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廃棄瓦を芝生などが植生できる緑化コンクリートに有効利用。金沢工業大学が県内2社と共同で研究開発を開始

2018年10月5日

金沢工業大学

廃棄瓦を芝生などが植生できる緑化コンクリートに有効利用。
金沢工業大学が県内2社と共同で研究開発を開始。
2019年度中に実用化を目指す。

金沢工業大学は小松製瓦株式会社(石川県小松市)と株式会社エコシステム(石川県能美市)と共同で、廃棄瓦を有効利用した緑化コンクリートの研究開発を開始しました。
平成30年度小松市産学官共同研究促進事業補助金の選定を受けて行われるもので(*)、金沢工業大学からは環境土木工学科花岡大伸講師(建設材料学、コンクリート工学)が参画します。計画では来年春には金沢工業大学白山麓キャンパスで実証実験を行い、2019年度中に実用化を目指します。

廃棄瓦は従来多くが埋め立て処分されてきました。一方、多孔質物質である瓦には「吸水」「保水」「保温」などの機能があり、骨材として利用することで植生可能な緑化コンクリートを実現できます。
都市部におけるヒートアイランド現象の緩和は全国的な課題となっています。廃棄瓦を有効利用した緑化コンクリートは環境低負荷型建築材料として、緑化事業や緑化舗装などの建設分野で利用用途が期待されています。


【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201810058884-O1-1T5E6J4w
強固なコンクリート下地の芝生(イメージ)

【当研究開発の社会的意義】
小松製瓦株式会社は北陸を中心に年間約1,000万枚の瓦製品を製造・出荷していますが,製造・出荷時における割れ,欠け,損傷等により正規の製品として出荷できない瓦(不適合瓦)が年間約2000t発生しています。また同社や同業他社の瓦を屋根材として使用し、その役目を終えた瓦(廃瓦)も石川県加賀地方においては推定10,000t/年ほど排出されていると考えられています。従来こうした廃棄瓦は瓦チップとしてガーデニング材等に再利用されていますが、埋め立て処分されるものも多く、最終処分場の逼迫の原因の一つとなっていました。
一方で、瓦は多孔質な物質であり、「吸水」「保水」「保温」といった機能を有するため、例えばコンクリートの骨材として使用することで、廃棄瓦の有効利用につながるとともに、都心部におけるヒートアイランド現象を抑える効果が期待できます。

【当研究開発の概要】
このたび研究開発するのは廃棄瓦を骨材として使用するポーラスコンクリート(多孔質コンクリート)です。灌水配管を通してその水を表層に"揚水"させ、植物を育成するとともに散水等のメンテナンスも減らすこれまでにない施工方法をとります。さらに低アルカリ性のセメントペーストとして石炭火力発電所から発生する石炭灰や高炉スラグを混合することで、舗装の強度増進と植生可能な低アルカリ基盤を実現させます。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201810058884-O2-rh6QGiyB
緑化コンクリート舗装のイメージ


【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201810058884-O3-9Wwt6Ly8
廃棄瓦粉砕物を有効利用した緑化コンクリート基盤のイメージ

研究グループでは今後、基盤材の最適な配合の検証や耐アルカリ性植物の選定、施工方法の開発などに取り組みます。そして白山麓キャンパス内での試験施工による実証実験を経て2019年度中に実用化を目指す考えです。

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201810058884-O4-701URqrR
実証実験が計画されている金沢工業大学白山麓キャンパス



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