欧州委員会が、酸素補給が必要とせずCOVID-19重症化リスクの高い成人患者へのベクルリー適応拡大を承認
[21/12/24]
提供元:共同通信PRワイヤー
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適応拡大により、疾患の早期でのベクルリーの使用が可能となり、 高リスク患者さんの症状の進行抑制に寄与
2021年12月24日
ギリアド・サイエンシズ株式会社
欧州委員会(EC)が、酸素補給を必要とせずCOVID-19重症化リスクの高い成人患者さんへのベクルリーの適応拡大を承認
―ベクルリーがプラセボと比較し、入院リスクを有意に軽減させたことを示す 第III相試験のデータに基づく承認―
―適応拡大により、疾患の早期段階でのベクルリーの使用が可能となり、 高リスク患者さんの症状の進行抑制に寄与―
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は2021年12月21日、欧州委員会(EC)が、ベクルリー(R)(一般名:レムデシビル)について、酸素補給を必要としないCOVID-19重症化リスクの高い成人患者さんへの適応拡大に関する条件付き医薬品販売承認の一部変更を承認したことを発表しました。今回の決定は、12月16日に欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)によるベクルリーの適応拡大に対する肯定的な勧告を受けたものです。
スペイン、バダロナのジャーマンズ・トリアス・イ・プホル大学病院およびAIDS研究所(IrsiCaixa AIDS Research Institute Hospital Universitari Germans Trias I Pujol Badalona, Spain)感染科主任のロジャー・パレデス博士(Roger Paredes, MD, PhD)は次のように述べています。「COVID-19の感染が再び拡大し、オミクロン株のような新たな変異株が出現する中、さまざまな疾患ステージの患者さんの治療のため、ベクルリーのような効果的な治療薬が必要です。私たちは、酸素補給を必要としないCOVID-19重症化リスクが高い患者さんに対しても、症状がより重篤になることを防ぐためにベクルリーを使用することが可能になっただけでなく、重篤な症状に対する重要な治療薬としてベクルリーを引き続き使用することができます。今回の承認は、COVID-19による医療システムへの大きな負担を軽減することにもつながります」
今回のECの決定は、疾患の進行リスクが高い非入院患者さんのCOVID-19治療を目的とした3日間のベクルリー点滴静注の有効性および安全性を評価する第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果に裏付けられています。本試験では、562名の患者さんをベクルリー投与群とプラセボ投与群に1対1の割合で無作為に割り付けました。解析の結果、ベクルリー投与群(0.7% [2/279名])はプラセボ投与群(5.3% [15/283名])と比べて、複合主要評価項目である28日目までの「COVID-19に起因する入院」または「原因を問わない死亡」のリスクを統計的な有意差をもって87%減少させました(p=0.008)。いずれの投与群においても、28日目までの観察期間で死亡例は認められませんでした。本試験でのさまざまな外来診療下において、ベクルリーとプラセボ間での安全性プロファイルは類似しており、ベクルリーを投与された患者さんに最も多くみられた試験治療下での有害事象(5%以上)は、吐き気と頭痛でした。これらのデータは、世界中の規制当局と共有され、査読付きの科学論文としての公表に向けて提出されています。
今回のEUにおける適応拡大は、ベクルリーがこれまでに条件付き医薬品販売承認を受けていた適応症の、肺炎を伴い酸素補給(治療開始時に低流量または高流量の酸素、または他の非侵襲的人工呼吸)を必要とするCOVID-19の成人および小児(12歳以上18歳未満で体重40kg以上)患者さんの治療に追加されるものです。
ギリアドのチーフ・メディカル・オフィサー(CMO)であるマダッド・パーセイ博士(Merdad Parsey, MD, PhD)は、「ECの迅速な対応は欧州全域のCOVID-19患者さんを救うため、疾患早期に使用できる効果的な治療の必要性を実証するものです。COVID-19の病状がどのように進行するかが明らかになるにつれ、ベクルリーのような抗ウイルス剤が早い段階で使用されることにより、大きな効果を発揮することがわかってきました。当社は、ベクルリーがCOVID-19による入院患者さんへの標準的な治療薬として、パンデミックの最前線での役割を果たし続けていることを誇りに思います。また今回のベクルリーの条件付き承認により、欧州におけるより多くの患者さんのCOVID-19からの回復期間短縮の一助となることを信じています」と述べています。
米国では、ベクルリーは入院を必要とするCOVID-19治療薬として、成人および小児(12歳以上で体重40kg以上)患者さんの適応を取得しています。米国における入院を必要としない患者さんに対するベクルリーの3日間投与の使用は研究段階であり、この使用方法および投与期間における安全性および有効性については、米国食品医薬品局(FDA)による承認はされていません。ベクルリーは、ベクルリーまたはその成分にアレルギーのある患者さんには禁忌です。ベクルリーのその他の重要な安全性情報については、以下を参照してください。
世界中で新たなSARS-CoV-2の懸念される変異株(VOC)が出現しており、ギリアドはウイルスに対するベクルリーの有効性について継続的な評価を行っています。オミクロン株の遺伝子情報の初期分析において、ベクルリーがこの変異株に対して引き続き有効であることが示されています。ギリアドは、この分析結果を確認するための試験管内の試験を行う予定です。現在までのところ、既知の懸念されている変異株(VOC)の中に、ベクルリーが標的とするウイルスのRNAポリメラーゼを大きく変化させるような遺伝子の変化は確認されていません。ベクルリーの抗ウイルス活性については、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロンを含むSARS-CoV-2の変異分離株に対し、in vitroで試験が行われました。これらの実験結果は、オミクロン株を含む、現在確認されている既知のSARS-CoV-2ウイルスの変異株に対して、ベクルリーが引き続き有効であることを示唆しています。
ベクルリーについて
ベクルリー(レムデシビル)は、ギリアドの10年以上にわたる抗ウイルス研究の成果を基に創薬されたヌクレオチド誘導体です。ベクルリーは、COVID-19による入院患者さんの標準的な治療に使われる抗ウイルス薬で、現在、米国ではCOVID-19による入院患者さんの半数以上がベクルリーによる治療を受けています。ベクルリーは、疾患の重症度にかかわらず、疾患の進行を抑え、入院患者さんの早期回復を可能にすることにより、限られた病院のリソースを確保し、医療システムのコストを削減することができます。
ベクルリーは、世界約50カ国で承認または緊急使用が認められています。現在までに、ベクルリーとジェネリック薬のレムデシビルは、ギリアドのボランタリー・ライセンス・プログラムを通じ、127の低中所得国の650万人を含む世界で900万人の患者さんに提供されています。このボランタリー・ライセンスは、ギリアドの、より多くの患者さんがレムデシビルによる治療を受けられる環境を整える、とのコミットメントを反映し、現在もロイヤリティ・フリーで提供されています。
米国でのベクルリーの適応症
米国におけるベクルリー(R)(レムデシビル100mg注射剤)の適応症は、成人および小児(12歳以上で体重40 kg以上)の入院患者さんに対するCOVID-19治療です。ベクルリーの投与は、病院もしくは入院治療と同等の急性期治療を提供できる医療施設で行ってください。ベクルリーは同薬剤またはその成分に対してアレルギーのある患者さんには禁忌となっています。詳細については、www.gilead.comに掲載されている米国の完全版添付文書をご覧ください。
米国でのベクルリーに関する重要な安全性情報
禁忌
ベクルリーは、同薬剤またはその成分に対して臨床上問題となる過敏症の既往歴のある患者には、投与しないでください。
警告および使用上の注意
過敏症(注入に伴う反応とアナフィラキシー反応を含む):ベクルリーの投与中および投与後に、注入に伴う反応やアナフィラキシー反応などの過敏症の発生が報告されています。ベクルリーの投与中および投与後は、過敏症反応の有無について注意深く観察してください。低血圧、高血圧、頻脈、徐脈、低酸素症、発熱、呼吸困難、喘鳴、血管浮腫、発疹、悪心、発汗や戦慄などの症状が現れることがあります。点滴速度を下げると(点滴時間は最長で120分)、これらの反応が予防できる可能性があります。重度の点滴関連反応が現れた場合は、直ちにベクルリーの投与を中止し、適切な治療を行ってください(「禁忌」を参照)。
トランスアミナーゼ上昇のリスク:健常被験者や、ベクルリー投与を受けたCOVID-19患者にトランスアミナーゼの上昇が認められています。COVID-19の臨床所見としてもトランスアミナーゼ上昇が報告されています。全ての患者について、肝機能検査を行ってください(「用量および用法」を参照)。ALTが施設基準値上限(ULN)の10倍を超える場合には、ベクルリーの投与中止を考慮してください。ALT上昇に伴い肝臓の炎症を示す症状・徴候が認められた場合 はベクルリーの投与を中止してください。
クロロキン・ヒドロキシクロロキンとの併用時の抗ウイルス活性低下リスク: ベクル リーとリン酸クロロキンまたはヒドロキシクロロキン硫酸塩との併用については、細胞培養で拮抗作用が認められ、ベクルリーの抗ウイルス活性が低下する可能性があることから、併用は推奨しません。
副作用
発現率が高かった有害事象(全グレードにおいて発現率 5%以上)は、悪心でした。
発現率が高かった検査値異常(全グレードにおいて発現率 5%以上)は、ALT上昇とAST上昇でした。
薬物相互作用
ベクルリーと併用薬の薬物相互作用を検討するヒトを対象とした試験は行われておりません。
用法および用量
用量:成人患者および12歳以上で体重40 kg以上の小児患者: 1 日目に200 mg、2日目以降は1日1回100 mg を 30分〜120 分かけて点滴静注します。
投与期間:侵襲的機械的人工呼吸または膜型肺による体外酸素加法(ECMO)を必要としない患者:5日間。臨床的改善がみられない場合は、最長で5日間延長することができます(総投与期間:10日間)。侵襲的機械的人工呼吸または膜型肺による体外酸素加法(ECMO)を必要とする患者:10日間投与前および投与中の検査:ベクルリーの投与開始前は eGFR、肝機能検査、プロトロンビン時間の検査を行い、投与期間中も必要に応じて行ってください。
腎機能障害:eGFRが30 mL/分未満の患者さんには、ベクルリーの投与は推奨しません。
調製と投与:添付文書をご覧ください。
妊婦、授乳婦への投与
妊婦:妊娠中のベクルリーの使用に関するヒトのデータは、十分に得られていません。COVID-19で入院中の妊婦は、重篤な合併症と死亡のリスクが高い状態にあります。ベクルリーの妊婦への使用は、期待される有益性が妊婦と胎児で考えられる危険性を上回る場合のみに限定してください。
授乳婦:ベクルリーの乳汁中への移行は不明です。COVID-19患者の授乳については、乳児へのウイルス曝露を避けるための臨床ガイドラインを参照してください。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアドは、すべての人々にとってより健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。ギリアドはHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。
ギリアドの将来予想に関する記述
本プレスリリースには、1995年米国私募証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)に規定される「将来予想に関する記述」が含まれており、これには、リスク、不確実性およびその他の要因が含まれます。これらの要因には、ベクルリーの追加承認を含む、ギリアドが規制当局の承認を適時に、または全く受けられない可能性、および承認時、その使用に重大な制限が課される可能性や医師がベクルリーを処方する利点を認識しないリスク、さらに上記いずれかの決定のもととなる仮定などが含まれます。また、ベクルリーに関する進行中の臨床試験や追加の臨床試験で好ましくない結果が出る可能性もあります。これらのリスク、不確実性およびその他の要因は、米国証券取引委員会(SEC)に提出されたギリアドの2021年9月30日に終了した四半期のForm 10-Qの四半期報告書に詳細に記載されています。
これらのリスク、不確実性およびその他の要因により、実際の結果が「将来予想に関する記述」で言及されている内容と大きく異なる可能性があります。歴史的事実以外のすべての記述は、「将来予想に関する記述」とみなされる可能性があり、将来の業績を保証するものではありませんので、依拠しないようご注意ください。「将来予想に関する記述」はすべて、ギリアドが現在入手できる情報に基づくものであり、ギリアドは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。
2021年12月24日
ギリアド・サイエンシズ株式会社
欧州委員会(EC)が、酸素補給を必要とせずCOVID-19重症化リスクの高い成人患者さんへのベクルリーの適応拡大を承認
―ベクルリーがプラセボと比較し、入院リスクを有意に軽減させたことを示す 第III相試験のデータに基づく承認―
―適応拡大により、疾患の早期段階でのベクルリーの使用が可能となり、 高リスク患者さんの症状の進行抑制に寄与―
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は2021年12月21日、欧州委員会(EC)が、ベクルリー(R)(一般名:レムデシビル)について、酸素補給を必要としないCOVID-19重症化リスクの高い成人患者さんへの適応拡大に関する条件付き医薬品販売承認の一部変更を承認したことを発表しました。今回の決定は、12月16日に欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)によるベクルリーの適応拡大に対する肯定的な勧告を受けたものです。
スペイン、バダロナのジャーマンズ・トリアス・イ・プホル大学病院およびAIDS研究所(IrsiCaixa AIDS Research Institute Hospital Universitari Germans Trias I Pujol Badalona, Spain)感染科主任のロジャー・パレデス博士(Roger Paredes, MD, PhD)は次のように述べています。「COVID-19の感染が再び拡大し、オミクロン株のような新たな変異株が出現する中、さまざまな疾患ステージの患者さんの治療のため、ベクルリーのような効果的な治療薬が必要です。私たちは、酸素補給を必要としないCOVID-19重症化リスクが高い患者さんに対しても、症状がより重篤になることを防ぐためにベクルリーを使用することが可能になっただけでなく、重篤な症状に対する重要な治療薬としてベクルリーを引き続き使用することができます。今回の承認は、COVID-19による医療システムへの大きな負担を軽減することにもつながります」
今回のECの決定は、疾患の進行リスクが高い非入院患者さんのCOVID-19治療を目的とした3日間のベクルリー点滴静注の有効性および安全性を評価する第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果に裏付けられています。本試験では、562名の患者さんをベクルリー投与群とプラセボ投与群に1対1の割合で無作為に割り付けました。解析の結果、ベクルリー投与群(0.7% [2/279名])はプラセボ投与群(5.3% [15/283名])と比べて、複合主要評価項目である28日目までの「COVID-19に起因する入院」または「原因を問わない死亡」のリスクを統計的な有意差をもって87%減少させました(p=0.008)。いずれの投与群においても、28日目までの観察期間で死亡例は認められませんでした。本試験でのさまざまな外来診療下において、ベクルリーとプラセボ間での安全性プロファイルは類似しており、ベクルリーを投与された患者さんに最も多くみられた試験治療下での有害事象(5%以上)は、吐き気と頭痛でした。これらのデータは、世界中の規制当局と共有され、査読付きの科学論文としての公表に向けて提出されています。
今回のEUにおける適応拡大は、ベクルリーがこれまでに条件付き医薬品販売承認を受けていた適応症の、肺炎を伴い酸素補給(治療開始時に低流量または高流量の酸素、または他の非侵襲的人工呼吸)を必要とするCOVID-19の成人および小児(12歳以上18歳未満で体重40kg以上)患者さんの治療に追加されるものです。
ギリアドのチーフ・メディカル・オフィサー(CMO)であるマダッド・パーセイ博士(Merdad Parsey, MD, PhD)は、「ECの迅速な対応は欧州全域のCOVID-19患者さんを救うため、疾患早期に使用できる効果的な治療の必要性を実証するものです。COVID-19の病状がどのように進行するかが明らかになるにつれ、ベクルリーのような抗ウイルス剤が早い段階で使用されることにより、大きな効果を発揮することがわかってきました。当社は、ベクルリーがCOVID-19による入院患者さんへの標準的な治療薬として、パンデミックの最前線での役割を果たし続けていることを誇りに思います。また今回のベクルリーの条件付き承認により、欧州におけるより多くの患者さんのCOVID-19からの回復期間短縮の一助となることを信じています」と述べています。
米国では、ベクルリーは入院を必要とするCOVID-19治療薬として、成人および小児(12歳以上で体重40kg以上)患者さんの適応を取得しています。米国における入院を必要としない患者さんに対するベクルリーの3日間投与の使用は研究段階であり、この使用方法および投与期間における安全性および有効性については、米国食品医薬品局(FDA)による承認はされていません。ベクルリーは、ベクルリーまたはその成分にアレルギーのある患者さんには禁忌です。ベクルリーのその他の重要な安全性情報については、以下を参照してください。
世界中で新たなSARS-CoV-2の懸念される変異株(VOC)が出現しており、ギリアドはウイルスに対するベクルリーの有効性について継続的な評価を行っています。オミクロン株の遺伝子情報の初期分析において、ベクルリーがこの変異株に対して引き続き有効であることが示されています。ギリアドは、この分析結果を確認するための試験管内の試験を行う予定です。現在までのところ、既知の懸念されている変異株(VOC)の中に、ベクルリーが標的とするウイルスのRNAポリメラーゼを大きく変化させるような遺伝子の変化は確認されていません。ベクルリーの抗ウイルス活性については、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロンを含むSARS-CoV-2の変異分離株に対し、in vitroで試験が行われました。これらの実験結果は、オミクロン株を含む、現在確認されている既知のSARS-CoV-2ウイルスの変異株に対して、ベクルリーが引き続き有効であることを示唆しています。
ベクルリーについて
ベクルリー(レムデシビル)は、ギリアドの10年以上にわたる抗ウイルス研究の成果を基に創薬されたヌクレオチド誘導体です。ベクルリーは、COVID-19による入院患者さんの標準的な治療に使われる抗ウイルス薬で、現在、米国ではCOVID-19による入院患者さんの半数以上がベクルリーによる治療を受けています。ベクルリーは、疾患の重症度にかかわらず、疾患の進行を抑え、入院患者さんの早期回復を可能にすることにより、限られた病院のリソースを確保し、医療システムのコストを削減することができます。
ベクルリーは、世界約50カ国で承認または緊急使用が認められています。現在までに、ベクルリーとジェネリック薬のレムデシビルは、ギリアドのボランタリー・ライセンス・プログラムを通じ、127の低中所得国の650万人を含む世界で900万人の患者さんに提供されています。このボランタリー・ライセンスは、ギリアドの、より多くの患者さんがレムデシビルによる治療を受けられる環境を整える、とのコミットメントを反映し、現在もロイヤリティ・フリーで提供されています。
米国でのベクルリーの適応症
米国におけるベクルリー(R)(レムデシビル100mg注射剤)の適応症は、成人および小児(12歳以上で体重40 kg以上)の入院患者さんに対するCOVID-19治療です。ベクルリーの投与は、病院もしくは入院治療と同等の急性期治療を提供できる医療施設で行ってください。ベクルリーは同薬剤またはその成分に対してアレルギーのある患者さんには禁忌となっています。詳細については、www.gilead.comに掲載されている米国の完全版添付文書をご覧ください。
米国でのベクルリーに関する重要な安全性情報
禁忌
ベクルリーは、同薬剤またはその成分に対して臨床上問題となる過敏症の既往歴のある患者には、投与しないでください。
警告および使用上の注意
過敏症(注入に伴う反応とアナフィラキシー反応を含む):ベクルリーの投与中および投与後に、注入に伴う反応やアナフィラキシー反応などの過敏症の発生が報告されています。ベクルリーの投与中および投与後は、過敏症反応の有無について注意深く観察してください。低血圧、高血圧、頻脈、徐脈、低酸素症、発熱、呼吸困難、喘鳴、血管浮腫、発疹、悪心、発汗や戦慄などの症状が現れることがあります。点滴速度を下げると(点滴時間は最長で120分)、これらの反応が予防できる可能性があります。重度の点滴関連反応が現れた場合は、直ちにベクルリーの投与を中止し、適切な治療を行ってください(「禁忌」を参照)。
トランスアミナーゼ上昇のリスク:健常被験者や、ベクルリー投与を受けたCOVID-19患者にトランスアミナーゼの上昇が認められています。COVID-19の臨床所見としてもトランスアミナーゼ上昇が報告されています。全ての患者について、肝機能検査を行ってください(「用量および用法」を参照)。ALTが施設基準値上限(ULN)の10倍を超える場合には、ベクルリーの投与中止を考慮してください。ALT上昇に伴い肝臓の炎症を示す症状・徴候が認められた場合 はベクルリーの投与を中止してください。
クロロキン・ヒドロキシクロロキンとの併用時の抗ウイルス活性低下リスク: ベクル リーとリン酸クロロキンまたはヒドロキシクロロキン硫酸塩との併用については、細胞培養で拮抗作用が認められ、ベクルリーの抗ウイルス活性が低下する可能性があることから、併用は推奨しません。
副作用
発現率が高かった有害事象(全グレードにおいて発現率 5%以上)は、悪心でした。
発現率が高かった検査値異常(全グレードにおいて発現率 5%以上)は、ALT上昇とAST上昇でした。
薬物相互作用
ベクルリーと併用薬の薬物相互作用を検討するヒトを対象とした試験は行われておりません。
用法および用量
用量:成人患者および12歳以上で体重40 kg以上の小児患者: 1 日目に200 mg、2日目以降は1日1回100 mg を 30分〜120 分かけて点滴静注します。
投与期間:侵襲的機械的人工呼吸または膜型肺による体外酸素加法(ECMO)を必要としない患者:5日間。臨床的改善がみられない場合は、最長で5日間延長することができます(総投与期間:10日間)。侵襲的機械的人工呼吸または膜型肺による体外酸素加法(ECMO)を必要とする患者:10日間投与前および投与中の検査:ベクルリーの投与開始前は eGFR、肝機能検査、プロトロンビン時間の検査を行い、投与期間中も必要に応じて行ってください。
腎機能障害:eGFRが30 mL/分未満の患者さんには、ベクルリーの投与は推奨しません。
調製と投与:添付文書をご覧ください。
妊婦、授乳婦への投与
妊婦:妊娠中のベクルリーの使用に関するヒトのデータは、十分に得られていません。COVID-19で入院中の妊婦は、重篤な合併症と死亡のリスクが高い状態にあります。ベクルリーの妊婦への使用は、期待される有益性が妊婦と胎児で考えられる危険性を上回る場合のみに限定してください。
授乳婦:ベクルリーの乳汁中への移行は不明です。COVID-19患者の授乳については、乳児へのウイルス曝露を避けるための臨床ガイドラインを参照してください。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアドは、すべての人々にとってより健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。ギリアドはHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。
ギリアドの将来予想に関する記述
本プレスリリースには、1995年米国私募証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)に規定される「将来予想に関する記述」が含まれており、これには、リスク、不確実性およびその他の要因が含まれます。これらの要因には、ベクルリーの追加承認を含む、ギリアドが規制当局の承認を適時に、または全く受けられない可能性、および承認時、その使用に重大な制限が課される可能性や医師がベクルリーを処方する利点を認識しないリスク、さらに上記いずれかの決定のもととなる仮定などが含まれます。また、ベクルリーに関する進行中の臨床試験や追加の臨床試験で好ましくない結果が出る可能性もあります。これらのリスク、不確実性およびその他の要因は、米国証券取引委員会(SEC)に提出されたギリアドの2021年9月30日に終了した四半期のForm 10-Qの四半期報告書に詳細に記載されています。
これらのリスク、不確実性およびその他の要因により、実際の結果が「将来予想に関する記述」で言及されている内容と大きく異なる可能性があります。歴史的事実以外のすべての記述は、「将来予想に関する記述」とみなされる可能性があり、将来の業績を保証するものではありませんので、依拠しないようご注意ください。「将来予想に関する記述」はすべて、ギリアドが現在入手できる情報に基づくものであり、ギリアドは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。