このエントリーをはてなブックマークに追加
SEOTOOLSロゴ画像

SEOTOOLSニュース 

SEOに関連するニュースリリースを公開しております。
最新のサービス情報を、御社のプロモーション・マーケティング戦略の新たな選択肢としてご活用下さい。

Science and Technology of Advanced Materials誌:近赤外発光量子ドットを利用した生体イメージング

2019/4/26

国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)

Science and Technology of Advanced Materials誌:近赤外発光量子ドットを利用した生体イメージング: 生体組織を透視するバイオマーカー、安全性の確立が課題

近赤外発光量子ドットを利用した生体イメージング: 生体組織を透視するバイオマーカー、安全性の確立が課題

タイトル:Recent advances on fluorescent biomarkers of near-infrared quantum dots for in vitro and in vivo imaging
本誌リンク:https://doi.org/10.1080/14686996.2019.1590731

 生体組織を透視するイメージングに有用な近赤外発光量子ドット(Near-infrared light emitting quantum dot, NIR-QD)の研究が注目著しい。QDは20ナノメートル以下の直径を有する結晶粒子で、さまざまな化学組成の半導体で作製することができ、粒子サイズにより発光波長を連続的に制御できる。QD中に閉じ込められた電子の状態密度は離散化されるために、そのエネルギー状態を巧みに利用して、QDレーザーやタンデム型太陽電池など、種々の応用が期待されている。NIR-QDをマーカーに利用して生体内組織を画像化するイメージング研究は1990年代以降に急進展している。現在主流のNIR-QDはCd、Pb、Hgを主な構成元素に含む。これらの元素が生体に対して強い毒性を示す点が懸念されていることから、生体無毒で安全性の高いNIR-QDの開発が急務となっている。

Science and Technology of Advanced Materialsに、日本、物材機構、シナタンビ シャンムガベルと白幡直人が発表したレビュー論文 Recent advances on fluorescent biomarkers of near-infrared quantum dots for in vitro and in vivo imaging は、生体イメージングに適用可能なNIR-QDについて、最近の研究状況を紹介している。

紫外から可視領域の光は、ヘモグロビンや水など生体組織に吸収されてしまうので生体深部の観察には不適である。また細胞の自家蛍光を妨げる点でも励起光としての紫外光は不適である。一方で、近赤外に相当する750-940、1200-1700 nmの二波長領域に対して生体組織は透明性が高く、また発光もしない。それゆえ、これらの近赤外域で光通信の行えるQDが研究されている。

本稿で紹介する蛍光法は、NMRで行えるような広い領域を短時間でイメージングする手法というよりは、癌であるとかリンパ節といった特定の部位を高解像度で長時間モニタリングできる点に特徴を有する。ここでは、II-VI、IV-VI、I-VI、I-III-VI、III-V、IV族の半導体QDsを紹介する。II-VI族ではCdTe、HgTe、IV-VI族ではPbS、PbSe、I-VI族ではAg2S、Ag2Se、I-III-VI族ではCuInS2、Cu(In, Ga)Se2、AgInS2、III-V族ではInAs、IV族ではC、Si、GeのQDsがハイライトされる。

最近の研究ではCd、Pb、Hgといった生体や環境に悪影響を及ぼすリスクのあるQDに対して、QD表面を毒性の無い材料で包む試みもなされているが、イメージング対象となる個体のサイズが大きくなるほど毒性が顕著に現れるとの報告もあるので取扱には注意が必要である。一方で、生体毒性の極めて低いC、Si、GeのQDsはバイオマーカーに適している。特に、SiQDは生体や環境に対し毒性が低く、また発光の量子効率も高いので期待されている。QDの生体内での安全性が確保できれば、NIR-QDによる生体イメージングは今後、実用化が十分期待できる。ただ、そのためには強発光するNIR-QDsが開発される必要がある、と著者らは指摘している。

論文情報
タイトル:Recent advances on fluorescent biomarkers of near-infrared quantum dots for in vitro and in vivo imaging
著者:Shanmugavel Chinnathambi & Naoto Shirahata*
* International Center for Materials Nanoarchitectonics (MANA), NIMS, 1-1 Namiki, Tsukuba, Japan (E-mail: SHIRAHATA.Naoto@nims.go.jp)
引用:Science and Technology of Advanced Materials Vol. 20 (2019) p. 337

最終版公開日:2019年 4月 15日
本誌リンクhttps://doi.org/10.1080/14686996.2019.1590731(オープンアクセス)
Science and Technology of Advanced Materials誌は、国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)とEmpaが支援するオープンアクセスジャーナルです。

Science and Technology of Advanced Materials誌(編集長:橋本 和仁物質・材料研究機構理事長)は、国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)とEmpaが支援するオープンアクセスジャーナルです

共同通信PRワイヤー リリースへ
SEOTOOLS News Letter

SEOに役立つ情報やニュース、SEOTOOLSの更新情報などを配信致します。


 powered by blaynmail
ブロードバンドセキュリティ
SEOTOOLSリファレンス
SEO対策
SEOの基礎知識
SEOを意識したサイト作り
サイトマップの作成
サイトの登録
カテゴリ(ディレクトリ)登録
カテゴリ登録(モバイル
検索エンジン登録
テキスト広告
検索連動型(リスティング)広告
プレスリリースを利用したSEO


TOPへ戻る