再充電可能なサイボーグ昆虫
[22/09/06]
提供元:共同通信PRワイヤー
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昆虫の基本動作を損なわない超薄型有機太陽電池の実装
再充電可能なサイボーグ昆虫 −昆虫の基本動作を損なわない超薄型有機太陽電池の実装−
詳細は 本学Webサイト をご覧ください。
理化学研究所(理研)開拓研究本部染谷薄膜素子研究室の福田憲二郎専任研究員(創発物性科学研究センター創発ソフトシステム研究チーム専任研究員)、染谷隆夫主任研究員(同チームリーダー)、早稲田大学大学院創造理工学研究科総合機械工学専攻の梅津信二郎教授、シンガポール南洋理工大学の佐藤裕崇准教授らの国際共同研究グループは、光エネルギーで再充電可能な電源ユニットを含む電子部品を搭載したサイボーグ昆虫を開発しました。
本研究成果は、昆虫の寿命が続く限り、電池切れを心配することなく、サイボーグ昆虫の長時間かつ長距離の活動を可能にすることから、その用途の拡大に貢献すると期待できます。
エレクトロニクスの進歩により、生物と機械の統合が進み、特に都市型捜索救助、環境モニタリング、危険地域の検査などの用途に、行動制御モジュールを備えたサイボーグ昆虫が提案されています。
今回、国際共同研究グループは、厚さ4マイクロメートル(mm、1mmは1,000分の1mm)の柔軟な超薄型有機太陽電池を、接着剤領域と非接着剤領域を交互に配置する「飛び石構造」で昆虫の腹部背側に貼り付け、再充電と無線通信が可能なサイボーグ昆虫を実現しました。飛び石構造の有効性を障害物踏破試験と起き上がり試験により定量的に評価したところ、厚さ5 mm以下のフィルムであれば昆虫の基本的な動作が損なわれないことを実証しました。サイボーグ昆虫に実装した有機太陽電池モジュールは17.2ミリワット(mW)の出力を達成し、リチウムポリマー電池を充電し、無線移動制御モジュールを操作することができました。
本研究は、科学雑誌『npj Flexible Electronics』オンライン版(9月5日付:日本時間9月5日)に掲載されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202209066018-O1-yDWI8U3d】
サイボーグ昆虫の概要
【今後の期待】
腹部の変形は多くの昆虫で見られることから、この研究で提案した飛び石構造で超薄型の電子素子を取り付ける戦略は、マダガスカルゴキブリに限らず他の昆虫種にも適用可能です。基本動作中の昆虫の胸部と腹部の変形を考慮すると、胸部に剛性または柔軟性のある要素を置き、腹部に超軟質デバイスを取り付けるハイブリッド電子システムは、サイボーグ昆虫に効果的な設計であるといえます。本成果によって、昆虫の寿命が続く限り、電池切れの心配なく長時間かつ長距離における活動が可能となり、サイボーグ昆虫の用途が拡大すると期待できます。
今後、より薄型化された制御回路を用い、センサーなど他のコンポーネントと組み合わせることで、サイボーグ昆虫の機能をさらに拡大できると考えられます。
【論文情報】
<タイトル> Integration of body-mounted ultrasoft organic solar cell on cyborg insects with intact mobility
<著者名>Yujiro Kakei, Shumpei Katayama, Shinyoung Lee, Masahito Takakuwa, Kazuya Furusawa, Shinjiro Umezu, Hirotaka Sato, Kenjiro Fukuda & Takao Someya
<雑誌> npj Flexible Electronics
<DOI> 10.1038/s41528-022-00207-2
【国際共同研究グループ】
理化学研究所 開拓研究本部 染谷薄膜素子研究室
専任研究員 福田 憲二郎(創発物性科学研究センター 創発ソフトシステム研究チーム 専任研究員)
主任研究員 染谷 隆夫(創発物性科学研究センター 創発ソフトシステム研究チーム チームリーダー、東京大学大学院 工学系研究科 教授)
創発物性科学研究センター 創発ソフトシステム研究チーム
研修生(研究当時)筧 裕二朗(早稲田大学大学院 先進理工学研究科 生命理工学専攻
修士課程2年(研究当時))
研修生 片山 俊平(早稲田大学大学院 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 修士課程1年)
研修生 ?桑 聖仁(早稲田大学大学院 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 博士課程2年)
上級テクニカルスタッフ イ・シンヨン(Lee Shin-Young)
早稲田大学大学院 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 教授 梅津 信二郎
シンガポール南洋理工大学 准教授 佐藤 裕崇
福井工業大学 環境情報学部 環境食品応用化学科 准教授 古澤 和也
【研究支援】
本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業新学術領域研究(研究領域提案型)「ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合(領域代表者:鈴森康一)」の「弾性グラディエントナノ薄膜を利用した自由変形可能な太陽電池の創成(研究代表者:福田憲二郎)」、科学技術振興機構(JST)未来社会創造事業(JST-MIRAI)「災害時にアクセスが困難な場所における生存者発見のための超環境適応ミニロボティクスシステム(研究代表者:梅津信二郎)」による支援を受けて行われました。
再充電可能なサイボーグ昆虫 −昆虫の基本動作を損なわない超薄型有機太陽電池の実装−
詳細は 本学Webサイト をご覧ください。
理化学研究所(理研)開拓研究本部染谷薄膜素子研究室の福田憲二郎専任研究員(創発物性科学研究センター創発ソフトシステム研究チーム専任研究員)、染谷隆夫主任研究員(同チームリーダー)、早稲田大学大学院創造理工学研究科総合機械工学専攻の梅津信二郎教授、シンガポール南洋理工大学の佐藤裕崇准教授らの国際共同研究グループは、光エネルギーで再充電可能な電源ユニットを含む電子部品を搭載したサイボーグ昆虫を開発しました。
本研究成果は、昆虫の寿命が続く限り、電池切れを心配することなく、サイボーグ昆虫の長時間かつ長距離の活動を可能にすることから、その用途の拡大に貢献すると期待できます。
エレクトロニクスの進歩により、生物と機械の統合が進み、特に都市型捜索救助、環境モニタリング、危険地域の検査などの用途に、行動制御モジュールを備えたサイボーグ昆虫が提案されています。
今回、国際共同研究グループは、厚さ4マイクロメートル(mm、1mmは1,000分の1mm)の柔軟な超薄型有機太陽電池を、接着剤領域と非接着剤領域を交互に配置する「飛び石構造」で昆虫の腹部背側に貼り付け、再充電と無線通信が可能なサイボーグ昆虫を実現しました。飛び石構造の有効性を障害物踏破試験と起き上がり試験により定量的に評価したところ、厚さ5 mm以下のフィルムであれば昆虫の基本的な動作が損なわれないことを実証しました。サイボーグ昆虫に実装した有機太陽電池モジュールは17.2ミリワット(mW)の出力を達成し、リチウムポリマー電池を充電し、無線移動制御モジュールを操作することができました。
本研究は、科学雑誌『npj Flexible Electronics』オンライン版(9月5日付:日本時間9月5日)に掲載されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202209066018-O1-yDWI8U3d】
サイボーグ昆虫の概要
【今後の期待】
腹部の変形は多くの昆虫で見られることから、この研究で提案した飛び石構造で超薄型の電子素子を取り付ける戦略は、マダガスカルゴキブリに限らず他の昆虫種にも適用可能です。基本動作中の昆虫の胸部と腹部の変形を考慮すると、胸部に剛性または柔軟性のある要素を置き、腹部に超軟質デバイスを取り付けるハイブリッド電子システムは、サイボーグ昆虫に効果的な設計であるといえます。本成果によって、昆虫の寿命が続く限り、電池切れの心配なく長時間かつ長距離における活動が可能となり、サイボーグ昆虫の用途が拡大すると期待できます。
今後、より薄型化された制御回路を用い、センサーなど他のコンポーネントと組み合わせることで、サイボーグ昆虫の機能をさらに拡大できると考えられます。
【論文情報】
<タイトル> Integration of body-mounted ultrasoft organic solar cell on cyborg insects with intact mobility
<著者名>Yujiro Kakei, Shumpei Katayama, Shinyoung Lee, Masahito Takakuwa, Kazuya Furusawa, Shinjiro Umezu, Hirotaka Sato, Kenjiro Fukuda & Takao Someya
<雑誌> npj Flexible Electronics
<DOI> 10.1038/s41528-022-00207-2
【国際共同研究グループ】
理化学研究所 開拓研究本部 染谷薄膜素子研究室
専任研究員 福田 憲二郎(創発物性科学研究センター 創発ソフトシステム研究チーム 専任研究員)
主任研究員 染谷 隆夫(創発物性科学研究センター 創発ソフトシステム研究チーム チームリーダー、東京大学大学院 工学系研究科 教授)
創発物性科学研究センター 創発ソフトシステム研究チーム
研修生(研究当時)筧 裕二朗(早稲田大学大学院 先進理工学研究科 生命理工学専攻
修士課程2年(研究当時))
研修生 片山 俊平(早稲田大学大学院 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 修士課程1年)
研修生 ?桑 聖仁(早稲田大学大学院 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 博士課程2年)
上級テクニカルスタッフ イ・シンヨン(Lee Shin-Young)
早稲田大学大学院 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 教授 梅津 信二郎
シンガポール南洋理工大学 准教授 佐藤 裕崇
福井工業大学 環境情報学部 環境食品応用化学科 准教授 古澤 和也
【研究支援】
本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業新学術領域研究(研究領域提案型)「ソフトロボット学の創成:機電・物質・生体情報の有機的融合(領域代表者:鈴森康一)」の「弾性グラディエントナノ薄膜を利用した自由変形可能な太陽電池の創成(研究代表者:福田憲二郎)」、科学技術振興機構(JST)未来社会創造事業(JST-MIRAI)「災害時にアクセスが困難な場所における生存者発見のための超環境適応ミニロボティクスシステム(研究代表者:梅津信二郎)」による支援を受けて行われました。