Wi-SUNとWi-Fiを融合活用した“データの地産地消”技術を開発 〜実証実験を黒部市で実施〜
[19/09/19]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2019年9月19日
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
Wi-SUNとWi-Fiを融合活用した“データの地産地消”技術を開発
〜地域の“ながら”見守りと電子回覧板の実証実験を黒部市で実施〜
【ポイント】
■ 数千万世帯に普及済のWi-SUNをベースにした無線技術で地域見守りプラットフォームを実現
■ 業務用車両が本業をし“ながら”、高齢者の困り事等に気付き、立ち寄り、訪問や声掛けが可能
■ ネット環境が整わない地域での広帯域コンテンツ集配信や御用聞きビジネスへの応用に期待
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)ソーシャルICTシステム研究室は、免許不要のIoT向け国際無線標準規格Wi-SUNとWi-Fiを融合的に活用する“データの地産地消”無線ネットワーク構築技術を開発しました。黒部市在住の高齢者世帯を対象にして、同ネットワーク構築技術を用いた地域見守り実証と電子回覧板実証を10月から3か月間程度を目途に実施します。
地域見守り実証では、近隣を偶然走行する業務用車両にWi-SUNを活用した無線で、見守り対象世帯における外出頻度や社会的つながりの低下状況を知らせる仕組みを導入し、普段の仕事をし“ながら”見守り対象者の状況変化の早期把握と訪問型見守りサービスの効率的な提供について検証します。また、電子回覧板実証では、地域の業務用車両が普段の仕事をし“ながら”、動画コンテンツなども含む社会福祉協議会からのお知らせを配信する電子回覧板サービスの実用性を検証します。
【背景】
少子高齢化と過疎が進む地域において、スマートフォン等によるインターネットアクセス手段を活用しない高齢者世帯の効率的な見守り体制の維持が社会的な課題となっています。各自治体にある社会福祉協議会や校区(地域)ごとに任意で組織化される地区社会福祉協議会は、必要に応じた生活支援を行う努力をしていますが、ICTを活用した業務や活動の効率化が一層強く求められています。
このような背景の下、NICTは、社会福祉法人黒部市社会福祉協議会(黒部市社協、会長: 松井 敏昭)及び株式会社日新システムズ(代表取締役社長: 竹内 嘉一)と、黒部市内の地域福祉分野におけるICT利活用の研究及び見守り体制「くろべネット事業」におけるICT利活用に関して三者協定を2019年4月に締結し、10月から黒部市在住の高齢者世帯(最大40世帯)でスマートフォン等によるインターネットアクセス手段を持たない後期高齢者等を対象にした、くろべネット地域見守り実証とくろべネット地域サービス創出実証を合同で行うことになりました。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909170937-O1-GE6OUJat 】
業務用車両による“ながら”見守りと電子回覧板実証 のイメージ
【Wi-SUNを活用した黒部市での地域見守り実証実験の内容】
NICTソーシャルICTシステム研究室は、独自に打ち出した地域の資源を“ゆるくつなぐ”をコンセプトとする“データの地産地消”ネットワーク構築技術を開発しました。新たに開発した小型のすれ違いIoT無線ルータを宅内や地域の業務用車両に設置することで、携帯電話ネットワークやクラウドに頼らない地域情報の収集・配信・共有基盤を簡単に構築できます。同ネットワーク構築技術を構成するIoT無線ルータは、電気・ガス等のスマートメーター用途として既に国内数千万世帯の規模まで導入が進んでいるIoT向け国際無線標準規格Wi-SUNを活用したすれ違い通信機能を搭載しており、ほかの複数のIoT無線ルータが互いに電波が届く範囲(見通し外でも数百メートル程度)に接近した場合に、地域情報を自動的に共有する機能を持ちます。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909170937-O2-d4aPV1oV 】
今回開発した宅内/車載用のすれ違いIoT無線ルータ
NICTが中心となって推進する、くろべネット地域見守り実証では、このIoT無線ルータに加え、玄関ドアの開閉頻度が極度に低下している状況を検知して家屋外にビーコンを発信する“つぶやきセンサ”を見守り対象世帯に設置し、付近を走行する業務用車両が普段の仕事をし“ながら”外出頻度の低下世帯に気付くことができ、効率的な地域の見守り体制構築につながるかを検証します。
なお、 開発した小型すれ違いIoT無線ルータは、Wi-SUNと併せてWi-Fiも活用した高速な自動情報配信・共有機能も備えています。実証実験では、まず、電波が比較的広範に届くWi-SUNを活用したすれ違い通信機能で、周辺を走行中の車両に普段の仕事をし“ながら”電子回覧板の配信を希望する世帯の拠点に気付いてもらい、次に、その情報に基づいてWi-Fi通信が可能な範囲まで立ち寄る(近づく)ことで、社会福祉協議会からの電子回覧板を効率的に配信できるかを検証します。
今回の実証実験は、Wi-SUNを活用して実現したすれ違い通信機能による地域見守り実証実験となります。また、これまでにも無線技術を活用した地域情報の収集や配信を実現するシステムは存在しましたが、今回開発したすれ違いIoT無線ルータによって構築可能な地域ネットワークは、NICTが提唱する地域のデータを地域で消費する“データの地産地消”概念に基づいた地域ネットワークの構築を実現する設計となっており、データが有効である時間や地域を考慮した情報の自動収集と自動配信が容易に実現できることを特徴とします。
【今後の展望】
開発した“データの地産地消”ネットワーク構築技術は、スマートメーター基盤として全国に普及する無線標準規格Wi-SUNを活用していることから、今後更にデバイスの低コスト化が期待できるほか、世帯ごとに必ず設置されるスマートメーター機器を介して家屋内外の見守り情報等を、確実・低コストに収集するためのハブになることが期待されます。また、旧来は直接訪問によって実現していた、いわゆる“御用聞き”を、無線で効率的に実現するビジネス等への展開も期待されます。本システムを用いた黒部市等での社会実証を通じて、異業種・異分野の地域事業者の資源が横断的につながり地域を見守るプラットフォームが真に社会に浸透するための課題や社会的受容性の分析・検討を実証的に行っていきます。
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
Wi-SUNとWi-Fiを融合活用した“データの地産地消”技術を開発
〜地域の“ながら”見守りと電子回覧板の実証実験を黒部市で実施〜
【ポイント】
■ 数千万世帯に普及済のWi-SUNをベースにした無線技術で地域見守りプラットフォームを実現
■ 業務用車両が本業をし“ながら”、高齢者の困り事等に気付き、立ち寄り、訪問や声掛けが可能
■ ネット環境が整わない地域での広帯域コンテンツ集配信や御用聞きビジネスへの応用に期待
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)ソーシャルICTシステム研究室は、免許不要のIoT向け国際無線標準規格Wi-SUNとWi-Fiを融合的に活用する“データの地産地消”無線ネットワーク構築技術を開発しました。黒部市在住の高齢者世帯を対象にして、同ネットワーク構築技術を用いた地域見守り実証と電子回覧板実証を10月から3か月間程度を目途に実施します。
地域見守り実証では、近隣を偶然走行する業務用車両にWi-SUNを活用した無線で、見守り対象世帯における外出頻度や社会的つながりの低下状況を知らせる仕組みを導入し、普段の仕事をし“ながら”見守り対象者の状況変化の早期把握と訪問型見守りサービスの効率的な提供について検証します。また、電子回覧板実証では、地域の業務用車両が普段の仕事をし“ながら”、動画コンテンツなども含む社会福祉協議会からのお知らせを配信する電子回覧板サービスの実用性を検証します。
【背景】
少子高齢化と過疎が進む地域において、スマートフォン等によるインターネットアクセス手段を活用しない高齢者世帯の効率的な見守り体制の維持が社会的な課題となっています。各自治体にある社会福祉協議会や校区(地域)ごとに任意で組織化される地区社会福祉協議会は、必要に応じた生活支援を行う努力をしていますが、ICTを活用した業務や活動の効率化が一層強く求められています。
このような背景の下、NICTは、社会福祉法人黒部市社会福祉協議会(黒部市社協、会長: 松井 敏昭)及び株式会社日新システムズ(代表取締役社長: 竹内 嘉一)と、黒部市内の地域福祉分野におけるICT利活用の研究及び見守り体制「くろべネット事業」におけるICT利活用に関して三者協定を2019年4月に締結し、10月から黒部市在住の高齢者世帯(最大40世帯)でスマートフォン等によるインターネットアクセス手段を持たない後期高齢者等を対象にした、くろべネット地域見守り実証とくろべネット地域サービス創出実証を合同で行うことになりました。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909170937-O1-GE6OUJat 】
業務用車両による“ながら”見守りと電子回覧板実証 のイメージ
【Wi-SUNを活用した黒部市での地域見守り実証実験の内容】
NICTソーシャルICTシステム研究室は、独自に打ち出した地域の資源を“ゆるくつなぐ”をコンセプトとする“データの地産地消”ネットワーク構築技術を開発しました。新たに開発した小型のすれ違いIoT無線ルータを宅内や地域の業務用車両に設置することで、携帯電話ネットワークやクラウドに頼らない地域情報の収集・配信・共有基盤を簡単に構築できます。同ネットワーク構築技術を構成するIoT無線ルータは、電気・ガス等のスマートメーター用途として既に国内数千万世帯の規模まで導入が進んでいるIoT向け国際無線標準規格Wi-SUNを活用したすれ違い通信機能を搭載しており、ほかの複数のIoT無線ルータが互いに電波が届く範囲(見通し外でも数百メートル程度)に接近した場合に、地域情報を自動的に共有する機能を持ちます。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201909170937-O2-d4aPV1oV 】
今回開発した宅内/車載用のすれ違いIoT無線ルータ
NICTが中心となって推進する、くろべネット地域見守り実証では、このIoT無線ルータに加え、玄関ドアの開閉頻度が極度に低下している状況を検知して家屋外にビーコンを発信する“つぶやきセンサ”を見守り対象世帯に設置し、付近を走行する業務用車両が普段の仕事をし“ながら”外出頻度の低下世帯に気付くことができ、効率的な地域の見守り体制構築につながるかを検証します。
なお、 開発した小型すれ違いIoT無線ルータは、Wi-SUNと併せてWi-Fiも活用した高速な自動情報配信・共有機能も備えています。実証実験では、まず、電波が比較的広範に届くWi-SUNを活用したすれ違い通信機能で、周辺を走行中の車両に普段の仕事をし“ながら”電子回覧板の配信を希望する世帯の拠点に気付いてもらい、次に、その情報に基づいてWi-Fi通信が可能な範囲まで立ち寄る(近づく)ことで、社会福祉協議会からの電子回覧板を効率的に配信できるかを検証します。
今回の実証実験は、Wi-SUNを活用して実現したすれ違い通信機能による地域見守り実証実験となります。また、これまでにも無線技術を活用した地域情報の収集や配信を実現するシステムは存在しましたが、今回開発したすれ違いIoT無線ルータによって構築可能な地域ネットワークは、NICTが提唱する地域のデータを地域で消費する“データの地産地消”概念に基づいた地域ネットワークの構築を実現する設計となっており、データが有効である時間や地域を考慮した情報の自動収集と自動配信が容易に実現できることを特徴とします。
【今後の展望】
開発した“データの地産地消”ネットワーク構築技術は、スマートメーター基盤として全国に普及する無線標準規格Wi-SUNを活用していることから、今後更にデバイスの低コスト化が期待できるほか、世帯ごとに必ず設置されるスマートメーター機器を介して家屋内外の見守り情報等を、確実・低コストに収集するためのハブになることが期待されます。また、旧来は直接訪問によって実現していた、いわゆる“御用聞き”を、無線で効率的に実現するビジネス等への展開も期待されます。本システムを用いた黒部市等での社会実証を通じて、異業種・異分野の地域事業者の資源が横断的につながり地域を見守るプラットフォームが真に社会に浸透するための課題や社会的受容性の分析・検討を実証的に行っていきます。