C&W、2023年Q3のリテール市況レポート発表
[23/11/24]
提供元:共同通信PRワイヤー
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トップ・エリアの賃料は底上げへ、全体の実質賃料は横ばいの見通し
グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、リテール市況について最新のレポートを発表致しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311223208-O1-7ddOrJae】
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経済
2023年第三四半期の個人消費は力強さに欠けるスタートとなった。雇用動向をみると、完全失業率(季節調整値)は2.6%とほぼ横ばい。需要サイドの動きをみると物価上昇の影響を除いた勤労世帯の実収入は引き続き前年同期比マイナス6.5%と減額幅が1.8pp拡大した。 円安・原油高に伴うインフレ懸念が進行した8月以降は全体の消費者態度指数も35.2 と悪化に転じている。
先行きを見ると、引き続き物価高の継続が懸念材料である。 原材料を中心とした輸入物価指数の高騰は2022年9月にピークアウトしたものの、2023年9月の生鮮食品を除く全国のコアCPIは前年比2.8%増。2024/2025年の日銀見通し1も2.8%(改定前1.9%) 1.7%(同1.6%)に引き上げられた。ただし、企業収益は好調で、従業員一人当たりの経常利益の水準2も5%台の賃上げが実現していた1990年代のバブル期経済を上回る水準まで改善している。今後は2024年春闘で連合が要求するとされている5%賃上げの実現に伴う個人消費の回復に期待したい。
需給
?2023年第3四半期平均の全国の小売販売高は前年同期比6.6%と増加。実質ベースに引き直した小売販売額の後方3か月平均も+0.7%と若干の上昇傾向にある。総括すると、外出機運が高まったことや国内外の旅行客の増加から、大都市ターミナル駅周辺の販売増加が目立った。インバウンド需要の回復を受けて、同期のドラッグ・ストア販売額(前年同期比9.3%増)にも回復の兆しが見られる。一方、同期の百貨店の既存店販売額は前年同期比10.0%増と20か月連続のプラスを維持したもの、増加のペースは減速(前年同期の増加率は17.2%)。スーパー(既存店、同3.8%増)、コンビニエンス・ストア(同5.2%増)などの最寄り品の消費傾向については実質ベースではほぼ横ばいが続く。外食や娯楽を中心に回復が続いてきたものの、今後の動向を推し量るサービス消費の先行指数3をみると、人手不足に伴う宿泊費や交通費の価格高騰から夏場にすでにピークアウト。2019年をベースとした場合、概ね1割低い水準で横ばいに転じつつあることには留意したい。
新規開発案件のアナウンスをみると、都心主要駅直結の複合大型開発が目立った。JR 東日本と京急電鉄が主導する国家戦略特区認定の品川駅南北の開発計画は2025年の着工、2030年から2036年にかけて段階的に竣工の予定。駅直結で、地上28階建て二棟を含む三棟の構成で延床面積37.4万平米の巨大プロジェクトであり、低層部に商業施設の開設が予定されている。ほか、住友不動産と五洋建設が主導する飯田橋駅直結の後楽二丁目南地区再開発事業(延床面積:30万平米)は地上35階建ての高層棟に商業施設を併設予定、2030 年の完成が予定されている。郊外立地をみると、地方都市のSC 再開発に再始動の兆しがみられる。三井不動産は地域密着型SCの開発に注力、愛知県岡崎市(店舗面積:30,100平米)と近隣の愛知県安城市(店舗面積:41,700平米)でそれぞれ2025年春の完成が予定されている。
アウトルック
トップ・エリアの賃料は底上げへ:銀座、表参道、心斎橋などのトップレントはコロナ前の上限賃料を上回ったが、今後12か月においても、さらなる上昇を見込む。コスト増の賃料転嫁が可能なトップ・エリアにおいては下限賃料の底上げも広がりつつある(右下グラフ参照)。2030年にかけて複数の大型開発が進む都心エリアでは、商業地域の集積状況も大きく変わることとなる。今後は、都心再開発に足並みを合わせたエリア賃料全体の底上げにも注目していきたい。
全体の実質賃料は横ばい:好立地のハイストリートの賃料は、緩やかな賃料上昇が継続する見通し。しかし、好調な都市型店舗を中心とした売上の回復度合いと比較すると、長引くインフレ環境下で人件費、原材料費、光熱費の高騰の影響を受けるテナントに対して、オーナーが賃料を増額できないケースも増加傾向にある。今後2年間の全体の賃料水準は、一部のプライムエリアを除き、景気減速を反映して緩やかな賃料下落サイクルが続くことを弊社では見込んでいる。
12023年11月1日付日銀の展望レポート
2全規模全産業ベースの法人企業統計、財務省、労働政策研究所の数字に基づきC&Wで作成
3JCBナウキャスト(クレジットカード消費に基づく月次指標)
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311223208-O2-gY949Zj2】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311223208-O3-Et09HF0L】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311223208-O4-4XwPcJ95】
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クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はニューヨーク取引証券所に上場している世界有数の事業用不動産サービス会社です。世界約60カ国、400拠点に約52,000人の従業員を擁しています。施設管理、売買仲介、鑑定評価、テナントレップ、リーシング、プロジェクト・マネジメントなどのコア・サービス全体で、2022年の売上高は101億ドルを記録しました。受賞歴のある企業文化や、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)、環境、社会、ガバナンス(ESG)へのコミットメントにより、業界内外から高い評価を頂いております。詳しくは、公式ホームページhttps://www.cushmanwakefield.com/ja-jp/japanにアクセスするか公式ツイッター @CushWake をフォロー下さい。
グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、リテール市況について最新のレポートを発表致しました。
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経済
2023年第三四半期の個人消費は力強さに欠けるスタートとなった。雇用動向をみると、完全失業率(季節調整値)は2.6%とほぼ横ばい。需要サイドの動きをみると物価上昇の影響を除いた勤労世帯の実収入は引き続き前年同期比マイナス6.5%と減額幅が1.8pp拡大した。 円安・原油高に伴うインフレ懸念が進行した8月以降は全体の消費者態度指数も35.2 と悪化に転じている。
先行きを見ると、引き続き物価高の継続が懸念材料である。 原材料を中心とした輸入物価指数の高騰は2022年9月にピークアウトしたものの、2023年9月の生鮮食品を除く全国のコアCPIは前年比2.8%増。2024/2025年の日銀見通し1も2.8%(改定前1.9%) 1.7%(同1.6%)に引き上げられた。ただし、企業収益は好調で、従業員一人当たりの経常利益の水準2も5%台の賃上げが実現していた1990年代のバブル期経済を上回る水準まで改善している。今後は2024年春闘で連合が要求するとされている5%賃上げの実現に伴う個人消費の回復に期待したい。
需給
?2023年第3四半期平均の全国の小売販売高は前年同期比6.6%と増加。実質ベースに引き直した小売販売額の後方3か月平均も+0.7%と若干の上昇傾向にある。総括すると、外出機運が高まったことや国内外の旅行客の増加から、大都市ターミナル駅周辺の販売増加が目立った。インバウンド需要の回復を受けて、同期のドラッグ・ストア販売額(前年同期比9.3%増)にも回復の兆しが見られる。一方、同期の百貨店の既存店販売額は前年同期比10.0%増と20か月連続のプラスを維持したもの、増加のペースは減速(前年同期の増加率は17.2%)。スーパー(既存店、同3.8%増)、コンビニエンス・ストア(同5.2%増)などの最寄り品の消費傾向については実質ベースではほぼ横ばいが続く。外食や娯楽を中心に回復が続いてきたものの、今後の動向を推し量るサービス消費の先行指数3をみると、人手不足に伴う宿泊費や交通費の価格高騰から夏場にすでにピークアウト。2019年をベースとした場合、概ね1割低い水準で横ばいに転じつつあることには留意したい。
新規開発案件のアナウンスをみると、都心主要駅直結の複合大型開発が目立った。JR 東日本と京急電鉄が主導する国家戦略特区認定の品川駅南北の開発計画は2025年の着工、2030年から2036年にかけて段階的に竣工の予定。駅直結で、地上28階建て二棟を含む三棟の構成で延床面積37.4万平米の巨大プロジェクトであり、低層部に商業施設の開設が予定されている。ほか、住友不動産と五洋建設が主導する飯田橋駅直結の後楽二丁目南地区再開発事業(延床面積:30万平米)は地上35階建ての高層棟に商業施設を併設予定、2030 年の完成が予定されている。郊外立地をみると、地方都市のSC 再開発に再始動の兆しがみられる。三井不動産は地域密着型SCの開発に注力、愛知県岡崎市(店舗面積:30,100平米)と近隣の愛知県安城市(店舗面積:41,700平米)でそれぞれ2025年春の完成が予定されている。
アウトルック
トップ・エリアの賃料は底上げへ:銀座、表参道、心斎橋などのトップレントはコロナ前の上限賃料を上回ったが、今後12か月においても、さらなる上昇を見込む。コスト増の賃料転嫁が可能なトップ・エリアにおいては下限賃料の底上げも広がりつつある(右下グラフ参照)。2030年にかけて複数の大型開発が進む都心エリアでは、商業地域の集積状況も大きく変わることとなる。今後は、都心再開発に足並みを合わせたエリア賃料全体の底上げにも注目していきたい。
全体の実質賃料は横ばい:好立地のハイストリートの賃料は、緩やかな賃料上昇が継続する見通し。しかし、好調な都市型店舗を中心とした売上の回復度合いと比較すると、長引くインフレ環境下で人件費、原材料費、光熱費の高騰の影響を受けるテナントに対して、オーナーが賃料を増額できないケースも増加傾向にある。今後2年間の全体の賃料水準は、一部のプライムエリアを除き、景気減速を反映して緩やかな賃料下落サイクルが続くことを弊社では見込んでいる。
12023年11月1日付日銀の展望レポート
2全規模全産業ベースの法人企業統計、財務省、労働政策研究所の数字に基づきC&Wで作成
3JCBナウキャスト(クレジットカード消費に基づく月次指標)
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クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はニューヨーク取引証券所に上場している世界有数の事業用不動産サービス会社です。世界約60カ国、400拠点に約52,000人の従業員を擁しています。施設管理、売買仲介、鑑定評価、テナントレップ、リーシング、プロジェクト・マネジメントなどのコア・サービス全体で、2022年の売上高は101億ドルを記録しました。受賞歴のある企業文化や、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)、環境、社会、ガバナンス(ESG)へのコミットメントにより、業界内外から高い評価を頂いております。詳しくは、公式ホームページhttps://www.cushmanwakefield.com/ja-jp/japanにアクセスするか公式ツイッター @CushWake をフォロー下さい。