ものづくりシンポジウム「中小企業の連携が生み出す新たな市場・鋳物シンジケートの取り組み」を開催
[17/03/03]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2017年3月3日
国立大学法人 室蘭工業大学
「ものづくりシンポジウム」ものづくり産業の新しい試み『鋳物シンジケート』
「提案型企業」「下請け体質脱却」のための連携を
国立大学法人室蘭工業大学は、経済産業省北海道経済産業局と共催で、2月23日(木)、「ものづくりシンポジウム・中小企業の連携が生み出す新たな市場-鋳物シンジケートの取り組み-」を開催いたしました。
「鋳物シンジケート」とは、高い技術を持つ中小の鋳物企業を室蘭工業大学が主導、鋳物生産のネットワークを形成して、大手企業から高付加価値製品である耐熱耐摩耗部品の受注を目指すというもので、シンジケートが受注窓口になり、大学は研究開発を支援、製品の評価などの品質管理を大学発で立ち上げる予定のベンチャー企業が担う、全国でも珍しい試みです。
「中小企業のさまざまな課題を国立大学が支援」
今回のシンポジウムでは、墨田区の町工場で「ガレージスミダ」など、ものづくり産業を応援する仕組み作りに積極的な(株)浜野製作所・浜野慶一社長と、シンジケートを支援する経済産業省製造産業局の蘆田和也・素形材室長が講演、また今回のプロジェクトを主導する、室蘭工業大学・清水一道教授が概要を説明しました。
浜野社長は、量産製品から少量多品種生産に転換、深海探査ロボット「江戸っ子1号」など、さまざまなプロジェクトを通じて自身と社員の技術力を高め、現在では「ガレージスミダ」で日本の大学発ベンチャー企業を支援している模様を語りました。
経済産業省・蘆田局長は、国際競争力が落ちている日本の素形材産業の将来について、取引慣行の改善による収益性の確保、3D造形などの新しい技術の活用、業界の多様な取り組みへの支援の3つの視点が重要であることを強調しました。
続いて室蘭工業大学・清水教授から、中小企業は自社で生産する商品の価値を評価や新製品を開発する技術、販路拡大への取り組みや大量生産に対応困難であるという課題を提示、大学がこれらを支援する役割を担うべきであると提唱し、シンジケート参加企業が企業力を身につけた企業へ転換していくことがプロジェクトの狙いであると説明、人材確保と技術者の育成の重要性を訴えたほか、全国で行われている、さまざまな取り組みを結び、点を線とするビジネスモデルの構築を提唱しました。
今後のスケジュールとしては、北海道の鋳造企業を中心にオールジャパン体制において、今年の秋に全国的な組合の結成が予定されているほか、プロジェクトの大きな目玉として、製品を検品するためのX線CTスキャナーの導入を経済産業省の支援で行うことを挙げました。鋳造製品の不良をX線CTによりスキャンしPC上で解析することにより、欠陥の見える化が可能となり、納入される製品の信頼性が飛躍的に高まるとのことです。X線CTスキャナーは、大学で立ち上げ予定のベンチャー企業で運用する予定です。
「素形材産業の連携と人材確保の取り組みを」
講演した3人に加えて、一般社団法人日本鋳造協会から伊藤光男会長、北海道の鋳物企業で、鋳物ビジョン策定委員会の委員長を務める、佐藤鋳工(株)・佐藤孝造社長が加わり、パネルディスカッションが行われました。
鋳造業界を代表して、伊藤会長と佐藤社長から、国際競争力が落ち最盛期から企業が激減している状況や、収益性の低さから事業承継が難しい業界の実態の報告がありました。ただし、鋳物産業自体の重要性は落ちておらず、業界として中核リーダー企業を中心とした鋳物生産体制の将来像の策定や、「鋳物カレッジ」などの人材育成に力を注いでいる現状を説明しました。
国際競争力のある、高付加価値の製品を生み出す技術力を磨くためにも、素形材産業の横の連携が必要だという意見が相次ぎ、鋳物シンジケートには、将来のものづくり大国・日本の復活のきっかけになり得る、大きな可能性があることが指摘されました。
また、会場からはものづくり産業や工学系大学の人材確保の面からも、小学生や中学生など進路の決まっていない早いうちにものづくり体験など取り組みが重要で、室蘭工業大学が行っている体験プログラムを評価する声が挙がっていたほか、鋳物業界の関係者から今回のプロジェクトに対しての熱い期待が寄せられていました。
≪実施概要≫
「ものづくりシンポジウム−中小企業の連携が生み出す新たな市場−鋳物シンジケートの取り組み」
【開催日・場所】 2月23日(木) 14:00〜17:40 JRタワーホテル日航札幌
【講演I】 「下町工場の新しいモノづくりへの挑戦」 (株)浜野製作所 代表取締役 浜野慶一氏
【講演II】 「素形材産業を巡る現状と課題」 経済産業省 製造産業局 素形材産業室長 蘆田和也氏
【プロジェクト紹介】 「鋳物シンジケートの取り組みについて」 室蘭工業大学 もの創造系領域 機械航空創造系学科 教授 清水一道氏
【パネルディスカッション】 ●パネラー 経済産業省 製造産業局 素形材産業室長 蘆田和也氏・一般社団法人 日本鋳造協会会長 伊藤光男氏・株式会社浜野製作所 代表取締役 浜野 慶一氏・佐藤鋳工株式会社 代表取締役社長 佐藤孝造氏
●ファシリテーター 室蘭工業大学もの創造系領域 機械航空創造系学科 教授 清水一道氏
国立大学法人 室蘭工業大学
「ものづくりシンポジウム」ものづくり産業の新しい試み『鋳物シンジケート』
「提案型企業」「下請け体質脱却」のための連携を
国立大学法人室蘭工業大学は、経済産業省北海道経済産業局と共催で、2月23日(木)、「ものづくりシンポジウム・中小企業の連携が生み出す新たな市場-鋳物シンジケートの取り組み-」を開催いたしました。
「鋳物シンジケート」とは、高い技術を持つ中小の鋳物企業を室蘭工業大学が主導、鋳物生産のネットワークを形成して、大手企業から高付加価値製品である耐熱耐摩耗部品の受注を目指すというもので、シンジケートが受注窓口になり、大学は研究開発を支援、製品の評価などの品質管理を大学発で立ち上げる予定のベンチャー企業が担う、全国でも珍しい試みです。
「中小企業のさまざまな課題を国立大学が支援」
今回のシンポジウムでは、墨田区の町工場で「ガレージスミダ」など、ものづくり産業を応援する仕組み作りに積極的な(株)浜野製作所・浜野慶一社長と、シンジケートを支援する経済産業省製造産業局の蘆田和也・素形材室長が講演、また今回のプロジェクトを主導する、室蘭工業大学・清水一道教授が概要を説明しました。
浜野社長は、量産製品から少量多品種生産に転換、深海探査ロボット「江戸っ子1号」など、さまざまなプロジェクトを通じて自身と社員の技術力を高め、現在では「ガレージスミダ」で日本の大学発ベンチャー企業を支援している模様を語りました。
経済産業省・蘆田局長は、国際競争力が落ちている日本の素形材産業の将来について、取引慣行の改善による収益性の確保、3D造形などの新しい技術の活用、業界の多様な取り組みへの支援の3つの視点が重要であることを強調しました。
続いて室蘭工業大学・清水教授から、中小企業は自社で生産する商品の価値を評価や新製品を開発する技術、販路拡大への取り組みや大量生産に対応困難であるという課題を提示、大学がこれらを支援する役割を担うべきであると提唱し、シンジケート参加企業が企業力を身につけた企業へ転換していくことがプロジェクトの狙いであると説明、人材確保と技術者の育成の重要性を訴えたほか、全国で行われている、さまざまな取り組みを結び、点を線とするビジネスモデルの構築を提唱しました。
今後のスケジュールとしては、北海道の鋳造企業を中心にオールジャパン体制において、今年の秋に全国的な組合の結成が予定されているほか、プロジェクトの大きな目玉として、製品を検品するためのX線CTスキャナーの導入を経済産業省の支援で行うことを挙げました。鋳造製品の不良をX線CTによりスキャンしPC上で解析することにより、欠陥の見える化が可能となり、納入される製品の信頼性が飛躍的に高まるとのことです。X線CTスキャナーは、大学で立ち上げ予定のベンチャー企業で運用する予定です。
「素形材産業の連携と人材確保の取り組みを」
講演した3人に加えて、一般社団法人日本鋳造協会から伊藤光男会長、北海道の鋳物企業で、鋳物ビジョン策定委員会の委員長を務める、佐藤鋳工(株)・佐藤孝造社長が加わり、パネルディスカッションが行われました。
鋳造業界を代表して、伊藤会長と佐藤社長から、国際競争力が落ち最盛期から企業が激減している状況や、収益性の低さから事業承継が難しい業界の実態の報告がありました。ただし、鋳物産業自体の重要性は落ちておらず、業界として中核リーダー企業を中心とした鋳物生産体制の将来像の策定や、「鋳物カレッジ」などの人材育成に力を注いでいる現状を説明しました。
国際競争力のある、高付加価値の製品を生み出す技術力を磨くためにも、素形材産業の横の連携が必要だという意見が相次ぎ、鋳物シンジケートには、将来のものづくり大国・日本の復活のきっかけになり得る、大きな可能性があることが指摘されました。
また、会場からはものづくり産業や工学系大学の人材確保の面からも、小学生や中学生など進路の決まっていない早いうちにものづくり体験など取り組みが重要で、室蘭工業大学が行っている体験プログラムを評価する声が挙がっていたほか、鋳物業界の関係者から今回のプロジェクトに対しての熱い期待が寄せられていました。
≪実施概要≫
「ものづくりシンポジウム−中小企業の連携が生み出す新たな市場−鋳物シンジケートの取り組み」
【開催日・場所】 2月23日(木) 14:00〜17:40 JRタワーホテル日航札幌
【講演I】 「下町工場の新しいモノづくりへの挑戦」 (株)浜野製作所 代表取締役 浜野慶一氏
【講演II】 「素形材産業を巡る現状と課題」 経済産業省 製造産業局 素形材産業室長 蘆田和也氏
【プロジェクト紹介】 「鋳物シンジケートの取り組みについて」 室蘭工業大学 もの創造系領域 機械航空創造系学科 教授 清水一道氏
【パネルディスカッション】 ●パネラー 経済産業省 製造産業局 素形材産業室長 蘆田和也氏・一般社団法人 日本鋳造協会会長 伊藤光男氏・株式会社浜野製作所 代表取締役 浜野 慶一氏・佐藤鋳工株式会社 代表取締役社長 佐藤孝造氏
●ファシリテーター 室蘭工業大学もの創造系領域 機械航空創造系学科 教授 清水一道氏