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県境を越えた行政の連携〜東北を繋ぐ二つの星〜「宮沢賢治と松田甚次郎」

2018年12月10日

山形県新庄市

県境を越えた行政の連携
〜東北を繋ぐ二つの星〜
「宮沢賢治と松田甚次郎」
山形県新庄市と岩手県花巻市 共同広報

山形県新庄市と岩手県花巻市において、両市の広報紙12月号で、花巻市出身の童話作家「宮沢賢治」と、賢治を世の中に広めた新庄市出身の「松田甚次郎」をテーマにした共同ページを作った。

今回の共同広報は、縦割りと表現される行政の中において、関係のある自治体と協力し、新機軸の連携及び効果的な情報発信の新たな手法を見出すことを目的としたもの。

きっかけは、童話作家「宮沢賢治」の教えを実践し世に広めた「松田甚次郎」という新庄市の偉人の生涯を描いた舞台【土に叫ぶ人 松田甚次郎〜宮沢賢治を生きる〜】の公演でした。

松田甚次郎という人物は賢治の教えを実践し、それらの記録「土に叫ぶ」を出版。瞬く間にベストセラーとなり、それを脚本にした東京有楽座での公演も人気を博し、甚次郎の名は世の中に知れ渡った。賢治の作品は数多くあり、世に出ていないものも少なくなかったが、賢治の死後、彼の実家を訪ねた甚次郎はそれら未定稿の遺作も含めたものをまとめ『「宮沢賢治名作選」松田甚次郎編』を出版した。そうして「甚次郎が恩師と呼ぶ童話作家」として宮沢賢治の名もまた世の知るところとなり、優れた作品群は多くの人を魅了することとなった。

その松田甚次郎の生涯を描いた舞台【土に叫ぶ人 松田甚次郎〜宮沢賢治を生きる〜】は「山形県新庄市」で何度か公演された後、松田甚次郎没後75周年を記念して、両市の協力のもと、賢治の生まれた地「岩手県花巻市」で開催されることに。
歴史を超えた二人の繋がりが現代に至り、県境を越えた新庄市と花巻市の関係を築き、共同広報をする動きにまで発展した。

【宮沢賢治】
(1896年−1933年)
花巻市生まれ。盛岡中学、盛岡高等農林学校卒。
1922年花巻農学校教諭。大正13年、心象スケッチ『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』刊行。代表作に「銀河鉄道の夜」「雨ニモマケズ」「風の又三郎」など。大正15年羅須地人協会設立。農民の生活の向上のために尽くすが、急性肺炎のため37歳で永眠。

【松田甚次郎】
(1909年−1943年)
新庄市生まれ。日新小学校、村山農学校、盛岡高等農林学校農業科別科卒。賢治に「小作人たれ」「農村劇をやれ」と諭され、実践。過去十年の記録「土に叫ぶ」を出版し、全国的ベストセラーに。忙しさのあまり、過労からくる病により35歳で永眠。

山形県新庄市「広報しんじょう」平成30年12月10日号
岩手県花巻市「広報はなまき」平成30年12月1日号

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