70歳以上の親と離れて暮らす30代・40代の男女300人に聞く「熱中症調査」
[16/07/12]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
株式会社LIXIL
70歳以上の親と離れて暮らす
30代・40代の男女300人に聞く「熱中症調査」
約6割が離れて暮らす高齢の親の熱中症を心配
高齢者が室内熱中症で亡くなることを約8割が認知
室内熱中症のリスクが高いにもかかわらず、
高齢の親が熱中症対策をしていないと考えるのは約4割にも
今年は、7月初旬からすでに各地で猛暑日を記録しており、この後も厳しい夏になると予測されています。猛暑の夏は熱中症リスクが高まりますが、熱中症は65歳以上の高齢者に多く、死亡に至るケースも見られ、死亡者の約8割が65歳以上で、そのうちの約9割が住居内で亡くなっています(※1)。
住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:瀬戸欣哉)では、70歳以上の親と離れて暮らす30代・40代の男女300人を対象に、熱中症に対する認知度や親の熱中症対策についてアンケート調査を実施しました。また、特に高齢者の熱中症対策について詳しい、
昭和大学病院教授・救命救急センター長の三宅康史先生にアドバイスをいただきました。
(※1)出典=厚生労働省大臣官房統計情報部『平成27年我が国の人口動態 − 平成25年までの動向−』
「熱中症調査」調査結果サマリー
■約6割が離れて暮らす高齢の親の熱中症を心配
離れて暮らす親の健康は何かと心配なものです。70歳以上の親と離れて暮らす30代・40代の約6割(59.7%)が親の熱中症対策を「心配」し、そのうち1割は「とても心配」(9.7%)しています。
■「熱中症の高齢者は住宅内で亡くなることが多い」の認知率は8割にも
約8割(80.3%)が、「熱中症の高齢者は住宅で死亡するケースが多い」ことを認知しており、4人に3人は「年齢が高いほど熱中症の発症率も高くなる」(75.0%)ことも認知しています。
■離れて暮らす高齢の親の4割が熱中症対策をしていない?! 親の半数がいまだにクーラーを敬遠
自分の親は熱中症対策を「していないと思う」と約4割(42.0%)が考え、半数以上が「自分の親は夜寝るときにクーラーをつけたくないと思っている」(53.7%)、「自分の親は暑さを我慢できると思っている」(50.3%)と答えています。
調査方法:インターネット調査
対象エリア:全国
調査対象:70代以上の親と離れて暮らす30代・40代の男女300人(男女150人ずつ)
調査実施期間:2016年6月14日(火)〜6月15日(水)
調査実施機関:株式会社マクロミル
◆救急医学の専門医、三宅先生に聞く高齢者の熱中症対策◆
室内熱中症、多発エリアは「居間」と「寝室」。高齢者の居住環境を要チェック!
(1)生活者調査から紐解く、30代・40代が考える高齢の親の熱中症意識と対策
史上最強の猛暑が予測されている今年の夏。熱中症リスクが高い高齢者の熱中症対策について、70歳以上の親と離れて暮らす30代・40代の男女300人を対象に、アンケート調査を実施しました。
●認知率100%!「熱中症」は日本の夏の代表的な季節病
まず、熱中症の認知度を聞くと、全体の約8割が「症状など具体的なことまで知っている」(全体78.7%、男性77.3%、女性80.0%)と答えており、男女差はさほどありません。
また、残りの2割も、症状など具体的なことは知らないまでも「名前は聞いたことがある」(全体21.3%、男性22.7%、女性20.0%)と答えており、熱中症を知らない人はいませんでした[図1]。
熱中症は、今や日本の夏の代表的な季節病として、すっかり定着していると言えます。
●室内熱中症のハイリスクに関心が高く、特に65歳以上の高齢者が住宅内で死亡するケースが多い
ことの認知率は約8割にも! 約6割が離れて暮らす親の熱中症対策を心配している
熱中症について具体的に知っていることを聞くと、全体の8割が「特に65歳以上では住宅で死亡するケースも多い」(80.3%)ということを認識しており、室内における親の熱中症のリスクに対して、とても関心が高いことがわかりました[図2]。
親の熱中症対策が心配かどうか聞くと、全体の約6割が「心配」(とても心配+やや心配の合計値/全体59.7%、男性54.7%、女性64.7%)と答えています[図3]。
●高齢の親と離れて暮らす30代・40代が考える、親の熱中症対策
いまだに熱中症対策をしていないと思われる高齢の親が約4割、親の約半数はクーラーを敬遠
次に、自分と離れて暮らす70歳以上の親が、熱中症についてどう考えているかを聞いてみました。
まず、自分の親が何らかの熱中症対策をしているかと聞くと、約4割は「していないと思う」(42.0%)と答えています[図4]。
また、自分の親が熱中症に対してどう考えていると思うかを聞くと、「両親は、夜寝る時にクーラーをつけたくないと思っている」(53.7%)がトップで、「両親は、暑さを我慢できると思っている」(50.3%)、「両親は、熱中症対策には、クーラーがあれば十分だと思っている」(46.7%)、「両親は、熱中症対策には、窓をあければ(風通しをよくすれば)十分だと思っている」(41.3%)、「両親は、熱中症対策には、水を多く飲めば十分だと思っている」(40.0%)が上位にあげられました[図5]。離れて暮らす30代・40代からすると、高齢の親の熱中症対策は十分ではなく、不安に感じているようです。
●水分補給や運動・外出の制限だけではなく、高齢者に多い室内熱中症対策にも気を配りたい
親の熱中症に関して不安に思うことをあげてもらうと、「(親が)1人暮らしなので何かあったときに連絡が取れないかも知れないこと」(愛知県47歳男性)、「離れて住んでいるので、何かあったときに直ぐに駆け付けられない」(広島県45歳男性)など、離れているが故の不安が数多く寄せられました。また、「身体が強いと思っていてガマンをする」(和歌山県46歳女性)、「喉の渇きに鈍感になっている」(滋賀県49歳女性)、「水分補給が少ないから」(大阪府48歳男性)、「我慢してしまうタイプなのでクーラーをつけないかもしれません」(東京都36歳男性)などの意見も寄せられました。
離れて暮らす高齢の親に勧めたい熱中症対策を聞くと、「暑い日は無理に外出をしない」(96.7%)、「水を多く飲む」「暑い日は激しい運動をしない」(同率96.0%)、「クーラーの利用を我慢せず、うまく活用する」(95.3%)、「栄養のある食事をとる」(94.3%)の順となりました[図6]。
高齢者は室内熱中症のリスクが高いことから、積極的な水分摂取、外出・運動の抑制に加えて、クーラーをうまく活用したり、日差しを遮る、風通しを良くするなど、窓周りのひと工夫で室内に熱を取り込まないように整えることも重要です。
(2)救急医学の専門医、三宅先生に聞く高齢者の熱中症対策
高齢の親と離れて暮らす30代・40代の約6割が親の熱中症を心配しています。昭和大学病院救命救急センター長であり、日本救急医学会の熱中症に関する委員会前委員長でもある三宅康史先生に、高齢者の熱中症対策についてお話を伺いました。
●高齢者が熱中症になりやすい理由 体の水分が少なく、暑さを感じにくくなっているから
高齢者が熱中症になりやすいのは、(1)持病を持っている人が多いことに加えて、体の水分量が少なくなっているので、体温が変動しやすくなっていること、(2)汗をかく能力が低下し汗をかきにくくなっているので、体温が下がりにくいこと、(3)喉の渇きを感じにくくなっているので、水分補給が滞り脱水しやすいことなどがあげられます。さらに、高齢になると「基礎代謝が落ちる=燃えにくい体」になっているので、暑さを不快と感じず厚着をしがちなことも、熱中症になりやすい理由として考えられます。
●熱中症の予防はまずは水分摂取 こまめな水分補給とバランスの取れた食事習慣を
熱中症を予防するためには、水分をこまめに補給することが大切です。一度に大量に飲んでもおしっことして出るだけなので、こまめに少しずつ水分補給します。部屋を出たり入ったりする度に飲むなど、習慣化することをおすすめします。食事は栄養を摂るだけでなく、水分や塩分を摂る観点からも大切です。食事の6割は水分と言われており、1日3回、バランスのよい食事を食べることが熱中症の予防にもつながります。
●高齢者に多い室内熱中症 高齢者が生活する「居間」と「寝室」の環境を要チェック
水分補給だけでなく、高齢者が暮らす室内環境の改善も重要です。高齢者が熱中症で発見されるのは、居間と寝室が最も多くなっています。なぜかといえば、居間や寝室で過ごす時間が最も多いからです。高齢者のお宅に行くと、夏でも長袖で部屋にはこたつがあり、エアコンをつけると暖房になっていることがあります。
離れて暮らしていると気づかないかもしれませんが、高齢者がどんな室内環境で暮らしているのかを確認することはとても大切です。そのために、まず高齢者がふだん過ごしている居間や寝室に、高齢者にも見やすい温度計・湿度計を設置し、今の温度や湿度を体感ではなく数字として認識してもらい、熱中症予防に役立てましょう。気温が最も高くなるお昼頃や就寝前に定期的に電話を入れて、室温を見てもらい冷房を入れるよう促すことも有効です。
●普段過ごす室内をどう涼しくするかが肝心。防犯面も考えて風を取り込むひと工夫で夏も元気に
猛暑日や熱帯夜が続く梅雨明けからお盆ぐらいまでの数週間が、熱中症のリスクが最も高くなる時期です。昔ながらの日本家屋であれば、昼間は暑くても夜は風が吹き抜けて過ごしやすいのですが、夜間も気温が高いままの都心部では、防犯の面から窓を開けて寝ることができないため、室内の気温も湿度もどんどん上昇し、熱中症のリスクが一段と高くなります。室内熱中症を回避するには、高齢者が主に生活している居間と寝室の温度を上げないことが肝心です。暑くならなければ熱中症にはなりません。室温を暑くしない、どう涼しくするか、防犯面のことも考えつつ、安全に外の風を取り込み、室内を涼しくする工夫が必要です。高齢者の熱中症対策として、長く過ごす部屋の環境を整えることを考えてみてはいかがでしょうか。
三宅康史(みやけ・やすふみ)先生
昭和大学医学部救急医学教授 昭和大学病院救命救急センター長
1985年、東京医科歯科大学医学部卒業。専門は救急医学。日本救急医学会評議員・専門医・指導医、「熱中症に関する委員会」前委員長。著書に『熱中症Review―Q&Aでわかる熱中症のすべて』『ICUハンドブック』(中外医学社)など。
(3)データで見る、2016年夏予報と熱中症リスク
観測史上最強の猛暑と予想され、熱中症リスクの高さも危惧される今年の夏。現時点で予測されている2016年の夏の天気と熱中症についてご紹介します。
■2016年の夏は全国的に猛暑予報
気象庁は、「8月の気温は、東日本は平年並みか高く、西日本は高い。夏の後半から暑い日が多くなる見込み」と発表しています。今年は、春にエルニーニョ現象が終息し、夏にラニーニャ現象が発生し、観測史上最も暑かった2010(平成22)年と海や大気の状況が似ていることから、猛暑になる可能性が高いと言われています。気象庁によると、ラニーニャ現象は早ければ7月ごろに発生すると予測されており、ラニーニャ現象が起こると、太平洋高気圧がいつもの年よりも北側に張り出し日本列島を覆うため、晴れの日が多くなり気温も高くなります。
また、今年4月の世界の気温と海水温が観測史上最高を記録したというアメリカ航空宇宙局(NASA)の発表を受け、ゴダード宇宙科学研究所(GISS)のギャビン・シュミット(Gavin A. Schmidt)氏は「このまま推移すれば、99%の確率で2016年は観測史上最も暑い年になるだろう。」とコメントしています。
■猛暑の夏、熱中症に要注意。熱中症リスクが特に高い高齢者。屋外だけでなく室内の熱中症にも注意
猛暑の夏に心配されるのが熱中症です。熱中症は、気温の高い環境で生じる健康障害の総称で、体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、倦怠感、けいれんや意識障害などの症状が起こります。
厚生労働省の「熱中症による死亡数の年次推移」を見ると、今年の夏と似ている2010年の熱中症による死亡者は1,731人にものぼっています。65歳以上の高齢者は増加傾向を示し、2014(平成26)年は全体の8割(80.9%)を占め、高齢者の熱中症リスクが高まっていることがわかります[図7]。
出典=厚生労働省大臣官房統計情報部『年齢(5歳階級)別にみた熱中症による死亡数の年次推移(平成7年〜26年)−平成27年人口動態統計(確定数)』より
また、熱中症による死亡を発生場所別に見ると、発生場所不詳を除いた全体の84.0%が「住居」で発生しています。いずれの年代も居住内での発生が多くなっていますが、高齢者ではその割合がさらに高く、65〜79歳では87.2%、80歳以上では86.3%が住居内での熱中症により亡くなっています[図8]。高齢者は持病や老衰により合併症を引き起こして熱中症になり、住居内で死亡するケースが多くみられます。
出典=厚生労働省大臣官房統計情報部『平成27年我が国の人口動態 − 平成25年までの動向−』より
<LIXIL参考資料>
■LIXILの夏を快適に過ごす窓辺のリフォーム商品
高齢者は室内熱中症のリスクが高いにもかかわらず、冷房を我慢しがちです。(社)日本建材・住宅設備産業協会によると、室内に入ってくる熱の73%は窓や玄関などの開口部からです。窓からの熱の侵入を防ぐことが、室内を暑くしない有効な手立てのひとつです。
●外付けスクリーン「スタイルシェード」 現代版の“すだれ”“よしず”で、窓辺をすっきりスマートに
「スタイルシェード」は、現代版の“すだれ”や“よしず”とも言える外付スクリーンです。太陽の熱を窓の外側で効果的に遮るため、窓から入る太陽の熱を約83%も遮ることができます。生地には耐候性に優れたLIXILオリジナルの糸を採用し、汚れた場合でも網戸と同じようにお手入れができるうえ、生地のみの交換も可能です。また、新たに開発した取付け方式「アナノン」により、窓のフレームや、壁に穴をあけずに約10分という短時間で取り付けることができます。窓の縦枠形状や外壁の厚さが対応可能範囲であれば、どのメーカーの窓でも挟み込み式の金具で取り付けることができます。「アナノン」に対応しない場合でも、約30分で設置可能です。
スタイルシェード 公式サイト http://www.lixil.co.jp/lineup/window/styleshade/
●オーニング「彩風(あやかぜ)」 テラスやバルコニーに心地よい日陰をつくる
オーニング「彩風」は、光を屋外から効果的にコントロールし、室内の冷房費の軽減に貢献する環境配慮型商品です。外部からの日差しを遮ることにより、窓ガラスに何もつけない場合と比較して、夏の冷房費を約1/3まで節約できます。可動式のため、季節に合わせて日差しを取り入れることもできます。さらに「彩風」は、強風や雨天での使用にも耐えられるよう、雨除けとして十分な強度(※1)としています。シートの素材には業界初の熱線遮断アクアキャンバス(※2)をはじめ、豊富な素材・カラーバリエーションを用意しています。さらに住宅外壁への工事が不要な独立フレームタイプを用意し、設置対応の幅を広げています。
※1:使用条件
【雨天時】勾配20°以上、降水量50mm/h相当まで
【強風時】風速20m/sまで(彩風L型の一部のサイズは14m/sまで)
※2:遮熱材の効果で熱線を遮断、キャンバスの日陰をより涼しく保ち、さらに一般のキャンバスよりもフッ素コーティングを強化し、汚れがつきにくく、きれいを長くキープします。
彩風(あやかぜ) 公式サイト http://www.lixil.co.jp/lineup/gardenspace/ayakaze/
●住宅用シャッター「エアリス」 直射日光を遮りながら、心地よい風を採り入れる
新開発の“フラップスラット”により、外からの視線もカットしながら風を取り込めるので、くつろぎのひと時を、「安心×快適」にお過ごしいただけます。また、フラップスラットは、窓の外で直射日光を遮るため、遮熱効果にも優れています。
さらに、夏の夜にはシャッターを閉めたまま、自然の風で涼むことができるので、エアコンや扇風機の風が苦手な方におすすめです。夏場の冷房効率を高めて、エコな暮らしをサポートします。
エアリス 公式サイト http://www.lixil.co.jp/lineup/window/airlis/
※このレターは、LIXILホームページ(URL: http://www.lixil.co.jp/ )でも発表しています。
【この件に関するお問い合わせ先】
株式会社LIXIL( http://www.lixil.co.jp/ )
70歳以上の親と離れて暮らす
30代・40代の男女300人に聞く「熱中症調査」
約6割が離れて暮らす高齢の親の熱中症を心配
高齢者が室内熱中症で亡くなることを約8割が認知
室内熱中症のリスクが高いにもかかわらず、
高齢の親が熱中症対策をしていないと考えるのは約4割にも
今年は、7月初旬からすでに各地で猛暑日を記録しており、この後も厳しい夏になると予測されています。猛暑の夏は熱中症リスクが高まりますが、熱中症は65歳以上の高齢者に多く、死亡に至るケースも見られ、死亡者の約8割が65歳以上で、そのうちの約9割が住居内で亡くなっています(※1)。
住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:瀬戸欣哉)では、70歳以上の親と離れて暮らす30代・40代の男女300人を対象に、熱中症に対する認知度や親の熱中症対策についてアンケート調査を実施しました。また、特に高齢者の熱中症対策について詳しい、
昭和大学病院教授・救命救急センター長の三宅康史先生にアドバイスをいただきました。
(※1)出典=厚生労働省大臣官房統計情報部『平成27年我が国の人口動態 − 平成25年までの動向−』
「熱中症調査」調査結果サマリー
■約6割が離れて暮らす高齢の親の熱中症を心配
離れて暮らす親の健康は何かと心配なものです。70歳以上の親と離れて暮らす30代・40代の約6割(59.7%)が親の熱中症対策を「心配」し、そのうち1割は「とても心配」(9.7%)しています。
■「熱中症の高齢者は住宅内で亡くなることが多い」の認知率は8割にも
約8割(80.3%)が、「熱中症の高齢者は住宅で死亡するケースが多い」ことを認知しており、4人に3人は「年齢が高いほど熱中症の発症率も高くなる」(75.0%)ことも認知しています。
■離れて暮らす高齢の親の4割が熱中症対策をしていない?! 親の半数がいまだにクーラーを敬遠
自分の親は熱中症対策を「していないと思う」と約4割(42.0%)が考え、半数以上が「自分の親は夜寝るときにクーラーをつけたくないと思っている」(53.7%)、「自分の親は暑さを我慢できると思っている」(50.3%)と答えています。
調査方法:インターネット調査
対象エリア:全国
調査対象:70代以上の親と離れて暮らす30代・40代の男女300人(男女150人ずつ)
調査実施期間:2016年6月14日(火)〜6月15日(水)
調査実施機関:株式会社マクロミル
◆救急医学の専門医、三宅先生に聞く高齢者の熱中症対策◆
室内熱中症、多発エリアは「居間」と「寝室」。高齢者の居住環境を要チェック!
(1)生活者調査から紐解く、30代・40代が考える高齢の親の熱中症意識と対策
史上最強の猛暑が予測されている今年の夏。熱中症リスクが高い高齢者の熱中症対策について、70歳以上の親と離れて暮らす30代・40代の男女300人を対象に、アンケート調査を実施しました。
●認知率100%!「熱中症」は日本の夏の代表的な季節病
まず、熱中症の認知度を聞くと、全体の約8割が「症状など具体的なことまで知っている」(全体78.7%、男性77.3%、女性80.0%)と答えており、男女差はさほどありません。
また、残りの2割も、症状など具体的なことは知らないまでも「名前は聞いたことがある」(全体21.3%、男性22.7%、女性20.0%)と答えており、熱中症を知らない人はいませんでした[図1]。
熱中症は、今や日本の夏の代表的な季節病として、すっかり定着していると言えます。
●室内熱中症のハイリスクに関心が高く、特に65歳以上の高齢者が住宅内で死亡するケースが多い
ことの認知率は約8割にも! 約6割が離れて暮らす親の熱中症対策を心配している
熱中症について具体的に知っていることを聞くと、全体の8割が「特に65歳以上では住宅で死亡するケースも多い」(80.3%)ということを認識しており、室内における親の熱中症のリスクに対して、とても関心が高いことがわかりました[図2]。
親の熱中症対策が心配かどうか聞くと、全体の約6割が「心配」(とても心配+やや心配の合計値/全体59.7%、男性54.7%、女性64.7%)と答えています[図3]。
●高齢の親と離れて暮らす30代・40代が考える、親の熱中症対策
いまだに熱中症対策をしていないと思われる高齢の親が約4割、親の約半数はクーラーを敬遠
次に、自分と離れて暮らす70歳以上の親が、熱中症についてどう考えているかを聞いてみました。
まず、自分の親が何らかの熱中症対策をしているかと聞くと、約4割は「していないと思う」(42.0%)と答えています[図4]。
また、自分の親が熱中症に対してどう考えていると思うかを聞くと、「両親は、夜寝る時にクーラーをつけたくないと思っている」(53.7%)がトップで、「両親は、暑さを我慢できると思っている」(50.3%)、「両親は、熱中症対策には、クーラーがあれば十分だと思っている」(46.7%)、「両親は、熱中症対策には、窓をあければ(風通しをよくすれば)十分だと思っている」(41.3%)、「両親は、熱中症対策には、水を多く飲めば十分だと思っている」(40.0%)が上位にあげられました[図5]。離れて暮らす30代・40代からすると、高齢の親の熱中症対策は十分ではなく、不安に感じているようです。
●水分補給や運動・外出の制限だけではなく、高齢者に多い室内熱中症対策にも気を配りたい
親の熱中症に関して不安に思うことをあげてもらうと、「(親が)1人暮らしなので何かあったときに連絡が取れないかも知れないこと」(愛知県47歳男性)、「離れて住んでいるので、何かあったときに直ぐに駆け付けられない」(広島県45歳男性)など、離れているが故の不安が数多く寄せられました。また、「身体が強いと思っていてガマンをする」(和歌山県46歳女性)、「喉の渇きに鈍感になっている」(滋賀県49歳女性)、「水分補給が少ないから」(大阪府48歳男性)、「我慢してしまうタイプなのでクーラーをつけないかもしれません」(東京都36歳男性)などの意見も寄せられました。
離れて暮らす高齢の親に勧めたい熱中症対策を聞くと、「暑い日は無理に外出をしない」(96.7%)、「水を多く飲む」「暑い日は激しい運動をしない」(同率96.0%)、「クーラーの利用を我慢せず、うまく活用する」(95.3%)、「栄養のある食事をとる」(94.3%)の順となりました[図6]。
高齢者は室内熱中症のリスクが高いことから、積極的な水分摂取、外出・運動の抑制に加えて、クーラーをうまく活用したり、日差しを遮る、風通しを良くするなど、窓周りのひと工夫で室内に熱を取り込まないように整えることも重要です。
(2)救急医学の専門医、三宅先生に聞く高齢者の熱中症対策
高齢の親と離れて暮らす30代・40代の約6割が親の熱中症を心配しています。昭和大学病院救命救急センター長であり、日本救急医学会の熱中症に関する委員会前委員長でもある三宅康史先生に、高齢者の熱中症対策についてお話を伺いました。
●高齢者が熱中症になりやすい理由 体の水分が少なく、暑さを感じにくくなっているから
高齢者が熱中症になりやすいのは、(1)持病を持っている人が多いことに加えて、体の水分量が少なくなっているので、体温が変動しやすくなっていること、(2)汗をかく能力が低下し汗をかきにくくなっているので、体温が下がりにくいこと、(3)喉の渇きを感じにくくなっているので、水分補給が滞り脱水しやすいことなどがあげられます。さらに、高齢になると「基礎代謝が落ちる=燃えにくい体」になっているので、暑さを不快と感じず厚着をしがちなことも、熱中症になりやすい理由として考えられます。
●熱中症の予防はまずは水分摂取 こまめな水分補給とバランスの取れた食事習慣を
熱中症を予防するためには、水分をこまめに補給することが大切です。一度に大量に飲んでもおしっことして出るだけなので、こまめに少しずつ水分補給します。部屋を出たり入ったりする度に飲むなど、習慣化することをおすすめします。食事は栄養を摂るだけでなく、水分や塩分を摂る観点からも大切です。食事の6割は水分と言われており、1日3回、バランスのよい食事を食べることが熱中症の予防にもつながります。
●高齢者に多い室内熱中症 高齢者が生活する「居間」と「寝室」の環境を要チェック
水分補給だけでなく、高齢者が暮らす室内環境の改善も重要です。高齢者が熱中症で発見されるのは、居間と寝室が最も多くなっています。なぜかといえば、居間や寝室で過ごす時間が最も多いからです。高齢者のお宅に行くと、夏でも長袖で部屋にはこたつがあり、エアコンをつけると暖房になっていることがあります。
離れて暮らしていると気づかないかもしれませんが、高齢者がどんな室内環境で暮らしているのかを確認することはとても大切です。そのために、まず高齢者がふだん過ごしている居間や寝室に、高齢者にも見やすい温度計・湿度計を設置し、今の温度や湿度を体感ではなく数字として認識してもらい、熱中症予防に役立てましょう。気温が最も高くなるお昼頃や就寝前に定期的に電話を入れて、室温を見てもらい冷房を入れるよう促すことも有効です。
●普段過ごす室内をどう涼しくするかが肝心。防犯面も考えて風を取り込むひと工夫で夏も元気に
猛暑日や熱帯夜が続く梅雨明けからお盆ぐらいまでの数週間が、熱中症のリスクが最も高くなる時期です。昔ながらの日本家屋であれば、昼間は暑くても夜は風が吹き抜けて過ごしやすいのですが、夜間も気温が高いままの都心部では、防犯の面から窓を開けて寝ることができないため、室内の気温も湿度もどんどん上昇し、熱中症のリスクが一段と高くなります。室内熱中症を回避するには、高齢者が主に生活している居間と寝室の温度を上げないことが肝心です。暑くならなければ熱中症にはなりません。室温を暑くしない、どう涼しくするか、防犯面のことも考えつつ、安全に外の風を取り込み、室内を涼しくする工夫が必要です。高齢者の熱中症対策として、長く過ごす部屋の環境を整えることを考えてみてはいかがでしょうか。
三宅康史(みやけ・やすふみ)先生
昭和大学医学部救急医学教授 昭和大学病院救命救急センター長
1985年、東京医科歯科大学医学部卒業。専門は救急医学。日本救急医学会評議員・専門医・指導医、「熱中症に関する委員会」前委員長。著書に『熱中症Review―Q&Aでわかる熱中症のすべて』『ICUハンドブック』(中外医学社)など。
(3)データで見る、2016年夏予報と熱中症リスク
観測史上最強の猛暑と予想され、熱中症リスクの高さも危惧される今年の夏。現時点で予測されている2016年の夏の天気と熱中症についてご紹介します。
■2016年の夏は全国的に猛暑予報
気象庁は、「8月の気温は、東日本は平年並みか高く、西日本は高い。夏の後半から暑い日が多くなる見込み」と発表しています。今年は、春にエルニーニョ現象が終息し、夏にラニーニャ現象が発生し、観測史上最も暑かった2010(平成22)年と海や大気の状況が似ていることから、猛暑になる可能性が高いと言われています。気象庁によると、ラニーニャ現象は早ければ7月ごろに発生すると予測されており、ラニーニャ現象が起こると、太平洋高気圧がいつもの年よりも北側に張り出し日本列島を覆うため、晴れの日が多くなり気温も高くなります。
また、今年4月の世界の気温と海水温が観測史上最高を記録したというアメリカ航空宇宙局(NASA)の発表を受け、ゴダード宇宙科学研究所(GISS)のギャビン・シュミット(Gavin A. Schmidt)氏は「このまま推移すれば、99%の確率で2016年は観測史上最も暑い年になるだろう。」とコメントしています。
■猛暑の夏、熱中症に要注意。熱中症リスクが特に高い高齢者。屋外だけでなく室内の熱中症にも注意
猛暑の夏に心配されるのが熱中症です。熱中症は、気温の高い環境で生じる健康障害の総称で、体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、体温上昇、めまい、倦怠感、けいれんや意識障害などの症状が起こります。
厚生労働省の「熱中症による死亡数の年次推移」を見ると、今年の夏と似ている2010年の熱中症による死亡者は1,731人にものぼっています。65歳以上の高齢者は増加傾向を示し、2014(平成26)年は全体の8割(80.9%)を占め、高齢者の熱中症リスクが高まっていることがわかります[図7]。
出典=厚生労働省大臣官房統計情報部『年齢(5歳階級)別にみた熱中症による死亡数の年次推移(平成7年〜26年)−平成27年人口動態統計(確定数)』より
また、熱中症による死亡を発生場所別に見ると、発生場所不詳を除いた全体の84.0%が「住居」で発生しています。いずれの年代も居住内での発生が多くなっていますが、高齢者ではその割合がさらに高く、65〜79歳では87.2%、80歳以上では86.3%が住居内での熱中症により亡くなっています[図8]。高齢者は持病や老衰により合併症を引き起こして熱中症になり、住居内で死亡するケースが多くみられます。
出典=厚生労働省大臣官房統計情報部『平成27年我が国の人口動態 − 平成25年までの動向−』より
<LIXIL参考資料>
■LIXILの夏を快適に過ごす窓辺のリフォーム商品
高齢者は室内熱中症のリスクが高いにもかかわらず、冷房を我慢しがちです。(社)日本建材・住宅設備産業協会によると、室内に入ってくる熱の73%は窓や玄関などの開口部からです。窓からの熱の侵入を防ぐことが、室内を暑くしない有効な手立てのひとつです。
●外付けスクリーン「スタイルシェード」 現代版の“すだれ”“よしず”で、窓辺をすっきりスマートに
「スタイルシェード」は、現代版の“すだれ”や“よしず”とも言える外付スクリーンです。太陽の熱を窓の外側で効果的に遮るため、窓から入る太陽の熱を約83%も遮ることができます。生地には耐候性に優れたLIXILオリジナルの糸を採用し、汚れた場合でも網戸と同じようにお手入れができるうえ、生地のみの交換も可能です。また、新たに開発した取付け方式「アナノン」により、窓のフレームや、壁に穴をあけずに約10分という短時間で取り付けることができます。窓の縦枠形状や外壁の厚さが対応可能範囲であれば、どのメーカーの窓でも挟み込み式の金具で取り付けることができます。「アナノン」に対応しない場合でも、約30分で設置可能です。
スタイルシェード 公式サイト http://www.lixil.co.jp/lineup/window/styleshade/
●オーニング「彩風(あやかぜ)」 テラスやバルコニーに心地よい日陰をつくる
オーニング「彩風」は、光を屋外から効果的にコントロールし、室内の冷房費の軽減に貢献する環境配慮型商品です。外部からの日差しを遮ることにより、窓ガラスに何もつけない場合と比較して、夏の冷房費を約1/3まで節約できます。可動式のため、季節に合わせて日差しを取り入れることもできます。さらに「彩風」は、強風や雨天での使用にも耐えられるよう、雨除けとして十分な強度(※1)としています。シートの素材には業界初の熱線遮断アクアキャンバス(※2)をはじめ、豊富な素材・カラーバリエーションを用意しています。さらに住宅外壁への工事が不要な独立フレームタイプを用意し、設置対応の幅を広げています。
※1:使用条件
【雨天時】勾配20°以上、降水量50mm/h相当まで
【強風時】風速20m/sまで(彩風L型の一部のサイズは14m/sまで)
※2:遮熱材の効果で熱線を遮断、キャンバスの日陰をより涼しく保ち、さらに一般のキャンバスよりもフッ素コーティングを強化し、汚れがつきにくく、きれいを長くキープします。
彩風(あやかぜ) 公式サイト http://www.lixil.co.jp/lineup/gardenspace/ayakaze/
●住宅用シャッター「エアリス」 直射日光を遮りながら、心地よい風を採り入れる
新開発の“フラップスラット”により、外からの視線もカットしながら風を取り込めるので、くつろぎのひと時を、「安心×快適」にお過ごしいただけます。また、フラップスラットは、窓の外で直射日光を遮るため、遮熱効果にも優れています。
さらに、夏の夜にはシャッターを閉めたまま、自然の風で涼むことができるので、エアコンや扇風機の風が苦手な方におすすめです。夏場の冷房効率を高めて、エコな暮らしをサポートします。
エアリス 公式サイト http://www.lixil.co.jp/lineup/window/airlis/
※このレターは、LIXILホームページ(URL: http://www.lixil.co.jp/ )でも発表しています。
【この件に関するお問い合わせ先】
株式会社LIXIL( http://www.lixil.co.jp/ )