食品の栄養価値をスコア化して評価、明治栄養プロファイリングシステム(Meiji NPS)の設計と妥当性の検証
[24/04/15]
提供元:共同通信PRワイヤー
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国際学術誌 Nutrientsに掲載
株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、「明治栄養プロファイリングシステム(Meiji Nutritional Profiling System、以下Meiji NPS)」を設計し※1、海外で使用されている既存のNPSと比較して、同等に食品の栄養価値を評価できる手法となっているか、その妥当性を検証しました。本研究成果は、国際学術誌Nutrients(Nutrients. 2024; 16(7):936.https://doi.org/10.3390/nu16070936)に掲載されました。
Meiji NPSによって、より栄養価値の高い商品の提供に努めるとともに、生活者の栄養価値を考慮した食品選びに貢献してまいります。
【論文のタイトル】
日本の成人および高齢者の栄養ニーズに応える明治栄養プロファイリングシステム(Meiji NPS)の開発と妥当性検証
(Development and Validation of the Meiji Nutritional Profiling System (Meiji NPS) to Address Dietary Needs of Adults and Older Adults in Japan)
【論文の概要】
(1)世界では、各国でさまざまな栄養プロファイリングシステム(Nutritional Profiling System、以下NPS)が利用されています。日本で有効にNPSを利用するには、日本特有の食品摂取の実態や健康課題を考慮したNPSを設計することが必要です。
(2)既存のNPSであるNutrient-Rich Food Index 9.3(NRF9.3)※2の設計をもとに、日本での利用に適したNPSの開発に取り組みました。生活習慣病対策と若年女性のやせ対策を考慮した成人向けNPS(以下、成人NPS)とフレイル対策を考慮した高齢者向けNPS(以下、高齢者NPS)の2つのNPSを策定しました。
(3)成人NPSでは、摂取を制限すべき栄養項目(制限栄養項目)としてエネルギー、飽和脂肪酸、糖類、食塩を、摂取を推奨する栄養項目(推奨栄養項目)としてたんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄、ビタミンDを設定しました。高齢者NPSでは、制限栄養項目としてエネルギー、糖類、食塩を、推奨栄養項目としてたんぱく質、食物繊維、カルシウム、ビタミンDを設定しました。成人NPSと高齢者NPSで共通して、摂取を推奨する食素材(推奨食素材)として果実類、野菜類、種実類、豆類、乳類を設定しました。
(4)既存のNPSであるNRF9.3およびHealth Star Rating(HSR)※3との相関を検討することにより、成人NPSおよび高齢者NPSの妥当性を確認しました。その結果、Meiji NPSはNRF9.3やHSRと同等に、食品の栄養価値を評価できることが示されました。
【論文内容の解説】
●NPSとは
NPSとは、食品に含まれる栄養素の量を科学的な根拠にもとづきスコア化するなどして、食品の栄養価値を評価する手法です。世界では、各国でさまざまなNPSが利用されています。地域あるいはライフステージにより食品摂取の実態は異なり、健康課題もさまざまであるため、それぞれの対象に適したNPSを設計する必要性が指摘されています。
●地域とライフステージの違いを考慮したMeiji NPSの設計
Meiji NPSの設計においては、地域の違いを考慮したNPSの必要性に着目し、まずは日本での利用に適したNPSの設計に取り組みました。日本では過栄養によって引き起こされる過体重や肥満といった生活習慣病のリスクが成人の健康課題である一方で、若年女性のやせも成人の健康課題として指摘されています。また、高齢化が進んだ国である日本では、高齢者のフレイルも大きな健康課題です。
そこで、Meiji NPSでは、各ライフステージの中から成人と高齢者の健康課題にまずは焦点を当て※4、生活習慣病対策と若年女性のやせ対策を考慮した成人NPSとフレイル対策を考慮した高齢者NPSの2つのNPSを設計しました。
このように地域とライフステージの違いを考慮していることが、Meiji NPSの特徴です。
●Meiji NPSのスコア算出方法
Meiji NPSでは、食品に含まれる制限栄養項目、推奨栄養項目および推奨食素材の量により食品の栄養価値を評価します。成人NPSと高齢者NPSが対象とする制限栄養項目、推奨栄養項目、推奨食素材は表の通りです。
Meiji NPSのスコアは、制限栄養項目が多く含まれるほどスコアが低くなり、推奨栄養項目と推奨食素材が多く含まれるほどスコアが高くなる設計となっています。
表 Meiji NPSにおける制限栄養項目、推奨栄養項目、推奨食素材の設定
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404119314-O4-eAl2u2Hp】
〇:設定 −:設定せず
●Meiji NPSの妥当性の検証
NPSは、それぞれの考えにもとづいて自由に設計できるものです。設計されたNPSの科学的検証を積み重ねていくことで、その妥当性が頑強なものとなっていきます。検証にはいくつかの方法がありますが、本研究では、既存のNPSとの相関を検討することにより妥当性を検証しました。
既存のNPSであるNRF9.3およびHSRとの相関を検討したところ、以下の相関の強さが確認されました。これより、Meiji NPSは、日本特有の食品摂取の実態や健康課題を考慮した設計としながらも、NRF9.3およびHSRと同等に食品の栄養価値を評価できる手法であることが示されました。
【スピアマンの相関係数(r)の結果】
NRF9.3との相関係数:成人NPS r=0.67、高齢者NPS r=0.60
HSRとの相関係数:成人NPS r=0.64、高齢者NPS r=0.61
※1 Meiji NPS策定に関するニュースリリース
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2023/0630_01/index.html
※2 Nutrient-Rich Food Index 9.3(NRF9.3)
ワシントン大学Adam Drewnowski教授により開発されたNPSです。9個の推奨栄養項目(たんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンD(E)、ビタミンC)と3個の制限栄養項目(添加糖類、飽和脂肪酸、ナトリウム)にて食品の栄養価値をスコア化します。
※3 Health Star Rating(HSR)
オーストラリアとニュージーランドで活用されているNPSです。エネルギー、飽和脂肪酸、総糖類、ナトリウム、食物繊維、たんぱく質、食素材(果実類、野菜類、種実類、豆類)にて食品の栄養価値をスコア化します。
※4 Meiji NPSの対象と健康課題
Meiji NPSでは、幅広いライフステージの中から、まずは成人期と高齢期の健康課題の解決に貢献するために、成人NPSと高齢者NPSを策定しました。今後は、小児期などの他のライフステージ、あるいは日本以外の地域の特性を考慮した新たなNPSの策定に取り組む予定です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404119314-O5-2zne2cx8】
株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、「明治栄養プロファイリングシステム(Meiji Nutritional Profiling System、以下Meiji NPS)」を設計し※1、海外で使用されている既存のNPSと比較して、同等に食品の栄養価値を評価できる手法となっているか、その妥当性を検証しました。本研究成果は、国際学術誌Nutrients(Nutrients. 2024; 16(7):936.https://doi.org/10.3390/nu16070936)に掲載されました。
Meiji NPSによって、より栄養価値の高い商品の提供に努めるとともに、生活者の栄養価値を考慮した食品選びに貢献してまいります。
【論文のタイトル】
日本の成人および高齢者の栄養ニーズに応える明治栄養プロファイリングシステム(Meiji NPS)の開発と妥当性検証
(Development and Validation of the Meiji Nutritional Profiling System (Meiji NPS) to Address Dietary Needs of Adults and Older Adults in Japan)
【論文の概要】
(1)世界では、各国でさまざまな栄養プロファイリングシステム(Nutritional Profiling System、以下NPS)が利用されています。日本で有効にNPSを利用するには、日本特有の食品摂取の実態や健康課題を考慮したNPSを設計することが必要です。
(2)既存のNPSであるNutrient-Rich Food Index 9.3(NRF9.3)※2の設計をもとに、日本での利用に適したNPSの開発に取り組みました。生活習慣病対策と若年女性のやせ対策を考慮した成人向けNPS(以下、成人NPS)とフレイル対策を考慮した高齢者向けNPS(以下、高齢者NPS)の2つのNPSを策定しました。
(3)成人NPSでは、摂取を制限すべき栄養項目(制限栄養項目)としてエネルギー、飽和脂肪酸、糖類、食塩を、摂取を推奨する栄養項目(推奨栄養項目)としてたんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄、ビタミンDを設定しました。高齢者NPSでは、制限栄養項目としてエネルギー、糖類、食塩を、推奨栄養項目としてたんぱく質、食物繊維、カルシウム、ビタミンDを設定しました。成人NPSと高齢者NPSで共通して、摂取を推奨する食素材(推奨食素材)として果実類、野菜類、種実類、豆類、乳類を設定しました。
(4)既存のNPSであるNRF9.3およびHealth Star Rating(HSR)※3との相関を検討することにより、成人NPSおよび高齢者NPSの妥当性を確認しました。その結果、Meiji NPSはNRF9.3やHSRと同等に、食品の栄養価値を評価できることが示されました。
【論文内容の解説】
●NPSとは
NPSとは、食品に含まれる栄養素の量を科学的な根拠にもとづきスコア化するなどして、食品の栄養価値を評価する手法です。世界では、各国でさまざまなNPSが利用されています。地域あるいはライフステージにより食品摂取の実態は異なり、健康課題もさまざまであるため、それぞれの対象に適したNPSを設計する必要性が指摘されています。
●地域とライフステージの違いを考慮したMeiji NPSの設計
Meiji NPSの設計においては、地域の違いを考慮したNPSの必要性に着目し、まずは日本での利用に適したNPSの設計に取り組みました。日本では過栄養によって引き起こされる過体重や肥満といった生活習慣病のリスクが成人の健康課題である一方で、若年女性のやせも成人の健康課題として指摘されています。また、高齢化が進んだ国である日本では、高齢者のフレイルも大きな健康課題です。
そこで、Meiji NPSでは、各ライフステージの中から成人と高齢者の健康課題にまずは焦点を当て※4、生活習慣病対策と若年女性のやせ対策を考慮した成人NPSとフレイル対策を考慮した高齢者NPSの2つのNPSを設計しました。
このように地域とライフステージの違いを考慮していることが、Meiji NPSの特徴です。
●Meiji NPSのスコア算出方法
Meiji NPSでは、食品に含まれる制限栄養項目、推奨栄養項目および推奨食素材の量により食品の栄養価値を評価します。成人NPSと高齢者NPSが対象とする制限栄養項目、推奨栄養項目、推奨食素材は表の通りです。
Meiji NPSのスコアは、制限栄養項目が多く含まれるほどスコアが低くなり、推奨栄養項目と推奨食素材が多く含まれるほどスコアが高くなる設計となっています。
表 Meiji NPSにおける制限栄養項目、推奨栄養項目、推奨食素材の設定
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404119314-O4-eAl2u2Hp】
〇:設定 −:設定せず
●Meiji NPSの妥当性の検証
NPSは、それぞれの考えにもとづいて自由に設計できるものです。設計されたNPSの科学的検証を積み重ねていくことで、その妥当性が頑強なものとなっていきます。検証にはいくつかの方法がありますが、本研究では、既存のNPSとの相関を検討することにより妥当性を検証しました。
既存のNPSであるNRF9.3およびHSRとの相関を検討したところ、以下の相関の強さが確認されました。これより、Meiji NPSは、日本特有の食品摂取の実態や健康課題を考慮した設計としながらも、NRF9.3およびHSRと同等に食品の栄養価値を評価できる手法であることが示されました。
【スピアマンの相関係数(r)の結果】
NRF9.3との相関係数:成人NPS r=0.67、高齢者NPS r=0.60
HSRとの相関係数:成人NPS r=0.64、高齢者NPS r=0.61
※1 Meiji NPS策定に関するニュースリリース
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2023/0630_01/index.html
※2 Nutrient-Rich Food Index 9.3(NRF9.3)
ワシントン大学Adam Drewnowski教授により開発されたNPSです。9個の推奨栄養項目(たんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄、カリウム、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンD(E)、ビタミンC)と3個の制限栄養項目(添加糖類、飽和脂肪酸、ナトリウム)にて食品の栄養価値をスコア化します。
※3 Health Star Rating(HSR)
オーストラリアとニュージーランドで活用されているNPSです。エネルギー、飽和脂肪酸、総糖類、ナトリウム、食物繊維、たんぱく質、食素材(果実類、野菜類、種実類、豆類)にて食品の栄養価値をスコア化します。
※4 Meiji NPSの対象と健康課題
Meiji NPSでは、幅広いライフステージの中から、まずは成人期と高齢期の健康課題の解決に貢献するために、成人NPSと高齢者NPSを策定しました。今後は、小児期などの他のライフステージ、あるいは日本以外の地域の特性を考慮した新たなNPSの策定に取り組む予定です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404119314-O5-2zne2cx8】