非定型抗精神病薬ルラシドンの双極I型障害うつを対象にしたフェーズ3試験の解析結果速報について
[17/06/09]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2017年6月9日
大日本住友製薬株式会社
非定型抗精神病薬ルラシドンの双極I型障害うつを対象にしたフェーズ3試験の解析結果速報について
大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、非定型抗精神病薬「ルラシドン塩酸塩」(一般名、以下、「ルラシドン」)の双極I型障害うつに対する日本での承認取得を目的としたフェーズ3試験(以下、「本試験」)において、ルラシドン 20〜60 mg/日投与群が主要評価項目を達成したという解析結果の速報を得ましたので、お知らせします。
本試験は、双極I型障害うつの患者525名を対象とした多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検比較試験であり、ルラシドン 20〜60 mg/日投与群(184名)、ルラシドン 80〜120 mg/日投与群(169名)、プラセボ投与群(172名)に分け、ルラシドンを6週間、漸増漸減投与したときの有効性および安全性を検討しました。
本試験の結果、主要評価項目である投与6週間後のMADRS(Montgomery-Asberg Depression Rating Scale)※1合計スコアのベースラインからの変化量において、主要な解析対象集団(ITT: Intention-to-Treat)522例では、ルラシドン 20〜60 mg/日投与群はプラセボ投与群に対し、統計学的に有意な改善【ルラシドン 20〜60 mg/日投与群:-13.6、プラセボ投与群:-10.6(調整済みP値:0.007)】を示しました。ルラシドン 80〜120 mg/日投与群(-12.6)は、プラセボ投与群に対し改善を示しましたが、統計学的に有意ではありませんでした(調整済みP値:0.057)。
本試験におけるルラシドン投与群での最も多く見られた有害事象は、ルラシドンのこれまでの臨床試験と一致し、体重や代謝パラメーターへの影響も限定的であり、忍容性に大きな問題は認められませんでした。有害事象の発現割合は、20〜60 mg/日投与群:53.3%、80〜120 mg/日投与群:59.2%、プラセボ投与群:45.9%でした。重篤な有害事象の発現割合は投与群間で大きな違いはありませんでした。
当社は、本試験の結果と、現在実施中の統合失調症および双極性障害メンテナンスを対象とした各フェーズ3試験の結果に基づき、2019年度に日本においてルラシドンの製造販売承認申請を行う予定です。
※1 MADRS:患者のうつ症状の重症度を評価する尺度のこと。外見に表出される悲しみ、言葉で表現された悲しみ、内的緊張、睡眠減少、食欲減退、集中困難、制止、感情を持てないこと、悲観的思考、自殺思考の10 項目から成り、項目ごとに0〜6(高いほど重症)の範囲で評価されます。
以 上
(ご参考)
【ルラシドンについて】
ルラシドンは、当社が創製した独自な化学構造を有する非定型抗精神病薬であり、ドパミンD2、セロトニン5-HT2A、セロトニン5-HT7 受容体に親和性を示し、アンタゴニストとして作用します。セロトニン5-HT1A 受容体にはパーシャルアゴニストとして作用します。また、ヒスタミンH1およびムスカリンM1受容体に対してはほとんど親和性を示しません。
ルラシドンは、統合失調症治療剤として、2010年に米国、2012年にカナダ、2013年にスイス、2014年に欧州およびオーストラリア、2016年に台湾、ロシアおよびシンガポールで承認されています。また双極I型障害うつに対する適応追加の承認を、米国では2013年に、カナダでは2014年に取得しています。当社は、日本においては統合失調症および双極性障害メンテナンスに対する承認取得を目指しフェーズ3試験を実施中であり、中国においては統合失調症を予定適応症とした新薬承認申請中です。
【双極I型障害について】
双極性障害のうち、躁状態または混合状態が少なくとも1回認められるものは双極I型障害と診断されます。双極性障害の多くの患者さんは、躁症状よりもうつ症状を呈する傾向があります。双極I型障害うつは、双極性障害の患者さんがうつ症状を呈している状態です。双極I型障害うつの主な症状として、抑うつ、活動への関心および喜びの欠如、著しい体重減少、不眠、倦怠感、無価値観、集中力の低下、繰り返す自殺企図が報告されています。
【双極I型障害のうつ症状を対象にしたフェーズ3試験について】
本試験は、日本、アジアおよび欧州の一部で実施された多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検比較試験であり、DSM-IV-TR基準※2に基づき双極I型障害うつと診断された患者において、プラセボに対するルラシドン 20〜60 mg/日投与群、ルラシドン 80〜120 mg/日投与群の6週間投与の有効性および安全性を検討したものです。合計525名の患者が、ルラシドン 20〜60 mg/日投与群184名、ルラシドン 80〜120 mg/日投与群169名、プラセボ投与群172名に割り付けられました。主要評価項目は、投与6週間後のMADRS合計スコアのベースラインからの変化量でした。
※2 DSM-IV-TR:米国の精神医学会によって定義されている精神疾患の分類と診断のマニュアルと基準のことです。
以 上
大日本住友製薬株式会社
非定型抗精神病薬ルラシドンの双極I型障害うつを対象にしたフェーズ3試験の解析結果速報について
大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)は、非定型抗精神病薬「ルラシドン塩酸塩」(一般名、以下、「ルラシドン」)の双極I型障害うつに対する日本での承認取得を目的としたフェーズ3試験(以下、「本試験」)において、ルラシドン 20〜60 mg/日投与群が主要評価項目を達成したという解析結果の速報を得ましたので、お知らせします。
本試験は、双極I型障害うつの患者525名を対象とした多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検比較試験であり、ルラシドン 20〜60 mg/日投与群(184名)、ルラシドン 80〜120 mg/日投与群(169名)、プラセボ投与群(172名)に分け、ルラシドンを6週間、漸増漸減投与したときの有効性および安全性を検討しました。
本試験の結果、主要評価項目である投与6週間後のMADRS(Montgomery-Asberg Depression Rating Scale)※1合計スコアのベースラインからの変化量において、主要な解析対象集団(ITT: Intention-to-Treat)522例では、ルラシドン 20〜60 mg/日投与群はプラセボ投与群に対し、統計学的に有意な改善【ルラシドン 20〜60 mg/日投与群:-13.6、プラセボ投与群:-10.6(調整済みP値:0.007)】を示しました。ルラシドン 80〜120 mg/日投与群(-12.6)は、プラセボ投与群に対し改善を示しましたが、統計学的に有意ではありませんでした(調整済みP値:0.057)。
本試験におけるルラシドン投与群での最も多く見られた有害事象は、ルラシドンのこれまでの臨床試験と一致し、体重や代謝パラメーターへの影響も限定的であり、忍容性に大きな問題は認められませんでした。有害事象の発現割合は、20〜60 mg/日投与群:53.3%、80〜120 mg/日投与群:59.2%、プラセボ投与群:45.9%でした。重篤な有害事象の発現割合は投与群間で大きな違いはありませんでした。
当社は、本試験の結果と、現在実施中の統合失調症および双極性障害メンテナンスを対象とした各フェーズ3試験の結果に基づき、2019年度に日本においてルラシドンの製造販売承認申請を行う予定です。
※1 MADRS:患者のうつ症状の重症度を評価する尺度のこと。外見に表出される悲しみ、言葉で表現された悲しみ、内的緊張、睡眠減少、食欲減退、集中困難、制止、感情を持てないこと、悲観的思考、自殺思考の10 項目から成り、項目ごとに0〜6(高いほど重症)の範囲で評価されます。
以 上
(ご参考)
【ルラシドンについて】
ルラシドンは、当社が創製した独自な化学構造を有する非定型抗精神病薬であり、ドパミンD2、セロトニン5-HT2A、セロトニン5-HT7 受容体に親和性を示し、アンタゴニストとして作用します。セロトニン5-HT1A 受容体にはパーシャルアゴニストとして作用します。また、ヒスタミンH1およびムスカリンM1受容体に対してはほとんど親和性を示しません。
ルラシドンは、統合失調症治療剤として、2010年に米国、2012年にカナダ、2013年にスイス、2014年に欧州およびオーストラリア、2016年に台湾、ロシアおよびシンガポールで承認されています。また双極I型障害うつに対する適応追加の承認を、米国では2013年に、カナダでは2014年に取得しています。当社は、日本においては統合失調症および双極性障害メンテナンスに対する承認取得を目指しフェーズ3試験を実施中であり、中国においては統合失調症を予定適応症とした新薬承認申請中です。
【双極I型障害について】
双極性障害のうち、躁状態または混合状態が少なくとも1回認められるものは双極I型障害と診断されます。双極性障害の多くの患者さんは、躁症状よりもうつ症状を呈する傾向があります。双極I型障害うつは、双極性障害の患者さんがうつ症状を呈している状態です。双極I型障害うつの主な症状として、抑うつ、活動への関心および喜びの欠如、著しい体重減少、不眠、倦怠感、無価値観、集中力の低下、繰り返す自殺企図が報告されています。
【双極I型障害のうつ症状を対象にしたフェーズ3試験について】
本試験は、日本、アジアおよび欧州の一部で実施された多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検比較試験であり、DSM-IV-TR基準※2に基づき双極I型障害うつと診断された患者において、プラセボに対するルラシドン 20〜60 mg/日投与群、ルラシドン 80〜120 mg/日投与群の6週間投与の有効性および安全性を検討したものです。合計525名の患者が、ルラシドン 20〜60 mg/日投与群184名、ルラシドン 80〜120 mg/日投与群169名、プラセボ投与群172名に割り付けられました。主要評価項目は、投与6週間後のMADRS合計スコアのベースラインからの変化量でした。
※2 DSM-IV-TR:米国の精神医学会によって定義されている精神疾患の分類と診断のマニュアルと基準のことです。
以 上