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高齢者のくらしと金融に関する調査結果「今後のくらしむきは、約4割が現在よりも悪化するとの認識」

2016年7月7日

株式会社日本能率協会総合研究所
マネジメント&マーケティング研究本部

【高齢者のくらしと金融に関する調査結果】
今後のくらしむきは、約4割が現在よりも悪化するとの認識

株式会社日本能率協会総合研究所(本社:東京都港区、代表取締約:加藤文昭)は、60歳以上の高齢者を対象に、
「くらしと金融」に関する調査を実施し、その結果をまとめました。
http://jmar-im.com/finance/archives/320/finance-research.html

■調査の目的:
65歳以上の高齢者人口が占める割が4人に1人以上の26%と高齢化が進む中で、
高齢化社会における金融商品やサービスの在り方が問われています。
国民生活センターの「年消費生活年報2015」の商品等分類別の相談件数を見ると、
60歳代では生命保険(16位)、公社債(18位)、株(23位)、
70歳代では公社債(14位)、株(15位)、生命保険(16位)といった金融商品に関わる相談件数が
上位に上がっており、高齢者における金融商品に関わる潜在的なトラブルの多さが伺えます。
本調査では、これらの社会的動向を背景に、高齢者のくらし向きの意識と、
その経済生活をささえる重要な金融に関わる認識の実態について把握することを目的に実施しました。

■調査結果のポイント
1)今後のくらしむきについては4割が否定的な認識。
  4割以上が調査時点での現在のくらし向きは「良い」との認識であったが、
  今後は悪化すると考える人が現在の倍の約4割。

2)くらしの経済を考えるために必要な金融知識や情報は、「家計の見直し」や「節税対策」。
 3割以上の人が「家計の見直し」「節税対策」を挙げ、4人に1人は「証券投資」を挙げている。

3)クーリング・オフ制度の認知度は9割以上と高い。
 金融に関する認知度では、「クーリング・オフ」の内容を知っている人は約8割で、
 言葉を聞いた程度知っている人は15.7%ほど。「NISA」の認知度はクーリング・オフに次いで高く、84.5%。

4)銀行窓販は、約9割が認知。
  4人に1人は銀行窓販の利用経験者で、利用はしていないが推奨を受けた経験者を含めると
  約半数が銀行の担当者からのアプローチを受けている。

5)投資商品の利用経験者は半数以上。
 「株式」(59.7%)、「投資信託」(51.3%)共に半数以上で利用経験があり商品の認知度は8割以上。
 一方、認知度の低い商品は「外貨建終身保険」(非認知率:66.8%)、「変額個人年金保険」(同:49.3%)などの保険商品。
6)資産運用時の商品リスク受容度の認識は、2割弱がリスク・リターンが中程度以上の高い商品を想定。

【報告書の詳細は下記でもご確認いただけます。】
http://jmar-im.com/finance/archives/320/finance-research.html

1.くらし向きの認識
現在のくらし向きは「良い」「やや良い」を合わせた、肯定的な認識を持っている人(肯定派)は41.2%で、
「悪い」「やや悪い」の否定派は18.8%。
一方、今後のくらし向きの認識は、半数が先行きが読めない模様で、肯定派は僅か8%、否定派が39%で
現在の2倍に増え、高齢者における不安感は拡大の傾向にあると言える。

2.くらしの経済を考えるために必要な金融知識・情報
くらしの経済を考えるために必要な金融知識や情報としては、「家計の見直し」(31.8%)が最も高く、
次いで「節税対策」(30.5%)と、今後のくらし向きへの認識とも連動してか
家計の緊縮財政対応の知識・情報への関心が高い。
一方、4人に1人は「証券投資」に対する関心も高い。

3.金融に関する認知状況
「クーリング・オフ」(79.1%)、「NISA」(56.8%)、「成年後見人制度」(48.3%)などは、
ほぼ半数以上の人に内容まで認知されている。
一方、保険の「指定代理請求特約」は15.6%と低い。
また、「為替変動リスク」「保険の解約リスク」「価格変動リスク」「金利リスク」「信用リスク」といった
金融におけるリスクに関する認知度は3〜4割程度である。

4.銀行窓販の認知状況
銀行窓販の利用経験者は、4人に1人で、約9割が銀行窓販のことを認知している。

5.金融商品の認知状況
半数以上が「株式」(59.7%)や「投資信託」(51.3%)の利用経験がある。
銀行窓販で扱われることが多い「変額個人年金保険」(12.0%)や「外貨建終身保険」(5.3%)といった
保険商品の利用経験は1割前後で、商品の認知は、3〜5割ほどである。

6.リスク認識
資産運用の際の商品選択時のリスク受容度は、
「リスク・リターンが中程度の商品」、「リスク・リターンが中程度」より低い「リスク・リターンが低い商品」が
それぞれ約4割で、「リスク・リターンが中程度」より高い「リスク・リターンが高い商品」は2割弱。
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