「明治栄養プロファイリングシステム(Meiji NPS)」策定のお知らせ
[23/06/30]
提供元:共同通信PRワイヤー
提供元:共同通信PRワイヤー
〜食品の栄養を評価し、商品開発などに活用することにより、より栄養価値の高い食品選びに貢献〜
2023年6月30日
株式会社 明治
株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、「明治栄養プロファイリングシステム(Meiji Nutritional Profiling System、以下Meiji NPS)」を策定しましたのでお知らせいたします。
栄養プロファイリングシステム※1とは、食品に含まれる栄養素の量を科学的な根拠にもとづきスコア化するなどして、食品の栄養価値を評価する手法です。世界では、各国でさまざまな栄養プロファイリングシステムが利用されていますが、当社はまず日本の健康課題解決に貢献するため、日本の食生活の実態を考慮した栄養プロファイリングシステムとして、「Meiji NPS」を策定しました。そして、「Meiji NPS」では、一般成人向け※2および高齢者のフレイル※3予防向け※2の2つの栄養プロファイリングシステムを備える設計としました。
この「Meiji NPS」によって、より栄養価値の高い商品の提供に努めるとともに、生活者の栄養価値を考慮した食品選びに貢献していきます。
1.Meiji NPS策定の背景
世界では、成人の4億6,200万人が低体重である一方で、19億人が過体重もしくは肥満であるとされています※4。近年、世界では、低栄養と過栄養が共存する「栄養不良の二重負荷」が問題となっています※5。低栄養と過栄養の両問題を解決するのはとても難しく、その片方を解決することさえできない地域がほとんどであるのが現実です。また、実際には、地域や生活環境、あるいはライフステージなどにより、健康や栄養の問題はさまざまです。
日本においても、過栄養によって引き起こされる過体重や肥満といった生活習慣病のリスクが健康課題である一方で、低栄養による高齢者のフレイルや若年女性のやせといったことも大きな健康課題であり、日本における「栄養不良の二重負荷」として問題視されています。また、日本では食塩のとり過ぎも特に問題視されています。これらの栄養に関する課題は、適切に栄養をとることによりその多くが解決できると考えられます。しかし、実際には食品の栄養素はさまざまで、生活者が食品の栄養素を正しく把握し、適切に食品を組み合わせることはとても難しいことです。生活者が適切に食品を選択するためには、食品企業が主体的に栄養価値の高い商品を提供するとともに、栄養価値に関する分かりやすい情報が手に入ることが望まれます。
この実現のために役立つと当社が考えた手法が、食品の栄養価値を科学的に評価できる「栄養プロファイリングシステム」です。
2.Meiji NPSを通じて実現したいこと
当社は、100年以上にわたり「おいしさ、楽しさ」の世界を拡げ、「健康、安心」への期待に応えていくことに努めてきました。そして、その実現のために明治栄養ステートメント※6を定め、各国・各地域の、あるいは各生活環境や各ライフステージの生活者一人ひとりに対し、個別の健康課題を解決するよう向き合っています。また、忘れてはいけないことは、食の価値は栄養素だけから成るものではないことです。「おいしく食べること」による喜びや充足感も私たちは大切にしています。
現在、世界には100種類以上の栄養プロファイリングシステムがあり、各国でさまざまな栄養プロファイリングシステムが利用されています。当社は「Meiji NPS」において、まず、日本の健康課題解決に貢献するため、日本の食生活の実態を考慮した栄養プロファイリングシステムの開発に着手しました。生活者それぞれの健康課題に対応することが必要と考え、「Meiji NPS」としてはじめに一般成人向けおよび高齢者のフレイル予防向けの2つの栄養プロファイリングシステムを策定しました。
この「Meiji NPS」により、日本の食生活の実態を考慮したうえで、食品の栄養価値を評価できるようになります。その評価をもとに、栄養価値を高める商品改良を行うことや、新たに栄養価値の高い商品を開発することにより、より栄養価値の高い商品の提供を実現していきます。また、栄養価値が低く評価される食品であっても、「おいしく食べること」により喜びや充足感を得るという、食品ならではの大切な価値を持ったものもたくさんあります。当社が提供する多様な商品について、栄養価値の情報に加え、適度な喫食量や喫食頻度の目安に関する情報を発信するとともに、適度な内容量に変更するなどして、生活者の栄養価値を考慮した食品選びに役立てられるようにします。
当システムの策定と今後の取り組みにより得た知見は、学術論文などを通じて発信し、さらに、社外の関係者とも協働しながら、日本の健康課題解決に向けた積極的な取り組みを進める考えにあります。
当社は、今後もさまざまな健康課題と向き合い、人々が健やかな毎日を過ごせる未来の実現に貢献してまいります。
3.今後の取り組み
2023年中に「Meiji NPS」に関するホームページを開設
※1栄養プロファイリングシステムについて
栄養プロファイリングシステムとは、食品に含まれる栄養素の量などにより食品の栄養価値を評価する手法です。世界には100種類以上の栄養プロファイリングシステムがありますが、評価の手法はさまざまです。また、栄養プロファイルモデルなど別の呼ばれ方をされることがあります。
栄養素としては、糖類、飽和脂肪酸、食塩などが摂取を制限すべき栄養素として、たんぱく質、食物繊維などが摂取を推奨する栄養素として設定されることが多くみられます。それぞれの栄養プロファイリングシステムには一長一短がありますが、いずれにおいても一定の科学的根拠にもとづき食品の栄養価値を評価できます。
諸外国では、疾病予防や健康増進のために、栄養プロファイリングシステムによりスコア化したものを商品パッケージに表示するなどして、生活者が栄養を考慮した食品選択をしやすくなる取り組みが行われています。
※2一般成人向けでは、日本の栄養摂取実態を考慮し、摂取を制限すべき栄養素(糖類、飽和脂肪酸、食塩など)や、摂取を推奨する栄養素(たんぱく質、食物繊維など)を設定しました。そして、これらの多寡により栄養価値をスコア化する評価法を用いることとしました。高齢者のフレイル予防向けでは、一般成人向けをベースに、飽和脂肪酸を制限しないなどの高齢者のフレイル予防のための変更を加えた評価法を用いることとしました。
※3フレイルについて
フレイルとは、加齢とともに筋力が低下したり、認知機能が低下したりするなどの心身が虚弱化した状態のことです。フレイルは、高齢者が陥りやすく、そのままにしておくと要介護状態へと進んでしまいますが、正しく対処すれば生活機能が維持・向上するとされています。
※4 WHOファクトシート「Malnutrition(2021年6月9日)」より
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/malnutrition
※5 The double burden of malnutrition. Policy brief. Geneva: World Health Organization; 2017
栄養不良の二重負荷とは、低栄養と過栄養がある集団内で同時に見られたり、ある個人が別の時期に低栄養になったり過栄養になったりするなどして、低栄養と過栄養が共存することです。
※6明治栄養ステートメントについては、以下のリンクをご参照ください
https://www.meiji.co.jp/corporate/nutritionstatement/
2023年6月30日
株式会社 明治
株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、「明治栄養プロファイリングシステム(Meiji Nutritional Profiling System、以下Meiji NPS)」を策定しましたのでお知らせいたします。
栄養プロファイリングシステム※1とは、食品に含まれる栄養素の量を科学的な根拠にもとづきスコア化するなどして、食品の栄養価値を評価する手法です。世界では、各国でさまざまな栄養プロファイリングシステムが利用されていますが、当社はまず日本の健康課題解決に貢献するため、日本の食生活の実態を考慮した栄養プロファイリングシステムとして、「Meiji NPS」を策定しました。そして、「Meiji NPS」では、一般成人向け※2および高齢者のフレイル※3予防向け※2の2つの栄養プロファイリングシステムを備える設計としました。
この「Meiji NPS」によって、より栄養価値の高い商品の提供に努めるとともに、生活者の栄養価値を考慮した食品選びに貢献していきます。
1.Meiji NPS策定の背景
世界では、成人の4億6,200万人が低体重である一方で、19億人が過体重もしくは肥満であるとされています※4。近年、世界では、低栄養と過栄養が共存する「栄養不良の二重負荷」が問題となっています※5。低栄養と過栄養の両問題を解決するのはとても難しく、その片方を解決することさえできない地域がほとんどであるのが現実です。また、実際には、地域や生活環境、あるいはライフステージなどにより、健康や栄養の問題はさまざまです。
日本においても、過栄養によって引き起こされる過体重や肥満といった生活習慣病のリスクが健康課題である一方で、低栄養による高齢者のフレイルや若年女性のやせといったことも大きな健康課題であり、日本における「栄養不良の二重負荷」として問題視されています。また、日本では食塩のとり過ぎも特に問題視されています。これらの栄養に関する課題は、適切に栄養をとることによりその多くが解決できると考えられます。しかし、実際には食品の栄養素はさまざまで、生活者が食品の栄養素を正しく把握し、適切に食品を組み合わせることはとても難しいことです。生活者が適切に食品を選択するためには、食品企業が主体的に栄養価値の高い商品を提供するとともに、栄養価値に関する分かりやすい情報が手に入ることが望まれます。
この実現のために役立つと当社が考えた手法が、食品の栄養価値を科学的に評価できる「栄養プロファイリングシステム」です。
2.Meiji NPSを通じて実現したいこと
当社は、100年以上にわたり「おいしさ、楽しさ」の世界を拡げ、「健康、安心」への期待に応えていくことに努めてきました。そして、その実現のために明治栄養ステートメント※6を定め、各国・各地域の、あるいは各生活環境や各ライフステージの生活者一人ひとりに対し、個別の健康課題を解決するよう向き合っています。また、忘れてはいけないことは、食の価値は栄養素だけから成るものではないことです。「おいしく食べること」による喜びや充足感も私たちは大切にしています。
現在、世界には100種類以上の栄養プロファイリングシステムがあり、各国でさまざまな栄養プロファイリングシステムが利用されています。当社は「Meiji NPS」において、まず、日本の健康課題解決に貢献するため、日本の食生活の実態を考慮した栄養プロファイリングシステムの開発に着手しました。生活者それぞれの健康課題に対応することが必要と考え、「Meiji NPS」としてはじめに一般成人向けおよび高齢者のフレイル予防向けの2つの栄養プロファイリングシステムを策定しました。
この「Meiji NPS」により、日本の食生活の実態を考慮したうえで、食品の栄養価値を評価できるようになります。その評価をもとに、栄養価値を高める商品改良を行うことや、新たに栄養価値の高い商品を開発することにより、より栄養価値の高い商品の提供を実現していきます。また、栄養価値が低く評価される食品であっても、「おいしく食べること」により喜びや充足感を得るという、食品ならではの大切な価値を持ったものもたくさんあります。当社が提供する多様な商品について、栄養価値の情報に加え、適度な喫食量や喫食頻度の目安に関する情報を発信するとともに、適度な内容量に変更するなどして、生活者の栄養価値を考慮した食品選びに役立てられるようにします。
当システムの策定と今後の取り組みにより得た知見は、学術論文などを通じて発信し、さらに、社外の関係者とも協働しながら、日本の健康課題解決に向けた積極的な取り組みを進める考えにあります。
当社は、今後もさまざまな健康課題と向き合い、人々が健やかな毎日を過ごせる未来の実現に貢献してまいります。
3.今後の取り組み
2023年中に「Meiji NPS」に関するホームページを開設
※1栄養プロファイリングシステムについて
栄養プロファイリングシステムとは、食品に含まれる栄養素の量などにより食品の栄養価値を評価する手法です。世界には100種類以上の栄養プロファイリングシステムがありますが、評価の手法はさまざまです。また、栄養プロファイルモデルなど別の呼ばれ方をされることがあります。
栄養素としては、糖類、飽和脂肪酸、食塩などが摂取を制限すべき栄養素として、たんぱく質、食物繊維などが摂取を推奨する栄養素として設定されることが多くみられます。それぞれの栄養プロファイリングシステムには一長一短がありますが、いずれにおいても一定の科学的根拠にもとづき食品の栄養価値を評価できます。
諸外国では、疾病予防や健康増進のために、栄養プロファイリングシステムによりスコア化したものを商品パッケージに表示するなどして、生活者が栄養を考慮した食品選択をしやすくなる取り組みが行われています。
※2一般成人向けでは、日本の栄養摂取実態を考慮し、摂取を制限すべき栄養素(糖類、飽和脂肪酸、食塩など)や、摂取を推奨する栄養素(たんぱく質、食物繊維など)を設定しました。そして、これらの多寡により栄養価値をスコア化する評価法を用いることとしました。高齢者のフレイル予防向けでは、一般成人向けをベースに、飽和脂肪酸を制限しないなどの高齢者のフレイル予防のための変更を加えた評価法を用いることとしました。
※3フレイルについて
フレイルとは、加齢とともに筋力が低下したり、認知機能が低下したりするなどの心身が虚弱化した状態のことです。フレイルは、高齢者が陥りやすく、そのままにしておくと要介護状態へと進んでしまいますが、正しく対処すれば生活機能が維持・向上するとされています。
※4 WHOファクトシート「Malnutrition(2021年6月9日)」より
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/malnutrition
※5 The double burden of malnutrition. Policy brief. Geneva: World Health Organization; 2017
栄養不良の二重負荷とは、低栄養と過栄養がある集団内で同時に見られたり、ある個人が別の時期に低栄養になったり過栄養になったりするなどして、低栄養と過栄養が共存することです。
※6明治栄養ステートメントについては、以下のリンクをご参照ください
https://www.meiji.co.jp/corporate/nutritionstatement/