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越前和紙と日本画つないだ冨田溪仙 美術本発刊

福井県立美術館で展覧会も開催中

 福井新聞社は5月12日、大正から昭和初期に活躍した日本画家、冨田溪仙(1879〜1936年)の歩みと代表作を網羅した美術本「冨田溪仙 越前の紙漉きを描く」(福井県立美術館編)を発刊しました。越前和紙の紙漉きに風雅を見いだし、日本画紙としての和紙普及にも貢献した溪仙の先見性に触れることができる一冊です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202305185731-O1-0y0RUoz4

 
絹から越前和紙へ、日本画材の転換仲立ち
 溪仙は福岡に生まれ、18歳で京都四条派に入門。文展での初入選作が横山大観の目に留まり、再興日本美術院にスカウトされました。日本画は絹に描くのが常識だった当時、いち早く越前和紙の可能性に着目。日本画紙開発に挑んでいた越前和紙職人の初代岩野平三郎(1878年〜1960年)と縁を深め、東西の日本画壇の巨匠らに積極的に越前和紙を薦めました。
 本は溪仙の歩みと作品図版を作品解説とともに紹介。紙漉きを描いた作品群は忠実写生の下絵から、室町文化を彷彿(ほうふつ)させる風情を演出した屏風絵まで幅広く、福井県立美術館の原田礼帆(あやほ)学芸員が溪仙の芸術観の変遷を考察しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202305185731-O2-vr0183Wr
内在の金色を抽し出す画家
 俳人の河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)や詩人として知られた駐日フランス大使ポール・クローデルとも親交があった溪仙。クローデルからは「内在の金色(内面の美)を抽し出す画家」と称賛されました。文学者との交流によって培われた詩的感性が代表作「紙漉き」に投影されたとする見解も紹介されています。

福井県立美術館で企画展を開催中
 福井県立美術館では5月12日から6月11日まで、企画展「冨田溪仙 越前の紙漉きを描く」を開催中です。1912年の文展で初入選した出世作「鵜舟」(京都国立近代美術館蔵)をはじめ、代表作がそろい、溪仙の画業のスケール感を間近に体感することができます。本は展覧会図録を兼ねています。
http://info.pref.fukui.jp/bunka/bijutukan/bunka1.html

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202305185731-O3-iRrPv6C0】  

 
書籍情報
・発売日:2023年5月12日(金)発刊
・価格:1650円(税込み)
・判型:A5判 157ページ
・ISBN:978-4-910477-05-3
・制作・デザイン:fuプロダクション

ご購入先
 福井県外で購入する場合は、最寄りの書店にて注文いただけます。ネット書店の「楽天ブックス」(予定)か、専用サイト「ふうぷろ書店」でも購入できます。
https://bookfupro.base.shop/

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