dasotralineの成人の過食性障害を対象とした良好なフェーズ3試験結果の速報について
[18/07/26]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2018年7月26日
大日本住友製薬株式会社
ドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤 dasotralineの成人の過食性障害(BED)を対象とした良好なフェーズ3試験結果の速報について
大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)は、米国において開発中のドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(DNRI) dasotraline(一般名、以下「本剤」)について、18歳から55歳の中等症から重症の過食性障害(BED)患者を対象とした2本目のピボタル試験であるフェーズ3試験(SEP360-321試験、以下「本試験」)において、良好な試験結果を得たことについて、2018年7月25日(米国東部時間)に速報として発表しましたので、お知らせします。
本試験の主要評価項目は、投与12週間後における過食日数のベースラインからの変化量であり、過食日数は過食エピソードが1回でも生じた週あたりの日数と定義しました。本剤6mg/日投与群は、プラセボ投与群と比較し、主要評価項目において統計学的に有意な改善を示しました。なお、本剤4mg/日投与群は有意な改善を示しませんでした。
また、BEDの臨床全般印象評価尺度−重症度(BE-CGI-S:Binge Eating Clinical Global Impression-Severity)スコアおよびYale-Brown Obsessive Compulsive Scale Modified for Binge Eating(Y-BOCS-BE)※合計スコアの評価において、本剤4mg/日および6mg/日投与群は、プラセボ投与群と比較して統計学的に有意な改善を示しました(注:多重性の調整をしていない補助的な解析結果)。
本剤の両用量投与群は、概して良好な忍容性を示し、有害事象による治験中止率は、1.2% (プラセボ投与群)、8.6% (4mg/日投与群)、14.1% (6mg/日投与群)でした。本剤投与群において観察された主な有害事象(10%以上)は、不眠、口渇、頭痛、食欲減退、悪心および不安であり、これまでに実施された本剤の臨床試験結果と一致していました。
Lindner Center of HOPE(リンドナー・センター・オブ・ホープ)のChief Research Officerであり、University of Cincinnati College of Medicine(シンシナティ大学医学部)のPsychiatry and Behavioral Neuroscience(精神医学・行動神経学)の教授であるSusan L. McElroy(スーサン・L・マクロリー)医師は、次のように述べています。「過食性障害は、苦痛や抑うつから、心疾患、2型糖尿病などの慢性疾患に至るまで、患者さんにとって重大な問題を伴います。これまでの本剤の臨床試験結果は、本剤が成人のBEDに対する重要な新しい治療選択肢となる可能性があることを示しており、過食性障害の患者さんにとって朗報となります。」
1本目のピボタル試験であるSEP360-221試験(フェーズ2/3試験)においては、主要評価項目である投与12週間後における過食日数のベースラインからの変化量について、本剤4mgから8mg/日の漸増漸減投与群はプラセボ投与群と比較し、統計学的に有意な改善を示しました。また、本剤投与群は、重要な副次的評価項目である、BE-CGI-Sスコア、Y-BOCS-BE合計スコアおよび過食症状が4週間発現しなかった患者の割合について、統計学的に有意な改善を示しました。
(SEP360-221試験の結果については、2017年1月16日付けプレスリリースをご参照ください。)
サノビオン社のExecutive Vice President and Chief Medical Officer, Head of Global Clinical Development for Sumitomo Dainippon Pharma GroupであるAntony Loebel(アントニー・ローベル)は、次のように述べています。「BEDは、米国で最もよくみられる摂食障害ですが、承認されている治療選択肢は限られています。本剤を漸増漸減投与したSEP360-221試験および固定用量を投与したSEP360-321試験において良好な試験結果が得られたことから、本剤が過食性障害患者さんに対する重要な新たな治療選択肢となることを期待しています。」
本試験の詳細結果は、サノビオン社によって解析され、今後の学会で発表される予定です。
2本のピボタル試験の結果は、成人の中等症から重症のBEDを対象とした本剤の承認申請をサポートする内容であり、2018年度の申請を予定しています。
※ Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale Modified for Binge Eating(Y-BOCS-BE):過食性障害の強迫観念・強迫行為を評価するために使用される評価尺度です。
(ご参考)
【SEP360-321試験について】
SEP360-321試験は、本剤の固定用量(4mg/日または6mg/日)を用い、18歳から55歳の中等症から重症のBED患者を対象とした、12週間の多施設共同、ランダム化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較フェーズ3試験です。主要評価項目は、投与12週間後における各週の過食日数のベースラインからの変化量であり、過食日数は過食エピソードが1回でも生じた週あたりの日数と定義しました。さらに重要な副次的評価項目は、投与12週間後におけるBE-CGI-Sスコアのベースラインからの変化量、投与12週間後におけるY-BOCS-BE合計スコアのベースラインからの変化量ならびに投与12週後および試験終了来院時までに過食症状が4週間発現しなかった患者の割合が含まれています。なお、事前に定めた統計解析計画に基づき、重要な副次的評価項目は、本剤の両用量投与群が主要評価項目を達成すれば、多重性調整を行ってプラセボ投与群に対する有効性評価項目の検証が行われる計画でした。
本試験を完了した患者は、BED治療における本剤の12カ月間の安全性・忍容性を検討する、現在実施中の継続投与オープンラベル試験(SEP360-322)に参加することができます。
【dasotralineについて】
本剤は、サノビオン社の自社開発品であり、新規のドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(DNRI)です。本剤の血中半減期は47時間から77時間と長く、24時間間隔の投与で安定した血中濃度推移が得られ、それに伴い持続的な治療効果をもたらすことが期待されています。 現在、米国において成人および小児における注意欠如・多動症(ADHD)ならびに成人の過食性障害(BED)を対象に開発中です。
サノビオン社は、2017年8月に本剤の成人および小児の注意欠如・多動症(ADHD)を対象とした米国での新薬承認申請を提出し、2017年11月に米国食品医薬品局(FDA)によって受理されています。本剤のADHDを対象とした処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日は、2018年8月30日です。
【過食性障害(BED)について】
過食性障害(BED:Binge Eating Disorder)の特徴は、3か月間にわたって少なくとも週に1回は生じる、反復する過食エピソードであり、2013年には米国精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)第5版」において疾患として正式に認められています。
過食エピソードは、他とはっきり区別される時間帯に異常に大量の食物を摂取すること、およびそのエピソードの間は食べたいという欲求をコントロールできないことと定義されています。過食エピソードは、苦痛を感じ、また?通常よりもとても早く食べる、?苦しいくらい満腹になるまで食べる、?身体的に空腹を感じていないにもかかわらず大量の食物を食べる、?自分が大量に食べていることに羞恥心を感じるため一人で食べる、?後になって、自己嫌悪、罪責感または抑うつ気分を感じる、のうち少なくとも3つに該当する特徴があります。米国における成人男女のBEDの生涯有病率は、それぞれ2.1%、3.6%です。
BEDは、通常、青年期または若年成人期に生じますが、それ以降に生じることもある疾患です。BEDは、社会的孤立、自己嫌悪、仕事上の問題、病状(胃食道逆流症、関節障害、心臓病、2型糖尿病、睡眠時の呼吸障害)のような精神的、身体的な多くの問題を引き起こします。また、これらの疾患による医療施設の利用、罹患率および死亡率を増加させます。
以 上
大日本住友製薬株式会社
ドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤 dasotralineの成人の過食性障害(BED)を対象とした良好なフェーズ3試験結果の速報について
大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)は、米国において開発中のドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(DNRI) dasotraline(一般名、以下「本剤」)について、18歳から55歳の中等症から重症の過食性障害(BED)患者を対象とした2本目のピボタル試験であるフェーズ3試験(SEP360-321試験、以下「本試験」)において、良好な試験結果を得たことについて、2018年7月25日(米国東部時間)に速報として発表しましたので、お知らせします。
本試験の主要評価項目は、投与12週間後における過食日数のベースラインからの変化量であり、過食日数は過食エピソードが1回でも生じた週あたりの日数と定義しました。本剤6mg/日投与群は、プラセボ投与群と比較し、主要評価項目において統計学的に有意な改善を示しました。なお、本剤4mg/日投与群は有意な改善を示しませんでした。
また、BEDの臨床全般印象評価尺度−重症度(BE-CGI-S:Binge Eating Clinical Global Impression-Severity)スコアおよびYale-Brown Obsessive Compulsive Scale Modified for Binge Eating(Y-BOCS-BE)※合計スコアの評価において、本剤4mg/日および6mg/日投与群は、プラセボ投与群と比較して統計学的に有意な改善を示しました(注:多重性の調整をしていない補助的な解析結果)。
本剤の両用量投与群は、概して良好な忍容性を示し、有害事象による治験中止率は、1.2% (プラセボ投与群)、8.6% (4mg/日投与群)、14.1% (6mg/日投与群)でした。本剤投与群において観察された主な有害事象(10%以上)は、不眠、口渇、頭痛、食欲減退、悪心および不安であり、これまでに実施された本剤の臨床試験結果と一致していました。
Lindner Center of HOPE(リンドナー・センター・オブ・ホープ)のChief Research Officerであり、University of Cincinnati College of Medicine(シンシナティ大学医学部)のPsychiatry and Behavioral Neuroscience(精神医学・行動神経学)の教授であるSusan L. McElroy(スーサン・L・マクロリー)医師は、次のように述べています。「過食性障害は、苦痛や抑うつから、心疾患、2型糖尿病などの慢性疾患に至るまで、患者さんにとって重大な問題を伴います。これまでの本剤の臨床試験結果は、本剤が成人のBEDに対する重要な新しい治療選択肢となる可能性があることを示しており、過食性障害の患者さんにとって朗報となります。」
1本目のピボタル試験であるSEP360-221試験(フェーズ2/3試験)においては、主要評価項目である投与12週間後における過食日数のベースラインからの変化量について、本剤4mgから8mg/日の漸増漸減投与群はプラセボ投与群と比較し、統計学的に有意な改善を示しました。また、本剤投与群は、重要な副次的評価項目である、BE-CGI-Sスコア、Y-BOCS-BE合計スコアおよび過食症状が4週間発現しなかった患者の割合について、統計学的に有意な改善を示しました。
(SEP360-221試験の結果については、2017年1月16日付けプレスリリースをご参照ください。)
サノビオン社のExecutive Vice President and Chief Medical Officer, Head of Global Clinical Development for Sumitomo Dainippon Pharma GroupであるAntony Loebel(アントニー・ローベル)は、次のように述べています。「BEDは、米国で最もよくみられる摂食障害ですが、承認されている治療選択肢は限られています。本剤を漸増漸減投与したSEP360-221試験および固定用量を投与したSEP360-321試験において良好な試験結果が得られたことから、本剤が過食性障害患者さんに対する重要な新たな治療選択肢となることを期待しています。」
本試験の詳細結果は、サノビオン社によって解析され、今後の学会で発表される予定です。
2本のピボタル試験の結果は、成人の中等症から重症のBEDを対象とした本剤の承認申請をサポートする内容であり、2018年度の申請を予定しています。
※ Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale Modified for Binge Eating(Y-BOCS-BE):過食性障害の強迫観念・強迫行為を評価するために使用される評価尺度です。
(ご参考)
【SEP360-321試験について】
SEP360-321試験は、本剤の固定用量(4mg/日または6mg/日)を用い、18歳から55歳の中等症から重症のBED患者を対象とした、12週間の多施設共同、ランダム化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較フェーズ3試験です。主要評価項目は、投与12週間後における各週の過食日数のベースラインからの変化量であり、過食日数は過食エピソードが1回でも生じた週あたりの日数と定義しました。さらに重要な副次的評価項目は、投与12週間後におけるBE-CGI-Sスコアのベースラインからの変化量、投与12週間後におけるY-BOCS-BE合計スコアのベースラインからの変化量ならびに投与12週後および試験終了来院時までに過食症状が4週間発現しなかった患者の割合が含まれています。なお、事前に定めた統計解析計画に基づき、重要な副次的評価項目は、本剤の両用量投与群が主要評価項目を達成すれば、多重性調整を行ってプラセボ投与群に対する有効性評価項目の検証が行われる計画でした。
本試験を完了した患者は、BED治療における本剤の12カ月間の安全性・忍容性を検討する、現在実施中の継続投与オープンラベル試験(SEP360-322)に参加することができます。
【dasotralineについて】
本剤は、サノビオン社の自社開発品であり、新規のドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(DNRI)です。本剤の血中半減期は47時間から77時間と長く、24時間間隔の投与で安定した血中濃度推移が得られ、それに伴い持続的な治療効果をもたらすことが期待されています。 現在、米国において成人および小児における注意欠如・多動症(ADHD)ならびに成人の過食性障害(BED)を対象に開発中です。
サノビオン社は、2017年8月に本剤の成人および小児の注意欠如・多動症(ADHD)を対象とした米国での新薬承認申請を提出し、2017年11月に米国食品医薬品局(FDA)によって受理されています。本剤のADHDを対象とした処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日は、2018年8月30日です。
【過食性障害(BED)について】
過食性障害(BED:Binge Eating Disorder)の特徴は、3か月間にわたって少なくとも週に1回は生じる、反復する過食エピソードであり、2013年には米国精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)第5版」において疾患として正式に認められています。
過食エピソードは、他とはっきり区別される時間帯に異常に大量の食物を摂取すること、およびそのエピソードの間は食べたいという欲求をコントロールできないことと定義されています。過食エピソードは、苦痛を感じ、また?通常よりもとても早く食べる、?苦しいくらい満腹になるまで食べる、?身体的に空腹を感じていないにもかかわらず大量の食物を食べる、?自分が大量に食べていることに羞恥心を感じるため一人で食べる、?後になって、自己嫌悪、罪責感または抑うつ気分を感じる、のうち少なくとも3つに該当する特徴があります。米国における成人男女のBEDの生涯有病率は、それぞれ2.1%、3.6%です。
BEDは、通常、青年期または若年成人期に生じますが、それ以降に生じることもある疾患です。BEDは、社会的孤立、自己嫌悪、仕事上の問題、病状(胃食道逆流症、関節障害、心臓病、2型糖尿病、睡眠時の呼吸障害)のような精神的、身体的な多くの問題を引き起こします。また、これらの疾患による医療施設の利用、罹患率および死亡率を増加させます。
以 上