【三省製薬News Letter】「デルメッド ものづくり宣言」を受け、処方開発に取り組むチームの奮闘!
[21/10/04]
提供元:共同通信PRワイヤー
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また、美容成分の新工場「佐賀工場B棟」の落成式を9月28日に実施!
三省製薬株式会社
https://www.sansho-pharma.com/
https://www.dermed.jp/
【 三省製薬 News Letter 】
◆「デルメッド ものづくり宣言」において持続可能な未来に向けた
処方開発に挑むバルクチームの取り組み!
◆ 美容成分の新工場「佐賀工場B棟」の落成式を9月28日に実施!
美容成分の開発・製造・販売とオリジナル通販化粧品ブランド「デルメッド」を展開する三省(さんしょう)製薬株式会社(本社:福岡県大野城市 代表取締役社長:陣内宏行)では、当社の企業・事業動向やトピックスをニュースレターとして定期的に発信しています。
今回のニュースレターでは、2021年3月に発表した「デルメッド ものづくり宣言」において、「処方開発」に取り組むバルクチームの想いや取り組みをご紹介します(※バルクとは充填前の中身のことです)。
また後半では、9月28日に実施した美容成分の新工場「佐賀工場B棟」の落成式の様子をご報告します。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M105855/202110011056/_prw_OT1fl_hNc1r003.png】
チームでSEED (サステナブル、エコ、エシカル、ダイバーシティ) を検討。
当社は「よりよい成分 よりよい化粧品4.0」というコンセプトを掲げ、2019年11月、当社が大事だと考える要素であるサステナブル、エコ、エシカル、ダイバーシティ(※頭文字を取ってSEED)を検討するプロジェクトをスタートしました。
その後、昨年4月に原料・処方開発に取り組む「バルクチーム」と容器開発を担当する「パッケージチーム」の2チームを編成し、SDGsも加えた検討を進めてきました。バルクチームは、(1)トレーサビリティ確保、(2)児童就労・労働搾取なし、 (3)環境負荷低減、(4)石油由来原料の削減を大方針として取り組んでいます。
今年の9月には、「デルメッド プレミアム シリーズ」の基礎化粧品3品をリニューアル新発売するなど、具体的な成果も出始めています。
今回ご紹介する「バルクチーム」はリーダーの中村奈津美、萩尾利和、稲田ゆう子、福田真由の4名で構成しています。全員、製品開発部に所属しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O11-956KUS7I】
(左より萩尾、稲田、中村、福田)
バルクチームに入ったことが、SDGsを意識するきっかけに。
【 萩尾】 そもそも、チームの前身である2019年に発足したプロジェクトにリーダーとして参画していました。当時から、”ヒトにも地球にも優しいものづくりをしていきたい”という思いで取り組んできましたが、バルクチームのスタート後は、多くの企業がSDGs対応に力を入れていることを改めて知りました。今では、社会全体がSDGsを重視する流れに 変わってきていると感じます。恥ずかしながら、プロジェクトにかかわらなければSDGsという言葉にはあまり興味がなかったかもしれません。でも、意識するようになったからこそ、世間のSDGsへの意識が加速的に増していることを感じられたし、取り残されないようにしなければ、という焦りも覚えました。日常生活では、当たり前のことですが、ごみの分別や不要な電力の削減などをより意識するようになりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O12-b9tMgGsb】
萩尾利和
【 中村】 萩尾さんに声をかけてもらってバルクチームに入り、リーダーを任されることとなりました。チームができる前は、SDGsは知ってはいましたが、詳しいわけではありませんでした。チームに参加したことをきっかけに、SDGsの重要性を認識し、日本や世界に目を向けるようになりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O13-eU2Ps8fX】
中村奈津美
【 稲田】 最初はSDGsに興味や関心が高くはありませんでしたが、環境問題の現状や持続可能な社会について学ぶにつれ、テレビやお店でもSDGs関連の話題や商品を目にすることが多くなったように思います。今では、SDGsは日本だけなく世界全体で取り組まないといけない、無視できないことだと感じています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O14-2Ya0tbB5】
稲田ゆう子
【 福田】 チームで学んだことによって、プライベートでもSDGsに沿った商品を見かけると、「どの部分がSDGsに配慮した商品なのか」が気になって調べるようになりました。実際に購入して、原料だけではなく使用感なども気にするようになりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O15-2FL52MEU】
福田真由
「持続可能な地球環境ファースト」を信念に、新たなルール作りに挑む。
【中村】 まずは環境問題の現状や対策、SDGsについて皆で学び、共通の課題認識を持ちました。その上で、当社製品に使われているすべての化粧品原料の再評価と再選定をすることになりました。具体的には、(1)取引先メーカーに原料について尋ねる書類を作成し記入してもらう、(2)回答結果から評価方法や採用可否判断の基準を設定する、というステップです。SEEDを取り入れた当社のものづくりの根幹となる「新たなルール」づくりに取り掛かりました。
【萩尾】 再評価や再選定にあたっては、どんなに使い勝手の良い原料であっても、SEEDの概念に適合しなければ、どんな妥協も許さない「持続可能な地球環境ファースト」を信念として進めることをメンバーで共有しました。このバルクチームは、私たちが所属する製品開発部とは全く別の組織体であるという認識が重要だと思っています。
手探りの中、約半年をかけて取引先への確認書類づくりに奮闘。
【中村】 デルメッドで使用しているすべての化粧品原料の確認が必要だと考え、取引先である原料メーカーに回答していただくための「SDGsに基づく調達基本方針回答書」の作成に着手しました。環境や倫理面に配慮したSEEDな原料であるかを調査するのが目的ですが、まずはその内容を話し合うところから始めました。
話し合いには約半年かけ、皆でじっくりと議論を重ねました。その結果、●トレーサビリティ(原料の起源等、植物の場合は管理栽培されているかどうかも含む)、●すべてのサプライチェーンにおいて公正な取引がされているか、●動物実験はしていないか、●製造過程での児童就労や労働搾取の有無、●排出時の環境負荷、●製造工程中の廃棄物について違法な廃棄方法がとられていないか、等の項目を盛り込むことになりました。
【萩尾】 業界のスタンダードやお手本があるわけではないため、全て手探りで進めていきました。当初は何をしたらいいのか、と途方に暮れるような気持ちになることもありましたが、そういう時は常にSEEDの原点に立ち返って考えるようにしてきました。
全取引先に「SDGsに基づく調達基本方針回答書」への記入を依頼。 当初は戸惑いの声も。
【稲田】 当社が取り扱う原料1品目ごとに回答書を準備し、昨秋から取引先の原料メーカーに配布したところ、戸惑いの声や質問項目の内容についてのお問い合わせをいただくこともありました。例えば、「排出された時に環境負荷を与えないかどうか」という項目について、その基準や言葉の意味について聞かれることも多くありました。
【 福田】 そこで、原料そのものではなく、化粧品に配合した場合の 濃度・分量を海に排出した場合の環境負荷を聞くように質問項目の表現を修正するなど、細かい改善を重ねていきました。取引先とのやりとりは最初からスムーズなものではありませんでしたが、都度メンバーで検討して丁寧な説明を心掛けることで、取り組みの重要性も理解 していただけるようになったと思います。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O16-sD0x3xB2】
取引先からの回答結果をもとに、8ヶ月をかけて独自の採用基準を練り上げる。
【中村】 次のステップは、回答結果をもとに評価基準を作ることでした。過去事例や参考資料がないため、ここでも試行錯誤が続きました。
検討には約8ヶ月かかりましたが、回答内容ごとに点数をつけてそれを合計し、一定の点数を基準に採用の可否を決める手法に決着しました。
【福田】 ただし、単純に点数だけで採用・不採用を決めるのではなく、例えば動物実験をしていれば「不採用」とするなど、細かいフローチャートもあわせて作成しました。
特に、環境負荷については、「排出された場合、生態系にどの程度影響を及ぼすか」という情報と、当社工場で生産後に製造設備を洗浄する際に流れ出るバルクの想定量を計算して、「環境負荷を与えない」と判定できる厳しい基準を設けました。また、中には安全性にかかわる情報がなかったり、計算できないものもありました。その場合は、人間にとって安全な配合量を最低限の目安として社内でパッチテストを実施し、その結果を参考にするなど、データに基づく工夫を重ねました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O17-HJF1T516】
【稲田】 このようにしてチームで作り上げたルールを製品開発部で処方を担当している部門に伝えたところ、さらに再考を求められることもありました。そんな時はまた皆で話し合い、原料によっては採用・不採用だけではなく「配合上限」を決めるなど、ルールを磨いていきました。
【中村】 検討にあたっては、各自が宿題として課題を持ち帰り、週1回ミーティングを開いて進めてきました。普段の仕事にプラスしての作業だったため、それぞれ負担もあったと思いますが、かしこまった感じではなく、皆が自由に発言 しながら考えていけたのは良かったと思います。
今後は、デルメッド全商品への反映に加え、社内外を巻き込みながら 「よりよい成分、よりよい化粧品」の開発に邁進したい!
【中村】 デルメッド全商品に使用する原料を評価・選定し、商品への反映を進めています。また、社内にSEEDの取り組みを浸透させていく ことも重要だと考えています。会社全体で意識をもって取り組めるように、バルクチームからも働きかけをしていきたいです。
【萩尾】 「デルメッドはヒトにも地球にも優しいブランドです」と胸を張って言えるよう活動を続けていくと同時に、社内外への啓蒙活動を通じて、1人でも多くの方にSDGsについて考えてもらえるよう働きかけていきたいと思います。
【福田】 容器の改良に取り組むパッケージチームとは違って、バルクチームの取り組みは目に見えてわかりづらいのが難点だと感じています。SEEDを取り入れたバルクというのは、社内でもピンときていない人が多いかもしれません。社内の他部署の人たちにも理解してもらうことはとても大事だと思います。
【稲田】 処方開発の担当者が使いやすくて、使用感も良くて、最終的にお客様に喜んでいただけるような、SEEDの概念に沿った新しい原料も探していきたいと思います。当社は美容成分(化粧品原料)を開発するメーカーでもあるので、SEEDに沿ったオリジナルの美容成分開発も後押ししていきたいです。
【中村】 当社は美容成分を自社開発できる点が大きな強みでもあります。当社開発によるSEEDに沿った美容成分では、福岡県八女産の竹(孟宗竹)を原料とした美容成分(竹幹表皮エキス)があります。
「yameKAGUYA」という化粧品ブランドとして展開しており、放置竹林対策にもつながるアップサイクル化粧品として好評いただいています。社会課題の解決につながる美容成分の開発にも、バルクチームとして貢献していきたいと思っています。
***
佐賀工場の敷地内に竣工した美容成分の新工場「佐賀工場B棟」の落成式を実施しました。
このたび、佐賀県鳥栖市に立地する佐賀工場の敷地内に美容成分の新工場「佐賀工場B棟」が完成し、2021年9月28日に落成式を行いました。
当社は昨年、鳥栖市と工場建設に係る「鳥栖商工団地への進出に関する協定」ならびに「環境保全協定」を締結しており、落成式には鳥栖市の橋本康志市長にお越しいただきました。その他、建築会社や設計事務所、お取引先様、地域関係者にもご参加いただき、コロナ禍における感染予防対策に留意しつつ実施しました。
落成式では、当社の代表取締役社長・陣内宏行が「2020年は創業60周年の年。その記念事業として、新しい美容成分工場の建設を決断しました。皆様方に支えられ、新工場を完成させる事が出来た事を大変嬉しく思います。完成した『佐賀工場B棟』は当社のユニークさの根幹である美容成分をつくるための工場です。自社ブランド『デルメッド』への配合のみならず、国内外の化粧品メーカーにも出荷し、世界中の皆様に“よりよい美容成分”を届けていきたいと思います。社員一同、精一杯努力してまいります」と挨拶いたしました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O18-c3m5ydSH】
鳥栖市・橋本市長(左から2人目)、三省製薬(株)・陣内社長(中央)
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O20-PT1Fhh9S】
佐賀工場B棟
「佐賀工場B棟」の完成に伴い、佐賀工場全体の従業員数は今後、約60名体制となる予定です。生産品目は当社が取り扱う全美容成分(約80種類)で、美容成分の生産能力は約3倍となる見込みです。
美容成分のB2B販売、OEM・ODM(*)、オリジナルブランド「デルメッド」に加え、地元の特産品を活用した 製品や新ブランドなど、これまで以上にバリエーション豊かなものづくり・販売チャネルに対応していきます。
* OEM:当社が製造メーカーとして、他社ブランド製品の製造を受託する事業。
ODM:商品企画の段階から他社ブランド製品の製造までを受託する事業。
佐賀工場B棟概要
■名称 三省製薬株式会社 佐賀工場B棟
■所在地 〒841-0048 佐賀県鳥栖市藤木町5番1
■敷地面積 15,000? (*佐賀工場全体の敷地面積)
■延床面積 1,121?
■構造・規模 鉄骨造、地上2階建て
■設計・施工 大和ハウス工業株式会社
■着工 2021年2月
■竣工 2021年7月
■生産品目 美容成分(化粧品原料)約80種類
■総投資額 約5.4億円
三省製薬株式会社 会社概要
■社 名 三省製薬株式会社(Sansho Pharmaceutical Co.,Ltd.)
■創 業 1960年3月
■代表取締役社長 陣内 宏行
■資本金 8,767万円
■売上高 25億9,600万円(2021年3月期現在)
■事業所 本社
〒816-8550 福岡県大野城市大池2丁目26番7号
東京オフィス
〒107-6218 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウンタワー18F
ワークスタイリング内
佐賀工場(化粧品原料製造および化粧品製造業者としてCOSMOS認証取得工場)
〒841-0048 佐賀県鳥栖市藤木町5番1
■事業内容 化粧品原料の開発、製造、販売
医薬部外品・化粧品の開発、製造、販売(通信販売・OEM)
■社員数 120人(パート社員含む)
■URL https://www.sansho-pharma.com/
https://www.dermed.jp
三省製薬株式会社
https://www.sansho-pharma.com/
https://www.dermed.jp/
【 三省製薬 News Letter 】
◆「デルメッド ものづくり宣言」において持続可能な未来に向けた
処方開発に挑むバルクチームの取り組み!
◆ 美容成分の新工場「佐賀工場B棟」の落成式を9月28日に実施!
美容成分の開発・製造・販売とオリジナル通販化粧品ブランド「デルメッド」を展開する三省(さんしょう)製薬株式会社(本社:福岡県大野城市 代表取締役社長:陣内宏行)では、当社の企業・事業動向やトピックスをニュースレターとして定期的に発信しています。
今回のニュースレターでは、2021年3月に発表した「デルメッド ものづくり宣言」において、「処方開発」に取り組むバルクチームの想いや取り組みをご紹介します(※バルクとは充填前の中身のことです)。
また後半では、9月28日に実施した美容成分の新工場「佐賀工場B棟」の落成式の様子をご報告します。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M105855/202110011056/_prw_OT1fl_hNc1r003.png】
チームでSEED (サステナブル、エコ、エシカル、ダイバーシティ) を検討。
当社は「よりよい成分 よりよい化粧品4.0」というコンセプトを掲げ、2019年11月、当社が大事だと考える要素であるサステナブル、エコ、エシカル、ダイバーシティ(※頭文字を取ってSEED)を検討するプロジェクトをスタートしました。
その後、昨年4月に原料・処方開発に取り組む「バルクチーム」と容器開発を担当する「パッケージチーム」の2チームを編成し、SDGsも加えた検討を進めてきました。バルクチームは、(1)トレーサビリティ確保、(2)児童就労・労働搾取なし、 (3)環境負荷低減、(4)石油由来原料の削減を大方針として取り組んでいます。
今年の9月には、「デルメッド プレミアム シリーズ」の基礎化粧品3品をリニューアル新発売するなど、具体的な成果も出始めています。
今回ご紹介する「バルクチーム」はリーダーの中村奈津美、萩尾利和、稲田ゆう子、福田真由の4名で構成しています。全員、製品開発部に所属しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O11-956KUS7I】
(左より萩尾、稲田、中村、福田)
バルクチームに入ったことが、SDGsを意識するきっかけに。
【 萩尾】 そもそも、チームの前身である2019年に発足したプロジェクトにリーダーとして参画していました。当時から、”ヒトにも地球にも優しいものづくりをしていきたい”という思いで取り組んできましたが、バルクチームのスタート後は、多くの企業がSDGs対応に力を入れていることを改めて知りました。今では、社会全体がSDGsを重視する流れに 変わってきていると感じます。恥ずかしながら、プロジェクトにかかわらなければSDGsという言葉にはあまり興味がなかったかもしれません。でも、意識するようになったからこそ、世間のSDGsへの意識が加速的に増していることを感じられたし、取り残されないようにしなければ、という焦りも覚えました。日常生活では、当たり前のことですが、ごみの分別や不要な電力の削減などをより意識するようになりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O12-b9tMgGsb】
萩尾利和
【 中村】 萩尾さんに声をかけてもらってバルクチームに入り、リーダーを任されることとなりました。チームができる前は、SDGsは知ってはいましたが、詳しいわけではありませんでした。チームに参加したことをきっかけに、SDGsの重要性を認識し、日本や世界に目を向けるようになりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O13-eU2Ps8fX】
中村奈津美
【 稲田】 最初はSDGsに興味や関心が高くはありませんでしたが、環境問題の現状や持続可能な社会について学ぶにつれ、テレビやお店でもSDGs関連の話題や商品を目にすることが多くなったように思います。今では、SDGsは日本だけなく世界全体で取り組まないといけない、無視できないことだと感じています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O14-2Ya0tbB5】
稲田ゆう子
【 福田】 チームで学んだことによって、プライベートでもSDGsに沿った商品を見かけると、「どの部分がSDGsに配慮した商品なのか」が気になって調べるようになりました。実際に購入して、原料だけではなく使用感なども気にするようになりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O15-2FL52MEU】
福田真由
「持続可能な地球環境ファースト」を信念に、新たなルール作りに挑む。
【中村】 まずは環境問題の現状や対策、SDGsについて皆で学び、共通の課題認識を持ちました。その上で、当社製品に使われているすべての化粧品原料の再評価と再選定をすることになりました。具体的には、(1)取引先メーカーに原料について尋ねる書類を作成し記入してもらう、(2)回答結果から評価方法や採用可否判断の基準を設定する、というステップです。SEEDを取り入れた当社のものづくりの根幹となる「新たなルール」づくりに取り掛かりました。
【萩尾】 再評価や再選定にあたっては、どんなに使い勝手の良い原料であっても、SEEDの概念に適合しなければ、どんな妥協も許さない「持続可能な地球環境ファースト」を信念として進めることをメンバーで共有しました。このバルクチームは、私たちが所属する製品開発部とは全く別の組織体であるという認識が重要だと思っています。
手探りの中、約半年をかけて取引先への確認書類づくりに奮闘。
【中村】 デルメッドで使用しているすべての化粧品原料の確認が必要だと考え、取引先である原料メーカーに回答していただくための「SDGsに基づく調達基本方針回答書」の作成に着手しました。環境や倫理面に配慮したSEEDな原料であるかを調査するのが目的ですが、まずはその内容を話し合うところから始めました。
話し合いには約半年かけ、皆でじっくりと議論を重ねました。その結果、●トレーサビリティ(原料の起源等、植物の場合は管理栽培されているかどうかも含む)、●すべてのサプライチェーンにおいて公正な取引がされているか、●動物実験はしていないか、●製造過程での児童就労や労働搾取の有無、●排出時の環境負荷、●製造工程中の廃棄物について違法な廃棄方法がとられていないか、等の項目を盛り込むことになりました。
【萩尾】 業界のスタンダードやお手本があるわけではないため、全て手探りで進めていきました。当初は何をしたらいいのか、と途方に暮れるような気持ちになることもありましたが、そういう時は常にSEEDの原点に立ち返って考えるようにしてきました。
全取引先に「SDGsに基づく調達基本方針回答書」への記入を依頼。 当初は戸惑いの声も。
【稲田】 当社が取り扱う原料1品目ごとに回答書を準備し、昨秋から取引先の原料メーカーに配布したところ、戸惑いの声や質問項目の内容についてのお問い合わせをいただくこともありました。例えば、「排出された時に環境負荷を与えないかどうか」という項目について、その基準や言葉の意味について聞かれることも多くありました。
【 福田】 そこで、原料そのものではなく、化粧品に配合した場合の 濃度・分量を海に排出した場合の環境負荷を聞くように質問項目の表現を修正するなど、細かい改善を重ねていきました。取引先とのやりとりは最初からスムーズなものではありませんでしたが、都度メンバーで検討して丁寧な説明を心掛けることで、取り組みの重要性も理解 していただけるようになったと思います。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O16-sD0x3xB2】
取引先からの回答結果をもとに、8ヶ月をかけて独自の採用基準を練り上げる。
【中村】 次のステップは、回答結果をもとに評価基準を作ることでした。過去事例や参考資料がないため、ここでも試行錯誤が続きました。
検討には約8ヶ月かかりましたが、回答内容ごとに点数をつけてそれを合計し、一定の点数を基準に採用の可否を決める手法に決着しました。
【福田】 ただし、単純に点数だけで採用・不採用を決めるのではなく、例えば動物実験をしていれば「不採用」とするなど、細かいフローチャートもあわせて作成しました。
特に、環境負荷については、「排出された場合、生態系にどの程度影響を及ぼすか」という情報と、当社工場で生産後に製造設備を洗浄する際に流れ出るバルクの想定量を計算して、「環境負荷を与えない」と判定できる厳しい基準を設けました。また、中には安全性にかかわる情報がなかったり、計算できないものもありました。その場合は、人間にとって安全な配合量を最低限の目安として社内でパッチテストを実施し、その結果を参考にするなど、データに基づく工夫を重ねました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O17-HJF1T516】
【稲田】 このようにしてチームで作り上げたルールを製品開発部で処方を担当している部門に伝えたところ、さらに再考を求められることもありました。そんな時はまた皆で話し合い、原料によっては採用・不採用だけではなく「配合上限」を決めるなど、ルールを磨いていきました。
【中村】 検討にあたっては、各自が宿題として課題を持ち帰り、週1回ミーティングを開いて進めてきました。普段の仕事にプラスしての作業だったため、それぞれ負担もあったと思いますが、かしこまった感じではなく、皆が自由に発言 しながら考えていけたのは良かったと思います。
今後は、デルメッド全商品への反映に加え、社内外を巻き込みながら 「よりよい成分、よりよい化粧品」の開発に邁進したい!
【中村】 デルメッド全商品に使用する原料を評価・選定し、商品への反映を進めています。また、社内にSEEDの取り組みを浸透させていく ことも重要だと考えています。会社全体で意識をもって取り組めるように、バルクチームからも働きかけをしていきたいです。
【萩尾】 「デルメッドはヒトにも地球にも優しいブランドです」と胸を張って言えるよう活動を続けていくと同時に、社内外への啓蒙活動を通じて、1人でも多くの方にSDGsについて考えてもらえるよう働きかけていきたいと思います。
【福田】 容器の改良に取り組むパッケージチームとは違って、バルクチームの取り組みは目に見えてわかりづらいのが難点だと感じています。SEEDを取り入れたバルクというのは、社内でもピンときていない人が多いかもしれません。社内の他部署の人たちにも理解してもらうことはとても大事だと思います。
【稲田】 処方開発の担当者が使いやすくて、使用感も良くて、最終的にお客様に喜んでいただけるような、SEEDの概念に沿った新しい原料も探していきたいと思います。当社は美容成分(化粧品原料)を開発するメーカーでもあるので、SEEDに沿ったオリジナルの美容成分開発も後押ししていきたいです。
【中村】 当社は美容成分を自社開発できる点が大きな強みでもあります。当社開発によるSEEDに沿った美容成分では、福岡県八女産の竹(孟宗竹)を原料とした美容成分(竹幹表皮エキス)があります。
「yameKAGUYA」という化粧品ブランドとして展開しており、放置竹林対策にもつながるアップサイクル化粧品として好評いただいています。社会課題の解決につながる美容成分の開発にも、バルクチームとして貢献していきたいと思っています。
***
佐賀工場の敷地内に竣工した美容成分の新工場「佐賀工場B棟」の落成式を実施しました。
このたび、佐賀県鳥栖市に立地する佐賀工場の敷地内に美容成分の新工場「佐賀工場B棟」が完成し、2021年9月28日に落成式を行いました。
当社は昨年、鳥栖市と工場建設に係る「鳥栖商工団地への進出に関する協定」ならびに「環境保全協定」を締結しており、落成式には鳥栖市の橋本康志市長にお越しいただきました。その他、建築会社や設計事務所、お取引先様、地域関係者にもご参加いただき、コロナ禍における感染予防対策に留意しつつ実施しました。
落成式では、当社の代表取締役社長・陣内宏行が「2020年は創業60周年の年。その記念事業として、新しい美容成分工場の建設を決断しました。皆様方に支えられ、新工場を完成させる事が出来た事を大変嬉しく思います。完成した『佐賀工場B棟』は当社のユニークさの根幹である美容成分をつくるための工場です。自社ブランド『デルメッド』への配合のみならず、国内外の化粧品メーカーにも出荷し、世界中の皆様に“よりよい美容成分”を届けていきたいと思います。社員一同、精一杯努力してまいります」と挨拶いたしました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O18-c3m5ydSH】
鳥栖市・橋本市長(左から2人目)、三省製薬(株)・陣内社長(中央)
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202110011056-O20-PT1Fhh9S】
佐賀工場B棟
「佐賀工場B棟」の完成に伴い、佐賀工場全体の従業員数は今後、約60名体制となる予定です。生産品目は当社が取り扱う全美容成分(約80種類)で、美容成分の生産能力は約3倍となる見込みです。
美容成分のB2B販売、OEM・ODM(*)、オリジナルブランド「デルメッド」に加え、地元の特産品を活用した 製品や新ブランドなど、これまで以上にバリエーション豊かなものづくり・販売チャネルに対応していきます。
* OEM:当社が製造メーカーとして、他社ブランド製品の製造を受託する事業。
ODM:商品企画の段階から他社ブランド製品の製造までを受託する事業。
佐賀工場B棟概要
■名称 三省製薬株式会社 佐賀工場B棟
■所在地 〒841-0048 佐賀県鳥栖市藤木町5番1
■敷地面積 15,000? (*佐賀工場全体の敷地面積)
■延床面積 1,121?
■構造・規模 鉄骨造、地上2階建て
■設計・施工 大和ハウス工業株式会社
■着工 2021年2月
■竣工 2021年7月
■生産品目 美容成分(化粧品原料)約80種類
■総投資額 約5.4億円
三省製薬株式会社 会社概要
■社 名 三省製薬株式会社(Sansho Pharmaceutical Co.,Ltd.)
■創 業 1960年3月
■代表取締役社長 陣内 宏行
■資本金 8,767万円
■売上高 25億9,600万円(2021年3月期現在)
■事業所 本社
〒816-8550 福岡県大野城市大池2丁目26番7号
東京オフィス
〒107-6218 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウンタワー18F
ワークスタイリング内
佐賀工場(化粧品原料製造および化粧品製造業者としてCOSMOS認証取得工場)
〒841-0048 佐賀県鳥栖市藤木町5番1
■事業内容 化粧品原料の開発、製造、販売
医薬部外品・化粧品の開発、製造、販売(通信販売・OEM)
■社員数 120人(パート社員含む)
■URL https://www.sansho-pharma.com/
https://www.dermed.jp