ライフサイクルコストの低減を可能としたステンレス鋼を使用したハイブリッド鋼橋の実現可能性の確認
[22/09/27]
提供元:共同通信PRワイヤー
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株式会社建設技術研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:中村哲己)は、琉球大学・下里哲弘教授らと共同で、ステンレス鋼を桁の端部に使用することでライフサイクルコストの低減を可能とするハイブリッド鋼橋の実現可能性について確認できましたのでお知らせします。
【背景】
鋼橋においては、ライフサイクルコストに対する塗装塗替えの割合が高く、雨水の影響を受けやすい桁端部の腐食は、塗装塗替えのサイクルを短くすることになり、大きな課題となっています。
そこで、一般的な材料である炭素鋼に代わって耐腐食性に優れたステンレス鋼を使用することが考えられますが、材料費が高価であることから、桁端部だけをステンレス鋼とすることができればコストを抑えることができます。しかしながら、1つの部材で異種鋼材を使用する場合の接合部の強度とステンレス鋼と炭素鋼の電位差による異種金属接触腐食の発生の課題について、十分な知見がありませんでした。
【高耐久ハイブリッド鋼橋の特長】
ライフサイクルコスト低下を目的として、腐食環境が厳しい鋼橋の桁端部をステンレス鋼材に代える高耐久ハイブリッド鋼橋を開発しました。このハイブリッド鋼橋のメリットは以下のとおりです。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202209277201-O1-9bVx1qm6】
メリット1:
桁端部の腐食を原因とした塗装塗替えが不要
メリット2:
桁端部の腐食の影響がなくなるため、狭く点検しにくい桁端部のメンテナンスが楽になる
【強度特性および耐腐食性の検証】
ハイブリッド鋼橋の強度特性を検証するため、ステンレス鋼の耐腐食性と炭素鋼との溶接接合部材の強度特性を計測しました。その結果、強度は炭素鋼の強度と同等以上であることが明らかになりました。また、耐腐食性については、接続部を含めたステンレス鋼側も塗装することで異種金属腐食対策に優れた高耐久化が実現可能ですが、その分コスト高となります。よって、未塗装状態での耐腐食性についての計測を実施し、ライフサイクルコストにおける塗装の必要性について明らかにしていく予定です。
【今後の展開】
今後は今回取得したステンレス鋼と炭素鋼の溶接部材の基礎的強度特性データを用いて他の接合方法、腐食特性についても大学と共同研究を進めていきます。また、ステンレス鋼だけでなく、他の新素材についても使用する部位への適性やコストなどを検討し、重要な基礎インフラの一つである橋梁の強靭化に取り組んで参ります。
※本研究は、琉球大学・下里哲弘教授のご指導の下、一部、一般社団法人日本鋼構造協会のご協力も受けています。
【背景】
鋼橋においては、ライフサイクルコストに対する塗装塗替えの割合が高く、雨水の影響を受けやすい桁端部の腐食は、塗装塗替えのサイクルを短くすることになり、大きな課題となっています。
そこで、一般的な材料である炭素鋼に代わって耐腐食性に優れたステンレス鋼を使用することが考えられますが、材料費が高価であることから、桁端部だけをステンレス鋼とすることができればコストを抑えることができます。しかしながら、1つの部材で異種鋼材を使用する場合の接合部の強度とステンレス鋼と炭素鋼の電位差による異種金属接触腐食の発生の課題について、十分な知見がありませんでした。
【高耐久ハイブリッド鋼橋の特長】
ライフサイクルコスト低下を目的として、腐食環境が厳しい鋼橋の桁端部をステンレス鋼材に代える高耐久ハイブリッド鋼橋を開発しました。このハイブリッド鋼橋のメリットは以下のとおりです。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202209277201-O1-9bVx1qm6】
メリット1:
桁端部の腐食を原因とした塗装塗替えが不要
メリット2:
桁端部の腐食の影響がなくなるため、狭く点検しにくい桁端部のメンテナンスが楽になる
【強度特性および耐腐食性の検証】
ハイブリッド鋼橋の強度特性を検証するため、ステンレス鋼の耐腐食性と炭素鋼との溶接接合部材の強度特性を計測しました。その結果、強度は炭素鋼の強度と同等以上であることが明らかになりました。また、耐腐食性については、接続部を含めたステンレス鋼側も塗装することで異種金属腐食対策に優れた高耐久化が実現可能ですが、その分コスト高となります。よって、未塗装状態での耐腐食性についての計測を実施し、ライフサイクルコストにおける塗装の必要性について明らかにしていく予定です。
【今後の展開】
今後は今回取得したステンレス鋼と炭素鋼の溶接部材の基礎的強度特性データを用いて他の接合方法、腐食特性についても大学と共同研究を進めていきます。また、ステンレス鋼だけでなく、他の新素材についても使用する部位への適性やコストなどを検討し、重要な基礎インフラの一つである橋梁の強靭化に取り組んで参ります。
※本研究は、琉球大学・下里哲弘教授のご指導の下、一部、一般社団法人日本鋼構造協会のご協力も受けています。