特定立地の水田が洪水被害を緩和する
[21/06/29]
提供元:共同通信PRワイヤー
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〜生態系を利用した防災・減災を考慮した土地利用の実現に貢献〜
1.概要
急増する自然災害に対応する手段の一つとして、生態系を利用した防災・減災(Ecosystem Based Disaster Risk Reduction:Eco-DRR)という考え方が広がってきています。Eco-DRRは、自立して維持できるシステムである生態系を防災インフラとして利用することで、定期的なメンテナンスが必要な人工工作物に比べて維持管理コストを大幅に低減すること、さらに生態系がもたらす様々な利益を享受することも期待するという、持続可能な防災インフラの新しい考え方です。
東京都立大学大学院 都市環境科学研究科の大澤剛士准教授、京都産業大学 生命科学部の西田貴明准教授、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの遠香尚史主任研究員の研究チームは、全国に広く存在する生態系である水田に注目し、統計情報から得られた洪水の被害面積と、水田の立地条件の関係を検討したところ、地表面を流れる水を貯めやすい地形条件下、すなわち凹地や谷地形のような場所に水田が多く存在する地域では、市街地への被害が相対的に低くなることを明らかにしました。このことは、特定立地の水田は氾濫水を受け止め、市街地への被害を緩和する機能が高いことを示唆します。このような立地に存在する水田は、平時は食料生産を行い、水害時にはEco-DRRを実現する防災インフラ、すなわちグリーンインフラとして利用できる可能性があります。
本研究成果は、6月23日付け(日本時間)で、ELSEVIERが発行する英文誌International Journal of Disaster Risk Reductionに発表されました。本研究は、環境研究総合推進費4-1805「グリーンインフラと既存インフラの相補的役割−防災・環境・社会経済面からの評価」およびJSPS科研費20K06096の助成を受けたものです。
2.ポイント
1. 生態系を利用した防災、減災という考えは、近年増加する自然災害に対抗する新しいアイディアです。
2. 地形的に地表面を流れる水が溜まりやすい場所に立地する水田は、洪水であふれた水を受け入れ、市街地への洪水被害を低減する機能が高い可能性が示唆されました。
3. 本研究の結果は、水田という全国的に存在する生態系が、緊急時に災害被害を低減させる予備的な防災インフラとして利用できる可能性を示しています。
3.研究の背景
近年、台風や豪雨、さらにはそれに伴う洪水や土砂災害といった大規模な自然災害が増加し、我々の生活を脅かしています。2019年10月に発生した令和元年東日本台風が、各地に甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいところです。これら自然災害への対応が社会的に求められていますが、人口減少社会に突入し、人的、資金的に限りがある現代において、これまでのように新規でダムや堤防等の防災インフラを増設していくことには限界があります。さらに、既存の防災インフラも多くが老朽化しており、増大する自然災害に対応しきれていません。人口減少社会に突入した日本では、近い将来に既存防災インフラの維持管理すら困難になることが予想されており、自然災害への対策を抜本的に見直す必要性に迫られています。この対応策として期待されているのが、生態系を利用した防災・減災(Ecosystem Based Disaster Risk Reduction:Eco-DRR)という考え方です。Eco-DRRは、自立して維持できるシステムである生態系を防災インフラとして利用できれば、定期的なメンテナンスが必要な人工工作物に比べて維持管理コストを大幅に低減すること、さらに生態系がもたらす様々な利益を享受することも期待できるという、持続可能な防災の実現を目指した新しい考え方です。Eco-DRRの考え方は「生態系を活用したインフラ整備および土地利用計画」を意味するグリーンインフラストラクチャー(注1 の一部と捉えられ、2015年に閣議決定した国土計画:第二次国土形成計画(全国計画)にも明記されるなど、人口減少社会における新しい防災インフラ整備の考え方として注目が集まっています。
4.研究の詳細
ダムや堤防等、人工工作物による防災インフラは、多くの場合、災害の発生を抑制することを目的に設置されており、災害が発生してしまった後には無力になる場合が多いと考えられます。対して生態系を利用した防災インフラは、災害が発生してしまった後にも、ねばり強く被害の拡大を緩和できることが期待されます。そこで本研究は、既に起きてしまった災害の被害を全国的に存在している生態系、具体的には水田が緩和してくれる可能性に注目しました。
国土交通省が実施している統計調査「水害統計調査」では、水害被害面積が市街地と農地に分けられています。水害が発生し、市街地に浸水した場合は、建物や道路等のインフラ、さらには人間に直接的に被害が発生することは避けられません。それに対して農地への浸水は、もちろん農作物等への被害は発生しますが、少なくとも人間への直接的な被害は軽微と考えられます。すなわち、もし同じ面積の水害被害が発生した場合、市街地に比べて農地の被害面積比率が大きいほうが、人的、金銭的な被害が少なく済む可能性が高いと考えられます。さらに、水が溜められる土地利用である水田に浸水した場合、その場に水を留めることで、さらなる浸水拡大を抑制してくれることも期待できます(図1)。そこで「水害統計調査」を利用し、水害における市街地と農地の比率と、その場所における水田の面積および立地条件の関係を検討しました。具体的には、栃木県、群馬県、埼玉県という関東の内陸に位置する3県の市町村を対象に、2006年から2017年までの間に発生した水害被害面積の市街地、農地比率と、水田面積およびの立地の関係を検討しました。内陸に位置する3県に注目した理由は、津波や高潮といった海由来の災害の影響を排除し、検討対象を豪雨による河川氾濫等、陸水由来の洪水に絞るためです。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202106296930-O1-C2Caiq39】
この結果、地表面を流れる水が溜まりやすい立地条件、多くの場合は谷地形や凹地になっている場所に多くの水田が位置している市町村では、水害面積の市街地比率が低いことが示されました(図2)。興味深いことに、市町村における合計水田面積は水害面積の市街地比率に影響しませんでした。つまり、被害の緩和には水田の立地条件が重要で、必ずしも大面積の水田さえあれば、水害時に被害を緩和してくれるわけではないことが示唆されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202106296930-O2-kPxER191】
本研究で用いた水が溜まりやすい立地条件は、地形的に水が溜まってくる累積流量(図3)という値を使って決めています。この値が高い場所は、過去には氾濫原湿地をはじめとする自然湿地であった可能性が高く、ここに水田が立地していることは、水田という半自然環境に変化したとはいえ、過去から現在にわたり長期的に湿地環境が維持されている可能性が高いと考えられます。このことは、もともとその場に存在していた生態系に近い土地利用を行うことで、洪水による被害緩和機能が発揮されることを示唆します。こういった土地利用は、生態系に基づいて社会課題を解決するNature-based Solution(注2 という考え方にも通じるものです。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202106296930-O3-p4aPM14J】
5.研究の意義と波及効果
これまで研究グループでは、本研究と同じ条件、つまり地表面を流れる水が溜まりやすい場所に立地する水田が洪水の発生自体を抑制すること(注3、湿地性植物の生育に適した環境を提供していること(注4 を明らかにしてきました。「元湿地であった場所に存在する水田」は、食料生産に加えて、地域の生物多様性への貢献、さらに災害発生を抑制し、災害が発生してしまった後にも、その被害を緩和してくれるという様々な機能が存在していると考えられます。これは農林水産省が提示している「農業・農村の有する多面的機能(注5」という考え方 にも合致しており、防災インフラの考え方と同時に、今後は農地利用の在り方を検討する際にも貢献できると期待されます。
【用語解説】
注1)グリーンインフラストラクチャー: 自然の有する機能をインフラと捉え、それを利用して社会資本整備等を進めるという考え方。日本ではグリーンインフラ研究会によって「自然が持つ多様な機能を賢く利用することで、持続可能な社会と経済の発展に寄与するインフラや土地利用計画のこと」と定義された。https://www.greeninfra.net/
注2)自然に基づく解決策(Nature-based Solution):IUCNが提唱した考え方で、生態系を保全、持続的に管理、利用することで社会的な課題を解決し、人類と生物多様性への利益を両立させるという考え方。https://www.iucn.org/theme/nature-based-solutions
注3)Osawa T, Nishida T, Oka T (2020) High tolerance land use against flood disasters: How paddy fields as previously natural wetland inhibit the occurrence of floods.Ecological Indicators 144: 106306.
(日本語訳:洪水に対して高い体制を持つ土地利用:元湿地の水田は洪水の発生を抑制する)
注4)Osawa T, Nishida T, Oka T (2020) Paddy fields located in water storage zones could take over the wetland plant community.Scientific Reports 10:14806.
(日本語訳:水を溜めやすい場所に位置する水田は湿地性植物群集を長期にわたって維持する)
注5)多面的機能:農業地域において農業活動が行われることによって人間社会にもたらされる、食料生産以外の「めぐみ」のこと。災害を減らす機能のほかにも、様々な生物に生息場を提供する機能、農村風景を維持し、我々の心をなごませてくれる機能等が挙げられている。
https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukan/nougyo_kinou/#01
【論文情報】
掲載誌:International Journal of Disaster Risk Reduction
タイトル:Potential of mitigating floodwater damage to residential areas using paddy fields in water storage zones
著者:Takeshi Osawa, Takaaki Nishida, Takashi Oka
DOI: https://doi.org/10.1016/j.ijdrr.2021.102410
アブストラクトURL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S221242092100371X
1.概要
急増する自然災害に対応する手段の一つとして、生態系を利用した防災・減災(Ecosystem Based Disaster Risk Reduction:Eco-DRR)という考え方が広がってきています。Eco-DRRは、自立して維持できるシステムである生態系を防災インフラとして利用することで、定期的なメンテナンスが必要な人工工作物に比べて維持管理コストを大幅に低減すること、さらに生態系がもたらす様々な利益を享受することも期待するという、持続可能な防災インフラの新しい考え方です。
東京都立大学大学院 都市環境科学研究科の大澤剛士准教授、京都産業大学 生命科学部の西田貴明准教授、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの遠香尚史主任研究員の研究チームは、全国に広く存在する生態系である水田に注目し、統計情報から得られた洪水の被害面積と、水田の立地条件の関係を検討したところ、地表面を流れる水を貯めやすい地形条件下、すなわち凹地や谷地形のような場所に水田が多く存在する地域では、市街地への被害が相対的に低くなることを明らかにしました。このことは、特定立地の水田は氾濫水を受け止め、市街地への被害を緩和する機能が高いことを示唆します。このような立地に存在する水田は、平時は食料生産を行い、水害時にはEco-DRRを実現する防災インフラ、すなわちグリーンインフラとして利用できる可能性があります。
本研究成果は、6月23日付け(日本時間)で、ELSEVIERが発行する英文誌International Journal of Disaster Risk Reductionに発表されました。本研究は、環境研究総合推進費4-1805「グリーンインフラと既存インフラの相補的役割−防災・環境・社会経済面からの評価」およびJSPS科研費20K06096の助成を受けたものです。
2.ポイント
1. 生態系を利用した防災、減災という考えは、近年増加する自然災害に対抗する新しいアイディアです。
2. 地形的に地表面を流れる水が溜まりやすい場所に立地する水田は、洪水であふれた水を受け入れ、市街地への洪水被害を低減する機能が高い可能性が示唆されました。
3. 本研究の結果は、水田という全国的に存在する生態系が、緊急時に災害被害を低減させる予備的な防災インフラとして利用できる可能性を示しています。
3.研究の背景
近年、台風や豪雨、さらにはそれに伴う洪水や土砂災害といった大規模な自然災害が増加し、我々の生活を脅かしています。2019年10月に発生した令和元年東日本台風が、各地に甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいところです。これら自然災害への対応が社会的に求められていますが、人口減少社会に突入し、人的、資金的に限りがある現代において、これまでのように新規でダムや堤防等の防災インフラを増設していくことには限界があります。さらに、既存の防災インフラも多くが老朽化しており、増大する自然災害に対応しきれていません。人口減少社会に突入した日本では、近い将来に既存防災インフラの維持管理すら困難になることが予想されており、自然災害への対策を抜本的に見直す必要性に迫られています。この対応策として期待されているのが、生態系を利用した防災・減災(Ecosystem Based Disaster Risk Reduction:Eco-DRR)という考え方です。Eco-DRRは、自立して維持できるシステムである生態系を防災インフラとして利用できれば、定期的なメンテナンスが必要な人工工作物に比べて維持管理コストを大幅に低減すること、さらに生態系がもたらす様々な利益を享受することも期待できるという、持続可能な防災の実現を目指した新しい考え方です。Eco-DRRの考え方は「生態系を活用したインフラ整備および土地利用計画」を意味するグリーンインフラストラクチャー(注1 の一部と捉えられ、2015年に閣議決定した国土計画:第二次国土形成計画(全国計画)にも明記されるなど、人口減少社会における新しい防災インフラ整備の考え方として注目が集まっています。
4.研究の詳細
ダムや堤防等、人工工作物による防災インフラは、多くの場合、災害の発生を抑制することを目的に設置されており、災害が発生してしまった後には無力になる場合が多いと考えられます。対して生態系を利用した防災インフラは、災害が発生してしまった後にも、ねばり強く被害の拡大を緩和できることが期待されます。そこで本研究は、既に起きてしまった災害の被害を全国的に存在している生態系、具体的には水田が緩和してくれる可能性に注目しました。
国土交通省が実施している統計調査「水害統計調査」では、水害被害面積が市街地と農地に分けられています。水害が発生し、市街地に浸水した場合は、建物や道路等のインフラ、さらには人間に直接的に被害が発生することは避けられません。それに対して農地への浸水は、もちろん農作物等への被害は発生しますが、少なくとも人間への直接的な被害は軽微と考えられます。すなわち、もし同じ面積の水害被害が発生した場合、市街地に比べて農地の被害面積比率が大きいほうが、人的、金銭的な被害が少なく済む可能性が高いと考えられます。さらに、水が溜められる土地利用である水田に浸水した場合、その場に水を留めることで、さらなる浸水拡大を抑制してくれることも期待できます(図1)。そこで「水害統計調査」を利用し、水害における市街地と農地の比率と、その場所における水田の面積および立地条件の関係を検討しました。具体的には、栃木県、群馬県、埼玉県という関東の内陸に位置する3県の市町村を対象に、2006年から2017年までの間に発生した水害被害面積の市街地、農地比率と、水田面積およびの立地の関係を検討しました。内陸に位置する3県に注目した理由は、津波や高潮といった海由来の災害の影響を排除し、検討対象を豪雨による河川氾濫等、陸水由来の洪水に絞るためです。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202106296930-O1-C2Caiq39】
この結果、地表面を流れる水が溜まりやすい立地条件、多くの場合は谷地形や凹地になっている場所に多くの水田が位置している市町村では、水害面積の市街地比率が低いことが示されました(図2)。興味深いことに、市町村における合計水田面積は水害面積の市街地比率に影響しませんでした。つまり、被害の緩和には水田の立地条件が重要で、必ずしも大面積の水田さえあれば、水害時に被害を緩和してくれるわけではないことが示唆されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202106296930-O2-kPxER191】
本研究で用いた水が溜まりやすい立地条件は、地形的に水が溜まってくる累積流量(図3)という値を使って決めています。この値が高い場所は、過去には氾濫原湿地をはじめとする自然湿地であった可能性が高く、ここに水田が立地していることは、水田という半自然環境に変化したとはいえ、過去から現在にわたり長期的に湿地環境が維持されている可能性が高いと考えられます。このことは、もともとその場に存在していた生態系に近い土地利用を行うことで、洪水による被害緩和機能が発揮されることを示唆します。こういった土地利用は、生態系に基づいて社会課題を解決するNature-based Solution(注2 という考え方にも通じるものです。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202106296930-O3-p4aPM14J】
5.研究の意義と波及効果
これまで研究グループでは、本研究と同じ条件、つまり地表面を流れる水が溜まりやすい場所に立地する水田が洪水の発生自体を抑制すること(注3、湿地性植物の生育に適した環境を提供していること(注4 を明らかにしてきました。「元湿地であった場所に存在する水田」は、食料生産に加えて、地域の生物多様性への貢献、さらに災害発生を抑制し、災害が発生してしまった後にも、その被害を緩和してくれるという様々な機能が存在していると考えられます。これは農林水産省が提示している「農業・農村の有する多面的機能(注5」という考え方 にも合致しており、防災インフラの考え方と同時に、今後は農地利用の在り方を検討する際にも貢献できると期待されます。
【用語解説】
注1)グリーンインフラストラクチャー: 自然の有する機能をインフラと捉え、それを利用して社会資本整備等を進めるという考え方。日本ではグリーンインフラ研究会によって「自然が持つ多様な機能を賢く利用することで、持続可能な社会と経済の発展に寄与するインフラや土地利用計画のこと」と定義された。https://www.greeninfra.net/
注2)自然に基づく解決策(Nature-based Solution):IUCNが提唱した考え方で、生態系を保全、持続的に管理、利用することで社会的な課題を解決し、人類と生物多様性への利益を両立させるという考え方。https://www.iucn.org/theme/nature-based-solutions
注3)Osawa T, Nishida T, Oka T (2020) High tolerance land use against flood disasters: How paddy fields as previously natural wetland inhibit the occurrence of floods.Ecological Indicators 144: 106306.
(日本語訳:洪水に対して高い体制を持つ土地利用:元湿地の水田は洪水の発生を抑制する)
注4)Osawa T, Nishida T, Oka T (2020) Paddy fields located in water storage zones could take over the wetland plant community.Scientific Reports 10:14806.
(日本語訳:水を溜めやすい場所に位置する水田は湿地性植物群集を長期にわたって維持する)
注5)多面的機能:農業地域において農業活動が行われることによって人間社会にもたらされる、食料生産以外の「めぐみ」のこと。災害を減らす機能のほかにも、様々な生物に生息場を提供する機能、農村風景を維持し、我々の心をなごませてくれる機能等が挙げられている。
https://www.maff.go.jp/j/nousin/noukan/nougyo_kinou/#01
【論文情報】
掲載誌:International Journal of Disaster Risk Reduction
タイトル:Potential of mitigating floodwater damage to residential areas using paddy fields in water storage zones
著者:Takeshi Osawa, Takaaki Nishida, Takashi Oka
DOI: https://doi.org/10.1016/j.ijdrr.2021.102410
アブストラクトURL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S221242092100371X