3月28日(木)にオンラインセミナー 「海洋温度差発電と『久米島モデル』のこれまでとこれから」を開催
[24/05/08]
提供元:共同通信PRワイヤー
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〜海洋温度差発電により持続可能な島嶼を実現する取り組みを紹介〜
2024年5月8日
公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404300151-O2-vt5yOL8p】
公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(所在地:東京都港区、理事長:中島治男、略称:日本GIF)は、2024年3月28日(木)午後2時から、Zoomを利用したオンライン形式にて、株式会社ゼネシス 久米島プロジェクト推進部 取締役部長 岡村盡氏を講師にお迎えし、「海洋温度差発電と『久米島モデル』のこれまでとこれから」と題し、セミナーを開催しました。
開催趣旨
海洋温度差発電(Ocean Thermal Energy Conversion: OTEC)は、熱帯地域の表層海水と深層海水の温度差を利用して発電を行う技術で、CO2を排出せず、安定した電力供給が可能なクリーンエネルギーです。日本GIFは1980年代からOTECに着目し、沖縄県久米島での調査研究も実施してきました。久米島では、2013年に沖縄県のプロジェクトとしてOTECの実証試験設備が建設され、現在も運転が続けられています。
近年、日本GIFでは、「小島嶼国の気候変動適応策としてのインフラ」についての調査研究を実施しています。OTECは有用な発電技術ですが、コストが高いため普及が進んでいませんでした。その点、「久米島モデル」は、OTECと排出された深層水を農業などで利用することで、発電コストを島全体のシステムで賄おうとするものであり、他の小島嶼国にも応用が期待されています。
今回のセミナーでは、久米島で実際にOTECの実証実験のプロジェクトマネージャーを務め、久米島町が掲げる「久米島モデル」の推進に取り組まれている、株式会社ゼネシス 久米島プロジェクト推進部 取締役部長 岡村盡氏を講師にお迎えし、「久米島モデル」の現状と展望について解説していただきました。
講演要旨
海洋深層水とは、太陽光が届かない200m以深の海水で、(1)低温性、(2)清浄性、(3)富栄養性といった特徴があります。久米島では、2000年に開所した県の研究所で深層水の利用技術が生まれ、現在では島内で18社が深層水関連の産業を営み、年商25億円、雇用140人と一大産業となっています。
深層水の3つの特徴を生かし、島の特産品であるクルマエビ養殖や化粧品製造、ウミブドウ養殖など、様々な分野で海洋深層水の複合的な利用を通じて産業が発展しており、「久米島モデル」として注目されています。
久米島では、海洋深層水を利用した海洋温度差発電(OTEC)の実証実験が行われています。OTECは表層の温かい海水と深層の冷たい海水の温度差を利用して発電する技術で、発電コストは規模が大きくなるほど下がり、100MWなら火力発電所並みの10円/kWhが見込まれています。
2035年には火力発電をOTECに代替する計画があり、太陽光発電と合わせて、久米島のゼロカーボンシティ実現の核となると期待されています。
島嶼地域でのOTECの利点は、出力変動が小さく安定した電源となること、設置スペースが太陽光の70分の1で済むこと、系統安定化に資することなどが挙げられ、複合的な深層水利用による相乗効果も期待されています。
久米島は再生可能資源を活用したモデル島として、世界の島嶼国への展開を目指します。すでに70カ国以上、1万人以上の視察団が来島しており、モーリシャスでの実証研究、パラオなどでの情報収集調査を実施しています。さらなる地域の活性化と人材育成にもつなげ、子どもたちへの環境教育にもますます力を入れていきたい考えです。また、引き続き現地への視察を積極的に受け入れ、久米島は今後もモデル島としてのプロジェクトを推進していく方針です。
◇
講演後の質疑応答では、自然エネルギーを使用する際の環境負荷について、想定取水量増加の計画、モーリシャスやパラオの事例等、多くの質問が飛び交いました。岡村氏は講演の終わりに、「海洋深層水産業はゲームチェンジャーになると思っている」とコメントしました。
セミナー終了後のアンケートによると、「久米島での海洋深層水の利用」や、「持続可能な島嶼に向けて」のパートへの関心が高かったことがわかりました。この他にも参加者からは多くの質問や意見が寄せられ、海洋温度差発電と「久米島モデル」への高い関心が見て取れました。
セミナー概要
主 催:公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(日本GIF)
日 時: 2024年3月28日(木)14:00〜15:30
名 称: オンラインセミナー「海洋温度差発電と「久米島モデル」のこれまでとこれから」
開催形式: Zoomを利用したオンライン形式(ウェビナー)
講演者: 株式会社ゼネシス 久米島プロジェクト推進部 取締役部長 岡村盡
司会者: 坂本 晶子(日本GIF事務局長)
参加費: 無料
動 画: https://gif.or.jp/seminar_youtube/kumejima_model-2/
講師略歴
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404300151-O3-cTWDGve1】
(株)ゼネシス久米島プロジェクト推進部取締役部長。修士(工学)。日立造船(株)にて商船の基本設計に従事した後、2005年から(株)ゼネシスにて海洋温度差発電を始めとする低位熱エネルギー利用のエンジニアとして、国内外の調査研究や計画業務、基本設計業務に携わる。2012年に開始された沖縄県「海洋深層水利用高度化に向けた発電利用実証事業」ではエンジニアリングマネージャーとして海洋温度差発電実証試験設備の設計を担当、久米島に赴任し、2013年〜2018年の各種試験と性能解析を手がけた。その間、久米島における海洋深層水の多目的な利活用「久米島モデル」に魅了され、現在も久米島にて各種の関連プロジェクトに携わっている。一般社団法人国際海洋資源エネルギー利活用推進コンソーシアム事務局長。海洋深層水利用学会理事。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404300151-O4-7z2jSGeV】
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2024年5月8日
公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団
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公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(所在地:東京都港区、理事長:中島治男、略称:日本GIF)は、2024年3月28日(木)午後2時から、Zoomを利用したオンライン形式にて、株式会社ゼネシス 久米島プロジェクト推進部 取締役部長 岡村盡氏を講師にお迎えし、「海洋温度差発電と『久米島モデル』のこれまでとこれから」と題し、セミナーを開催しました。
開催趣旨
海洋温度差発電(Ocean Thermal Energy Conversion: OTEC)は、熱帯地域の表層海水と深層海水の温度差を利用して発電を行う技術で、CO2を排出せず、安定した電力供給が可能なクリーンエネルギーです。日本GIFは1980年代からOTECに着目し、沖縄県久米島での調査研究も実施してきました。久米島では、2013年に沖縄県のプロジェクトとしてOTECの実証試験設備が建設され、現在も運転が続けられています。
近年、日本GIFでは、「小島嶼国の気候変動適応策としてのインフラ」についての調査研究を実施しています。OTECは有用な発電技術ですが、コストが高いため普及が進んでいませんでした。その点、「久米島モデル」は、OTECと排出された深層水を農業などで利用することで、発電コストを島全体のシステムで賄おうとするものであり、他の小島嶼国にも応用が期待されています。
今回のセミナーでは、久米島で実際にOTECの実証実験のプロジェクトマネージャーを務め、久米島町が掲げる「久米島モデル」の推進に取り組まれている、株式会社ゼネシス 久米島プロジェクト推進部 取締役部長 岡村盡氏を講師にお迎えし、「久米島モデル」の現状と展望について解説していただきました。
講演要旨
海洋深層水とは、太陽光が届かない200m以深の海水で、(1)低温性、(2)清浄性、(3)富栄養性といった特徴があります。久米島では、2000年に開所した県の研究所で深層水の利用技術が生まれ、現在では島内で18社が深層水関連の産業を営み、年商25億円、雇用140人と一大産業となっています。
深層水の3つの特徴を生かし、島の特産品であるクルマエビ養殖や化粧品製造、ウミブドウ養殖など、様々な分野で海洋深層水の複合的な利用を通じて産業が発展しており、「久米島モデル」として注目されています。
久米島では、海洋深層水を利用した海洋温度差発電(OTEC)の実証実験が行われています。OTECは表層の温かい海水と深層の冷たい海水の温度差を利用して発電する技術で、発電コストは規模が大きくなるほど下がり、100MWなら火力発電所並みの10円/kWhが見込まれています。
2035年には火力発電をOTECに代替する計画があり、太陽光発電と合わせて、久米島のゼロカーボンシティ実現の核となると期待されています。
島嶼地域でのOTECの利点は、出力変動が小さく安定した電源となること、設置スペースが太陽光の70分の1で済むこと、系統安定化に資することなどが挙げられ、複合的な深層水利用による相乗効果も期待されています。
久米島は再生可能資源を活用したモデル島として、世界の島嶼国への展開を目指します。すでに70カ国以上、1万人以上の視察団が来島しており、モーリシャスでの実証研究、パラオなどでの情報収集調査を実施しています。さらなる地域の活性化と人材育成にもつなげ、子どもたちへの環境教育にもますます力を入れていきたい考えです。また、引き続き現地への視察を積極的に受け入れ、久米島は今後もモデル島としてのプロジェクトを推進していく方針です。
◇
講演後の質疑応答では、自然エネルギーを使用する際の環境負荷について、想定取水量増加の計画、モーリシャスやパラオの事例等、多くの質問が飛び交いました。岡村氏は講演の終わりに、「海洋深層水産業はゲームチェンジャーになると思っている」とコメントしました。
セミナー終了後のアンケートによると、「久米島での海洋深層水の利用」や、「持続可能な島嶼に向けて」のパートへの関心が高かったことがわかりました。この他にも参加者からは多くの質問や意見が寄せられ、海洋温度差発電と「久米島モデル」への高い関心が見て取れました。
セミナー概要
主 催:公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団(日本GIF)
日 時: 2024年3月28日(木)14:00〜15:30
名 称: オンラインセミナー「海洋温度差発電と「久米島モデル」のこれまでとこれから」
開催形式: Zoomを利用したオンライン形式(ウェビナー)
講演者: 株式会社ゼネシス 久米島プロジェクト推進部 取締役部長 岡村盡
司会者: 坂本 晶子(日本GIF事務局長)
参加費: 無料
動 画: https://gif.or.jp/seminar_youtube/kumejima_model-2/
講師略歴
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202404300151-O3-cTWDGve1】
(株)ゼネシス久米島プロジェクト推進部取締役部長。修士(工学)。日立造船(株)にて商船の基本設計に従事した後、2005年から(株)ゼネシスにて海洋温度差発電を始めとする低位熱エネルギー利用のエンジニアとして、国内外の調査研究や計画業務、基本設計業務に携わる。2012年に開始された沖縄県「海洋深層水利用高度化に向けた発電利用実証事業」ではエンジニアリングマネージャーとして海洋温度差発電実証試験設備の設計を担当、久米島に赴任し、2013年〜2018年の各種試験と性能解析を手がけた。その間、久米島における海洋深層水の多目的な利活用「久米島モデル」に魅了され、現在も久米島にて各種の関連プロジェクトに携わっている。一般社団法人国際海洋資源エネルギー利活用推進コンソーシアム事務局長。海洋深層水利用学会理事。
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