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水素・燃料電池研究機関が集う山梨県が、 産学官連携による次世代エネルギーの“最先端”を紹介

次世代クリーンエネルギーとして期待される水素エネルギーに関する研究施設が集積

令和3年3月10日
「山梨県 水素研究機関プレスツアー」事務局

水素・燃料電池研究機関が集う山梨県が、
産学官連携による次世代エネルギーの“最先端”を紹介
次世代クリーンエネルギーとして期待される水素エネルギーに関する研究施設が集積し、
産学官連携による最先端の取り組みを推進する山梨県は、
研究現場とその取り組み事例を紹介するプレスツアーを11月に開催。
本資料では、このプレスツアーで見学を実施した施設とともに、
山梨県と研究機関が進めている取り組みについてご紹介します。

長崎 幸太郎  山梨県知事  ご挨拶
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202103102075-O1-M6EZQCIJ

山梨県は水素・燃料電池に関して、日本で最先端の地域であると自負しています。また、水素・燃料電池に対する取り組みは、海外からも評価されており、県内で勉強したいという声も届いております。ただし、国内では本県の取り組みについて、あまり知られておりません。県内には水素・燃料電池分野における最先端の研究施設が集積しているとともに、水素の製造から活用までを試験的に実施している段階を迎えています。本県のP2G(Power to Gas)システムは太陽光発電の不安定な部分から水素をつくるという試みを行っており、実現できれば実用性が非常に高いと考えております。本ツアーでは、こうした先進的な現場についてご紹介したいと思います。

本プレスツアーの行程について (山梨県 産業労働部 成長産業推進課 課長 有泉 清貴 氏)
本ツアーでは最初に、国内の最新技術事例として移動式発電・給電システム「Moving e(ムービングイー)」をご紹介いたします。以降は山梨県内の施設を巡っていただきます。県内の施設として最初にご覧いただきますのが、燃料電池研究を進めている「山梨大学燃料電池ナノ材料研究センター」です。燃料電池は現状ではコスト削減が至上命題とされています。山梨大学ではコスト削減を狙いつつも、高性能で耐久性の高い部材の研究などを進め、世界的な業績を上げています。山梨大学には県としても深く関わっていきたいと考え、同センターに県有地を提供しました。11,000平方メートルほどの敷地を、2008年から無償で貸与しています。山梨大学では研究のみならず研究成果を生かした産業展開も県内企業3社と取り組み、県もその展開を支援しています。
続いて、一般社団法人水素供給利用技術協会(HySUT)の「水素技術センター」にご案内します。水素ステーションにおいても低コスト化が求められている中、この施設は水素ステーションに関する新しい部品の評価などを、実環境で行える日本で唯一の施設となります。
そして最後にご紹介するのが山梨県企業局の「米倉山電力貯蔵技術研究サイト」です。太陽光発電で得られた電力を水電解して水素を製造、その後の貯蔵と活用まで行う実証試験を行っています。またここで製造した水素を今後、山梨大学が研究に活用する予定となっています。

最新技術の事例紹介〜 国内唯一の移動式発電・給電システム「Moving e(ムービングイー)」
トヨタ自動車とHondaは、大容量水素を搭載する燃料電池バスと給電器、バッテリーを組み合わせた移動式発電・給電システム「Moving e」を構築し、2020年9月より “いつでも・どこでも電気を届ける” 実証試験を開始しました。トヨタの燃料電池バスと、ホンダの可搬型外部給電器、可搬型バッテリー、モバイルパワーパックの充電・給電器で構成される「Moving e」は、燃料電池バスにすべての機材を積み込み、必要な場所へ移動して電気を供給できることから、災害発生など非常時はもちろん、イベントなどにも活用できるため、非常時と日常時の二つのフェーズをフリーにする “フェーズフリー” なシステムとして活用することができます。
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【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202103102075-O9-tZnh0uFx
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202103102075-O5-ka190Mm2

産学官連携の事例紹介〜 山梨大学燃料電池ナノ材料研究センター
燃料電池に用いられる触媒、電解質膜、膜電極接合体の材料などに関する研究開発を通して燃料電池の本格普及に資することを目的とした同センターは、山梨県と関係省庁の支援を得て、2008年に設立されました。現在は燃料電池の飛躍的利用拡大を可能にするため、高効率/高負荷運転・高耐久起動停止技術・極限環境下劣化防止等を実現する革新的材料技術開発や、高温度・低温度環境下でも作動可能な新規の電解質膜・セラミック触媒技術のコンセプト創出が、産学官の連携体制の下に進められています。山梨大学が開発した電解質膜に触媒インクを静電塗工する技術について、県内企業のメイコーが実用化に向けた開発を行っています。また、小型燃料電池を自社内で製造できる数少ない中小企業の日邦プレシジョンは、電動アシスト自転車への燃料電池の導入を目指しているほか、エノモトが燃料電池の重要部材の低コスト化を図る開発を進めています。

本ツアーでは同センターの飯山明裕センター長から、同センターについてご説明いただきました。また県内の社会人技術者を対象に行われている「水素・燃料電池産業技術人材養成講座」について、これまでに99人に上る受講修了者の約70%が燃料電池関連業務に従事していることが、岡嘉弘特准任教授より報告されました。

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飯山明裕センター長

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202103102075-O8-0mLdE28q

国内唯一の実環境下評価が可能な水素ステーション〜 一般社団法人水素供給利用技術協会(HySUT)水素技術センター
HySUTは水素エネルギーの供給および利用に関する技術開発・調査研究および普及啓発等を総合的に行うことにより、水素エネルギー産業の健全な発展に寄与することを目的として設立された燃料電池自動車等の移動体用水素供給インフラに係る業界団体です。そしてHySUT水素技術センターは、水素の安全・安心に資する技術開発および水素ステーションの運転・管理手法の高度化を図る技術開発を目的として建設された、国内唯一となる実環境下における評価試験が可能な水素ステーションです。同センターでは実環境において、水素ステーションに関するさまざまな実証試験などが行われています。
ツアー当日にはHySUTの池田哲史事務局長より、同センターの設備について解説いただいたほか、これまで同センターで行われた検討案件の事例として、高耐久性機器の開発に向けた実環境における水素連続充填(じゅうてん)試験による耐久性試験などの概要についてご説明いただきました。

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再生可能エネルギーを水素に変換して貯蔵・利用〜 米倉山電力貯蔵技術研究サイト
国内最大級の太陽光発電所を擁する米倉山電力貯蔵技術研究サイトでは、再生可能エネルギー導入拡大と自立・分散型エネルギー社会の実現に向けて次世代の電力貯蔵システムの研究開発に取り組んでいます。その一環として、気象条件によって変動を受ける再生可能エネルギーの不安定な電力を、水素に変換して貯蔵・利用するP2G(Power to Gas)システムの確立を目指した技術開発を進めています。「やまなしモデル」のP2Gシステムでは、最新の水電解材料の開発から装置の大型化をターゲットとし、電化により代用できない燃料の消費による熱供給を、水素を用いることでCO2フリー化するビジネスモデルの確立を目指しています。

本ツアーでは、山梨県企業局電気課の渡邊正人主任が施設全体を紹介したほか、現在行っている実証試験で製造された水素について、県内最大手のスーパーマーケット「オギノ」が店舗で利用する実証試験を行うことが説明されました。オギノ総務部の大村崇氏から“オギノの環境活動の新たな取り組みとして、水素を甲府市の向町店の照明に利用します”とコメントいただきました。そして渡邊主任から今後に向けた米倉山電力貯蔵技術研究の取り組みとして、1年間に燃料電池車450台分に相当する水素を製造できるP2Gシステムの建設を現在進めており、県内に立地する日立パワーデバイスの半導体製造工場に水素を供給する実証試験を計画していることが説明されました。

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オキ?ノ総務部 大村崇氏
 

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