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東海地域大学群の起業家教育PJ「Tongaliプロジェクト」の大学生・大学院生の起業等意識調査結果を発表

既存の類似調査と比べて5~7倍程度高い起業意識!一方、”名古屋人気質”とも近い結果に。

2021年4月26日
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
株式会社早稲田大学アカデミックソリューション

報道関係各位

 

東海地域大学群の起業家教育プロジェクト「Tongaliプロジェクト」実施機関における大学生・大学院生の起業等意識調査結果を発表

既存の類似調査と比べて5~7倍程度高い起業意識!一方、"名古屋人気質 "とも近い結果に。

 

 

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(本部:愛知県名古屋市、総長:松尾清一、以下「名古屋大学」)は、株式会社早稲田大学アカデミックソリューション(本社:東京都新宿区、代表取締役:三浦暁)と共同で、2021年2月15日〜3月3日の期間中、Tongaliプロジェクト実施機関(名古屋大学、豊橋技術科学大学、名古屋工業大学、岐阜大学、三重大学、名城大学、中京大学、藤田医科大学、名古屋市立大学、岐阜薬科大学)に所属する大学生、大学院生に対して(有効回答数1,125人)、「起業」「起業家教育」などに関するアンケート調査を実施しました。その結果をお知らせいたします。

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M100697/202104203884/_prw_OT1fl_0oU7FD9f.png

 

<背景・目的>

 国の成長戦略、また2021年度から5か年の科学技術・イノベーションの創出の振興に関する国の基本計画である「科学技術・イノベーション基本計画」において、イノベーション・エコシステムの形成や起業家教育の推進、スタートアップ企業の創出が求められ、起業家教育の受講者数や企業価値1,000億円以上の企業(いわゆるユニコーン企業など)の創出について数値目標が設定されたように、起業家育成やスタートアップ企業創出促進、イノベーション・エコシステム形成は国の重点施策の一つとされています。

 

 こうした社会背景において、名古屋大学では、2016年より(2017年より文部科学省次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)に採択)、東海地区の大学とともに「Tongaliプロジェクト」を展開して、次世代の起業家を育成・支援しています。また、2020年7月、愛知県・名古屋市・浜松市・一般社団法人中部経済連合会等とともに、内閣府から「スタートアップ・エコシステム拠点都市(グローバル拠点都市)」の認定を受け、Tongaliプロジェクトでも世界に伍する日本型のスタートアップ・エコシステム拠点の形成を目指した各種取り組みを進めています。

 

 本調査は、「Tongaliプロジェクト」実施機関に在籍する大学生・大学院生の起業や起業家教育に対する意識を把握することを目的として実施したものです。

 

<調査結果の概要>

1.卒業直後の起業への関心

 「あなたは、卒業直後、どのような働き方を希望しますか(一つだけ選択してください)」という質問で、卒業直後の起業意識を聴取したところ、「起業して自分の会社・事業を経営する」と回答したのは、全てのTongaliプロジェクト実施機関の大学生・大学院生から得られた結果では全体の4.8%、Tongaliプロジェクト実施機関から医薬系単科大学(藤田医科大学と岐阜薬科大学)を除いた機関の大学生・大学院生から得られた結果では全体の7.0%となりました。これは既存の国際的な大学生の起業意識調査(参考文献2)における日本国内の回答結果(全体の0.9%)や大学生の就職意識調査(参考文献3)の全国の結果(全体の0.6%)と比べて、それぞれ5~7倍程度・9~12倍程度高い結果です。しかしながら、同起業意識調査の参加国全体の平均値(全体の8.8%)には及ばないため、国内有数の水準から国際水準のスタートアップ・エコシステム拠点を目指すうえでは、一層学生の起業への関心を高めることが必要であると考えられます。

 

 他方、愛知県在住者を対象とした既存の名古屋人気質に関する調査(参考文献4)では、「自ら進んでリーダーになる方だ」と回答したのは、全体の8.8%となっています。調査対象の年齢層等の諸条件は異なるものの、起業家というリーダーを目指すかを問うた本調査の結果は、“名古屋人気質”に近い結果となったと見ることもできるかもしれません。

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M100697/202104203884/_prw_OT2fl_OM0a0625.png

 

2.将来的な起業への関心

 「あなたは、将来起業したいと思いますか」という質問で、将来的な起業への関心を聴取したところ、在学中・卒業後あるいは本業・副業を問わない場合、起業したいと回答したのは、全てのTongaliプロジェクト実施機関の大学生・大学院生から得られた結果では全体の27%、Tongaliプロジェクト実施機関から医薬系単科大学(藤田医科大学と岐阜薬科大学)を除いた機関の大学生・大学院生から得られた結果では全体の32%となりました。これは愛知県が実施した「県内大学の学生の就職等に関するアンケート調査等の結果について」5における愛知県内大学生の「将来何らかの形で独立したい(全体の25.6%)」という結果と比べると、やや本調査結果の方が上回る結果となっています。

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M100697/202104203884/_prw_OT3fl_OTzAz3H5.png

 

3.起業家教育を履修した経験の有無

 「大学で提供されている起業家教育を履修したことがありますか」という質問で、起業家教育を履修した経験の有無を聴取したところ、単位の有無を問わず、起業家教育を履修したことが無いとの回答が、全てのTongaliプロジェクト実施機関の大学生・大学院生から得られた結果では全体の89%、Tongaliプロジェクト実施機関から医薬系単科大学(藤田医科大学と岐阜薬科大学)を除いた機関の大学生・大学院生から得られた結果では全体の86%となりました。2021年度から推進される国の「科学技術・イノベーション基本計画」での起業家教育の受講者数に関する目標への貢献、内閣府から認定された「スタートアップ・エコシステム拠点都市(グローバル拠点都市)」において大学が担うべき人材育成の役割を果たすには、一層の努力が必要となります。なお、2021年度からは、例えば、名古屋大学において単位が付与される起業家教育の科目が設置されるなど、Tongaliプロジェクト実施機関における精力的な活動が計画されています。

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M100697/202104203884/_prw_OT4fl_zg6uS3un.png

 

4.起業家教育を受けるきっかけ

 「あなたは、どのようなメリット・きっかけがあれば起業家教育をより受けてみたいと思うようになりますか」という質問で、起業家教育を受けるきっかけを聴取したところ、「新しい出会いがある」との回答が、全てのTongaliプロジェクト実施機関の大学生・大学院生から得られた結果では全体の62%、Tongaliプロジェクト実施機関から医薬系単科大学(藤田医科大学と岐阜薬科大学)を除いた機関の大学生・大学院生から得られた結果では全体の64%となりました。コロナ禍において、社会的に対面での出会いが制限されたことから、このような結果となったものと考えられます。

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M100697/202104203884/_prw_OT5fl_XYJV989C.png

 

<本調査結果に関する 名古屋大学 副総長/学術研究・産学官連携推進本部長 佐宗 章弘コメント>

 東海地域は自動車をはじめとするものづくり産業の集積地で、比較的「豊か」な地域です。反面、安定志向が強く、これまでスタートアップ不毛の地と言われてきました。しかし、最近当地域でもスタートアップの機運が高まっており、今回の調査でも学生の起業意識が高くなっていることがわかりました。まだTongaliプロジェクトを始めとする起業家教育の認知度が低いことは今後の課題ですが、これを機に東海地域の大学が連携してTongaliのすそ野拡大に取り組み、当地域のイノベーションを加速していきたいと思います。

 

 

<調査概要>

調査方法 :インターネット調査

調査期間 :2021年2月15日〜3月3日

調査対象 :Tongaliプロジェクト実施機関(名古屋大学、豊橋技術科学大学、名古屋工業大学、岐阜大学、三重大学、名城大学、中京大学、藤田医科大学、名古屋市立大学、岐阜薬科大学)に所属する大学生、大学院生(有効回答数1,125人)

調査機関 :株式会社早稲田大学アカデミックソリューション

 

Tongaliプロジェクトについて

Tongali※は、名古屋大学を主幹機関として採択された文部科学省次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT:Exploration and Development of Global Entrepreneurship for NEXT generation、平成29年度〜)を中心に展開する、東海地区10大学※2による起業家育成プロジェクトです。

東海地域の大学生・大学院生などを対象に、次世代の起業家を育成・支援する多面的なプログラムを提供すること、それがTongaliプロジェクトの目的です。プログラムは、メンタリング、活動拠点の提供、活動資金の援助、起業に関する情報やノウハウを得るためのイベントの開催など多岐に亘り、いわゆる起業家教育のみならず、準備から起業後の事業展開までをシームレスにサポートします。また、このプロジェクトを通して、東海地域を拠点とするイノベーティブな新規事業を生み出すことのできるトンガった人材を育成・支援し、東海地域の産業の活性化、雇用の創出に貢献するとともに、グローバルなイノベーション・エコシステムの構築に取り組んでいきます。

※Tongali:Tokai Network for Global Leading Innovators

※名古屋大学、豊橋技術科学大学、名古屋工業大学、岐阜大学、三重大学、名城大学、中京大学、藤田医科大学、名古屋市立大学、岐阜薬科大学

 

株式会社早稲田大学アカデミックソリューションについて

 当社は、「新たな価値創造を通じて、大学と社会の未来を拓く」という理念のもと、大学の研究推進を通じた「知」の社会還元を目指して、教育・研究・社会貢献という大学の活動に向けたソリューションサービスを提供する企業です。

 

<参考文献>

1 愛知県の尾張・三河地区の人々に共通する気質に着目し、中心都市である名古屋を中心におくも、三河地区の人々を含めた名古屋人気質
出所:「名古屋人気質に関する調査研究」(愛知学院大学『流通研究』第24号、2018年3月、脇田、松本、小見山、伊藤、山川、岡本)

2 「大学生の起業意識調査レポート−GUESSS2016 調査結果における日本のサンプル分析−(2016,田路、鹿住、新谷、本條)」

3 株式会社マイナビ「マイナビ2021 年卒大学生就職意識調査」

4 「名古屋人気質に関する調査研究」(愛知学院大学『流通研究』第24号、2018年3月、脇田、松本、小見山、伊藤、山川、岡本)

5 愛知県「県内大学の学生の就職等に関するアンケート調査等の結果について」(2019年5月8日発表)

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