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抗悪性腫瘍剤LONSURF(R)を 英国国立医療技術評価機構が 転移性の結腸・直腸がん治療薬として使用を推奨

2016年8月30日

大鵬薬品工業株式会社

抗悪性腫瘍剤LONSURF(R)
英国国立医療技術評価機構が
転移性の結腸・直腸がん治療薬として推奨

【提携先のセルヴィエ社を通じて英国での販売を開始】

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、代表取締役社長:小林 将之)は、当社が創製・開発し、ライセンス契約のもと、セルヴィエ社(フランス、シュレーヌ)に欧州・その他地域(北米・日本/アジアを除く)での開発および商業化の権利を許諾している新規の経口ヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤「LONSURF(R)」(日本での製品名:「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」、開発コード:TAS-102、一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩、以下「本剤」)について、英国国立医療技術評価機構(NICE*)が、英国国民健康保険(NHS**)での使用を推奨するとの最終ガイダンスを発表しましたので、お知らせします。
*: National Institute for Health and Care Excellence
**: National Health Service

本剤の適応症は「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法や抗VEGF抗体療法、および抗EGFR抗体療法を含む既存治療の施行後、またはこれらの治療法が適応とならない、転移性の成人の結腸・直腸癌」です(1)。NICEによる推奨内容の全文はこちらのURLからご覧になれます。: https://www.nice.org.uk/guidance/ta405
英国での販売はセルヴィエ社の現地子会社であるセルヴィエUKが行います。

本剤は本年4月に欧州委員会(European Commission: EC)より承認を取得した後、欧州各国での発売に向けて現在手続きが進められております。

大鵬薬品は、セルヴィエ社とのパートナーシップを通じて、本剤が結腸・直腸がん治療の新たな選択肢として世界の患者さんと医療従事者に貢献する薬剤になることを期待しています。


【遠隔転移を有する結腸・直腸がんについて】
結腸・直腸がんは、英国(2)および欧州(3)において2番目に死亡数の多いがんとされています。2012年には欧州で21万5,000人が結腸・直腸がんで死亡し(3)、うち16,200人が英国の患者さんです(3)。英国においては新規の結腸・直腸がん患者が2013年に約41,100人報告されています(2)。結腸・直腸がんは英国で4番目に患者数の多いがんであり(2013年)、男性の14人中1人、女性の19人中1人が生涯のうちに結腸・直腸がんの診断を受けるとされています(2)。
結腸・直腸がん患者の約25%において初回診断時に遠隔転移が確認され、約50%が遠隔転移を起こすとされています(3)。早期のステージの段階で診断された場合は、10人中9人以上が5年以上生存しますが、末期のステージで診断された場合は、5年以上生存するのは10人中1人以下とされています(2)。


【LONSURF(ロンサーフ)について】
本剤は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合することにより薬剤の効果を維持できるよう設計した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤で、フルオロピリミジンとは異なる作用機序を有しています(4、5、6)。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されています(4、5、6)。TPI はFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼ(TP)を阻害し、FTDの血中濃度を維持します(4、6)。
本剤は、日本では「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の適応症で大鵬薬品が販売、米国では「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法や抗VEGF抗体療法、およびRAS野生型の場合は抗EGFR抗体療法の治療歴があり、遠隔転移を有する結腸・直腸癌」の適応症で、大鵬薬品の米国子会社である大鵬オンコロジー社が販売しています(7、8、9)。
2015年6月、大鵬薬品とセルヴィエ社は本剤の開発および商業化に関するライセンス契約を締結しました。本契約に基づき、セルヴィエ社は欧州・その他地域(北米・日本/アジアを除く)において、本剤の開発と商業化を進めています。大鵬薬品は本剤を製造・供給し、北米・日本/アジアで本剤の開発と商業化を進めています。

【セルヴィエ社について】
セルヴィエ社は、フランスに本社を置く研究開発型の非上場製薬会社です。世界148カ国で積極的に事業を展開しており、セルヴィエ社の医薬品の92%がフランス国外で処方されています。従業員数は21,200名を超えています。2015年の売上高は約39億ユーロで、うち25%が研究開発に投資されました。
現在、乳がん、肺がん、その他固形がん、種々のリンパ腫、白血病等を対象にした9つの新規化合物の開発を世界中の複数のパートナーとともに進めており、これらの革新的ながん治療薬は、細胞毒性や、プロアポトーシス、分子標的、免疫・細胞治療といった、がんの様々な異なる治療法をカバーしています。

(1) NICE TA405. Available at: https://www.nice.org.uk/guidance/TA405 Accessed August 2016
(2) Cancer Research UK. Bowel Cancer Statistics. Available at: http://www.cancerresearchuk.org/health-professional/cancer-statistics/statistics-by-cancer-type/bowel-cancer Accessed August 2016
(3) Van Cutsem E, et al Annals of Oncology (2014) 25 (suppl 3): iii1‐iii9.
(4) Lonsurf SPC available at http://www.medicines.org.uk/emc/medicine/32207 Accessed August 2016
(5) Emura T et al. International Journal of Molecular Medicine 2004;13:545‐49.
(6) Lenz HJ, et al. Cancer Treatment Reviews. 2015. 41:777‐783
(7) FDA News Release. 22 September 2015. Available at: http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm463650.htm Accessed August 2016
(8) Taiho Pharma Press Release 24 March 2014. Available at: http://www.taiho.co.jp/corporation/news/2014/20140324.html
(9) Taiho Pharma Press Release 20 March 2015. Available at: http://www.taiho.co.jp/corporation/news/2015/20150320.html
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