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ウパダシチニブ、クローン病患者対象の第III相寛解導入療法試験において主要評価項目や副次評価項目を達成

2021年12月24日
アッヴィ合同会社

ウパダシチニブ、クローン病患者さんを対象とした最初の第III相寛解導入療法試験において主要評価項目および主な副次評価項目を達成

ー 中等症から重症のクローン病患者さんを対象としたU-EXCEED試験において、プラセボ群と比較して、ウパダシチニブ(45 mg 1日1回投与による寛解導入療法)群で有意に高い割合の患者さんが、主要評価項目である12週時の臨床的寛解a,bおよび内視鏡的改善cの双方を達成1

ー 12週時にステロイド不使用での臨床的寛解dを達成した患者さんの割合も、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群で有意に高い結果1

ー 安全性に関する試験結果は、これまでに確認されているウパダシチニブの安全性プロファイルと一致し、新たな安全性リスクは認められず1-6

ー ウパダシチニブはアッヴィが発見し、開発した選択的かつ可逆的なJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬であり、中等症から重症のクローン病およびその他複数の免疫関連炎症性疾患に対する経口剤として開発中1,6-14

 

イリノイ州ノースシカゴ、2021年12月6日(米国時間)?アッヴィ(NYSE:ABBV)は、第III相寛解導入療法試験であるU-EXCEED試験において良好なトップライン結果が得られ、ウパダシチニブ(45 mg 1日1回)が主要評価項目である12週時の臨床的寛解a,bおよび内視鏡的改善Cの双方を達成したことを発表しました1。U-EXCEED試験は、生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった中等症から重症のクローン病患者さんを対象とした試験で、患者さんの60%以上は、2剤以上の生物学的製剤による治療無効歴のある患者さんでした1。U-EXCEED試験は、中等症から重症のクローン病の成人患者さんにおけるウパダシチニブ寛解導入療法の安全性と有効性を評価する、2つの第III相試験のうちの最初の試験です1。

アッヴィのvice chairman兼presidentのMichael Severino M.D.は次のように述べています。「クローン病患者さんを対象とした今回の最初の第III相寛解導入療法試験の結果、内視鏡的改善などの厳密な評価項目が達成されたことから、ウパダシチニブはこの疾患に苦しむ患者さんのニーズを満たす可能性があることが示唆されました。引き続き炎症性腸疾患(IBD)領域における当社の専門性を駆使し、研究開発を推進することにより、IBD治療環境の確立と患者さんへのより良い標準治療の提供に貢献してまいります」

 

U-EXCEED試験では、臨床的寛解をクローン病活動性指数(CDAI)および患者さんの報告による排便回数/腹痛症状(SF/AP)を指標として評価しました1。ウパダシチニブ 45 mg 1日1回投与による12週間の寛解導入療法を行ったウパダシチニブ群では、プラセボ群と比較して有意に高い割合の患者さんが12週時にCDAIに基づく臨床的寛解を達成しました(それぞれ39%、21%、p<0.0001)1。SF/APに基づく臨床的寛解についても同様の結果が得られました(ウパダシチニブ群40%、プラセボ群14%、p<0.0001)1。本試験では、すべての患者さんを対象に、内視鏡による腸粘膜の改善度も評価したところ1、ウパダシチニブ 45 mg群ではプラセボ群と比較して有意に高い割合の患者さんが12週時に内視鏡的改善を達成しました(それぞれ35%、4%、p<0.0001)1。

 

ベースライン時にコルチコステロイドを服用していた患者さんのうち、12週時にステロイド不使用でのCDAIおよびSF/APに基づく臨床的寛解dを達成した患者さんの割合においても、ウパダシチニブ 45 mg群がプラセボ群と比較して有意に高値を示しました1。また、2週時にCR-100に基づく早期症状改善(CDAIがベースラインから100ポイント以上減少)を達成した患者さんの割合、および4週時に臨床的寛解を達成した患者さんの割合も、ウパダシチニブ群ではプラセボ群と比較して有意に高い結果でした1。

 

マウント・サイナイ・アイカーン医科大学、炎症性腸疾患センターの内科学教授兼所長(professor of medicine and director of Inflammatory Bowel Disease Center, Icahn School of Medicine, Mount Sinai)であり、U-EXCEED試験の治験責任医師であるJean-Frederic Colombel M.D.は次のように述べています。「特に治療が難しいともされる難治性の患者さん集団を対象とした、今回の最初の第III相寛解導入療法試験で良い結果が得られ、非常にうれしく思います。これらの結果より、ウパダシチニブは、12週時に内視鏡的改善、臨床的寛解、そしてステロイド不使用での臨床的寛解をクローン病患者さんにもたらす可能性があることが確認されました」

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202112235469/_prw_PT1fl_4yp26w27.png

* 12週時の臨床的寛解(米国FDA管轄地域ではCDAI、EU EMA管轄地域ではSF/APに基づく)および内視鏡的改善の双方を主要評価項目(co-primary endpoints)としました。両主要評価項目において、プラセボに対する統計学的有意差が認められました(p<0.0001)。

a 臨床的寛解(CDAIに基づく)は、CDAIが150未満の場合と定義しました。

b SF(排便回数)/AP(腹痛)に基づく臨床的寛解(PRO-2とも呼ばれます)は、非常に軟らかい便又は水様便の1日の平均回数が2.8回以下であり、かつ1日の平均腹痛スコアが1.0以下であり、かついずれもベースラインからの悪化が認められない場合と定義しました。

c 内視鏡的改善は、中央判定による簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)がベースラインから50%超低下(ベースラインSES-CDが4であった患者さんについてはベースラインから2ポイント以上低下)した場合と定義しました。

 

12週間の二重盲検、プラセボ対照期間におけるウパダシチニブ 45 mgの安全性プロファイルは、様々な適応症を対象としたこれまでの試験で確認された安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性リスクは認められませんでした1。最も多く認められた有害事象は、ウパダシチニブ群では上咽頭炎、プラセボ群ではクローン病の増悪でした1。重篤な有害事象はウパダシチニブ 45 mg群では9.3%、プラセボ群では9.9%の患者さんに認められました1。重篤な感染症の発現率はウパダシチニブ 45 mg群では2.8%、プラセボ群では1.8%でした1。帯状疱疹(発現率:1.5%)はいずれも非重篤であり、ウパダシチニブ群でのみ認められました1。消化管穿孔と判定された例がウパダシチニブ群で1例認められました1。

 

12週時にさらに207名の患者さん(プラセボで効果がみられなかった患者さんまたは非盲検群からの患者さんを含む)がウパダシチニブ 45 mg 1日1回投与による寛解導入療法を受けました1。これらの患者さんにおいて、消化管穿孔と判定された例がさらに2例報告されました1。全般的にこれらの患者さんにおける安全性の結果は、プラセボ対照期間中にウパダシチニブ 45 mg群で認められた結果と一致していました1。

 

本試験では、治験薬投与下で心血管イベント、悪性腫瘍、血栓塞栓性イベントまたは死亡と判定された例はいずれの投与群においても報告されませんでした1。

 

U-EXCEED試験の詳細な結果は、学会や査読誌にて公表する予定です。クローン病に対するウパダシチニブの使用は承認されておらず、その安全性および有効性は規制当局による評価はされていません。

 

dステロイド不使用での臨床的寛解とは、ベースライン時にコルチコステロイドを服用していた患者さんにおいて、臨床的寛解(CDAIが150未満またはSF/APで1日の平均SFが2.8回以下でベースラインからの悪化がなく、かつ1日の平均APスコアが1以下でベースラインからの悪化がない)が得られるとともにコルチコステロイドの使用を中止している場合と定義しました。

 

クローン病について

 

クローン病は、胃腸管(消化器)に炎症が起きることにより、持続的な下痢や腹痛をきたす慢性全身性疾患です15-17。進行性の疾患であり、多くの患者さんにおいて時間経過とともに悪化します16,17。クローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって身体面だけでなく精神面、経済面でも大きな負担となることがあります18。

 

U-EXCEED試験について1,14

 

U-EXCEED試験は、中等症から重症のクローン病を有する成人患者さんを対象に、ウパダシチニブ 45 mgによる寛解導入療法の有効性と安全性を評価することを目的とした2つの第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照寛解導入療法試験のうちの1つです。U-EXCEED試験には、生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった患者さんが対象となりました。もう1つの寛解導入療法試験は、1剤以上の既存治療や生物学的製剤で効果不十分または不耐容であった患者さんを対象とした試験です19。

 

U-EXCEED試験は、プラセボ対照試験として12週間の寛解導入療法を行うパート1、非盲検試験として新たな群を設定しウパダシチニブ 45 mgを12週間投与するパート2、パート1またはパート2で臨床的寛解が達成されなかった患者さんを対象にウパダシチニブ 45 mgまたは30 mgをさらに12週間継続投与するパート3の3つのパートから構成されています。

 

U-EXCEED試験で設定された主要評価項目および副次評価項目は、米国食品医薬品局(FDA)とEU欧州医薬品庁(EMA)の管轄地域でわずかに異なっており、主要評価項目は、12週時の臨床的寛解(米国FDAの管轄地域ではCDAI、EU EMAの管轄地域では1日の平均排便回数と腹痛スコアを指標とするSF/APに基づく)および内視鏡的改善(SES-CDに基づく)の達成としました。詳細は、www.clinicaltrials.gov (NCT03345836)をご覧ください。

 

クローン病を対象としたウパダシチニブの第III相試験プログラムについて14,19,20

 

ウパダシチニブの国際共同第III相試験プログラムは、寛解導入療法試験2試験および維持療法試験1試験から構成され、中等症から重症のクローン病患者さん計1,000名以上を対象に、ウパダシチニブの有効性、安全性および忍容性を評価しています。これらの試験の詳細は、www.clinicaltrials.gov (NCT03345836、NCT03345849、NCT03345823)をご覧ください。

 

ウパダシチニブについて

アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは、選択的かつ可逆的なヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に研究が進められています6-14,21。酵素および細胞を用いた分析系において、ウパダシチニブはJAK-2、JAK-3およびTYK-2と比較してJAK-1に対し強い阻害活性を示すことが確認されています21。特定のJAK酵素の阻害が治療効果にどのような意義を持つのかについては現時点ではわかっていません。ウパダシチニブ15 mgは、1剤以上のTNF阻害薬で効果不十分または不耐容であった中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)から承認を得ています。また、ウパダシチニブは中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人(15 mg、30 mg)および青少年(15 mg)患者さんの治療薬として欧州委員会から承認を得ています。ウパダシチニブ15 mgは、中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さん、活動性関節症性乾癬(乾癬性関節炎)の成人患者さんおよび活動性強直性脊椎炎の成人患者さんの治療薬として欧州委員会から承認を得ています。関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎および高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です7-14。ウパダシチニブのクローン病に対する規制当局の承認はされておらず、その安全性および有効性は評価されていません。

 

ウパダシチニブの重要な安全性情報21

 

米国におけるウパダシチニブの使用および重要な安全性情報

 

ウパダシチニブは、中等度から重度の関節リウマチを有し、1剤以上の腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬で効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする処方薬です。18歳未満の小児に対するウパダシチニブの安全性および有効性は確立されていません。

 

ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか?

ウパダシチニブは次のような重篤な副作用を引き起こす可能性があります。

 

・重篤な感染症:ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を低下させる可能性がある薬剤です。ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、結核および細菌、真菌またはウイルスが原因となり全身に広がる感染症を含む重篤な感染症が発生しています。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染していないか検査し、ウパダシチニブ投与中には結核の徴候や症状がないか慎重に確認しなければなりません。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が許可しない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。

・1つ以上の心疾患(心血管)リスクを有する50歳以上の患者さんでは死亡リスクが増加します。

・がんおよび免疫系疾患:リンパ腫や皮膚がんおよび肺がんを含むその他のがんが発生することがあります。ウパダシチニブを服用している患者さんは、特に現在喫煙していたり、過去に喫煙歴がある場合には、リンパ腫や肺がんなどのがんが発現するリスクが高くなります。

・1つ以上の心疾患(心血管)リスク因子を有する50歳以上の患者さんでは、特に現在喫煙していたり、過去に喫煙歴がある場合には、心臓発作、脳卒中、死亡などの重大な心血管イベントが発現するリスクが高くなります。

・血栓:ウパダシチニブを服用している患者さんの一部では、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があり、生命を脅かす、または死に至ることがあります。脚または肺の静脈の血栓の発症頻度は、1つ以上の心疾患(心血管)リスク因子を有する50歳以上の患者さんで高いことが報告されています。

・胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前および投与中に、血液検査を行う必要があります。血液検査の結果に変化が認められた場合は、必要に応じて一定期間、ウパダシチニブの投与を中断することがあります。

 

ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか?

次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。

 

・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、再発する感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202112235469/_prw_PT2fl_k1qUOQ24.png

・結核に感染している、または結核の患者さんとの濃厚接触歴がある場合

・現在喫煙している、または過去に喫煙歴がある場合

・心臓発作、その他の心疾患、脳卒中の既往歴がある場合

・何らかのがん、B型もしくはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、または胃もしくは腸の潰瘍の既往歴がある場合

・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合

・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に在住、もしくは在住していた、または旅行したことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。

・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。

・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠していないか検査します。ウパダシチニブ投与中および最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。

・授乳中である、または授乳を予定している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中および最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。

 

処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントを含む、服用中の薬剤すべてを医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。

 

特に次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。

 

・真菌感染または細菌感染に対する薬剤

・リファンピシンまたはフェニトイン

・免疫系に影響を及ぼす薬剤

 

これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。

 

ウパダシチニブの服用開始後にするべきことや担当の医療従事者に伝えるべきことは何ですか?

 

・何らかの感染症の症状が認められた場合はただちに担当の医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。

・ウパダシチニブ服用中に次のような心臓発作や脳卒中の症状があらわれた場合はただちに救急医療を受けてください。

○胸部の中央部の不快感が数分以上持続する場合、またはいったん消失してまたあらわれる場合

○胸部、のど、首、あごに強い絞扼感、痛み、圧迫感、重圧感がある場合

○腕、背中、首、あご、胃に痛みや不快感がある場合

○胸部の不快感の有無を問わず、息切れがある場合

○冷汗が出る場合

○悪心または嘔吐がある場合

○頭がふらふらする感じがある場合

○体の一部または片側に力が入らない場合

○ろれつが回らない場合

・ウパダシチニブ服用中に次のような血栓の徴候・症状があらわれた場合はただちに担当の医療従事者に伝えてください。

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202112235469/_prw_PT3fl_4ipnR84w.png

・発熱または腹部の痛みが持続する場合や排便習慣に変化があった場合はただちに担当の医療従事者に伝えてください。

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