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【4114:日本触媒】紙より薄い光源(iOLED®フィルム光源) をさらに 長寿命に

2019/9/17

株式会社日本触媒

紙より薄い光源(iOLED®フィルム光源) をさらに 長寿命に
〜水素結合を利用した新規有機EL用電子注入技術〜

株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、社長:五嶋祐治朗、証券番号:4114.T)は、NHKと共同で「紙より薄いフィルム光源(iOLED®フィルム光源)」をさらに長寿命化させる新しい電子注入*1技術を開発しました。
紙より薄く、柔軟性の高いiOLED®フィルム光源は、NHKと共同で開発している大気中の酸素や水分に強く安定性の高い有機ELの材料および素子技術(iOLED®技術)により実現しています。
しかしながら、更なる長寿命化には、一定の酸素や水分の存在下で高効率な電子注入を長期間維持することが課題でした。今回、2種類の有機材料間の水素結合を利用した新規有機EL用電子注入技術の開発により、課題を克服しました。これにより、iOLED®フィルム光源は、素子寿命と大気安定性を従来よりも高水準で両立できるようになり、使用用途の拡大が期待されます。
*1: 電極から発光などを担う有機材料に電子を入れること

一般に電子輸送層の電子注入機能付与のために用いられるアルカリ金属は、高い電子注入性を示す一方、大気安定性に乏しく、有機ELの劣化の主要因でした(図1)。
今回、アルカリ金属の代わりに有機塩基性材料を添加した、分極型の有機EL用材料を開発しました。この材料は高い大気安定性と分極による高い電子注入性を示すため、酸素や水分を透過しやすいフィルム上に有機ELを形成しても、高い電子注入が長期間維持されます。さらに、有機塩基性材料の添加により水素結合が形成され、これにより生じる分極が、電子注入に重要な役割を果たしていることを世界で初めて確認しました。今後、本技術をiOLED®フィルム光源に適応することで、発光色の精密な制御や長寿命かつ極薄膜素子の実現などiOLED®フィルム光源の高機能化はもちろん、プロセスの簡略化による低コスト化も期待できます。

今回の研究成果は9月6日に発行されたAdvanced Materials誌に掲載されました。
また、iOLED®フィルム光源は、9月18日(水)・19日(木)にパシフィコ横浜で開催されるケミカルマテリアルJapan2019に出展する当社ブースにて、展示いたします。

当社は、このiOLED®フィルム光源をもって、世界を明るく照らしていくとともに、今後も独創的で優れた技術を開発・企業化し、企業理念「テクノアメニティ、私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」の実現にまい進してまいります。

以上

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