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セイコー時間白書 時間の価値、オフの1時間は9600円超!35歳の人が母親と会って話すのは残り26日間分…?

2019年6月6日

セイコーホールディングス株式会社

6月10日は99回目の「時の記念日」、令和最初の「セイコー時間白書」を発表
大切な人と過ごせる生涯残り時間を算出、あの人と話せる時間はこんなに貴重…!?

『セイコー時間白書2019』


セイコーホールディングス株式会社(代表取締役会長兼グループCEO:服部真二、本社:東京都中央区)は、6月10日「時の記念日」にちなんで、2017年から生活者に時間についての意識や実態を探る調査を実施し、『セイコー時間白書』として発表しています。
2017年、2018年に続き第3号となる『セイコー時間白書2019』は、全国の10代〜60代の男女1,200人を対象に、時間意識に関する実態調査により現代人の「時間の価値」を図る定点調査に加え、「大切な人との時間」をわかりやすく提示し、「大切な人」との時間を今まで以上に持ち、ときめき溢れる時間をつくるべく、両親や友人など、大切な人と過ごす生涯残り時間を導き出しました。主な調査結果は以下の通りです。

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■「時間に追われている感覚」に変化は見られず、昨年比較で横ばいに。
■時間管理意識が強い日本人。時間が制限された方がやる気もアップ
■現代人の“時価”は2年続けて高騰。「1時間」の価値はオンタイム4,427円(昨年比114.0%)、オフタイム9,632円(昨年比133.3%)に。
■最も大切にしている時間帯は、仕事から開放される「金曜夜22時」と1週間がスタートする「月曜朝7時」。

■もし人生の残り時間がわかったら? 誰もが望む「大切な人と、大切な時間を過ごしたい」
■大切な人と過ごす時間は「足りていない」。わかっているのに「なんとなく」時間が作れないまま…
■大切な人と過ごす時間について、きちんと考えたことがある人はたったの8%
■大切な人と過ごせる生涯残り時間を算出 35歳の人が離れて暮らす母親と直接会って話をできる時間は、一生涯であと26日間しかない?

■【特別インタビュー】「時間学」の一川誠先生に聞く、思い切った”時間取捨”のススメ
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<調査概要>
■実施時期 2019年4月24日(水)〜4月25日(木) ■調査手法 インターネット調査  ■調査対象 全国の10代〜60代の男女1,200人 (男女各600人 各年代別に男女各100人ずつ 10代は15歳以上)
※構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならない場合があります。また、金額は小数点第1位以下を四捨五入しています。


[1]働き方改革の副作用?現代人は、依然として時間に「追われている」

何かと忙しく時間に追われがちな現代人。わたしたちは「時間」という存在をどのように感じているのでしょうか?時間の価値について、2017年、2018年の『セイコー時間白書』の結果と比較してみました。

■「時間に追われている」感覚は改善せず。せわしさ感は横ばいが続く。
時間を意識して行動するかという問いには[図1]の通り、87.5%が「意識して行動」しており、2018年(85.8%)よりややスコアが高く、「時間に追われている」意識も今年の方がやや高く(18年64.3%→19年67.8%)なっています[図2]。 1日24時間については、昨年並みで「少ない・足りない」が56.8%と過半数を占めています[図3]。
2017年と2018年を比較すると、2018年は時間への縛りがややゆるんだ傾向が見られましたが、2019年は2017年レベルに揺り戻しが来ています。10連休の超大型GWや有休取得の義務化など、2019年は2018年よりも休みが取りやすい環境になっているにも関わらず、時間に追われる感は相変わらずのようです。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O1-Q954Vv1x


■時間を効率的に使う“時間マネジメント”にも積極的 オン・オフのメリハリを楽しむ“暮らし方改革”元年に
時間に関する具体的な意識や行動の問いには[図4-1]の通り、「物事を始める前に、おおよその目安の時間を計算して行動」(66.1%)、「何事も効率的に進められるよう工夫」(64.8%) 、「その日どうやって過ごすかを事前にスケジュールを決めて行動」(53.8%)が上位にあげられ、昨年から引き続き、時間マネジメントに取り組んでいる様子がうかがえます。また、[図4-2]は今年と昨年で差分が大きいものを示したもので、「時間が制限された方が頑張れる」(18年44.8%→19年47.7% +2.9pt)、「ひとつの事に集中せずに、複数の事を同時に行なうようにしている」(18年43.8%→19年46.3%+2.5pt)など、限られた時間をより効果的に活用しようとする意識は昨年より強くなっています。しかし一方で、「やることがない時間ができると、つい不安になってしまう」(18年32.6%→19年29.7% −2.9pt)は昨年より低下していることから、ぼーっとする時間を楽しむゆとりの萌芽も感じられます。普段の時間をより効率的に使う分、増えた休みは何もしない時間をじっくり堪能する、オンとオフのメリハリのある“暮らし方改革”が始まっているのかもしれません。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O2-Y8b0gnV9
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O3-Ss99FZr3

[2]現代人の時間価値はオンタイム4,427円、オフタイム9,632円。オフタイム伸び率170%と自分時間をより大切にしたい女性

■オンタイムもオフタイムも、時間価値は年々上昇。男女ともオンタイムよりオフタイムの方が高く、男性のオフタイムは1.3万円と最高値、女性のオフタイムは昨年の1.7倍と大きく伸長

時間に追われつつ、時間を効率的に使う現代人にとって、自分の1時間の価値はいくらになるのか、値付けをしてもらいました。その結果、仕事や家事・勉強をするオンタイムの1時間の価値は[図5-1]の通り、平均で4,427円/時間となり、昨年(3,882円/時間)よりも545円高く、伸び率は114.0%です。男性のオンタイムの時間価値は5,552円/時間と昨年(4,542円/時間、122.2%)より1,010円も高くなっています。一方女性は、3,303円/時間と昨年(3,222円/時間、102.5%)より高くなってはいるものの、伸びはわずかです。
プライベートなオフタイムの価値は[図5-2]の通り、平均で9,632円/時間と昨年(7,226円/時間)よりも2,406円、前年比133.3%と大きく伸長しています。男性は12,979円/時間と昨年(10,751円/時間、120.7%)から2,228円高くなっていますが、女性は昨年の3,702円/時間から6,285円/時間へと、金額は男性よりも低いものの、伸び率は169.8%と一気に高くなっています。男性はオン・オフともに伸長していますが、女性はオフタイムの伸び率がすこぶる高く、より自分の時間を重視していることがうかがえる結果となりました。
また、2017年からの3年間の経年変化を見ると、オンタイムもオフタイムも時間価値が年々高くなっていますが、オフタイムの伸び率がより高くなっています。昨今話題の働き方改革により、「仕事」より「プライベート」を重視していきたい人生観が強く現れる結果となりました。自分で時間を調整し、メリハリをつけることでプライベートの価値がより向上しているのでしょうか。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O4-659i25q1
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O5-k6sXXNo1

また、「休むこと」に対する意識を聞くと、「普段の体調管理をしっかりする」(45.4%)、「日々の生活にメリハリをつける」(41.0%)といった意見が上位となりました[図5-3] 。
休みを充実させるために体調を整え、ダラダラ休まずしっかり休むといった、休むことに積極的に取り組む姿勢がうかがえます。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O6-Y1HzMa9r


[3]最も大切にしている時間帯は、仕事から開放される「金曜の夜」と1週間が始まる「月曜の朝」

■最も大切な時間帯TOP3「月曜7時」「金曜22時」「金曜21時」。仕事始めの「月曜7時」がトップに。フレッシュに1週間をスタートしたい人多数!

オフタイムを大事にする現代人ですが、どの時間をいちばん大切にしているのでしょうか? 下記は、1週間の中で最も大切にしている時間帯を選んでもらった結果をヒートマップ化したものです。2019年[図6-3] 、最も大切にしている時間は、赤(回答者が30人以上)・オレンジの部分(回答者が20〜29人)で「月曜の朝」と「金曜の夜」「土曜の夜」「日曜の夜」に、次いで黄色の部分(回答者が10〜19人)は「土曜の朝から夕方」 「日曜の朝」に多くなっています。昨年[図6-2]の結果と比べると、金曜日の夜と月曜日の朝を重視する傾向がより一層強くなっています。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O7-y3x8i754

「月曜朝」を最も大切な時間と答えた人にその理由を聞くと、[図6-4]のように「一週間の始まりをしっかりしたいため」 (男性39歳)、「一週間のペースができるから」(女性37歳)など1週間のスタートに対する意気込みが。また、「金曜・土曜夜」を選んだ人は、 [図6-5]のように「仕事が終わってホッとできる時間だから」(女性43歳)、「家族が揃っているから」(男性36歳)などの癒やしの時間を大切にしたいという気持ちが感じられます。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O15-82ScxOYX

[4]もし、人生の残り時間がわかったら?誰もが望むのは「大切な人」と過ごしたい

今年の「セイコー時間白書」では、「時間は有限である、だからこそ大切にしたい」という考えから、人生の残り時間を見つめ直すことで時間の有限性に気づき、時間の大切さを改めて考える機会としてご提案します。
まず、自分の残り時間を知ったら何をしたいか具体的に聞くと、さまざまな意見が寄せられましたが、大別すると[図7-1]の通り「家族と過ごす」(22.8%)が全体の2割強を占め、次いで「旅行に行く」 (14.8%)や、恋人や友人などの「大切な人と過ごす」 (9.8%)、「趣味に費やす」(6.9%)などの意見が寄せられました。その一部を[図7-2]でご紹介します。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O8-QdVWtGvU
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O9-o5O1TzsK

[5]大切な人と過ごす時間が「足りない」と気付いてはいるものの、大きな理由はなく、「なんとなく…」

■現代人の4人に3人は大切な人との時間が「足りない」と感じているが、特に明確な理由はなく、時間に追われる毎日に流され、大切な人との時間が作れないままでいる人も。

家族や友達などの「大切な人」との時間について、詳しく聞いてみました。
大切に思う相手と過ごす時間が「足りない」と感じている人は、父親77.5%、母親76.9%、一番仲の良い旧友88.7%となり、多くの人が大切な人と過ごす時間が足りないと感じています[図8-1]。
足りないと答えた人に足りない理由を聞くと、「遠くに住んでいてなかなか会えないから」がトップですが、次いで多いのが「なんとなく・特に理由はない」となっています[図8-2]。
一緒に過ごす時間が足りないと感じてはいるものの、なんとなく会わないまま…というケースも少なくないようです。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O10-ogqvaG3q


[6]大切な人と過ごす時間は「大切」「楽しみたい」「増やしたい」。しかし、どれくらいの時間が過ごせるか考えたことは「ない」
■大切な人と一緒に過ごす時間は、大切にしているが足りていないから、増やしたいし楽しみたい。しかし、大切な人とあとどれくらい一緒に過ごせるか、日常的に考えている人はたったの8%

家族や友達などの大切な人と一緒に過ごす時間について聞くと、69.2%が「大切にしている」[図9-1]、65.6%が一緒に過ごす時間を「増やしたい」[図9-2]、82.3%が大切な人との時間を「楽しみたい」と答えています[図9-3]。
しかし、大切な人と過ごす時間があとどれくらいあるか、頻繁に考えたことがある人は8.1%にすぎず、6割弱は「まれにしか・まったく考えたことがない」(57.4%)と答えています[図9-4]。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O11-i19H30dp


[7]大切な人と過ごせる生涯“残り時間”を算出。35歳の人が別居する母親と対面で話す時間は、実は1ヶ月間を切って26日間ほど
■時の記念日をきっかけに、自分の限りある時間を、誰と、どのように共有するか考えてみませんか?

日々時間に追われている現代人は、大切な人との大切な時間を大事にすべきとわかっていても、「明日でいいか…」「時間ができたらでいいか…」と後回しにしがちです。時間は特に意識することもなく無限にあるような気がしますが、無為に過ごしていられるほど残り時間はあるのでしょうか?
父親、母親、旧友と現在直接会って話す状況(会って話す頻度と1回あたりの時間)を聞き、人生の中であとどれくらい一緒に会って話せる時間が残っているのかを5歳刻みで算出したのが[図10]です。15歳〜19歳の人が人生の中で自分の父親と一緒に会って話せる時間は、同居していれば6,711時間(279.6日)ありますが、別居していると666時間(27.8日)しかありません。年齢とともに一緒に過ごし話せる生涯時間はどんどん短くなり、35〜39歳の人が別居している自分の母親と生涯で一緒に会って話せる時間は、626時間(26.1日)と1ヶ月にも満たない僅かな時間しか残されていないのです。
令和になってはじめての「時の記念日」、大切な人と過ごす時間について考えてみてはいかがでしょうか。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O12-dpe0403y
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O13-r5alNqi7



[一川誠先生 特別インタビュー]
時間はすべてに等しく限りあるものです。貴重で有限な時間の価値について、心理的なアプローチによる「時間学」を提唱している一川誠先生に、時間の有効な使い方についてお話をうかがいました。

■時間は有限なもの 長くすることはできませんが、どう使うかで有意義なものへと変えることはできます
今回の調査で親と過ごせる残り時間を見て、どきっとなさった方も少なくないと思います。時間は有限なものということは、頭ではわかっていても普段なかなか意識することがないものです。しかし実際に具体的に考えてみると、思ったほど時間がないことに気がつくはずです。時間の使い方は、その人の生き方を表すものです。生きていく上で自分の優先順位を決め、自分の使い方に反映させてみてはいかがでしょう。
今回の調査では、大切な人との時間が足りないと感じている人に、その理由を聞くと「なんとなく」と答えた人が多くなっています。なんとなくという答えは、重要だと思ってはいるものの、そのためにどうすればよいか具体的に考えていないから、行動できないということ。「そのうちに」ではなく、「いつまでにどうする」とより具体的に考えることで行動につながり、時間を有意義に使うことができます。人の時間はみな平等で、時間自体を増やすことはできませんが、どう使うか、その工夫次第で楽しく有意義なものへと変えることができるはずです。

■家族との時間をより大切にしたいなら、日常とは違うイベント体験で時間の濃密さが高まります
例えば家族との時間を大切にしたいと思ったら、いつものルーティンとは違う、なにか特別なイベントを一緒に体験するといいですね。家族旅行というのは昔からある家族イベントのひとつですが、旅行に行くことで、同じ体験ができ、明確な記憶につながります。特別な経験はより明確に思い出すことができ、豊かな時間を過ごしたという満足感につながります。濃密な時間を感じられるというのは、いい時間の使い方をしたことの証です。
一方、オンタイムを考えると、働き方改革で仕事の効率化が求められ、テクノロジーの発展により時間単位でできることのボリュームは飛躍的に増えています。以前は出張して出席していた1日がかりの会議が、今では電話会議で1時間で済むようになっています。だからといって、あれもこれもと詰め込みすぎると、ただただ忙しいだけで、何をしたのか、どんな成果があったのか何も残らず、忙しかっただけの記憶となり、働く意義や楽しさが感じられなくなってしまうのです。

■オンタイムは小さな目標設定と達成感の積み重ねで、自分への自信を育み、充実感を実感しましょう
仕事に取り組むときは、いきなり大きな目標を目指すのではなく、目の前にある小さな具体的な課題を見つけ、それを間近な目標と定めます。具体的な目標なので達成しやすく、充実感が得られます。目標設定には「目標勾配」という、ゴールに近づくにつれ楽しく積極的に取り組める効果があります。目標設定することで作業効率の高い仕事が実現し、楽しみながら取り組むことができ、クオリティの高い結果につながるというわけです。もし達成できなかったら、なにが原因だったかきちんと見直すことで、次の目標設定で課題がクリアできるようになります。こうやって小さな成功体験を増やしていくことが、自分への自信となり、充実した時間、有意義な人生という感覚につながっていくのです。

■令和最初の「時の記念日」、人生の優先順位を考え“時間の取捨”を始めてみては?
前述の通り、やろうと思えば色々とできてしまう世の中ですが、私は“思い切って時間を取捨”することも必要ではないかと思います。あれもできるこれもできる、それ故に自分が本当にしたいことがわからなくなっているのではないでしょうか。自分にとって大切なことはなにか、その優先順位を考える。令和初の時の記念日は、そんな“時間取捨”のきっかけになさってみてはいかがでしょうか。

一川 誠(いちかわ・まこと)先生 プロフィール
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201906067228-O14-54yv6V98
千葉大学大学院人文科学研究院教授。
専門は実験心理学。実験的手法により人間が体験する時間や空間の特性、知覚、認知、感性における規則性の研究に従事。現在は特に、視覚や聴覚に対して与えられた時空間情報の知覚認知処理の特性の検討を行なっている。著書に『大人の時間はなぜ短いのか』(集英社新書)、『時計の時間、心の時間−退屈な時間はナゼ長くなるのか?』(教育評論社)など多数。

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