増殖糖尿病網膜症に対する「エミクススタト塩酸塩」の臨床第2相試験開始について
[16/05/09]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2016年5月9日
アキュセラ・インク(Acucela Inc.)
(コード番号 4589 東証マザーズ)
増殖糖尿病網膜症に対する「エミクススタト塩酸塩」の臨床第2相試験開始について
失明や視力低下をまねく眼疾患に対する治療、または疾患の進行を遅らせる革新的な治療薬・医療技術の探索および開発に取り組むアキュセラ・インク(本社:米国シアトル、会長、社長兼最高経営責任者:窪田良、以下「当社」)は、増殖糖尿病網膜症の治療における「エミクススタト塩酸塩」(以下、「エミクススタト」)の効果を評価するための臨床第2相試験*1を米国で開始しましたことをお知らせいたします。当社は、増殖糖尿病網膜症に対するエミクススタトの治療効果を評価することを目的とした、無作為化プラセボ比較臨床第2相試験プロトコール(臨床試験実施計画書)をFDA(米国食品医薬品局)に提出し、IRB(治験審査委員会)より承認を受けました。
この試験では、被験者にエミクススタトを1日1回、3ヶ月間にわたり経口投与します。設定されたエンドポイントには、増殖糖尿病網膜症の重症度に応じたサイトカイン*2発現レベルの変化および網膜の血管新生における変化が含まれます。本臨床試験において、20名の被験者を募集しており、2016年4月に1人目の被験者が登録され、投与を開始いたしました。
糖尿病網膜症は、糖尿病の3大合併症のひとつであり、日本では中高年の失明原因の第2位となる眼疾患です。病態は単純期、前増殖期、増殖期へと進行します。この度、エミクススタトによる臨床第2相試験を実施する対象疾患は、重度である増殖糖尿病網膜症です。慢性的な高血糖により網膜内で発生する血管障害に起因し、血液の流れが悪くなり低酸素状態になった網膜では、眼底出血や異常な血管新生を起こします。血管新生は、糖尿病性眼疾患の最も進行した段階の病態に見られ、生涯的な視力喪失につながります。増殖糖尿病網膜症は、世界中で1,900万人超が罹患しており、2020年までには約2,200万人に達すると予想されています*3。糖尿病網膜症罹患者数は世界で1億500万人とされており、これは糖尿病有病者数4億1,500万人の25%以上に相当します*3*4。糖尿病網膜症罹患者人口は世界中で増え続けており、2020年には約1億1,700万人に上ると報告されております*3。
当社は、重度の増殖糖尿病網膜症を対象に臨床試験を実施し、将来的には、前増殖糖尿病網膜症、単純糖尿病網膜症、ならびに合併症である糖尿病黄斑浮腫への適応拡大も視野に入れております。
眼科医であり、当社の会長、社長兼最高経営責任者である窪田良博士は、「失明または視力低下にいたる増殖糖尿病網膜症は世界で多くの方々に多大な影響を与える疾患であり、こうしたアンメットメディカルニーズに対応すべくエミクススタトの可能性を拡大していけるよう、更なる研究開発に邁進してまいります。」と述べています。
尚、本件は2016年3月9日に開示された2015年12月期決算短信(2.経営方針(3)会社の経営戦略および対処すべき課題)において、「当社は、2016年第2四半期に、増殖性糖尿病網膜症治療のための予備臨床試験を開始する予定」と紹介されております。また、本件は2016年3月9日に開示された2016年12月期の業績予想には織り込み済みであり、業績予想に与える影響はございません。
今後、臨床試験の進捗がありましたら、速やかに開示いたします。
*1:「 エミクススタト塩酸塩」に関わる臨床第1相試験(少人数の成人ボランティア(健常人)を対象とした、安全性について調べる試験)が終了しているため、臨床第2相試験より開始致します。
*2: サイトカインとは細胞から分泌されるタンパク質で、免疫システムの情報伝達物質です。
*3:Market Scope, The Global Retinal Pharmaceuticals & Biologic Market, 2015
*4:国際糖尿病連合(IDF) 「糖尿病アトラス 第7版 2015」
以上
◆ エミクススタト塩酸塩について
網膜には脳に映像を認識させるために光を電気信号に変える働きをする「視覚サイクル」と呼ばれる仕組みがあります。この視覚サイクルは明るい光や強い光に曝露されると有害副産物を生成します。これが長期にわたり消化されないまま蓄積されると、視覚サイクルの働きに支障をきたすだけではなく、網膜が損傷され、視力低下あるいは失明に至ると考えられています。
エミクススタトは、この「視覚サイクル」に不可欠な酵素であるRPE65を抑制することで、視覚サイクル内のビタミンAの代謝率を低下させます。これにより、A2E(ビタミンA由来の有害副産物)産生が低下するので、網膜の健康維持に有用であると理論づけられています。エミクススタトは経口投与可能な非レチノイド系の低分子化合物です。新規化合物であり、視覚サイクルモジュレーションとしては世界で初めての薬剤候補です。非臨床試験において、エミクススタトは、有害副産物の蓄積、光障害によりおこる網膜変性、新生血管の増生のすべてを軽減することが証明されています。エミクススタトは当社と大塚製薬株式会社(以下、「大塚製薬」)が共同開発しており、米国においては共同販売し、日本を含むアジア、太平洋、中東、および北アフリカの一部は大塚製薬が独占販売権を保有し、欧州、南米、アフリカにおいては当社が独占販売権を保有しています。
当社のエミクススタトは、地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性に対する治療薬候補としてFDA(米国食品医薬品局)よりファストトラック認定を受けています。当社は、増殖糖尿病網膜症のほか、ウェット型加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、スターガート病などへエミクススタトの適応拡大を検討しています。
◆ アキュセラ・インク(Acucela Inc.)について
アキュセラは、臨床開発段階の眼科医療ソリューション・カンパニーです。失明や視力低下をまねく眼疾患に対する治療、または疾患の進行を遅らせる革新的な治療薬・医療技術の探索および開発に取り組んでいます。当社独自の視覚サイクルモジュレーション技術に基づく地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性の治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」の共同開発を大塚製薬株式会社と進めております。アキュセラは、2016年に白内障や老視(老眼)の薬物治療を目的としたラノステロールの研究開発および網膜色素変性症における視機能再生を目指すオプトジェネティクスに基づく遺伝子療法の開発を開始しました。
(ウェブサイト:http://www.acucela.jp)
◆ 免責事項
本資料は関係情報の開示のみを目的として作成されたものであり、有価証券の取得または売付けの勧誘または申込みを構成するものではありません。本資料は、正確性を期すべく慎重に作成されていますが、完全性を保証するものではありません。また本資料の作成にあたり、当社に入手可能な第三者情報に依拠しておりますが、かかる第三者情報の実際の正確性および完全性について、当社が表明・保証するものではありません。当社は、本資料の記述に依拠したことにより生じる損害について一切の責任を負いません。
本資料の情報は、事前の通知なく変更される可能性があります。
本資料には将来予想に関する見通し情報が含まれます。これらの記述は、現在の見込、予測およびリスクを伴う想定(一般的な経済状況および業界または市場の状況を含みますがこれらに限定されません)に基づいており、実際の業績とは大きく異なる可能性があります。今後、新たな情報、将来の事象の発生またはその他いかなる理由があっても、当社は本資料の将来に関する記述を更新または修正する義務を負うものではありません。
アキュセラ・インク(Acucela Inc.)
(コード番号 4589 東証マザーズ)
増殖糖尿病網膜症に対する「エミクススタト塩酸塩」の臨床第2相試験開始について
失明や視力低下をまねく眼疾患に対する治療、または疾患の進行を遅らせる革新的な治療薬・医療技術の探索および開発に取り組むアキュセラ・インク(本社:米国シアトル、会長、社長兼最高経営責任者:窪田良、以下「当社」)は、増殖糖尿病網膜症の治療における「エミクススタト塩酸塩」(以下、「エミクススタト」)の効果を評価するための臨床第2相試験*1を米国で開始しましたことをお知らせいたします。当社は、増殖糖尿病網膜症に対するエミクススタトの治療効果を評価することを目的とした、無作為化プラセボ比較臨床第2相試験プロトコール(臨床試験実施計画書)をFDA(米国食品医薬品局)に提出し、IRB(治験審査委員会)より承認を受けました。
この試験では、被験者にエミクススタトを1日1回、3ヶ月間にわたり経口投与します。設定されたエンドポイントには、増殖糖尿病網膜症の重症度に応じたサイトカイン*2発現レベルの変化および網膜の血管新生における変化が含まれます。本臨床試験において、20名の被験者を募集しており、2016年4月に1人目の被験者が登録され、投与を開始いたしました。
糖尿病網膜症は、糖尿病の3大合併症のひとつであり、日本では中高年の失明原因の第2位となる眼疾患です。病態は単純期、前増殖期、増殖期へと進行します。この度、エミクススタトによる臨床第2相試験を実施する対象疾患は、重度である増殖糖尿病網膜症です。慢性的な高血糖により網膜内で発生する血管障害に起因し、血液の流れが悪くなり低酸素状態になった網膜では、眼底出血や異常な血管新生を起こします。血管新生は、糖尿病性眼疾患の最も進行した段階の病態に見られ、生涯的な視力喪失につながります。増殖糖尿病網膜症は、世界中で1,900万人超が罹患しており、2020年までには約2,200万人に達すると予想されています*3。糖尿病網膜症罹患者数は世界で1億500万人とされており、これは糖尿病有病者数4億1,500万人の25%以上に相当します*3*4。糖尿病網膜症罹患者人口は世界中で増え続けており、2020年には約1億1,700万人に上ると報告されております*3。
当社は、重度の増殖糖尿病網膜症を対象に臨床試験を実施し、将来的には、前増殖糖尿病網膜症、単純糖尿病網膜症、ならびに合併症である糖尿病黄斑浮腫への適応拡大も視野に入れております。
眼科医であり、当社の会長、社長兼最高経営責任者である窪田良博士は、「失明または視力低下にいたる増殖糖尿病網膜症は世界で多くの方々に多大な影響を与える疾患であり、こうしたアンメットメディカルニーズに対応すべくエミクススタトの可能性を拡大していけるよう、更なる研究開発に邁進してまいります。」と述べています。
尚、本件は2016年3月9日に開示された2015年12月期決算短信(2.経営方針(3)会社の経営戦略および対処すべき課題)において、「当社は、2016年第2四半期に、増殖性糖尿病網膜症治療のための予備臨床試験を開始する予定」と紹介されております。また、本件は2016年3月9日に開示された2016年12月期の業績予想には織り込み済みであり、業績予想に与える影響はございません。
今後、臨床試験の進捗がありましたら、速やかに開示いたします。
*1:「 エミクススタト塩酸塩」に関わる臨床第1相試験(少人数の成人ボランティア(健常人)を対象とした、安全性について調べる試験)が終了しているため、臨床第2相試験より開始致します。
*2: サイトカインとは細胞から分泌されるタンパク質で、免疫システムの情報伝達物質です。
*3:Market Scope, The Global Retinal Pharmaceuticals & Biologic Market, 2015
*4:国際糖尿病連合(IDF) 「糖尿病アトラス 第7版 2015」
以上
◆ エミクススタト塩酸塩について
網膜には脳に映像を認識させるために光を電気信号に変える働きをする「視覚サイクル」と呼ばれる仕組みがあります。この視覚サイクルは明るい光や強い光に曝露されると有害副産物を生成します。これが長期にわたり消化されないまま蓄積されると、視覚サイクルの働きに支障をきたすだけではなく、網膜が損傷され、視力低下あるいは失明に至ると考えられています。
エミクススタトは、この「視覚サイクル」に不可欠な酵素であるRPE65を抑制することで、視覚サイクル内のビタミンAの代謝率を低下させます。これにより、A2E(ビタミンA由来の有害副産物)産生が低下するので、網膜の健康維持に有用であると理論づけられています。エミクススタトは経口投与可能な非レチノイド系の低分子化合物です。新規化合物であり、視覚サイクルモジュレーションとしては世界で初めての薬剤候補です。非臨床試験において、エミクススタトは、有害副産物の蓄積、光障害によりおこる網膜変性、新生血管の増生のすべてを軽減することが証明されています。エミクススタトは当社と大塚製薬株式会社(以下、「大塚製薬」)が共同開発しており、米国においては共同販売し、日本を含むアジア、太平洋、中東、および北アフリカの一部は大塚製薬が独占販売権を保有し、欧州、南米、アフリカにおいては当社が独占販売権を保有しています。
当社のエミクススタトは、地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性に対する治療薬候補としてFDA(米国食品医薬品局)よりファストトラック認定を受けています。当社は、増殖糖尿病網膜症のほか、ウェット型加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、スターガート病などへエミクススタトの適応拡大を検討しています。
◆ アキュセラ・インク(Acucela Inc.)について
アキュセラは、臨床開発段階の眼科医療ソリューション・カンパニーです。失明や視力低下をまねく眼疾患に対する治療、または疾患の進行を遅らせる革新的な治療薬・医療技術の探索および開発に取り組んでいます。当社独自の視覚サイクルモジュレーション技術に基づく地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性の治療薬候補「エミクススタト塩酸塩」の共同開発を大塚製薬株式会社と進めております。アキュセラは、2016年に白内障や老視(老眼)の薬物治療を目的としたラノステロールの研究開発および網膜色素変性症における視機能再生を目指すオプトジェネティクスに基づく遺伝子療法の開発を開始しました。
(ウェブサイト:http://www.acucela.jp)
◆ 免責事項
本資料は関係情報の開示のみを目的として作成されたものであり、有価証券の取得または売付けの勧誘または申込みを構成するものではありません。本資料は、正確性を期すべく慎重に作成されていますが、完全性を保証するものではありません。また本資料の作成にあたり、当社に入手可能な第三者情報に依拠しておりますが、かかる第三者情報の実際の正確性および完全性について、当社が表明・保証するものではありません。当社は、本資料の記述に依拠したことにより生じる損害について一切の責任を負いません。
本資料の情報は、事前の通知なく変更される可能性があります。
本資料には将来予想に関する見通し情報が含まれます。これらの記述は、現在の見込、予測およびリスクを伴う想定(一般的な経済状況および業界または市場の状況を含みますがこれらに限定されません)に基づいており、実際の業績とは大きく異なる可能性があります。今後、新たな情報、将来の事象の発生またはその他いかなる理由があっても、当社は本資料の将来に関する記述を更新または修正する義務を負うものではありません。