金沢工業大学とジャパンドームハウス株式会社が 農業ドームを共同で研究開発
[19/09/17]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2019年9月17日
金沢工業大学
【産学連携研究の社会実装事例紹介】
国連SDGs達成に石川発の研究開発で貢献
ビニールハウスの代替や植物工場建屋への活用で自然災害への強靭性強化。
金沢工業大学とジャパンドームハウス株式会社が
農業ドームを共同で研究開発
金沢工業大学建築学部建築学科 後藤正美教授(耐震工学)の研究室ではジャパンドームハウス株式会社(石川県加賀市)と共同で、農業ドームを研究開発し、平成28年度より発売しています。当農業用ドームはその自然災害への強靭性から、ビニールハウスに代わる用途や植物工場の建屋として活用ができるため、国連SDGs達成に石川発の研究開発で貢献するものとして期待されています。
後藤研究室ではジャパンドームハウス株式会社と長年にわたって機能性耐久樹脂を新素材としたドーム型ハウスの研究開発に取り組んできました。素材として食品のトレイに使用され、かつ電化製品の緩衝材に使用されるなどの強度性も併せ持つ発泡ポリスチレン(EPS)を採用。建築構造材としての強度や硬さを確保し、難燃加工やUVカット塗装など特殊な加工を施すことで、「7000型ドームハウス」、「7700型ドームハウス」、「7700型アーチ1号、2号、3号」は、「発泡ポリスチレンを構造材としたドーム型建造物」として日本ではじめて国土交通大臣認定を受け、製品化されています。
農業ドームはドームハウスで建築構造材として使用されているドームピースを農業用に活かしたものです。農林水産省、経済産業省、国土交通省より「建築確認申請が不要」と認められ、ビニールハウスと同等としての取扱いが可能です。壁の厚み20cm全てが断熱材であることで、密閉性と断熱性が高く極めて省エネであるという特性を活かし、自然災害が頻発し、気象状況がめまぐるしく変化する環境下においても、農業ドームは内部の温度や湿度などを保ちやすく、病害虫・害獣などによる被害も防ぐことができます。
またすでに製品化されているドーム型ハウスにおいても、耐震、耐積雪、耐風圧性能に優れていることが後藤研究室による実物大試験で確認されていることから、同社では自然災害に強い安心安全な住環境として販売を促進していく考えです。
「誰一人取り残さない世界の実現」に向け国連全加盟国が達成を目指すSDGsでは、「すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靭性(レジデンス)及び適応力の強化」が掲げられています。身近な社会的課題の解決と地球規模課題の解決の両立を石川発の研究開発で実現するものとして、大きな期待が寄せられています。
農業ドーム7号
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O1-2S0hx730 】
ドームハウス7000型 ホテル仕様
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O2-Evhax119 】
金沢工業大学とジャパンドームハウス株式会社との共同研究について
日本では従来、木材、鉄、コンクリート以外は構造材として認められてきませんでしたが、ジャパンドームハウス株式会社と金沢工業大学との共同開発により、日本で初めて「発泡ポリスチレンを構造材としたドーム型建造物」として国土交通大臣認定を取得しました。
日本初の認定を取得した「7000型ドームハウス」以降、「7700型ドームハウス」、アーチ型の形状をした「7700型アーチ1号、2号、3号」の国土交通大臣認定を取得しました。7700型アーチは2m単位でアーチの長さを伸ばすことが可能で、用途や土地の条件に合わせて仕様を組み合わせバリエーション豊富な空間を作り出すことが出来ます。
この発泡ポリスチレン(EPS)は、食品のトレイに使用されるように体に無害で、電化製品の緩衝材に使用されるなど強度性もあります。この特性を活かした特殊発泡ポリスチレン製ドームハウスは、発泡倍率を抑えることで建築構造材としての強度や硬さを持たせ、難燃加工やUVカット塗装など特殊な加工を施しています。日本工業規格(JIS A 9511)で「ビーズ法ポリスチレンフォーム」という名称が採用されているもので、製造の際もダイオキシンなどの有害物質は発生せず、またホルムアルデヒド不使用、体に害をおよぼす物は一切含まれていない、安心・安全な健康に優しい素材です。
このドームハウスは、基本ピースを専用の接着剤で接合することで、現場で簡単に組み立てることが出来ます。ピース1枚の重量は約80?。3〜4人の作業スタッフでパーツの組み立てだけであれば1日で完了します。養生、外装仕上げなども含めて短期間で施工することが出来ます。
特殊発泡ポリスチレンの圧縮に強いという特性に加え、ドーム型の強固な構造と丸い形状の相乗効果により耐積雪性能を発揮します。さらに、流線型のドーム形状が強風を受け流し、ピース脚部を基礎に埋め固定する独自の構造を採用することで、優れた耐風圧性能も保有しています。表面塗装材や接着剤などを組み合わせることで複合材料としての可能性を追求し、優れた耐久性も確保しています。この裏付けについては、長きに渡り、ジャパンドームハウス株式会社と金沢工業大学の後藤正美教授との共同研究により、実物大試験及び解析が行われています。
厚さ20cmの特殊発泡ポリスチレンで建物を覆うため、外の熱を通しにくく高い気密性があるため、室内の冷気、暖気を逃がさない優れた断熱性能もあります。ドーム型の形状であることで室内の空気が循環しやすく、熱量のロスも抑えられ、省エネで快適な環境を作ることができます。
また、発泡ポリスチレン自体が極めて軽量な素材であり、ドーム型の安定した形状であることで優れた耐震性能を発揮します。2016年に発生した熊本地震の際、被災地域に建つドームハウスは全く被害を受けませんでした。阿蘇ファームランド(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)には約480棟のドームハウスが採用されていますが、震度6強の揺れを受けても倒壊することなく、震災後は南阿蘇村の被災者の避難所として活用されました。
阿蘇ファームランド
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O3-bDJ379XV 】
農地に栽培目的にて使用する農業ドームは「建築確認申請が不要」と農林水産省、経済産業省、国土交通省より認められ、ビニールハウス同等としての取扱いが可能です。壁の厚み20cm全てが断熱材であることで、密閉性と断熱性が高く極めて省エネであるという特性を活かし、自然災害が各地で頻発し、気象状況がめまぐるしく変化する環境下においても、農業ドームは内部の温度や湿度などを保ちやすく、病害虫・害獣などによる被害も防ぐことが出来るため、様々なリスクを大幅に軽減することができます。
地元企業と教育機関が連携することにより、今後様々な分野での地域活性化の一翼を担うことが可能になっていくと期待されます。
【実物大試験及び解析の概要】
ドームあるいはアーチ形状を有した構造体は、圧縮力が主として作用する構造で力学的にも優れていると考えられます。金沢工業大学とジャパンドームハウス株式会社は共同研究として数々の実験を行い力学的な特徴を実験的あるいは解析的に明らかにしてきました。
【実験例】
1.材料強度の実験
発泡材の材料強度を明らかにするために、各種の材料実験を実施しました。写真1は圧縮試験時の様子です。
写真1
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O4-X3aN2xc0 】
2.避難仮設構造物の載荷実験
避難時などの応急施設などへの転用にも使える組み立て式の構造物の開発も行い、構造的な特性を明らかにする実験や解析も実施しました。
組立式避難仮設構造物
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O5-12g8RKMe 】
避難仮設構造物の試作品
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O6-56m1S4VM 】
金沢工業大学
【産学連携研究の社会実装事例紹介】
国連SDGs達成に石川発の研究開発で貢献
ビニールハウスの代替や植物工場建屋への活用で自然災害への強靭性強化。
金沢工業大学とジャパンドームハウス株式会社が
農業ドームを共同で研究開発
金沢工業大学建築学部建築学科 後藤正美教授(耐震工学)の研究室ではジャパンドームハウス株式会社(石川県加賀市)と共同で、農業ドームを研究開発し、平成28年度より発売しています。当農業用ドームはその自然災害への強靭性から、ビニールハウスに代わる用途や植物工場の建屋として活用ができるため、国連SDGs達成に石川発の研究開発で貢献するものとして期待されています。
後藤研究室ではジャパンドームハウス株式会社と長年にわたって機能性耐久樹脂を新素材としたドーム型ハウスの研究開発に取り組んできました。素材として食品のトレイに使用され、かつ電化製品の緩衝材に使用されるなどの強度性も併せ持つ発泡ポリスチレン(EPS)を採用。建築構造材としての強度や硬さを確保し、難燃加工やUVカット塗装など特殊な加工を施すことで、「7000型ドームハウス」、「7700型ドームハウス」、「7700型アーチ1号、2号、3号」は、「発泡ポリスチレンを構造材としたドーム型建造物」として日本ではじめて国土交通大臣認定を受け、製品化されています。
農業ドームはドームハウスで建築構造材として使用されているドームピースを農業用に活かしたものです。農林水産省、経済産業省、国土交通省より「建築確認申請が不要」と認められ、ビニールハウスと同等としての取扱いが可能です。壁の厚み20cm全てが断熱材であることで、密閉性と断熱性が高く極めて省エネであるという特性を活かし、自然災害が頻発し、気象状況がめまぐるしく変化する環境下においても、農業ドームは内部の温度や湿度などを保ちやすく、病害虫・害獣などによる被害も防ぐことができます。
またすでに製品化されているドーム型ハウスにおいても、耐震、耐積雪、耐風圧性能に優れていることが後藤研究室による実物大試験で確認されていることから、同社では自然災害に強い安心安全な住環境として販売を促進していく考えです。
「誰一人取り残さない世界の実現」に向け国連全加盟国が達成を目指すSDGsでは、「すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靭性(レジデンス)及び適応力の強化」が掲げられています。身近な社会的課題の解決と地球規模課題の解決の両立を石川発の研究開発で実現するものとして、大きな期待が寄せられています。
農業ドーム7号
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O1-2S0hx730 】
ドームハウス7000型 ホテル仕様
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O2-Evhax119 】
金沢工業大学とジャパンドームハウス株式会社との共同研究について
日本では従来、木材、鉄、コンクリート以外は構造材として認められてきませんでしたが、ジャパンドームハウス株式会社と金沢工業大学との共同開発により、日本で初めて「発泡ポリスチレンを構造材としたドーム型建造物」として国土交通大臣認定を取得しました。
日本初の認定を取得した「7000型ドームハウス」以降、「7700型ドームハウス」、アーチ型の形状をした「7700型アーチ1号、2号、3号」の国土交通大臣認定を取得しました。7700型アーチは2m単位でアーチの長さを伸ばすことが可能で、用途や土地の条件に合わせて仕様を組み合わせバリエーション豊富な空間を作り出すことが出来ます。
この発泡ポリスチレン(EPS)は、食品のトレイに使用されるように体に無害で、電化製品の緩衝材に使用されるなど強度性もあります。この特性を活かした特殊発泡ポリスチレン製ドームハウスは、発泡倍率を抑えることで建築構造材としての強度や硬さを持たせ、難燃加工やUVカット塗装など特殊な加工を施しています。日本工業規格(JIS A 9511)で「ビーズ法ポリスチレンフォーム」という名称が採用されているもので、製造の際もダイオキシンなどの有害物質は発生せず、またホルムアルデヒド不使用、体に害をおよぼす物は一切含まれていない、安心・安全な健康に優しい素材です。
このドームハウスは、基本ピースを専用の接着剤で接合することで、現場で簡単に組み立てることが出来ます。ピース1枚の重量は約80?。3〜4人の作業スタッフでパーツの組み立てだけであれば1日で完了します。養生、外装仕上げなども含めて短期間で施工することが出来ます。
特殊発泡ポリスチレンの圧縮に強いという特性に加え、ドーム型の強固な構造と丸い形状の相乗効果により耐積雪性能を発揮します。さらに、流線型のドーム形状が強風を受け流し、ピース脚部を基礎に埋め固定する独自の構造を採用することで、優れた耐風圧性能も保有しています。表面塗装材や接着剤などを組み合わせることで複合材料としての可能性を追求し、優れた耐久性も確保しています。この裏付けについては、長きに渡り、ジャパンドームハウス株式会社と金沢工業大学の後藤正美教授との共同研究により、実物大試験及び解析が行われています。
厚さ20cmの特殊発泡ポリスチレンで建物を覆うため、外の熱を通しにくく高い気密性があるため、室内の冷気、暖気を逃がさない優れた断熱性能もあります。ドーム型の形状であることで室内の空気が循環しやすく、熱量のロスも抑えられ、省エネで快適な環境を作ることができます。
また、発泡ポリスチレン自体が極めて軽量な素材であり、ドーム型の安定した形状であることで優れた耐震性能を発揮します。2016年に発生した熊本地震の際、被災地域に建つドームハウスは全く被害を受けませんでした。阿蘇ファームランド(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)には約480棟のドームハウスが採用されていますが、震度6強の揺れを受けても倒壊することなく、震災後は南阿蘇村の被災者の避難所として活用されました。
阿蘇ファームランド
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O3-bDJ379XV 】
農地に栽培目的にて使用する農業ドームは「建築確認申請が不要」と農林水産省、経済産業省、国土交通省より認められ、ビニールハウス同等としての取扱いが可能です。壁の厚み20cm全てが断熱材であることで、密閉性と断熱性が高く極めて省エネであるという特性を活かし、自然災害が各地で頻発し、気象状況がめまぐるしく変化する環境下においても、農業ドームは内部の温度や湿度などを保ちやすく、病害虫・害獣などによる被害も防ぐことが出来るため、様々なリスクを大幅に軽減することができます。
地元企業と教育機関が連携することにより、今後様々な分野での地域活性化の一翼を担うことが可能になっていくと期待されます。
【実物大試験及び解析の概要】
ドームあるいはアーチ形状を有した構造体は、圧縮力が主として作用する構造で力学的にも優れていると考えられます。金沢工業大学とジャパンドームハウス株式会社は共同研究として数々の実験を行い力学的な特徴を実験的あるいは解析的に明らかにしてきました。
【実験例】
1.材料強度の実験
発泡材の材料強度を明らかにするために、各種の材料実験を実施しました。写真1は圧縮試験時の様子です。
写真1
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O4-X3aN2xc0 】
2.避難仮設構造物の載荷実験
避難時などの応急施設などへの転用にも使える組み立て式の構造物の開発も行い、構造的な特性を明らかにする実験や解析も実施しました。
組立式避難仮設構造物
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O5-12g8RKMe 】
避難仮設構造物の試作品
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909120776-O6-56m1S4VM 】