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「5G通信向け透明フレキシブル電波反射フィルム」を開発

〜景観を損ねずに電波環境を改善〜

2021年12月15日
積水化学工業株式会社

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112215303-O1-3buTN2eD

「5G通信向け透明フレキシブル電波反射フィルム」を開発 〜景観を損ねずに電波環境を改善〜

 積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤敬太、以下「当社」)の高機能プラスチックスカンパニー(プレジデント:清水郁輔)は、独自のフィルム、光学粘着材技術と、Meta Materials Inc. (本社:カナダ、CEO: George Palikaras)のメタマテリアル技術の活用により、今般、5G通信向けの透明フレキシブル電波反射フィルムを開発しました。
 電波環境評価に関しては、DOCOMO Innovations, Inc. (本社:米国、CEO: 原尚史) の協力の下で検証を進め、5Gから6Gまでの周波数帯域をカバーし、従来にはない高い透明性・電波拡散性を併せ持ったフィルムであることを確認しました。

1.開発の背景
 5Gおよび6G通信では、既存のLTE(4G)よりも高周波であるsub6(3.6GHz〜)、ミリ波(24GHz〜)が使用されます。ミリ波は、伝送情報容量が大きい特徴を有しますが、電波の直進性が高く、建造物などの遮蔽により電波が減衰し、通信品質が低下するという課題があります。このような通信品質低下を解決する方法として、基地局の追加や中継機の設置がありますが、高額な追加投資を伴うことから費用を抑えた解決方法が求められていました。
 近年、プリント配線基板上にメタマテリアル銅パターン構造を有したミリ波用反射板が開発されていますが、当社ではメタマテリアル構造で景観を損なわない透明かつフレキシブルな電波反射板に着目。自社のフィルム、光学粘着材技術と組み合わせることでソリューションを提供できると考え、研究開発を推進してきました。
 今般、Meta Materials Inc.の持つ世界トップレベルの透明ナノ構造のメタマテリアル技術「NANOWEB®」(※1)と、その製造技術「Rolling Mask Lithography - RML®」(※2)を当社技術と融合させることで、ミリ波帯域だけでなく、2GHz〜60GHzの広帯域に対応した全光線透過率95%の透明フレキシブル電波反射フィルムの実現に至りました。

2.開発品の概要
 本フィルムは、高次電波反射構造を有するメタマテリアル層と高透明粘着剤とフィルム表面を保護する特殊コーティング層、特殊粘着剤から構成されます。
 これを壁・天井などに貼ることにより電波を反射させ、遮蔽部に電波を届けることが可能となります。この方法により、基地局や中継機の設置に比べ、安価に短期間で通信環境の改善が可能となります。また、電源不要、透明、フレキシブルであるため、外観を損ねることなく、あらゆる形状の部位や場所に施工が可能となります。 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112215303-O2-jX027g4Y】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112215303-O3-6XP9d0W7
         本フィルムの構成             本フィルムの外観

特徴)
(1)Sub6〜ミリ波帯域の電波を反射するフレキシブルフィルム
(2)屋内外問わず使用箇所の景観を損なわない透明素材
(3)簡易施工可能で電源も不要。いかなる場所の電波環境も改善

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112215303-O6-bZ7CM6z0
電波反射イメージ

3.効果についての実証実験
 DOCOMO Innovations, Inc. のシミュレーション技術を用いて、本反射フィルムの効果を企画段階で確認し、株式会社ミライト(本社:東京、社長:中山 俊樹)の協創ラボにおける屋内実証実験で検証しました。
 実証実験では、基地局から30m離れた反射フィルムを介して、基地局からの電波を適切に反射制御することによって、電波環境を広範囲に改善できることを確認しました。

 
 DOCOMO Innovations, Inc. による屋内電波環境改善シミュレーション
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112215303-O8-PUqIsHBw

 
株式会社ミライトとの屋内電波環境改善実証実験(28GHz)

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112215303-O10-16mD1Z96

4.今後の予定
 透明、フレキシブル、軽量、電源レスという特徴を活かして、オフィス、工場、ショッピングモール、医療・介護施設、各種競技場、農場・畜産場、スマートシティー、地下街、鉄道・道路インフラへの展開に加え、救急、工事現場、キャンプ等の一時的・緊急的な用途への対応も含め、用途開拓を進めていきます。
 2022年度からサンプル販売を開始する予定とし、2026年度に売上高60億円を目指します。

なお、本技術は、以下のイベントにて出展を予定しています。
・2022年1月5日〜1月8日   「CES2022」 Meta Materials Inc.ブース9253, LVCC North Hall
・2022年1月17日〜1月19日 「docomo Open House’22」

 
※1 Metamaterial Inc.のメタマテリアル技術「NANOWEB®」
https://metamaterial.com/products/nanoweb/

※2 Metamaterial Inc.のメタマテリアル製造技術「Rolling Mask Lithography-RML®」
https://metamaterial.com/technologies/lithography/

詳細技術説明
 https://www.sekisui.co.jp/electronics/ja/application/film.html
        エレクトロニクス戦略室お問い合わせフォーム →【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202112215303-O12-Cg0B702t

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