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東京大学とダイキン工業が「産学協創協定」を締結

2018年12月17日

ダイキン工業株式会社
国立大学法人東京大学

東京大学とダイキン工業による「産学協創協定」の締結について

国立大学法人東京大学とダイキン工業株式会社は、両組織の包括的な共同研究および人材交流や東京大学関連ベンチャー企業との協業を、高度なレベルで推進する「産学協創協定」を締結します。
未来技術の創出に向けた共同研究などを通じて、未来社会において重要性が高まる「空気の価値化」を軸にイノベーションを生み出し、複雑な社会課題を解決し、新たなビジネスを創出していきます。

東京大学は、国際連合が採択したSDGsの17の目標達成に向けて、誰もが活躍できるインクルーシブな社会づくりをめざす未来社会協創(FSI:Future Society Initiative)を実現しようとしています。このため、学内の「知」を集積し、学内外との連携を深め、生み出された技術の社会実装を通じて、グローバルに課題解決をリードしていきます。その中で、地球的課題とされる「環境」「エネルギー」「健康的な生活」と密接につながる「空気」をテーマとして、グローバル展開を視野に協業できるパートナーを探索していました。
一方、ダイキン工業は、グローバルに事業展開する空調メーカーとして、空調ビジネスの未来を見据えた新技術やサービス・ソリューションを開発し、新たなビジネスモデルの構築を急ぎ、オープンイノベーションを掲げ、積極的な産学連携を行ってきました。

本協定は、東京大学の高い問題意識にダイキン工業が応え、両組織のトップ同士が深く共感し、実現したものです。
東京大学は、卓越した知見・技術を持つ教授陣をはじめ、起業家精神を持つ研究者や学生、関連する豊富なベンチャー企業群を有します。ダイキン工業はグローバルに展開する空調ビジネスと、それを支える研究開発陣と技術・ノウハウなどのリソースを持っています。両組織がこれらの強みを持ち寄り、「空気の価値化」を軸にイノベーションを創出します。

また、協定の成果を日本国内のみならず、アジア、グローバルへと広げることをめざし、世界中に広がるダイキン工業の海外拠点も活用していきます。その足掛かりとして、中国で既に着手しているダイキン工業と清華大学の包括連携に東京大学も参画していき、これから着手する東京大学と北京大学の連携プログラムにダイキン工業も参画していきます。

本協定の趣旨に基づき、「未来ビジョンの協創」「未来技術の創出」「ベンチャー企業との協業を通じた新たな価値の社会実装」の三つの協創プログラムを実施します。
同時に、従来の産学連携から大きく踏み込み、人材に関わるさまざまな仕組み・制度を設け、両組織の人材が自由に交流し、刺激を与え合い、新たな知や技術、ビジネスが生まれやすい環境を作ります。
本協定の期間は、2018年12月から10年間で、拠出する資金は100億円規模を予定しています。

1.三つの協創プログラムの概要

? 「空気」に関わる未来ビジョンの協創
〜未来社会の姿を描き、「空気の価値化」のアプローチで社会課題の解決の可能性を探る〜

 未来社会の姿を描き、そこで生まれる「空気の価値化」のニーズを大胆に予測します。その上で、価値観や文化的影響など社会に与えるインパクトを想定し、未来社会で求められる技術、生まれる新たなビジネスを、科学的・技術的アプローチだけでなく、人文知も交えて導き出します。
 こうした議論をもとに、東京大学の国家レベルでの政策提言力を活かして未来ビジョンとしてまとめ、SDGsやSociety5.0の実現に向け、東京大学とダイキン工業がともに、今後取り組むべき課題を明らかにしていきます。

? 「空気の価値化」を軸とした未来技術の創出
〜「空気の価値化」を軸として、未来社会に必要とされる技術を時代に先駆けて創出する〜

 「空気」に関する新たなイノベーションの創出をめざし、すでに顕在化している技術的課題に取り組むとともに、未来ビジョンから必要になると予測される技術課題に対して、さまざまな研究開発のアプローチを駆使し、世の中に先んじて挑戦していきます。

? ベンチャー企業との協業を通じた新たな価値の社会実装
〜東京大学関連ベンチャー企業への多面的支援を通じて新技術、新事業を創造する〜 

 新たな技術や価値を生み出し、独自のビジネスモデルを通じて社会を変革していくためには、スピード感のあるチャレンジ精神旺盛なベンチャー企業を活用するという視点が不可欠です。東京大学は、国内最大のベンチャー企業群を有し、さらにインキュベーション機能を拡充しています。ダイキン工業は、テーマに応じてベンチャー企業に必要な技術や人、資金などのリソースを提供し、協業をスピーディに実現します。これらの活動を通じて新たな価値の社会実装、新ビジネスの創出を加速させます。

2.協創の成果創出を加速する、組織対組織の本格的な人材交流

 この協定の最大の特徴は、組織対組織の本格的な人材交流です。東京大学のあらゆる分野の教員やベンチャー企業の起業家、ダイキン工業の様々な部門の社員がそれぞれの組織を自由に行き来し、知見の共有や共同研究を行える仕組みを構築し、これまでにない働き方やキャリアパスを創りあげます。
 また、ダイキン工業が150カ国に展開するグローバルビジネスの最前線や、世界約90カ所の生産・開発拠点で、次世代を担う東京大学の学生を対象に、これまでにない地域・形態・人数規模でのグローバルインターンシップのプログラムを実施します。
 こうした取り組みにより、東京大学とダイキン工業の両トップ、教授、幹部、研究者、学生、ベンチャー起業家、ダイキン工業の社員等、あらゆる層で人材交流を進め、“頭脳、知恵、経験、人脈”をシェアし、協創の成果を持続的に創出することをめざします。

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