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dasotralineの成人の中等症から重症の過食性障害(BED)を対象としたFDAによる新薬承認申請の受理について

2019年7月31日

大日本住友製薬株式会社

ドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤 dasotralineの成人の中等症から重症の過食性障害(BED)を対象としたFDAによる新薬承認申請の受理について

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の米国子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)は、米国において提出していたドパミン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(DNRI)であるdasotraline(一般名、以下「本剤」)の成人の中等症から重症の過食性障害(BED)を対象とした新薬承認申請が、このたび米国食品医薬品局(FDA)によって受理されたことを2019年7月30日(米国東部時間)に発表しましたので、お知らせします。
 本剤の処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日は、2020年5月14日です。

本剤は、血中濃度半減期が長いという薬物動態プロファイルを有しており、1日1回投与で24時間にわたって持続的に中等度から重度のBED症状をコントロールすることが期待されています。

本剤は、中等症から重症のBED患者を対象とする2つの12週間の無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験※において有効性が確認されました。また、本剤は、最長1年間の安全性を評価する長期投与試験(SEP360-322試験)を含む臨床試験において良好な忍容性を示しました。

サノビオン社のPresident and Chief Executive OfficerであるAntony Loebel(アントニー・ローベル)は、次のように述べています。「BEDは、治療選択肢が限られている深刻な精神疾患であり、うつ病、薬物乱用、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などと関連していることが多く、過小に診断されて治療が不十分になることが多い疾患です。当社は、BED患者さんを対象とした臨床試験で示された本剤の有用性に自信を持っており、本剤が新しい治療の選択肢となるよう、FDAと緊密に連携していきます。」

BEDは、米国において410万人が罹患していると推定されており、拒食症と過食症を合わせた頻度より3倍高い頻度で発現する可能性があります。

※本剤のBEDを対象としたプラセボ対照比較試験の結果については、以下をご参照ください。
・SEP360-221試験の結果:2017年1月16日付けプレスリリース
・SEP360-321試験の結果:2018年7月26日付けプレスリリース

以 上

(ご参考)

【dasotralineについて】
本剤は、サノビオン社の自社創薬による開発品であり、中枢神経系のドパミンおよびノルエピネフリンについて、シナプス前部での再取り込みを阻害し、シナプス前部からの遊離を促進しない新しい化学物質です。また、血中濃度半減期が長いという薬物動態プロファイルを有しており、1日1回投与で24時間にわたって持続的に中等度から重度のBED症状をコントロールすることが期待されています。
本剤はBEDに対する治療剤として現在FDAに新薬承認申請中であり、サノビオン社は注意欠如・多動症(ADHD)を含む他の適応症に関する本剤の開発方針を検討中です。
【過食性障害(BED)について】
過食性障害(BED:Binge Eating Disorder)は、反復/持続する過食エピソードを特徴とし、過食エピソードは、他とはっきり区別される時間帯に異常に大量の食物を摂取すること、およびそのエピソードの間は食べたいという欲求をコントロールできないことと定義されています。過食エピソードは、苦痛を感じ、また?通常よりもとても早く食べる、?苦しいくらい満腹になるまで食べる、?身体的に空腹を感じていないにもかかわらず大量の食物を食べる、?自分が大量に食べていることに羞恥心を感じるため一人で食べる、?後になって、自己嫌悪、罪責感または抑うつ気分を感じるなどの症状を呈します。
米国において、410万人がBEDに罹患していると推定されており、米国おける成人男女のBEDの生涯有病率は、それぞれ2.1%、3.6%です。
BEDは、主に若年成人期に発症し、社会的孤立、自己嫌悪、仕事上の問題、肥満および関連する病状(胃食道逆流症、関節障害、心臓病、2型糖尿病、睡眠時の呼吸障害)のような精神的、身体的な多くの問題を引き起こします。また、これらの疾患による医療施設の利用、罹患率および死亡率を増加させます。BED患者の一部は肥満になりますが、多くのBED患者は適正体重を維持します。

【SEP360-221試験について】
SEP360-221試験は、18歳から55歳の中等症から重症のBED患者を対象とした、12週間の多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検比較フェーズ2/3試験です。本剤4mgから8mg/日の漸減漸増投与またはプラセボを投与しました。主要評価項目は、過食エピソードが1回でも生じた日を過食日と定義した、投与開始から投与12週後における各週の過食日数のベースラインからの変化量でした。本試験の結果、本剤は主要評価項目およびすべての重要な副次的評価項目(CGI-S、Y-BOCS-BEおよび過食が4週間発現しなかった患者の割合)において、プラセボに対して統計学的に有意な改善を示しました。本試験における有害事象は、これまでに成人を対象に実施された本剤の臨床試験の結果と一致しており、不眠、口渇、食欲減退、不安、吐き気および体重減少でした。

【SEP360-321試験について】
SEP360-321試験は、本剤の固定用量(4mg/日または6mg/日)を用い、18歳から55歳の中等症から重症のBED患者を対象とした、12週間の多施設共同、ランダム化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較フェーズ3試験です。主要評価項目は、投与12週間後における各週の過食日数のベースラインからの変化量であり、過食日数は過食エピソードが1回でも生じた週あたりの日数と定義しました。本試験の結果、本剤6mg/日投与群は、プラセボ投与群と比較し、主要評価項目において統計学的に有意な改善を示しました。本剤の両用量投与群は、概して良好な忍容性を示し、本剤投与群において観察された主な有害事象(10%以上)は、不眠、口渇、頭痛、食欲減退、悪心および不安であり、これまでに実施された本剤の臨床試験結果と一致していました。
本試験を完了した患者は、BED治療における本剤の12カ月間の安全性・忍容性を検討するオープンラベルの継続投与試験(SEP360-322)に参加することができ、良好な忍容性を示しました。

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