科学的思考の重要性 〜COVID-19或いは新たなパンデミックにどう向き合うか
[20/09/02]
提供元:共同通信PRワイヤー
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日本工学アカデミー栄誉フェロー小泉英明氏、 慶應大学GRI所長安井正人氏による緊急提言
2020年9月2日
一般社団法人Future Center Alliance Japan https://futurecenteralliance-japan.org/
一般社団法人FCAJ(Future Center Alliance Japan:代表理事 紺野登)は2020年4月21日及び5月3日のオンラインによるシンポジウム、セミナーで「COVID-19パンデミック」を契機として変容する今後の社会のあり方として「共感_利他_共通善」が非常に重要であることを提言いたしました。しかしながら、それから3ヶ月超経った今、いまだ混乱から抜け出していない社会を前に改めて、緊急提言#2を発表する次第です。尚、本内容は2020年8月27日のウェビナー(オンラインによるセミナー)の内容に基づいております。
<緊急提言サマリー>
COVID-19は一過性のものではなく、短期的視野の対応は人類にとって未来のリスクを生むため長距離走を覚悟する必要がある。このリスクに立ち向かうために我々は多くのデータ(ファクト)をベースに「科学的視座」を持ち、ニューノーマルにいち早く備え、確たる「倫理」に基づき行うべきことの優先順位を決めていく必要がある。そのためにも社会と科学の対話の重要性を唱えたい。
1)大規模分析工場の提案〜経済活動と自粛のジレンマの解決 小泉英明氏
経済・文化活動を進め、同時に保護(隔離)を適切に進めるためには、高い正確度(Accuracy)で大量の検査を実現する仕組みづくりが肝要である。大規模検査工場(Large Analysis Factory=LAF)は、人々の唾液などの検体や下水試料を集約して、一挙に全自動・廉価なPCR検査や高正確度抗原・抗体検査を迅速に実施する。LAFは緊急時以外にも未来のリスクに柔軟に対応できる社会システムとなり得る。また、IoT技術を使いバーチャル検査工場を急ぎ稼働させる検討も必要だ。今後、感染爆発を防ぎつつ経済・文化活動を可能にし、弱者が犠牲にならない社会を実現するために、実証基調(Evidence-based)の施策と、一人一人が倫理観と科学的リテラシーを持つことが必要である。同時に、倫理・科学・経済など異分野を横断する社会システムが強く求められている。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202009013750-O1-y5p3A9iK】
1971年東京大学教養学部基礎科学科卒業、同年日立製作所計測器事業部入社。1976年偏光ゼーマン原子吸光分析法を創出し東京大学理学博士。実用化した装置は、環境計測を中心に世界で1万台以上が稼働。通産省特許制度100周年にて日本の代表特許50件に選定、また初期装置は分析機器・科学機器遺産に選定。医療計測では、磁気共鳴血管 描画法(MRA)や光トポグラフィ法を創出し実用化。日立基礎研究所所長、技師長、フェローを歴任。第55代日本分析化学会会長。ローマ教皇庁科学アカデミー400周年記念時に招聘講演。『日経サイエンス』40周年記念誌ではノーベル賞候補として紹介される。編著に『環境計測の最先端』、分担執筆に『Encyclopedia of Analytical Chemistry』 他辞書類多数。
2)ポストコロナで変わる医療〜在宅モニタリングを通した予防の医学へ 安井正人氏
現在新型コロナウイルス感染症に対する様々な治療薬・ワクチンが開発されているが、長距離走になる可能性が高い。また、コロナ禍において、「コロナ鬱」や「ゲーム依存」等新たな問題も生じている。一方で技術革新により新たな医療の方向性も見えてきた。医者を頼る診断・診療の医療から、新たなIoT技術を駆使し、予防を中心とした「在宅モニタリング」という方向に舵が切られる可能性が高い。そのためには、正確かつ簡易な生体モニタリングの技術開発が必須である。例えば、我々は身体の3分の2を占める水の動態をモニタリングし、生体システムの変容をテ?シ?タル描出する革新的技術を開発することで、感染症の予防診断等も行い、「潜伏期」にウィルス感染を把握できるような社会を目指している。一方でこれらのバイオデータは個人情報をどう扱うかと言う倫理的な課題も内包している。医療・経済・法律など横断的な対話の場がますます重要になってきている。COVID-19は医療におけるイノベーションの契機であると感じている。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202009013750-O2-EVY1z3o7】
平成元年慶應義塾大学医学部を卒業。聖路加国際病院、東京女子医科大学母子総合医療センター、スウェーデンカロリンスカ研究所、米国ジョンズホプキンス大学を経て平成18年に慶應義塾大学医学部薬理学教室の教授に就任。専門は薬理学、小児科学。水チャネル、アクアポリンの研究に従事し、最近では脳内の水の流れの制御という観点から、アルツハイマー病と睡眠との関連性についても研究を進める。また国際交流推進事業にも傾注し、平成30年から慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)所長としてグローバルリーダー育成にも力を注ぐ。
註)尚8月27日のウェビナーでは、小泉・安井両氏の他に児玉龍彦氏による動画でのプレゼンも冒頭にあったことをここに記します。
児玉 龍彦
システム生物医学者・医師、東京大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクトリーダー、東京大学名誉教授、東京大学アイソトープ総合センター元センター長
※一般社団法人Future Center Alliance Japan (FCAJ)は、産学官民が参加・連携する組織(プルーラルセクター)であり、経済と社会を繋ぐオープンイノベーション の「場」として、自社や自組織の枠を超えた社会課題や未来課題への対応、新たな産業を構想する活動を2016年より行っています。https://futurecenteralliance-japan.org/
2020年9月2日
一般社団法人Future Center Alliance Japan https://futurecenteralliance-japan.org/
一般社団法人FCAJ(Future Center Alliance Japan:代表理事 紺野登)は2020年4月21日及び5月3日のオンラインによるシンポジウム、セミナーで「COVID-19パンデミック」を契機として変容する今後の社会のあり方として「共感_利他_共通善」が非常に重要であることを提言いたしました。しかしながら、それから3ヶ月超経った今、いまだ混乱から抜け出していない社会を前に改めて、緊急提言#2を発表する次第です。尚、本内容は2020年8月27日のウェビナー(オンラインによるセミナー)の内容に基づいております。
<緊急提言サマリー>
COVID-19は一過性のものではなく、短期的視野の対応は人類にとって未来のリスクを生むため長距離走を覚悟する必要がある。このリスクに立ち向かうために我々は多くのデータ(ファクト)をベースに「科学的視座」を持ち、ニューノーマルにいち早く備え、確たる「倫理」に基づき行うべきことの優先順位を決めていく必要がある。そのためにも社会と科学の対話の重要性を唱えたい。
1)大規模分析工場の提案〜経済活動と自粛のジレンマの解決 小泉英明氏
経済・文化活動を進め、同時に保護(隔離)を適切に進めるためには、高い正確度(Accuracy)で大量の検査を実現する仕組みづくりが肝要である。大規模検査工場(Large Analysis Factory=LAF)は、人々の唾液などの検体や下水試料を集約して、一挙に全自動・廉価なPCR検査や高正確度抗原・抗体検査を迅速に実施する。LAFは緊急時以外にも未来のリスクに柔軟に対応できる社会システムとなり得る。また、IoT技術を使いバーチャル検査工場を急ぎ稼働させる検討も必要だ。今後、感染爆発を防ぎつつ経済・文化活動を可能にし、弱者が犠牲にならない社会を実現するために、実証基調(Evidence-based)の施策と、一人一人が倫理観と科学的リテラシーを持つことが必要である。同時に、倫理・科学・経済など異分野を横断する社会システムが強く求められている。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202009013750-O1-y5p3A9iK】
1971年東京大学教養学部基礎科学科卒業、同年日立製作所計測器事業部入社。1976年偏光ゼーマン原子吸光分析法を創出し東京大学理学博士。実用化した装置は、環境計測を中心に世界で1万台以上が稼働。通産省特許制度100周年にて日本の代表特許50件に選定、また初期装置は分析機器・科学機器遺産に選定。医療計測では、磁気共鳴血管 描画法(MRA)や光トポグラフィ法を創出し実用化。日立基礎研究所所長、技師長、フェローを歴任。第55代日本分析化学会会長。ローマ教皇庁科学アカデミー400周年記念時に招聘講演。『日経サイエンス』40周年記念誌ではノーベル賞候補として紹介される。編著に『環境計測の最先端』、分担執筆に『Encyclopedia of Analytical Chemistry』 他辞書類多数。
2)ポストコロナで変わる医療〜在宅モニタリングを通した予防の医学へ 安井正人氏
現在新型コロナウイルス感染症に対する様々な治療薬・ワクチンが開発されているが、長距離走になる可能性が高い。また、コロナ禍において、「コロナ鬱」や「ゲーム依存」等新たな問題も生じている。一方で技術革新により新たな医療の方向性も見えてきた。医者を頼る診断・診療の医療から、新たなIoT技術を駆使し、予防を中心とした「在宅モニタリング」という方向に舵が切られる可能性が高い。そのためには、正確かつ簡易な生体モニタリングの技術開発が必須である。例えば、我々は身体の3分の2を占める水の動態をモニタリングし、生体システムの変容をテ?シ?タル描出する革新的技術を開発することで、感染症の予防診断等も行い、「潜伏期」にウィルス感染を把握できるような社会を目指している。一方でこれらのバイオデータは個人情報をどう扱うかと言う倫理的な課題も内包している。医療・経済・法律など横断的な対話の場がますます重要になってきている。COVID-19は医療におけるイノベーションの契機であると感じている。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202009013750-O2-EVY1z3o7】
平成元年慶應義塾大学医学部を卒業。聖路加国際病院、東京女子医科大学母子総合医療センター、スウェーデンカロリンスカ研究所、米国ジョンズホプキンス大学を経て平成18年に慶應義塾大学医学部薬理学教室の教授に就任。専門は薬理学、小児科学。水チャネル、アクアポリンの研究に従事し、最近では脳内の水の流れの制御という観点から、アルツハイマー病と睡眠との関連性についても研究を進める。また国際交流推進事業にも傾注し、平成30年から慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)所長としてグローバルリーダー育成にも力を注ぐ。
註)尚8月27日のウェビナーでは、小泉・安井両氏の他に児玉龍彦氏による動画でのプレゼンも冒頭にあったことをここに記します。
児玉 龍彦
システム生物医学者・医師、東京大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクトリーダー、東京大学名誉教授、東京大学アイソトープ総合センター元センター長
※一般社団法人Future Center Alliance Japan (FCAJ)は、産学官民が参加・連携する組織(プルーラルセクター)であり、経済と社会を繋ぐオープンイノベーション の「場」として、自社や自組織の枠を超えた社会課題や未来課題への対応、新たな産業を構想する活動を2016年より行っています。https://futurecenteralliance-japan.org/