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ベネトクラクスとリツキシマブ併用療法完了した再発/難治性慢性リンパ性白血病患者の新たなデータ発表

2018年12月17日

アッヴィ合同会社

アッヴィ、一定期間のベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法を完了した再発/難治性慢性リンパ性白血病患者について、新たな第III相MURANO試験データを発表

●新たなデータが、3年間の追跡調査後の中央値で、標準治療のベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群と比べて、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群での病勢進行または死亡リスクの低下1を示す
●一定投与期間、24カ月のベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法後の休薬期間の中央値が9.9カ月の患者さん、130例の推定無増悪生存率は6か月および12カ月時で、それぞれ92%および87%1
●3年推定全生存率は、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群での87.9%に対し、ベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群では79.5%1
●詳細な成績は、第60回米国血液学会(ASH)年次総会で発表

イリノイ州ノースシカゴ、2018年12月1日(米国時間)−グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ(NYSE: ABBV)は、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法を評価する第III相MURANO主要試験の新たなデータを発表しました。追跡期間の中央値、36カ月時点での結果では、すべての患者さんが一定期間の投与を完了し、治療を中止した後、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法を受けた再発/難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者さんの大半で、標準治療のベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法を受けた患者さんと比較すると、病勢進行または死亡が認められない(無増悪生存期間:病勢進行および死亡のみられない投与期間2)ことが示されました。36カ月時の推定無増悪生存率は、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法を受けた患者さんでの71.4%[95%信頼区間(CI):0.64〜0.78]に対し、標準治療のベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法を完了した患者さんで15.2%(95% CI:0.09〜0.21)でした[ハザード比(HR):0.16、95% CI:0.12〜0.23]1。今回のデータは、第60回米国血液学会(ASH)年次総会で発表されました。

2年間のベネトクラクス投与後、休薬期間の中央値が9.9カ月(範囲:1.4〜22.5)の患者さん130例の6カ月および12カ月時の無増悪生存率の推定値は、それぞれ92%(95% CI:0.87〜0.96)および87%(95% CI:0.81〜0.93)でした1。この解析時点で、3年全生存率の推定値はベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群(87.9%)がベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群(79.5%)に比べて10%高い結果となりました(HR:0.50、95% CI:0.30〜0.85)1。

MURANO試験の治験責任医師であるPeter MacCallum Cancer Centre & Royal Melbourne Hospital(オーストラリア)の血液内科部長、ジョン・シーモア医学博士(MBBS, Ph.D.)は、次のように述べています。「再発/難治性CLL患者さんは、化学療法をせず、一定期間の治療により無増悪生存期間の延長を可能とし、同時に微小残存病変(MRD)陰性を達成できる治療選択肢を求めています。今回の解析結果から、再発/難治性CLL患者さんへのベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法が、多くの患者さんにおいて、一定期間の投与後にMRD陰性と良好な無増悪生存を持続させることが示されました」

MURANO臨床試験では、2年間のベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法を完了し、病勢進行がみられなかった患者さん(114例)の78%で、末梢血でのMRD陰性の達成も認められました1。MRD陰性は、併用療法終了時に副次評価項目として評価しました(9カ月時評価1,3,4)。MRD陰性(uMRD:undetectable MRDとしても知られています)とは、治療終了後に血液または骨髄中に残るCLL細胞が白血球10,000個中1個未満と定義される客観的な指標です2。本試験に先立ち、CLL患者さんを対象に実施された前向き臨床試験では、MRD陰性を達成した患者さんにおいて臨床的効果の改善を示す結果が得られています2。
  
アッヴィのグローバルオンコロジー部門長のネイル・ギャラガ−医学博士(M.D., Ph.D.)は、次のように述べています。「MURANO臨床試験の今回の解析から、2年間のベネトクラクスおよびリツキシマブ(遺伝子組換え)投与後の休薬期間の中央値、9.9カ月時点で、大多数の再発/難治性CLL患者さんにおいて疾患の進行は認められませんでした。さらに、これらの患者さんの多くでは末梢血に腫瘍細胞が検出されませんでした。これらの結果は、再発/難治性CLL患者さんの治療薬となる一定期間のベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法をさらに支持し、血液がん領域で変革をもたらす医薬品の研究開発を継続的に進める中で期待を持たせてくれるものです」

安全性データは、各薬剤を単独で投与したときの既知の安全性プロファイルと一致していました。ベネトクラクス単剤療法期(171例)では、治験薬投与が中止となった有害事象がみられた患者さんは10%、減量に至った有害事象は4%、投与中断に至った有害事象は26%、死亡に至った有害事象については4%(CLL以外のがんによる死亡が4例、心臓事象が2例、肺炎が1例)でした。グレード3または4の有害事象は、患者さんの35%にみられました。最もよくみられたグレード3または4の有害事象は、好中球減少症(12%)、貧血(3%)および血小板減少症(2%)でした。また、グレード3または4の感染症がベネトクラクス単剤療法期の患者さんの7%にみられました1。

ベネトクラクスは、ファーストインクラスの経口BCL-2阻害剤で、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。

第III相試験のデザインおよび結果
1つ以上のレジメン治療歴がある再発/難治性 CLL患者さん、計389例が多施設無作為化非盲検国際共同第III相MURANO試験に登録されました。この試験は、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群(194例)の有効性および安全性を、ベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群(195例)と比較するためにデザインされました。本試験の患者さんの年齢中央値は65歳(範囲:22〜85歳)でした5。

主要有効性評価項目は治療担当医師(INV)の評価による無増悪生存期間としました。無増悪生存期間の中央値はベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群の無増悪生存期間が17.0カ月であったのに対し、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群ではその時点での到達はありませんでした(HR:0.17、95% CI:0.11〜0.25、P<0.0001)。主要有効性解析では、追跡調査期間の中央値は23.8カ月間でした(範囲:0.0〜37.4カ月)。その他の有効性評価項目は、独立評価委員会(IRC)の評価による無増悪生存期間、INVおよびIRCの評価による奏効率(完全奏効+骨髄回復が不完全な完全奏効+部分奏効+結節性部分奏効と定義)、全生存期間ならびにMRD陰性達成率でした5。

ベネトクラクスについて
ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質に対し、選択的に結合および阻害するファーストインクラスの薬剤です。いくつかの血液がんおよび他のがん腫瘍では、BCL-2が過剰発現し、アポトーシスと呼ばれる、がん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止します。ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質を標的とし、がん細胞で失われたアポトーシスの過程を回復させる作用があります。

ベネトクラクスはアッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。これら数社共同でBCL-2研究に取り組んでおり、ベネトクラクスは種々の血液がんおよび他のがんを対象に複数の臨床試験で現在評価されています。

ベネトクラクスは、米国を含め50を超える国で承認されています。アッヴィとロシュ社は現在、治療を必要とする、さらに多くの適格な患者さんにベネトクラクスを提供するため、世界中の規制当局と協力しています。

米国におけるベネトクラクスの重要な安全性情報3

ベネトクラクスについて認識しておくべき最も重要な情報とはどのようなものでしょうか。

ベネトクラクスは重篤な副作用を引き起こす可能性があります。以下に例を示します。

腫瘍崩壊症候群(TLS):TLSはがん細胞が短時間に崩壊することにより起こります。TLSは腎不全を引き起こし、透析治療が必要となる可能性があるほか、死に至ることもあります。担当の医療従事者はTLSのリスクを低減させるため、ベネトクラクスの投与開始前と投与中に検査をし、TLSのリスクを調べます。補液の静脈内投与が必要になることもあります。ベネトクラクス投与中にTLSについて調べるため、投与開始から5週間後に血液検査をします。予約通りに血液検査を受けることが重要です。ベネトクラクス投与中に、発熱、悪寒、悪心、嘔吐、錯乱、息切れ、痙攣発作、不整脈、暗色尿、混濁尿、異常な疲労、筋肉痛、関節痛など、TLSの症状があらわれた場合は、すぐに担当の医療従事者に伝えてください。

TLSのリスクを低減させるため、ベネトクラクスを服用するときは水分を多くとること。
ベネトクラクス初回投与の2日前から毎日コップ6〜8杯(合計で約56オンス)の水を飲み始め、初回投与当日や用量が増量されたときも毎回飲んでください。

ベネトクラクスを服用すべきでないのは、どのような患者さんですか。

ベネトクラクスの服用を開始し、徐々に増量している間はTLSのリスクが高まるため、特定の薬剤を服用しないでください。
? 処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントなど、服用している薬剤をすべて担当の医療従事者に伝えてください。ベネトクラクスと他剤が互いに影響し合い、重篤な副作用を引き起こすおそれがあります。
? 担当の医療従事者に相談せずに、ベネトクラクス投与中に新たな薬剤の服用を開始しないでください。

ベネトクラクスを服用する前に、あなたの医学的情報をすべて担当の医療従事者に伝えてください。例えば、次のような場合です。
? 腎障害または肝障害がある。
? 塩分または電解質(カリウム、リン、カルシウムなど)に問題がある。
? 血中の尿酸値が高い、または痛風の既往歴がある。
? ワクチン接種を予定している。ベネトクラクスの投与前、投与中または投与後は担当の医療従事者が接種を認めるまで「生ワクチン」は接種しないでください。予防接種またはワクチンの種類について不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。ベネトクラクス投与中はこのようなワクチンを安全に接種できない、または接種しても効果が得られないことがあります。
? 妊娠している、または妊娠を計画している場合、ベネトクラクスは胎児に害を及ぼすおそれがあります。妊娠可能な場合、担当の医療従事者はベネトクラクス投与開始前に妊娠検査をします。ベネトクラクス投与期間中と最終投与後30日間は効果的な避妊をしてください。妊娠した、または妊娠したと思われる場合は、すぐに担当の医療従事者に伝えてください。
? 授乳中または授乳を計画している場合、ベネトクラクスが母乳に移行するかどうかは不明です。ベネトクラクス投与期間中は授乳しないでください。

ベネトクラクス服用中はどのようなことを避けるべきですか。
ベネトクラクスを服用している間は、グレープフルーツジュースを飲まないこと。また、グレープフルーツ、セビリヤオレンジ(マーマレードによく使用される)またはスターフルーツを食べないこと。これらの製品や産物は血中のベネトクラクスの量を増加させる可能性があります。

ベネトクラクスの副作用はどのようなものですか。

ベネトクラクスは重篤な副作用を引き起こすおそれがあります。例えば次のような副作用です。
? 白血球数低値(好中球減少症):白血球数低値はベネトクラクスでよくみられますが、重度になることもあります。担当の医療従事者は、血球数を調べるためベネトクラクス投与期間中に血液検査をします。ベネトクラクスを服用している間に発熱や感染の徴候がみられる場合は、すぐに担当の医療従事者に伝えてください。

ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)を併用したときの主な副作用は、白血球数低値、下痢、上気道感染、咳嗽、疲労、悪心などです。

ベネトクラクスを単剤で投与したときの主な副作用は、白血球数低値、下痢、悪心、上気道感染、赤血球数低値、疲労、血小板数低値、筋肉痛、関節痛、腕、脚、手および足の腫脹、咳嗽などです。

ベネトクラクスにより、男性の受精能に問題が生じることがあります。子どもをもうける能力に影響を及ぼす可能性があります。受精能について心配な場合は、担当の医療従事者にご相談ください。

これらは必ずしもベネトクラクスの副作用とは限りません。心配な副作用または治らない副作用がある場合は、担当の医療従事者に伝えてください。

処方薬の副作用をFDAに報告することが推奨されています。ウェブサイトwww.fda.gov/medwatch(http://www.fda.gov/medwatch)から、または1-800-FDA-1088に電話してください。

ベネトクラクスの米国の処方情報(投薬ガイドを含む)の全文は以下(http://www.rxabbvie.com/pdf/venclexta.pdf?_ga=2.72541136.2129525565.1507581927-627258394.1505229110)を参照してください。世界各国で処方情報はさまざまです。完全な情報は各国の製品添付文書を参照してください。

欧州におけるベネトクラクスの重要な安全性情報4

禁忌
有効成分またはいずれかの添加物に対する過敏症は禁忌となります。TLSのリスクが高まるため、投与開始時および用量漸増期間中の強力なCYP3A阻害剤との併用も禁忌となります。ベネトクラクスの効果が弱まる可能性があるため、セントジョーンズワート含有製品との併用も禁忌となります。

重要な基本的注意と使用上の注意
治療歴があり腫瘍量の多いCLL患者さんにおいて、ベネトクラクス投与によりTLSが認められ、致死的事象も含まれています。ベネトクラクス投与により、最初の5週間の用量漸増期間にTLSが発生するリスクがあります。迅速な管理を必要とするTLSと一致した電解質の変化が、早ければベネトクラクス初回投与後6〜8時間、あるいは各増量時に認められることがあります。リスクの有無を評価し、TLSに対する適切な予防措置、モニタリングおよび管理上の措置を講じる必要があります。

好中球減少症(グレード3または4)が報告されているため、投与期間を通じて全血球数をモニタリングしてください。死亡に至った敗血症を含む重篤な感染症が報告されています。感染症の徴候が現れた場合には対症療法または抗菌剤を考慮してください。

投与期間中、または投与期間終了後はB細胞が回復するまで、生ワクチンは接種しないでください。

薬物相互作用
CYP3A阻害剤は、ベネトクラクスの血漿中濃度を増加させる可能性があります。投与開始時および用量漸増期:TLSのリスクを増大させるため、強力なCYP3A阻害剤は禁忌とし、中程度のCYP3A阻害剤の投与も避けてください。中程度のCYP3A阻害剤を使用しなければならない場合、医師は製品情報概要を参照し、用量調節に関する推奨事項を確認してください。1日量が安定した時点:中程度または強力なCYP3A阻害剤を使用しなければならない場合、医師は製品情報概要を参照し、用量調節に関する推奨事項を確認してください。

投与開始時および用量漸増期間中のP-gpおよびBCRP阻害剤との併用は避けてください。

CYP3A4誘導剤は、ベネトクラクスの血漿中濃度を減少させる可能性があります。強力または中程度のCYP3A誘導剤との併用は避けてください。これらの薬剤は、ベネトクラクスの血漿中濃度を減少させる可能性があります。

胆汁酸捕捉剤とベネトクラクスの併用投与によりベネトクラクスの吸収が低下する可能性があるため、この併用投与は推奨されません。

副作用
リツキシマブ(遺伝子組換え)との併用療法試験でベネトクラクスの投与を受けた患者さんにおいて、グレードを問わず最も多く発現した副作用(20%以上)は、好中球減少症、下痢および上気道感染でした。単剤療法試験で最も多く発現した副作用は、好中球減少症/好中球数減少、下痢、悪心、貧血、疲労および上気道感染でした。

ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用投与またはベネトクラクスの単剤療法を受けた患者さんで最もよくみられた重篤な副作用(2%以上)は肺炎、発熱性好中球減少症およびTSLでした。

ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用投与を受けた患者さんのうち副作用により投与を中止した患者さんは16%、ベネトクラクス単剤療法を受けた患者さんでは9%でした。ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用投与を受けた患者さんのうち、副作用により用量調整が行われた患者さんは15%、ベネトクラクス単剤療法を受けた患者さんでは2%でした。ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用投与を受けた患者さんのうち、副作用により投与を中断した患者さんは71%でした。

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