ホテル、レジャー、外食産業に厳しい春。 のしかかる新型コロナと人件費上昇の重し。
[20/03/19]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
〜同一労働同一賃金 企業の取り組みに関するアンケート調査結果〜
2020年3月19日(木)
株式会社新経営サービス 人事戦略研究所
京都市下京区河原町五条西入本覚寺前町830 京都EHビル6階
TEL 075-343-0770 / FAX 075-343-4714
報道機関各位
ニュースレター
2020年3月19日
ホテル、レジャー、外食産業に厳しい春。 のしかかる新型コロナと人件費上昇の重し。 〜同一労働同一賃金 企業の取り組みに関するアンケート調査結果〜
株式会社新経営サービス 人事戦略研究所では、弊社サイト「同一労働同一金.com」<https://douitsu-chingin.com/>の利用者を対象に「同一労働同一賃金に関する企業の取り組み実態」について調査を行い、347社からの回答をとりまとめました。
〜法改正による人件費上昇は必至。先行き不安の中、迫られる各社の対応〜
来月4月1日からの法改正を前に、直前の企業対応状況が出ました。やはり大企業においては、4月までに導入予定が約9割と、滑り込みでの対応となりそうです。中小企業は1年間猶予期間があるため、来年2021年4月までに対応する会社が大多数となっています。
インターネット上などでは、「同一労働同一賃金なんて、どうせ正社員の待遇が引き下げられるだけだろう」といった懐疑的な意見も少なくありませんでした。しかし、一方的な労働条件の不利益変更が簡単に行えるはずもなく、今回のアンケート結果も、一定水準の人件費上昇を見込む企業が多数となりました。
ただし、非正規社員比率の高いホテル、レジャー、外食産業がとりわけ、新型コロナウイルスの影響で、軒並み深刻な売上減少を強いられています。売上減少のタイミングに、人件費増を伴う同一労働同一賃金対応が重なりますので、急きょ対応方針を見直す企業が出てくるかもしれません。
正社員・非正規社員間における、家族手当や賞与・退職金の格差是正を訴えた、いくつかの重要裁判も、まだ最高裁判決待ちの状態です。この結果次第では、今回導入済みと回答した大企業であっても、更なる追加対応を迫られる可能性があります。
■調査概要
本アンケート調査では、「取組状況」「処遇改善方法」「人件費への影響度」に関する質問を行った。各回答について、「大企業と中小企業比較」「業種別比較」にて集計している。
■調査期間
2020年2月4日〜2020年2月25日
■回答者属性
アンケート回答者数 :347社
回答者企業従業員規模:従業員数10名未満 59社
従業員数10〜99名 80社
従業員数100〜299名 91社
従業員数300名〜999名 63社
従業員数1000名以上 54社
回答者の企業業種 :製造業89社、卸売業 24社、小売業・飲食店23社、サービス業109社、その他102社
回答者適用企業区分:大企業92社、中小企業246社、わからない9社
※回答者適用企業区分とは、法律適用における「大企業」、「中小企業」の区分を指す
【結果の概況】
大企業と中小企業比較では、(法改正に向けた)「取組状況」について、大企業では「すでに導入済みである」「2020年4月に導入予定」と答えた企業が全体の90.2%、中小企業では13.8%となっている。法改正に1年の猶予期間がある中小企業では「2021年4月までに導入予定」と答えた企業が64.6%と大半を占める。
業種別比較では、「処遇改善方法」について「正社員、非正規社員ともに全体を見直した」と答えた企業が、製造業22.5%、卸売業20.8%、小売業・飲食店34.8%、サービス業26.6%となっており、小売業・飲食店、サービス業において相対的に高い数値を示している。
また「人件費への影響度」については、「大きく上昇する」と答えた企業が、製造業9.0%、卸売業0.0%、小売業・飲食店30.4%、サービス業5.5%となっており、比較的非正規社員比率の高い小売業・飲食店で、人件費が大きく上昇する見込みである企業が3割を占める。
【調査結果】
■大企業と中小企業比較
ここでは同一労働同一賃金の法律時期の適用区分における「大企業」と「中小企業」を比較する。
1.取組状況について
「取組状況」については、「同一労働同一賃金への対応について、現在どのような取り組み状況ですか?」という質問を行った。
大企業は「すでに導入済みである」と答えた企業が6.5%「2020年4月に導入予定」が83.7%となっており、すでに法対応への取り組みが終わっている企業が9割を超えている。
対して、2021年まで導入を猶予されている中小企業においては「すでに導入済みである」が1.2%、「2020年に導入予定」が12.6%にとどまり、「2021年4月までに導入予定」と答えた企業が64.6%と、未対応の企業の占める割合が大きくなっている。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O4-R0dU1H9D】
2.処遇改善方法について
「処遇改善方法」については、「取り組まれた処遇改善方法はどのような方法ですか?(これから検討される企業様は予想される対応)」という質問を行った。
「正社員、非正規社員ともに全体を見直した(見直す予定である」と回答した企業が、大企業27.3%、中小企業24.0%、いずれも約4分の1程度を占めている。
対して、「非正規社員を引き上げた(引き上げる予定)」については大企業が31.5%だったのに対し、中小企業は17.1%に留まった。
一方、「まだわからない」と回答した企業が大企業28.3%、中小企業45.5%となっている。大企業では、法施行の2か月前の段階で処遇改善の方針がまだ確定していない企業があることがわかる。中小企業は2021年4月に向けて、これからの検討となりそうだ。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O5-KMVWzT39】
3.人件費への影響度について
「人件費への影響度」では、「対応した場合、あなたの会社の総額人件費にはどのような影響がありましたか?(これから対応される企業様は予想でお答えください)」という質問を行った。
人件費が「大きく上昇する」と答えた企業は、大企業で12.0%、中小企業で6.9%、「ある程度上昇する」と答えた企業は、大企業で63.0%、中小企業で48.8%となっており、大企業では7割以上、中小企業でも5割以上の企業が、人件費が上昇するという見込みを示している。
また「まだわからない」と答えた企業は、大企業で13.0%、中小企業で25.2%と、人件費への影響度がまだ見えていない企業が一定数あることがわかる。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O6-0Nhlfc43】
■業種別比較
ここでは「製造業」「卸売業」「小売・飲食店」「サービス業」「その他」の5つの業種区分で比較する。
1.取組状況について
取り組み状況を業種別で比較すると、小売業、飲食店において「すでに導入済みである(8.7%)」「2020年4月に導入予定(39.1%)」と回答した企業が計47.8%と半数近くを占め、他業種に比べて比較的高い数値を示している。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O7-6omuWe48】
2.処遇改善方法について
処遇改善方法における業種別の特徴としては、「正社員、非正規社員ともに全体を見直した」と答えた企業が、製造業で22.5%、卸売業で20.8%、小売業・飲食店で34.8%、サービス業で26.6%となっており、小売・飲食店において比較的高く、サービス業ではやや高い数値を示している。
また「非正規社員を引き上げた」と答えた企業は製造業で24.7%、卸売業29.2%であるのに対して、小売業・飲食店、サービス業において17.4%とやや低くなっている。
「まだわからない」と答えた企業は製造業で47.2%、卸売業で33.3%、小売業・飲食店で34.8%、サービス業で38.5%となっており、製造業でやや高くなっている。いずれの業種においても「まだわからない」と答えている企業が3割以上を占める。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O8-0BMnzhr9】
3.人件費への影響度について
人件費への影響度では、「大きく上昇する」と答えた企業が、製造業9.0%、卸売業0.0%、小売業・飲食店30.4%、サービス業5.5%となっている。比較的非正規比率が高い小売業・飲食店において、特に高い数値を示している。
一方、「まだわからない」と答えた企業が製造業21.3%、卸売業8.3%、小売業・飲食店4.3%、サービス業22.0%、となっており、卸売業、小売業・飲食店で低く、製造業、サービス業において比較的高くなっており、業種による傾向が見られる。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O9-1Z1826ru】
以上
2020年3月19日(木)
株式会社新経営サービス 人事戦略研究所
京都市下京区河原町五条西入本覚寺前町830 京都EHビル6階
TEL 075-343-0770 / FAX 075-343-4714
報道機関各位
ニュースレター
2020年3月19日
ホテル、レジャー、外食産業に厳しい春。 のしかかる新型コロナと人件費上昇の重し。 〜同一労働同一賃金 企業の取り組みに関するアンケート調査結果〜
株式会社新経営サービス 人事戦略研究所では、弊社サイト「同一労働同一金.com」<https://douitsu-chingin.com/>の利用者を対象に「同一労働同一賃金に関する企業の取り組み実態」について調査を行い、347社からの回答をとりまとめました。
〜法改正による人件費上昇は必至。先行き不安の中、迫られる各社の対応〜
来月4月1日からの法改正を前に、直前の企業対応状況が出ました。やはり大企業においては、4月までに導入予定が約9割と、滑り込みでの対応となりそうです。中小企業は1年間猶予期間があるため、来年2021年4月までに対応する会社が大多数となっています。
インターネット上などでは、「同一労働同一賃金なんて、どうせ正社員の待遇が引き下げられるだけだろう」といった懐疑的な意見も少なくありませんでした。しかし、一方的な労働条件の不利益変更が簡単に行えるはずもなく、今回のアンケート結果も、一定水準の人件費上昇を見込む企業が多数となりました。
ただし、非正規社員比率の高いホテル、レジャー、外食産業がとりわけ、新型コロナウイルスの影響で、軒並み深刻な売上減少を強いられています。売上減少のタイミングに、人件費増を伴う同一労働同一賃金対応が重なりますので、急きょ対応方針を見直す企業が出てくるかもしれません。
正社員・非正規社員間における、家族手当や賞与・退職金の格差是正を訴えた、いくつかの重要裁判も、まだ最高裁判決待ちの状態です。この結果次第では、今回導入済みと回答した大企業であっても、更なる追加対応を迫られる可能性があります。
■調査概要
本アンケート調査では、「取組状況」「処遇改善方法」「人件費への影響度」に関する質問を行った。各回答について、「大企業と中小企業比較」「業種別比較」にて集計している。
■調査期間
2020年2月4日〜2020年2月25日
■回答者属性
アンケート回答者数 :347社
回答者企業従業員規模:従業員数10名未満 59社
従業員数10〜99名 80社
従業員数100〜299名 91社
従業員数300名〜999名 63社
従業員数1000名以上 54社
回答者の企業業種 :製造業89社、卸売業 24社、小売業・飲食店23社、サービス業109社、その他102社
回答者適用企業区分:大企業92社、中小企業246社、わからない9社
※回答者適用企業区分とは、法律適用における「大企業」、「中小企業」の区分を指す
【結果の概況】
大企業と中小企業比較では、(法改正に向けた)「取組状況」について、大企業では「すでに導入済みである」「2020年4月に導入予定」と答えた企業が全体の90.2%、中小企業では13.8%となっている。法改正に1年の猶予期間がある中小企業では「2021年4月までに導入予定」と答えた企業が64.6%と大半を占める。
業種別比較では、「処遇改善方法」について「正社員、非正規社員ともに全体を見直した」と答えた企業が、製造業22.5%、卸売業20.8%、小売業・飲食店34.8%、サービス業26.6%となっており、小売業・飲食店、サービス業において相対的に高い数値を示している。
また「人件費への影響度」については、「大きく上昇する」と答えた企業が、製造業9.0%、卸売業0.0%、小売業・飲食店30.4%、サービス業5.5%となっており、比較的非正規社員比率の高い小売業・飲食店で、人件費が大きく上昇する見込みである企業が3割を占める。
【調査結果】
■大企業と中小企業比較
ここでは同一労働同一賃金の法律時期の適用区分における「大企業」と「中小企業」を比較する。
1.取組状況について
「取組状況」については、「同一労働同一賃金への対応について、現在どのような取り組み状況ですか?」という質問を行った。
大企業は「すでに導入済みである」と答えた企業が6.5%「2020年4月に導入予定」が83.7%となっており、すでに法対応への取り組みが終わっている企業が9割を超えている。
対して、2021年まで導入を猶予されている中小企業においては「すでに導入済みである」が1.2%、「2020年に導入予定」が12.6%にとどまり、「2021年4月までに導入予定」と答えた企業が64.6%と、未対応の企業の占める割合が大きくなっている。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O4-R0dU1H9D】
2.処遇改善方法について
「処遇改善方法」については、「取り組まれた処遇改善方法はどのような方法ですか?(これから検討される企業様は予想される対応)」という質問を行った。
「正社員、非正規社員ともに全体を見直した(見直す予定である」と回答した企業が、大企業27.3%、中小企業24.0%、いずれも約4分の1程度を占めている。
対して、「非正規社員を引き上げた(引き上げる予定)」については大企業が31.5%だったのに対し、中小企業は17.1%に留まった。
一方、「まだわからない」と回答した企業が大企業28.3%、中小企業45.5%となっている。大企業では、法施行の2か月前の段階で処遇改善の方針がまだ確定していない企業があることがわかる。中小企業は2021年4月に向けて、これからの検討となりそうだ。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O5-KMVWzT39】
3.人件費への影響度について
「人件費への影響度」では、「対応した場合、あなたの会社の総額人件費にはどのような影響がありましたか?(これから対応される企業様は予想でお答えください)」という質問を行った。
人件費が「大きく上昇する」と答えた企業は、大企業で12.0%、中小企業で6.9%、「ある程度上昇する」と答えた企業は、大企業で63.0%、中小企業で48.8%となっており、大企業では7割以上、中小企業でも5割以上の企業が、人件費が上昇するという見込みを示している。
また「まだわからない」と答えた企業は、大企業で13.0%、中小企業で25.2%と、人件費への影響度がまだ見えていない企業が一定数あることがわかる。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O6-0Nhlfc43】
■業種別比較
ここでは「製造業」「卸売業」「小売・飲食店」「サービス業」「その他」の5つの業種区分で比較する。
1.取組状況について
取り組み状況を業種別で比較すると、小売業、飲食店において「すでに導入済みである(8.7%)」「2020年4月に導入予定(39.1%)」と回答した企業が計47.8%と半数近くを占め、他業種に比べて比較的高い数値を示している。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O7-6omuWe48】
2.処遇改善方法について
処遇改善方法における業種別の特徴としては、「正社員、非正規社員ともに全体を見直した」と答えた企業が、製造業で22.5%、卸売業で20.8%、小売業・飲食店で34.8%、サービス業で26.6%となっており、小売・飲食店において比較的高く、サービス業ではやや高い数値を示している。
また「非正規社員を引き上げた」と答えた企業は製造業で24.7%、卸売業29.2%であるのに対して、小売業・飲食店、サービス業において17.4%とやや低くなっている。
「まだわからない」と答えた企業は製造業で47.2%、卸売業で33.3%、小売業・飲食店で34.8%、サービス業で38.5%となっており、製造業でやや高くなっている。いずれの業種においても「まだわからない」と答えている企業が3割以上を占める。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O8-0BMnzhr9】
3.人件費への影響度について
人件費への影響度では、「大きく上昇する」と答えた企業が、製造業9.0%、卸売業0.0%、小売業・飲食店30.4%、サービス業5.5%となっている。比較的非正規比率が高い小売業・飲食店において、特に高い数値を示している。
一方、「まだわからない」と答えた企業が製造業21.3%、卸売業8.3%、小売業・飲食店4.3%、サービス業22.0%、となっており、卸売業、小売業・飲食店で低く、製造業、サービス業において比較的高くなっており、業種による傾向が見られる。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202003198235-O9-1Z1826ru】
以上