世界初、マルチモード光ファイバで毎秒1ペタビット伝送成功
[20/12/17]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
シングルコア・15モード光ファイバによる大容量伝送
2020年12月17日
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
ポイント
■ マルチモード光ファイバ伝送容量の世界記録、これまでの2.5倍、毎秒1ペタビット伝送成功
■ 小型・低損失・高精度のモード合波器/分波器を用い、10モード以上の大容量伝送可能
■ 製造技術が容易なマルチモード光ファイバによる高密度大容量伝送技術の高度化に期待
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)ネットワークシステム研究所のラーデマッハ ゲオルグ フレデリック研究員らのグループは、NOKIA Bell Labs(ベル研(米国)、President: Marcus Weldon)のNicolas K. Fontaine研究員、Prysmian Group(プリズミアン(イタリア)、VP of the Optical Fiber Business Unit at Prysmian Group: Eric Stoltz)のPierre Sillard研究員らと共同で、シングルコア・15モード光ファイバを用い、世界で初めて毎秒1ペタビット超伝送実験に成功しました。この結果は、これまでのマルチモード光ファイバ伝送容量世界記録の約2.5倍です。
これまで光ファイバの大容量化の研究では、受信側のモード分離と信号処理が難しく、モード数が多い研究は進んでいませんでした。しかし、今回、広帯域波長多重技術と多重反射位相板による小型・低損失・高精度のモード合波器/分波器を用いることで、モード数が多い信号処理が可能となり、15モードでの毎秒1ペタビット超、23km伝送に成功しました。信号収容密度が高く、製造技術が容易なシングルコア・マルチモード光ファイバによる大容量伝送成功により、将来の高密度大容量伝送に向けたマルチモード伝送技術の高度化が期待できます。
なお、本実験結果の論文は、第46回欧州光通信国際会議(ECOC2020)にて非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)として採択されました。
背景
増大し続ける通信量に対応するための新型光ファイバと、それを用いた大規模光伝送の研究が世界中で盛んに行われています。マルチモード光ファイバは、マルチコア光ファイバと比較して、信号収容密度が高く製造技術が容易で、高密度大容量伝送が期待できます。しかし、モード数が多くなるとモード多重伝送用の合波器/分波器が巨大化し、受信側ではモード分離後の信号品質が劣化、さらに速度差を補正する処理が増大する問題がありました。そのため、モード数が多い大容量伝送の研究は進んでいませんでした。
今回の成果
今回は、プリズミアンのシングルコア・15モード光ファイバ、NICTの広帯域波長多重技術及びベル研の多重反射位相板によるモード合波器/分波器を利用し、 NICTが伝送システムを構築し、合計毎秒1.01ペタビット光信号の23 km伝送に成功しました。マルチモード光ファイバで毎秒1ペタビットを超えるのは世界で初めてで、これまでの世界記録の約2.5倍になります。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012168706-O3-W6775lol】
モード数が増えると、モード分離とMIMO処理の負荷が課題となっていましたが、今回、遅延時間を最適化設計した15モード光ファイバと多重反射位相板による小型・低損失・高精度のモード合波器/分波器を用いることで、15というモード数の多さでもモード分離後の信号品質を保ち、広帯域にわたるMIMO処理を実現しました。その結果、広帯域382波長、偏波多重64QAM信号のモード分離に成功し、大容量伝送が可能になりました。
信号収容密度が高く製造技術が容易であるシングルコア・マルチモード光ファイバを用いた大容量伝送の成功により、将来の高密度マルチモード伝送技術の高度化が期待できます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012168706-O2-pZYJdD00】
今後の展望
今後、大容量マルチモード伝送の長距離化や、マルチコア技術との融合の可能性を追求し、将来の大容量光伝送技術の基盤を確立していきたいと考えています。
なお、本実験の結果の論文は、ベルギーブリュッセル(コロナ対応のためバーチャル開催)で開催された光ファイバ通信関係最大の国際会議の一つである第46回欧州光通信国際会議(ECOC2020、12月6日(日)〜12月10日(木))で非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)として採択され、現地時間12月10日(木)に発表しました。
採択論文
国際会議: 第46回欧州光通信国際会議(ECOC2020) 最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)
論文名: 1.01 Peta-bit/s C+L-band transmission over a 15-mode fiber
著者名: Georg Rademacher, Benjamin J. Puttnam, Ruben S. Luís, Tobias A. Eriksson, Nicolas K. Fontaine, Mikael Mazur, Haoshuo Chen, Roland Ryf, David T. Neilson, Pierre Sillard, Frank Achten, Yoshinari Awaji, and Hideaki Furukawa
2020年12月17日
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
ポイント
■ マルチモード光ファイバ伝送容量の世界記録、これまでの2.5倍、毎秒1ペタビット伝送成功
■ 小型・低損失・高精度のモード合波器/分波器を用い、10モード以上の大容量伝送可能
■ 製造技術が容易なマルチモード光ファイバによる高密度大容量伝送技術の高度化に期待
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)ネットワークシステム研究所のラーデマッハ ゲオルグ フレデリック研究員らのグループは、NOKIA Bell Labs(ベル研(米国)、President: Marcus Weldon)のNicolas K. Fontaine研究員、Prysmian Group(プリズミアン(イタリア)、VP of the Optical Fiber Business Unit at Prysmian Group: Eric Stoltz)のPierre Sillard研究員らと共同で、シングルコア・15モード光ファイバを用い、世界で初めて毎秒1ペタビット超伝送実験に成功しました。この結果は、これまでのマルチモード光ファイバ伝送容量世界記録の約2.5倍です。
これまで光ファイバの大容量化の研究では、受信側のモード分離と信号処理が難しく、モード数が多い研究は進んでいませんでした。しかし、今回、広帯域波長多重技術と多重反射位相板による小型・低損失・高精度のモード合波器/分波器を用いることで、モード数が多い信号処理が可能となり、15モードでの毎秒1ペタビット超、23km伝送に成功しました。信号収容密度が高く、製造技術が容易なシングルコア・マルチモード光ファイバによる大容量伝送成功により、将来の高密度大容量伝送に向けたマルチモード伝送技術の高度化が期待できます。
なお、本実験結果の論文は、第46回欧州光通信国際会議(ECOC2020)にて非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)として採択されました。
背景
増大し続ける通信量に対応するための新型光ファイバと、それを用いた大規模光伝送の研究が世界中で盛んに行われています。マルチモード光ファイバは、マルチコア光ファイバと比較して、信号収容密度が高く製造技術が容易で、高密度大容量伝送が期待できます。しかし、モード数が多くなるとモード多重伝送用の合波器/分波器が巨大化し、受信側ではモード分離後の信号品質が劣化、さらに速度差を補正する処理が増大する問題がありました。そのため、モード数が多い大容量伝送の研究は進んでいませんでした。
今回の成果
今回は、プリズミアンのシングルコア・15モード光ファイバ、NICTの広帯域波長多重技術及びベル研の多重反射位相板によるモード合波器/分波器を利用し、 NICTが伝送システムを構築し、合計毎秒1.01ペタビット光信号の23 km伝送に成功しました。マルチモード光ファイバで毎秒1ペタビットを超えるのは世界で初めてで、これまでの世界記録の約2.5倍になります。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012168706-O3-W6775lol】
モード数が増えると、モード分離とMIMO処理の負荷が課題となっていましたが、今回、遅延時間を最適化設計した15モード光ファイバと多重反射位相板による小型・低損失・高精度のモード合波器/分波器を用いることで、15というモード数の多さでもモード分離後の信号品質を保ち、広帯域にわたるMIMO処理を実現しました。その結果、広帯域382波長、偏波多重64QAM信号のモード分離に成功し、大容量伝送が可能になりました。
信号収容密度が高く製造技術が容易であるシングルコア・マルチモード光ファイバを用いた大容量伝送の成功により、将来の高密度マルチモード伝送技術の高度化が期待できます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012168706-O2-pZYJdD00】
今後の展望
今後、大容量マルチモード伝送の長距離化や、マルチコア技術との融合の可能性を追求し、将来の大容量光伝送技術の基盤を確立していきたいと考えています。
なお、本実験の結果の論文は、ベルギーブリュッセル(コロナ対応のためバーチャル開催)で開催された光ファイバ通信関係最大の国際会議の一つである第46回欧州光通信国際会議(ECOC2020、12月6日(日)〜12月10日(木))で非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)として採択され、現地時間12月10日(木)に発表しました。
採択論文
国際会議: 第46回欧州光通信国際会議(ECOC2020) 最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)
論文名: 1.01 Peta-bit/s C+L-band transmission over a 15-mode fiber
著者名: Georg Rademacher, Benjamin J. Puttnam, Ruben S. Luís, Tobias A. Eriksson, Nicolas K. Fontaine, Mikael Mazur, Haoshuo Chen, Roland Ryf, David T. Neilson, Pierre Sillard, Frank Achten, Yoshinari Awaji, and Hideaki Furukawa