認いただけます。
http://www.nature.com/natureindex-japan
【Nature Indexについて】
・Nature Indexは、世界トップクラスの研究成果を国・機関別にプロファイリングするデータベースです。
・研究者が自身の最高研究成果を発表したいジャーナルとして選んだ68誌を厳選収録
・世界の国々と2万機関以上の研究プロファイルに容易にアクセス
・最新の研究成果を報告する原著論文のみを収録
・直近12か月分のデータ毎月更新
・クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で無料公開
【Nature Indexの論文カウント方法】
Article Count(AC):共著機関または共著国全てに対して1論文を1と数える計算方法
Fractional Count(FC):共著者の割合に応じて国や機関に論文数を割り振る計算方法
Weighted Fractional Count(WFC):世界で出版されているジャーナル総数が極めて少ない宇宙物理科学を他分野と同様にカウントすると比重が重くなりすぎるため、宇宙物理科学にのみ重み付けを行うことで標準化している。
【シュプリンガー・ネイチャーについて】
シュプリンガー・ネイチャーは、研究、教育、専門領域において世界をリードする出版社の1つです。高い評価と信頼を得ている多くのブランドから成る革新的な製品やサービスを通して、高品質なコンテンツを提供しています。シュプリンガー・ネイチャーは、世界最大規模の学術書籍出版社であり、世界で最も影響力のあるジャーナルを多数発行しています。またオープンリサーチにおけるパイオニアでもあります。当社の50か国超に及ぶ従業員数は約13,000人で、売上高は15億ユーロです。シュプリンガー・ネイチャーは、ネイチャー・パブリッシング・グループ、パルグレイブ・マクミラン、マクミラン・エデュケーション、シュプリンガー・サイエンス+ビジネスメディアの合併により2015年5月に誕生しました。詳細については http://www.springernature.comをご覧ください。twitter公式アカウントは@SpringerNatureです。
詳細は、次の担当者までお問い合わせください。
大場 郁子
E:ikuko.oba@springernature.com