災害時の介護食品(嚥下調整食品)の備蓄の重要性について
[24/06/06]
提供元:共同通信PRワイヤー
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《バリアフリー2024 尾西食品セミナー》麻植有希子先生(SOMPOケアフーズ)講演内容公開
尾西食品株式会社 (本社:東京都港区 代表取締役社長 市川伸介 ※以下、尾西食品) は、長期保存食・防災備蓄のリーディングカンパニーとして、”アルファ米” をはじめとする非常食を製造・販売しています。また、専門家のアドバイス、被災者の声を通して日常の防災意識を高める活動を進めており、2021 年3月より、公式サイトにて防災コラムの発信をしております。
今回は、2024年4月にインテックス大阪にて開催された展示会「バリアフリー2024」において、尾西食品セミナーにご登壇いただいた麻植有希子(おえ ゆきこ)先生の講演内容をご紹介します。
麻植先生は、介護老人保健施設における高齢者の栄養ケアや嚥下(えんげ)食などを長年研究され、学会発表や後進の育成・指導、全国でのご講演など、多方面にご活躍でいらっしゃいます。災害時の介護食品(嚥下調整食品)の備蓄の重要性についてと題して、お話しいただきました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406061823-O1-PXp4N6r1】
SOMPOケアフーズ株式会社 栄養管理部 部長 博士(食品栄養科学)
麻植 有希子先生
〜災害時の介護食品(嚥下調整食品)の備蓄の重要性について〜
――高齢者が健康に過ごすために
災害時の高齢者の食を考える際に、まず高齢者の身体に必要なものは何かを理解する必要があります。高齢者にみられる症状として、認知機能の低下、視力・聴力の低下、加齢や脳卒中、神経系の疾患などが要因で引き起こされる咀嚼・嚥下機能の低下、転倒・骨折などがあります。転倒を予防するためには筋肉はとても大切です。筋肉をつけるためには「エネルギー」や「たんぱく質」をしっかり摂取して、運動と合わせることで効率的に筋肉量を増やすことができます。つまり高齢者が健康に生活をおくるためには、日ごろから栄養不足にならないような対策が重要です。
――感染症流行時に起こったこと
数年前に新型コロナウイルス感染症で死亡者がたくさん出たその時期には、当社も例外ではありませんでした。受け入れ先の病院もクラスターとなり、ご利用者さまの入院がスムーズに受け入れてもらえなくなったり、施設のスタッフが感染し、応援に入ったスタッフも罹患してしまったり、認知症の方が理解できずに活動し、感染してしまうということもありました。さらにキッチンスタッフも全員自宅療養となり、食事はすべて配食に切り替え、ご利用者さまは感染拡大防止を理由に各自部屋で召し上がっていただく状況が続きました。結果、活動量に制限がかかり、食欲低下で残食が多くなり、筋力の低下が起こってしまう、という負の連鎖がおきました。感染症流行時でも低栄養を予防するお食事を提供することは、とても大事だと痛感しました。
――災害時の高齢者ケアで重要なこと
多くの要介護高齢者は唾液の分泌が少なくなり、口腔内が汚れやすくなります。そして嚥下障害の方は唾液がうまく飲み込めず、痰が絡みやすくなり、口腔内の清潔を保っていない状態のまま食事をしてしまうと誤嚥性肺炎につながることがあります。平時であれば施設で口腔ケアができますが、被災地ですと十分に出来ていないのが実情です。ある調査では肺炎で亡くなる方の多くは65歳以上の高齢者が占め、そのうちの約7割が誤嚥性肺炎という報告もあり、災害時でも高齢者の口腔ケアを行うことは、命を守る上でとても重要なことと言えます。
――誤嚥を防ぐ食事について
誤嚥を起こさないようにするには、ポロポロした焼き魚を煮魚に変更するとか、とろみをつけるなど調理の工夫が有効です。「わかめ」や「最中」は喉に張り付きますし、サラサラした食品も嚥下状態によっては避けた方が良い場合もあります。災害時でも一人ひとりの高齢者の食べる機能に合わせた食事提供が求められますが、誤嚥や窒息を起こさない為の食事の備えがある施設であっても、現在は「お粥」や賞味期限があまり長くない「ゼリー」、「流動食」、「とろみ剤」くらいなのではと想像しています。
――具体的にどうすればよいか?のヒントを共有する
一般的に、施設では、低栄養のリスクがあり、嚥下機能に問題がある方には食事形態をその方の機能に合わせて変更したり、少量にして栄養補助食品を付加したり、水分にはとろみをつけたりして対応していますが、災害時に備え、これらが網羅できる長期保存食があるとよいと思っています。嚥下調整食が必要な方は、食事から十分な栄養が摂れないと体力低下が起こりやすく、誤嚥などによる誤嚥性肺炎のリスクも高いです。超高齢社会における日本の避難所は、嚥下調整食が必要な方もきちんと対応できる体制を整えないとダメなのです、これをメッセージとして伝えたいです。
――「尾西の振って作るムース」を評価する
本当なら普段の食事と同じもので、楽しみに繋がる嚥下調整食が一番良いに決まっているのですが、災害時には生き抜くための嚥下調整食が必要になります。「尾西の振って作るムース」は、停電でミキサーが使えない時や、不慣れな方でも簡単に作ることができます。「ダマにならずにムース状になる」「丸飲みしてもスムーズに嚥下しやすい」「少量で高栄養」「常温で長期保存が可能である」といった点で優れた商品です。これだけ高栄養で物性が安定している、かつ長期保存が可能な嚥下調整食は初めて出会いました。先日、職場の管理栄養士の仲間で試食したところ「とてもなめらか」「甘すぎず、食べやすい」「もったりしていない」「付着性が低い」「ほうじ茶の味が良い」など、とても高評価でした。備蓄品にとても良い商品だと思います。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406061823-O2-8bT3N5OC】
――介護食品の備蓄の重要性について
高齢者にとって食べる、飲み込む機能に合わせた「通常の食事に劣らない美味しさと見た目も重視」の嚥下調整食はとても大切ですが、そもそも備蓄は高齢者が生きるため、命を繋げるためのものであり、普段の食事の思想からの脱却が必要です。例えば元気で自分の足で歩ける高齢者であっても、突然の災害時には、避難することが第一優先で避難所に義歯まで持って来ることが出来ない方も数多くいらっしゃいます。このような場合を想定すれば、「尾西の振って作るムース」は、健常高齢者にも応用が可能です。施設ではおかゆを備蓄することが多いですが、おかゆの粒でも飲み込むことが難しい人への対応策は無いのが現状です。介護食品の備蓄が無ければ、日本の超高齢社会において先進的な高齢者ケアは出来ないと思っています。多くの方に必要性を知っていただき、まずは介護食品の備蓄を確かめていただきたいです。備蓄は6ヵ月や1年ですと、すぐに賞味期限が来てしまうので、5年程度あると良いと思います。介護食品の備蓄を是非ご検討いただければと思います。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107820/202406061823/_prw_PT1fl_N1SdS7tY.png】
本文はこちらhttps://www.onisifoods.co.jp/column/detail.html?no=23
尾西食品株式会社 (本社:東京都港区 代表取締役社長 市川伸介 ※以下、尾西食品) は、長期保存食・防災備蓄のリーディングカンパニーとして、”アルファ米” をはじめとする非常食を製造・販売しています。また、専門家のアドバイス、被災者の声を通して日常の防災意識を高める活動を進めており、2021 年3月より、公式サイトにて防災コラムの発信をしております。
今回は、2024年4月にインテックス大阪にて開催された展示会「バリアフリー2024」において、尾西食品セミナーにご登壇いただいた麻植有希子(おえ ゆきこ)先生の講演内容をご紹介します。
麻植先生は、介護老人保健施設における高齢者の栄養ケアや嚥下(えんげ)食などを長年研究され、学会発表や後進の育成・指導、全国でのご講演など、多方面にご活躍でいらっしゃいます。災害時の介護食品(嚥下調整食品)の備蓄の重要性についてと題して、お話しいただきました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406061823-O1-PXp4N6r1】
SOMPOケアフーズ株式会社 栄養管理部 部長 博士(食品栄養科学)
麻植 有希子先生
〜災害時の介護食品(嚥下調整食品)の備蓄の重要性について〜
――高齢者が健康に過ごすために
災害時の高齢者の食を考える際に、まず高齢者の身体に必要なものは何かを理解する必要があります。高齢者にみられる症状として、認知機能の低下、視力・聴力の低下、加齢や脳卒中、神経系の疾患などが要因で引き起こされる咀嚼・嚥下機能の低下、転倒・骨折などがあります。転倒を予防するためには筋肉はとても大切です。筋肉をつけるためには「エネルギー」や「たんぱく質」をしっかり摂取して、運動と合わせることで効率的に筋肉量を増やすことができます。つまり高齢者が健康に生活をおくるためには、日ごろから栄養不足にならないような対策が重要です。
――感染症流行時に起こったこと
数年前に新型コロナウイルス感染症で死亡者がたくさん出たその時期には、当社も例外ではありませんでした。受け入れ先の病院もクラスターとなり、ご利用者さまの入院がスムーズに受け入れてもらえなくなったり、施設のスタッフが感染し、応援に入ったスタッフも罹患してしまったり、認知症の方が理解できずに活動し、感染してしまうということもありました。さらにキッチンスタッフも全員自宅療養となり、食事はすべて配食に切り替え、ご利用者さまは感染拡大防止を理由に各自部屋で召し上がっていただく状況が続きました。結果、活動量に制限がかかり、食欲低下で残食が多くなり、筋力の低下が起こってしまう、という負の連鎖がおきました。感染症流行時でも低栄養を予防するお食事を提供することは、とても大事だと痛感しました。
――災害時の高齢者ケアで重要なこと
多くの要介護高齢者は唾液の分泌が少なくなり、口腔内が汚れやすくなります。そして嚥下障害の方は唾液がうまく飲み込めず、痰が絡みやすくなり、口腔内の清潔を保っていない状態のまま食事をしてしまうと誤嚥性肺炎につながることがあります。平時であれば施設で口腔ケアができますが、被災地ですと十分に出来ていないのが実情です。ある調査では肺炎で亡くなる方の多くは65歳以上の高齢者が占め、そのうちの約7割が誤嚥性肺炎という報告もあり、災害時でも高齢者の口腔ケアを行うことは、命を守る上でとても重要なことと言えます。
――誤嚥を防ぐ食事について
誤嚥を起こさないようにするには、ポロポロした焼き魚を煮魚に変更するとか、とろみをつけるなど調理の工夫が有効です。「わかめ」や「最中」は喉に張り付きますし、サラサラした食品も嚥下状態によっては避けた方が良い場合もあります。災害時でも一人ひとりの高齢者の食べる機能に合わせた食事提供が求められますが、誤嚥や窒息を起こさない為の食事の備えがある施設であっても、現在は「お粥」や賞味期限があまり長くない「ゼリー」、「流動食」、「とろみ剤」くらいなのではと想像しています。
――具体的にどうすればよいか?のヒントを共有する
一般的に、施設では、低栄養のリスクがあり、嚥下機能に問題がある方には食事形態をその方の機能に合わせて変更したり、少量にして栄養補助食品を付加したり、水分にはとろみをつけたりして対応していますが、災害時に備え、これらが網羅できる長期保存食があるとよいと思っています。嚥下調整食が必要な方は、食事から十分な栄養が摂れないと体力低下が起こりやすく、誤嚥などによる誤嚥性肺炎のリスクも高いです。超高齢社会における日本の避難所は、嚥下調整食が必要な方もきちんと対応できる体制を整えないとダメなのです、これをメッセージとして伝えたいです。
――「尾西の振って作るムース」を評価する
本当なら普段の食事と同じもので、楽しみに繋がる嚥下調整食が一番良いに決まっているのですが、災害時には生き抜くための嚥下調整食が必要になります。「尾西の振って作るムース」は、停電でミキサーが使えない時や、不慣れな方でも簡単に作ることができます。「ダマにならずにムース状になる」「丸飲みしてもスムーズに嚥下しやすい」「少量で高栄養」「常温で長期保存が可能である」といった点で優れた商品です。これだけ高栄養で物性が安定している、かつ長期保存が可能な嚥下調整食は初めて出会いました。先日、職場の管理栄養士の仲間で試食したところ「とてもなめらか」「甘すぎず、食べやすい」「もったりしていない」「付着性が低い」「ほうじ茶の味が良い」など、とても高評価でした。備蓄品にとても良い商品だと思います。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406061823-O2-8bT3N5OC】
――介護食品の備蓄の重要性について
高齢者にとって食べる、飲み込む機能に合わせた「通常の食事に劣らない美味しさと見た目も重視」の嚥下調整食はとても大切ですが、そもそも備蓄は高齢者が生きるため、命を繋げるためのものであり、普段の食事の思想からの脱却が必要です。例えば元気で自分の足で歩ける高齢者であっても、突然の災害時には、避難することが第一優先で避難所に義歯まで持って来ることが出来ない方も数多くいらっしゃいます。このような場合を想定すれば、「尾西の振って作るムース」は、健常高齢者にも応用が可能です。施設ではおかゆを備蓄することが多いですが、おかゆの粒でも飲み込むことが難しい人への対応策は無いのが現状です。介護食品の備蓄が無ければ、日本の超高齢社会において先進的な高齢者ケアは出来ないと思っています。多くの方に必要性を知っていただき、まずは介護食品の備蓄を確かめていただきたいです。備蓄は6ヵ月や1年ですと、すぐに賞味期限が来てしまうので、5年程度あると良いと思います。介護食品の備蓄を是非ご検討いただければと思います。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M107820/202406061823/_prw_PT1fl_N1SdS7tY.png】
本文はこちらhttps://www.onisifoods.co.jp/column/detail.html?no=23