侮るなかれ、『冬の“かくれ脱水”』。 新型コロナ流行の今年、特に水分摂取が必要な理由とは?
[20/12/14]
提供元:共同通信PRワイヤー
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“コタツでヒートショック”、起こさぬためには
2020年12月14日
教えて!「かくれ脱水」委員会
まだまだ油断ができない新型コロナウイルスの流行の拡大。
そんな最中、気温が下がり、乾燥する真冬を迎え、免疫力のゆらぎも気になります。
実は冬季にも、気づかぬうちに体内の水分量が減ってしまい、身体機能に不調をきたす恐れのある「かくれ脱水」が起こります。しかも、実は冬こそ、脱水に気づきづらい、まさにかくれた落とし穴があるそうです。
脱水症の啓発活動を行う医療従事者により組織される「教えて!『かくれ脱水』委員会」の医師 谷口英喜先生が、冬だからこそ「かくれ脱水」が起こる理由、そして冬のかくれ脱水のリスクについて解説します。
【監修医師】
済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長
「教えて!『かくれ脱水』委員会」副委員長 医師 谷口英喜先生
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O6-WT4cI98c】
専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。著書「熱中症・脱水症に役立つ 経口補水療法ハンドブック 改訂版」/『イラストでやさしく解説!「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本』
夏よりも冬のほうが「かくれ脱水」に陥りやすい理由
空気が乾燥していると、肌から水分も奪われやすくなりますが、それ以上に危険なのは、気温の低い冬は夏と違って、汗をかかず、喉も渇きづらいので、かくれ脱水を起こしていても気づきにくいという点。ゆっくりと起こる「かくれ脱水」に気づかず、体調を崩したり、ウイルスへの抵抗力が弱って初めて「水分をもっと摂っておくべきだった」という結果になりかねません。
冬のかくれ脱水には要注意! その理由は…
1) 長い自粛期間で水を溜める臓器、“筋肉”が衰えている!
2)ウイルスから守ってくれる「粘膜」の働きが正常でなくなる
3)脱水による便秘で腸内環境が悪化!免疫バランスが崩れることも
4)コタツでうっかり…“ぬくぬく”うたた寝が危険!?
長い自粛期間で水を溜める臓器である“筋肉”が衰えている!
今年は春先から現在まで、新型コロナウイルス感染症の予防のためになるべく外出を控え、自粛生活を送っていたという方が多いことでしょう。外出機会が減り、1日中座りっぱなしで仕事をしたりしていた生活の中では、おのずと筋力が衰えます。
軽い運動を毎日室内で行うことを心掛け、また、たんぱく質など、筋肉を作ってくれる栄養素を摂るように心がけましょう。
【簡単にできる運動の例】
出典:公益社団法人 日本理学療法士協会
◎バランス保持運動 ◎筋力強化運動
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O10-DY6P8Vpz】
ウイルスから守ってくれる「粘膜」の働きが正常でなくなる
口や鼻の粘膜には、体内に入ってきた細菌やウイルスの侵入を防御し、排除してくれる働きがあります。
鼻や喉の粘膜の表面に無数に存在する毛のような「繊毛(せんもう)」が、ウイルスをキャッチし、外へ外へと押し出してくれるのです。しかし、空気の乾燥ばかりでなく身体が脱水していると、粘液が十分に分泌されず、繊毛が乾き、このはたらきが損なわれてしまいます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O19-ssJV3I67】
冬の脱水は、気づきが遅いですから、渇きを感じなくとも定期的に水分補給を心がけてください。
めまいやこむら返り、だるさなど、軽い脱水の症状を感じたら、対処のためにいつでも経口補水液を摂れるように、普段からの備蓄もお勧めです。
脱水による便秘で腸内環境が悪化!免疫バランスが崩れることも
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O16-sBIk5bMU】
かくれ脱水は便秘の原因にもなることがあります。
便秘によって不要な内容物が長時間腸内にとどまっていると、腸内細菌のバランスを悪化させ、免疫バランスの崩れを引き起こすことも。
冬便秘は、特にウイルスが気になる今年は解消しておきたいものです。
腸管にある内容物を、スムーズに体外へ出すためには腸内環境を整え、かつ、ある程度の水分が便に含まれている状態をつくること。
腸内環境を整えるには、腸管の活動を維持する食物繊維(キノコ類や藻類など)を多く含むもの食べること、乳酸菌を摂ることができるヨーグルトで腸内環境をよくしておくこと、水分をたっぷり摂ることが重要です。
但し、水だけを多く飲むと返って脱水傾向が助長されることがあるので、要注意です。
また、腸内の水分量だけの話ではなく、消化管に流れる血流自体も少なくなってしまうと消化管の動き(蠕動運動)が鈍化し、内容物が溜まりやすくなります。
体内に吸収され、血液中に水分をとりこむためには、塩分、糖分、水分をバランスよく摂取し、身体に吸収させることが重要。水よりも吸収されやすい塩分・糖分濃度で作られている経口補水液で脱水状態が改善されることで、便秘が改善される場合も考えられます。
下剤を使用すると脱水を進めてしまったり、腸内環境を乱してしまう恐れもあるので、食物繊維・ヨーグルト(乳酸菌)・水分補給(経口補水液など)で対策しましょう。
コタツでうっかり…! “ぬくぬく”うたた寝が思わぬ危険!?
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O17-2q1R1tes】
コタツは馴染みの深い冬の貴重な暖房器具。ただ、密閉された乾燥環境に身体を包み込んでしまうために、心地よさから、ついうたた寝をしてしまうという方も多いのでは。コタツで眠ってしまうと体温が上昇し、気づかないうちに大量の汗をかき、かくれ脱水が進行してしまう危険性があります。
眠っている間に脱水が進行すると、血管を流れる血液の濃度が濃くなり、血液中のコレステロールなどが詰まりやすくなる傾向が現れる場合も。さらに、急に寒いコタツの外や暖房の点いていない部屋に移動することで血管が収縮してしまうことから、ますます血管が詰まり、血流が滞ってしまい脳梗塞や心筋梗塞といった深刻な疾病を起こし、救急搬送が必要になる事態も起こりえます。
こたつの上に果物や水分などを置いて、なるべくこまめに水分を摂るようにしましょう。頭痛やめまいなど、体調の悪化を感じたら脱水を起こしている可能性があります。経口補水液を速やかに摂るようにしましょう。
脱水が、突然命を落とすこともある“ヒートショック”の1つの原因になることも…
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O18-ngYmM0VC】
冬期、寒暖差のある場所移動では、急激な血管の収縮や弛緩が起こり、血圧の急激な変化は血栓など様々な身体への負担を招きます。それが入浴時の溺死につながることも多いヒートショック。
特に高齢者に多く、入浴中の死亡者の約9割が65歳以上※というデータもあります。
※出典: 2020年10月1日 東京都監察医務院『東京都23区における入浴中の死亡者数の推移』
暖房や湯を巻くなど浴室と脱衣所の寒暖差をなくすなど対策がありますが、脱水もまた、ヒートショックを起こしてしまう1つの要因となる場合もあります。高齢者の場合は、もともと体内の水分が少なくなっているうえ、心地よさから、つい長めに入浴する傾向もあり、発汗によって脱水の進行につながります。脱水は、血液の濃度を高め、血栓を作りやすくするのです。
入浴時の脱水の予防のために、コップ1杯の水を、「入浴の前後に摂る」ことをお勧めします。また、あまり水分を摂取できていない日などは、すみやかに水分が体内に吸収される経口補水液を取り入れるのがおすすめです。
2020年12月14日
教えて!「かくれ脱水」委員会
まだまだ油断ができない新型コロナウイルスの流行の拡大。
そんな最中、気温が下がり、乾燥する真冬を迎え、免疫力のゆらぎも気になります。
実は冬季にも、気づかぬうちに体内の水分量が減ってしまい、身体機能に不調をきたす恐れのある「かくれ脱水」が起こります。しかも、実は冬こそ、脱水に気づきづらい、まさにかくれた落とし穴があるそうです。
脱水症の啓発活動を行う医療従事者により組織される「教えて!『かくれ脱水』委員会」の医師 谷口英喜先生が、冬だからこそ「かくれ脱水」が起こる理由、そして冬のかくれ脱水のリスクについて解説します。
【監修医師】
済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長
「教えて!『かくれ脱水』委員会」副委員長 医師 谷口英喜先生
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O6-WT4cI98c】
専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。著書「熱中症・脱水症に役立つ 経口補水療法ハンドブック 改訂版」/『イラストでやさしく解説!「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本』
夏よりも冬のほうが「かくれ脱水」に陥りやすい理由
空気が乾燥していると、肌から水分も奪われやすくなりますが、それ以上に危険なのは、気温の低い冬は夏と違って、汗をかかず、喉も渇きづらいので、かくれ脱水を起こしていても気づきにくいという点。ゆっくりと起こる「かくれ脱水」に気づかず、体調を崩したり、ウイルスへの抵抗力が弱って初めて「水分をもっと摂っておくべきだった」という結果になりかねません。
冬のかくれ脱水には要注意! その理由は…
1) 長い自粛期間で水を溜める臓器、“筋肉”が衰えている!
2)ウイルスから守ってくれる「粘膜」の働きが正常でなくなる
3)脱水による便秘で腸内環境が悪化!免疫バランスが崩れることも
4)コタツでうっかり…“ぬくぬく”うたた寝が危険!?
長い自粛期間で水を溜める臓器である“筋肉”が衰えている!
今年は春先から現在まで、新型コロナウイルス感染症の予防のためになるべく外出を控え、自粛生活を送っていたという方が多いことでしょう。外出機会が減り、1日中座りっぱなしで仕事をしたりしていた生活の中では、おのずと筋力が衰えます。
軽い運動を毎日室内で行うことを心掛け、また、たんぱく質など、筋肉を作ってくれる栄養素を摂るように心がけましょう。
【簡単にできる運動の例】
出典:公益社団法人 日本理学療法士協会
◎バランス保持運動 ◎筋力強化運動
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O10-DY6P8Vpz】
ウイルスから守ってくれる「粘膜」の働きが正常でなくなる
口や鼻の粘膜には、体内に入ってきた細菌やウイルスの侵入を防御し、排除してくれる働きがあります。
鼻や喉の粘膜の表面に無数に存在する毛のような「繊毛(せんもう)」が、ウイルスをキャッチし、外へ外へと押し出してくれるのです。しかし、空気の乾燥ばかりでなく身体が脱水していると、粘液が十分に分泌されず、繊毛が乾き、このはたらきが損なわれてしまいます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O19-ssJV3I67】
冬の脱水は、気づきが遅いですから、渇きを感じなくとも定期的に水分補給を心がけてください。
めまいやこむら返り、だるさなど、軽い脱水の症状を感じたら、対処のためにいつでも経口補水液を摂れるように、普段からの備蓄もお勧めです。
脱水による便秘で腸内環境が悪化!免疫バランスが崩れることも
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O16-sBIk5bMU】
かくれ脱水は便秘の原因にもなることがあります。
便秘によって不要な内容物が長時間腸内にとどまっていると、腸内細菌のバランスを悪化させ、免疫バランスの崩れを引き起こすことも。
冬便秘は、特にウイルスが気になる今年は解消しておきたいものです。
腸管にある内容物を、スムーズに体外へ出すためには腸内環境を整え、かつ、ある程度の水分が便に含まれている状態をつくること。
腸内環境を整えるには、腸管の活動を維持する食物繊維(キノコ類や藻類など)を多く含むもの食べること、乳酸菌を摂ることができるヨーグルトで腸内環境をよくしておくこと、水分をたっぷり摂ることが重要です。
但し、水だけを多く飲むと返って脱水傾向が助長されることがあるので、要注意です。
また、腸内の水分量だけの話ではなく、消化管に流れる血流自体も少なくなってしまうと消化管の動き(蠕動運動)が鈍化し、内容物が溜まりやすくなります。
体内に吸収され、血液中に水分をとりこむためには、塩分、糖分、水分をバランスよく摂取し、身体に吸収させることが重要。水よりも吸収されやすい塩分・糖分濃度で作られている経口補水液で脱水状態が改善されることで、便秘が改善される場合も考えられます。
下剤を使用すると脱水を進めてしまったり、腸内環境を乱してしまう恐れもあるので、食物繊維・ヨーグルト(乳酸菌)・水分補給(経口補水液など)で対策しましょう。
コタツでうっかり…! “ぬくぬく”うたた寝が思わぬ危険!?
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O17-2q1R1tes】
コタツは馴染みの深い冬の貴重な暖房器具。ただ、密閉された乾燥環境に身体を包み込んでしまうために、心地よさから、ついうたた寝をしてしまうという方も多いのでは。コタツで眠ってしまうと体温が上昇し、気づかないうちに大量の汗をかき、かくれ脱水が進行してしまう危険性があります。
眠っている間に脱水が進行すると、血管を流れる血液の濃度が濃くなり、血液中のコレステロールなどが詰まりやすくなる傾向が現れる場合も。さらに、急に寒いコタツの外や暖房の点いていない部屋に移動することで血管が収縮してしまうことから、ますます血管が詰まり、血流が滞ってしまい脳梗塞や心筋梗塞といった深刻な疾病を起こし、救急搬送が必要になる事態も起こりえます。
こたつの上に果物や水分などを置いて、なるべくこまめに水分を摂るようにしましょう。頭痛やめまいなど、体調の悪化を感じたら脱水を起こしている可能性があります。経口補水液を速やかに摂るようにしましょう。
脱水が、突然命を落とすこともある“ヒートショック”の1つの原因になることも…
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012148522-O18-ngYmM0VC】
冬期、寒暖差のある場所移動では、急激な血管の収縮や弛緩が起こり、血圧の急激な変化は血栓など様々な身体への負担を招きます。それが入浴時の溺死につながることも多いヒートショック。
特に高齢者に多く、入浴中の死亡者の約9割が65歳以上※というデータもあります。
※出典: 2020年10月1日 東京都監察医務院『東京都23区における入浴中の死亡者数の推移』
暖房や湯を巻くなど浴室と脱衣所の寒暖差をなくすなど対策がありますが、脱水もまた、ヒートショックを起こしてしまう1つの要因となる場合もあります。高齢者の場合は、もともと体内の水分が少なくなっているうえ、心地よさから、つい長めに入浴する傾向もあり、発汗によって脱水の進行につながります。脱水は、血液の濃度を高め、血栓を作りやすくするのです。
入浴時の脱水の予防のために、コップ1杯の水を、「入浴の前後に摂る」ことをお勧めします。また、あまり水分を摂取できていない日などは、すみやかに水分が体内に吸収される経口補水液を取り入れるのがおすすめです。