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紀伊國屋書店が構築を受託した『新しい目録所在サービス(NACSIS-CAT/ILL)』が本稼働しました

2023年3月30日
株式会社 紀伊國屋書店

株式会社紀伊國屋書店(代表取締役会長兼社長 高井 昌史)が2021年2月に構築を受託した『新しい目録所在サービス(以下NACSIS-CAT/ILL)』が2023年1月31日に本稼働しました。

NACSIS-CAT/ILLは、国立情報学研究所(所長:喜連川 優、東京都千代田区、以下 NII)が運営し、日本における学術文献資料を包括する総合目録データベースとして、大学図書館を中心に1300を超える機関で利用されています。このたびのNACSIS-CAT/ILLの再構築及び機能強化に当たり、紀伊國屋書店は国内外のシステム会社と連携して、学術資料のデジタル化やグローバルシフトに対応する学術基盤の構築に携わりました。

 
【背景】
1985年に運用が開始されたNACSIS-CAT/ILLは、全国の大学図書館等の目録業務や相互貸借業務を支援してきました。 一方で、近年の学術研究のグローバル化とデジタルシフトに伴い、学術情報管理・流通基盤が国際的に大きく変動しています。 この動きに対応すべく、「大学図書館と国立情報学研究所との連携・協力推進会議」の下に「これからの学術情報システム構築検討委員会」が設置され、NACSIS-CAT/ILLシステムの軽量化・合理化、及び紙資料と電子資料を包括する統合的発見環境の実現が協議されました。 この協議に基づきNIIから事業が案内され、紀伊國屋書店はNIIの要求仕様を満たす提案を行い、2021年2月に落札いたしました。

【新たなシステムの構成】
新システムは、OCLCのメタデータ基盤サービス群「Syndeo」のコンポーネントであるControlled Bibliographic Service (CBS)をベースとしています。地域や国際的な協力のために設計されたこのシステムは、オランダ、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ諸国や、オーストラリアで導入されました。

今回の日本での実装では、各図書館とは従来のCAT-P形式で動作し、現行のNACSIS-CAT/ILLの機能を維持します。一方で、システム内部では国際目録形式MARC21にも準拠したデータを保持し将来のRDAやBIBFRAMEを始めとする国際メタデータ標準への対応も視野に入れています。
また、図書館間相互貸借(ILL)サービスは株式会社シー・エム・エスが構築し、CBSとのシームレスな連携を実装しました。

 
国立情報学研究所(NII)について
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)は、情報学という新しい学術分野での「末来価値創成」を使命とする国内唯一の学術総合研究所です。情報学における基礎論から、人工知能、ビッグデータ、IoT(Internet of Things)、情報セキュリティといった最先端のテーマまで、長期的な視点に立つ基礎研究、ならびに、社会課題の解決をめざした実践的な研究を推進しています。また、学術情報ネットワーク「SINET6」等の学術研究コミュニティ全体の研究や教育活動に不可欠な学術情報基盤の構築・運用、学術コンテンツやサービスプラットフォームの提供等の事業を展開?発展させ、事業を通じてもたらされた知見と学術研究から獲得した知見を相互にフィードバックすることにより、最先端技術を利用した事業を行っています。

株式会社 紀伊國屋書店について
株式会社 紀伊國屋書店は昭和2年(1927年)に創業し、90年以上の歴史を持つ日本最大規模の書店チェーンです。外商部門は現在「営業総本部」として、北海道から沖縄まで日本全国に展開する28の営業拠点と専門部署5本部を擁し、国内外の書籍・雑誌・データベース・電子書籍の販売から、教育研究設備・備品の納入、図書館業務の受託まで、幅広い事業を行っています。

OCLCについて
OCLC (OCLC, Inc.) は非営利・メンバー制のライブラリーサービス機関として、世界中の図書館に様々なサービスを提供するグローバルな図書館共同体です。
米国議会図書館(Library of Congress)、大英図書館(British Library)、国立国会図書館(NDL)を始めとする各国の国立図書館やハーバード大学、スタンフォード大学、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学をはじめとする主要大学の図書館、NASA、スミソニアン研究所、メトロポリタン美術館や世界銀行といった公的機関がメンバー館となっており、世界約140の国/地域の48,540館以上の図書館がサービスを利用しています。(2021年7月現在)
紀伊國屋書店は1986年からOCLC代理店として日本国内の図書館へサービスのご案内やサポートを提供しております。

 
株式会社シー・エム・エスについて
株式会社シー・エム・エス(CMS)は、長年にわたり日本国内における小規模から大規模までの学術情報システムの開発・保守を実施している企業です。他にもクラウド基盤の構築・保守、商用データベースの検索システムの開発・構築、商用統計データベースの開発・構築なども手掛けています。最近ではデジタルアーカイブシステム、電子リソース連携関連の開発にも注力しています。
紀伊國屋書店は2013年からCMS社の学術情報システムの代理店として日本国内へのサービスを提供しております。

 
Syndeoについて
Syndeoは国や地域の統合目録やリソース共有ネットワークのニーズにこたえるOCLCのサービスブランドです。必要に応じてツール、コンテンツコンポーネント、メタデータ管理サービスが提供されます。
https://cdm15003.contentdm.oclc.org/digital/collection/p15003coll6/id/1438

関連リンク国立情報学研究所 目録所在情報サービスhttps://www.nii.ac.jp/news/release/2023/0330.html
株式会社 紀伊國屋書店プレスリリース         https://corp.kinokuniya.co.jp/press-20230330/
OCLCプレスリリース       https://oc.lc/press-release-20230330

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