「歯間ブラシ」は先に使う方が効果的! 「歯間ブラシ」で、磨くを変える!
[21/11/25]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
2021年11月25日
デンタルプロ株式会社
デンタルプロ株式会社(代表取締役社長 佐野晃)と日本歯科大学新潟の研究グループは、共同研究により、歯周病リスクが高い歯間部の清掃用具の1つである「歯間ブラシ」の使用の順番について、歯ブラシの使用前か使用後のどちらに使用した方がプラークコントロールにおいて有効であるか、第63回春季日本歯周病学会学術大会で発表した*1。
その結果、「歯間ブラシ」は、歯ブラシ→歯間ブラシの順で使用するよりも、歯間ブラシ→歯ブラシの順で使用したほうがより効果が高いことを明らかにした。
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<研究概要>
【目的】
歯周病予防・治療のためにプラークコントロールは重要であり,歯周病のリスクが高い歯間部の清掃用具の一つとして歯間ブラシがある。一般的に歯ブラシの使用後に歯間ブラシなどの歯間部清掃用具で清掃することが多い。セルフケア後半での歯間ブラシの使用は、清掃が大まかになる。もしくは簡略化する可能性もあり、プラークコントロールの低下に繫がると考える。そこで、歯周病のリスクの高い歯間部を先に歯間ブラシで磨くことにより効果的な清掃ができると考えた。本研究では、歯ブラシと歯間ブラシの使用順序がどのように清掃効果に影響を及ぼすかを明らかにし、効果的な口腔清掃指導法を確立することを目的とした。
【材料および方法】
N大学病院SPT患者およびN大学教職員男女9名(平均年齢44.4±18.5歳)で、日常的に歯ブラシと歯間ブラシを使用している者とした。
対象群を1回目の測定を歯ブラシ→歯間ブラシ(TB→ID)、2回目は1〜3か月後に歯間ブラシ→歯ブラシ(ID→TB)の使用順で口腔清掃を行うA群とその逆の使用順で行うB群の2つに分け、口腔清掃前後にP?I(Silness & Löe)を測定し、プラークの除去状態をP?I変化率として算出した。同時に口腔清掃時間の測定も行った。データ解析については、Excel統計for Windows®(社会情報サービス)にて一元配置分散分析を行った。
【結果】P?I変化率は、歯間ブラシ→歯ブラシが平均69.9%、歯ブラシ→歯間ブラシが55.3%と歯間ブラシを先に用いたほうが有意に高かった(p<0.05)(図1)。全口腔清掃時間については歯間ブラシ→歯ブラシが平均310.7sec、歯ブラシ→歯間ブラシが313.2secであり、有意差は見られなかった。また、歯ブラシの清掃時間と歯間ブラシの清掃時間においても、使用順序にかかわらず有意差は認めなかった。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202111223782-O1-sAZZhq5t】
【考察および結論】
口腔清掃において、歯ブラシ→歯間ブラシの順で磨くよりも、歯間ブラシ→歯ブラシの順で磨いたほうがP?I変化率は高く、プラーク除去効果が高いことがわかった。一方、口腔清掃時間は使用順序をかえても変わらず、磨くという行為にかかる時間には影響がなかった。以上のことから、セルフケア前半にプラークが残存しやすく、歯周病のリスクの高い歯間部を磨くことが有効であり、歯間ブラシ→歯ブラシの順で磨いたほうが効果的な口腔清掃方法であることが示された。
(第63回春季日本歯周病学会学術大会で発表した内容は以上。)
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一般的に歯間部は、歯ブラシだけでは約60%しかプラークを除去することができず、歯ブラシとデンタルフロスの併用で約86%、歯ブラシと歯間ブラシの併用で約95%までプラーク除去効果が向上する*2とされており、歯間ブラシは歯間部の清掃において重要な役割を果たすとされている。
しかしながら、平成28年度歯科疾患実態調査では、毎日歯を磨く者(1歳以上の者)の割合は95.3%であり、毎日歯を磨く人は9割を超えているが、デンタルフロスや歯間ブラシを使った、歯と歯の間の清掃を行っている者は、30.6%と約3割に過ぎない。
昨今、新型コロナウイルス感染症の流行により、口腔ケアで「お口の中を健康に保つこと」が感染対策に繋がることから口腔ケア意識の高まりがみられる。
また、歯周病のある人とない人で新型コロナウイルス感染症での死亡率を調べたところ、歯周病のある人の死亡率は歯周病のない人と比べて8.81倍高い*3という研究データも発表され、口腔ケアの中でも歯周病予防が注目されている。
この結果から、歯間部のプラーク除去により効果が見られた、「歯間ブラシ」を歯ブラシの前に使用することで、セルフケアにおけるプラークコントロールの質の向上、歯間清掃の習慣化に繋がると考えられ、う蝕・歯周病予防・治療に貢献できると考えられる。
*1 2021年第63回春季日本歯周病学会学術大会 ポスター発表
口腔清掃用具の使用順序の違いによる清掃効果に及ぼす影響
*2 ?本?周病学会会誌,17:262,1975
*3 Association between periodontitis and severity of COVID-19 infection: A case?control study, Journal of Clinical Periodontology, 48:483?491.2021
デンタルプロ株式会社
デンタルプロ株式会社(代表取締役社長 佐野晃)と日本歯科大学新潟の研究グループは、共同研究により、歯周病リスクが高い歯間部の清掃用具の1つである「歯間ブラシ」の使用の順番について、歯ブラシの使用前か使用後のどちらに使用した方がプラークコントロールにおいて有効であるか、第63回春季日本歯周病学会学術大会で発表した*1。
その結果、「歯間ブラシ」は、歯ブラシ→歯間ブラシの順で使用するよりも、歯間ブラシ→歯ブラシの順で使用したほうがより効果が高いことを明らかにした。
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<研究概要>
【目的】
歯周病予防・治療のためにプラークコントロールは重要であり,歯周病のリスクが高い歯間部の清掃用具の一つとして歯間ブラシがある。一般的に歯ブラシの使用後に歯間ブラシなどの歯間部清掃用具で清掃することが多い。セルフケア後半での歯間ブラシの使用は、清掃が大まかになる。もしくは簡略化する可能性もあり、プラークコントロールの低下に繫がると考える。そこで、歯周病のリスクの高い歯間部を先に歯間ブラシで磨くことにより効果的な清掃ができると考えた。本研究では、歯ブラシと歯間ブラシの使用順序がどのように清掃効果に影響を及ぼすかを明らかにし、効果的な口腔清掃指導法を確立することを目的とした。
【材料および方法】
N大学病院SPT患者およびN大学教職員男女9名(平均年齢44.4±18.5歳)で、日常的に歯ブラシと歯間ブラシを使用している者とした。
対象群を1回目の測定を歯ブラシ→歯間ブラシ(TB→ID)、2回目は1〜3か月後に歯間ブラシ→歯ブラシ(ID→TB)の使用順で口腔清掃を行うA群とその逆の使用順で行うB群の2つに分け、口腔清掃前後にP?I(Silness & Löe)を測定し、プラークの除去状態をP?I変化率として算出した。同時に口腔清掃時間の測定も行った。データ解析については、Excel統計for Windows®(社会情報サービス)にて一元配置分散分析を行った。
【結果】P?I変化率は、歯間ブラシ→歯ブラシが平均69.9%、歯ブラシ→歯間ブラシが55.3%と歯間ブラシを先に用いたほうが有意に高かった(p<0.05)(図1)。全口腔清掃時間については歯間ブラシ→歯ブラシが平均310.7sec、歯ブラシ→歯間ブラシが313.2secであり、有意差は見られなかった。また、歯ブラシの清掃時間と歯間ブラシの清掃時間においても、使用順序にかかわらず有意差は認めなかった。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202111223782-O1-sAZZhq5t】
【考察および結論】
口腔清掃において、歯ブラシ→歯間ブラシの順で磨くよりも、歯間ブラシ→歯ブラシの順で磨いたほうがP?I変化率は高く、プラーク除去効果が高いことがわかった。一方、口腔清掃時間は使用順序をかえても変わらず、磨くという行為にかかる時間には影響がなかった。以上のことから、セルフケア前半にプラークが残存しやすく、歯周病のリスクの高い歯間部を磨くことが有効であり、歯間ブラシ→歯ブラシの順で磨いたほうが効果的な口腔清掃方法であることが示された。
(第63回春季日本歯周病学会学術大会で発表した内容は以上。)
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一般的に歯間部は、歯ブラシだけでは約60%しかプラークを除去することができず、歯ブラシとデンタルフロスの併用で約86%、歯ブラシと歯間ブラシの併用で約95%までプラーク除去効果が向上する*2とされており、歯間ブラシは歯間部の清掃において重要な役割を果たすとされている。
しかしながら、平成28年度歯科疾患実態調査では、毎日歯を磨く者(1歳以上の者)の割合は95.3%であり、毎日歯を磨く人は9割を超えているが、デンタルフロスや歯間ブラシを使った、歯と歯の間の清掃を行っている者は、30.6%と約3割に過ぎない。
昨今、新型コロナウイルス感染症の流行により、口腔ケアで「お口の中を健康に保つこと」が感染対策に繋がることから口腔ケア意識の高まりがみられる。
また、歯周病のある人とない人で新型コロナウイルス感染症での死亡率を調べたところ、歯周病のある人の死亡率は歯周病のない人と比べて8.81倍高い*3という研究データも発表され、口腔ケアの中でも歯周病予防が注目されている。
この結果から、歯間部のプラーク除去により効果が見られた、「歯間ブラシ」を歯ブラシの前に使用することで、セルフケアにおけるプラークコントロールの質の向上、歯間清掃の習慣化に繋がると考えられ、う蝕・歯周病予防・治療に貢献できると考えられる。
*1 2021年第63回春季日本歯周病学会学術大会 ポスター発表
口腔清掃用具の使用順序の違いによる清掃効果に及ぼす影響
*2 ?本?周病学会会誌,17:262,1975
*3 Association between periodontitis and severity of COVID-19 infection: A case?control study, Journal of Clinical Periodontology, 48:483?491.2021