NITEバイオテクノロジーセンター、伝統の酒まんじゅうの発酵に関与する微生物の提供を開始
[24/06/11]
提供元:共同通信PRワイヤー
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〜約170年の歴史を持つ発酵食品に由来する微生物を分離・提供し、新たな製品開発を支援〜
NITE(ナイト)[独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長:長谷川 史彦、所在地:東京都渋谷区西原]バイオテクノロジーセンター(以下、NBRC)は、岐阜県食品科学研究所[所長:奥村 和之、所在地:岐阜県岐阜市柳戸]及び株式会社金蝶園総本家(きんちょうえんそうほんけ)[代表取締役:北野 英樹、所在地:岐阜県大垣市高屋町]との共同研究により、伝統の酒まんじゅうの製造に使用される酛(もと)から発酵に関与する酵母や乳酸菌などの微生物を分離しました。
NBRCは、この研究成果を基に、分離した微生物の一部について2024年5月29日より提供を開始しました。伝統的な発酵食品由来の微生物を用いた新たな食品開発などが期待されます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406071928-O1-481v4f57】
図 NBRC、岐阜県食品科学研究所及び金蝶園総本家の役割分担
<今回の取り組みについて>
酒まんじゅうの製造工程には和菓子では珍しい微生物による発酵の過程があります。酒まんじゅうの皮に使用される酛(もと)※1は、その魅力的な香りの要因となっており、酛の品質は、発酵に関与する乳酸菌や酵母などの働きに大きく左右されることが明らかとなっています。そこで、金蝶園総本家は、この酛のさらなる品質向上を目指し、地元岐阜県の食品科学研究所の醸造発酵技術を活かした共同研究に向けて準備を進めてきました。
この取り組みには微生物の取り扱い技術に長けたNBRCも参画し、酒まんじゅう酛に存在する微生物の菌叢解析と培養を行い、酒まんじゅう酛の発酵に関与すると推測される菌株を分離しました。
共同研究開始の際のニュースリリースは以下よりご確認ください。
https://www.nite.go.jp/data/000138960.pdf
<今回のポイントと今後の展望について>
今回の共同研究では、NBRCが実施した菌叢解析によって、酒まんじゅう酛には酵母はSaccharomyces cerevisiae※2がほぼ唯一の種として、乳酸菌では多様な種が存在していることが分かりました。得られたSaccharomyces cerevisiaeの複数の微生物株は、岐阜県食品科学研究所が有する醸造発酵技術を活かした解析により、株によってそれぞれ異なる発酵特性を示すことが確認されました。分離した微生物株のそれぞれの特性や各機関の事業目的を考慮して、NBRCは、岐阜県食品科学研究所と金蝶園総本家とは別の株を所有することにしました。
岐阜県食品科学研究所と金蝶園総本家が所有する微生物株は、引き続き伝統の酒まんじゅうの高品質化に役立てられていきます。また、岐阜県内企業との新たな製品開発への活用も検討される予定です。岐阜県内企業との新たな製品開発への活用も検討される予定です。一方、NBRCが所有する Saccharomyces cerevisiae 6株と、複数の種に分類された乳酸菌8株について、国内のユーザーが利用できるようにRD株※3として2024年5月29日より提供を開始しました。伝統的な発酵食品由来の微生物を利用する新たな食品開発などが期待されます。
今回提供を開始した菌株の一覧は以下のURLよりご確認いただけます。
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/rd/new_rd.html
<NBRCについて>
NBRCは、我が国のバイオ戦略※4が掲げる「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会の実現」に向けて、バイオとデジタルの融合によるデータ基盤の構築を行っています。本共同研究を通じてNBRCは、酛に含まれる微生物とその特徴を明らかにし、伝統的な食品製造における品質の維持・向上を図るとともに、我が国の強みである発酵食品の製造に関わる微生物とそのデータを収集して提供することで、バイオ産業の発展に貢献します。
○ 用語説明
※1 酛(もと)
酒母や酒元とも呼ばれ、日本酒造りの「もと」になるもので、アルコールを造る酵母を育てるために水、米、麹を混ぜて発酵させたものです。酒まんじゅうの皮作りのために仕込まれる酛には必ず前日の酛が加えられ、毎日継ぎ足しで仕込まれています。
※2 Saccharomyces cerevisiae (サッカロマイセス・セレビシエ)
酵母の一種で、糖を分解してアルコール発酵を行う。日本酒やビールなどの酒類やパン類の製造に使用されます。
※3 RD株
RD株は、国内外の多様な環境から収集された微生物株で、属レベルでの同定を行っております。1年毎の利用料をいただくシステムになっており、安価にご利用いただけます。
利用方法等の詳細については、以下のURLよりご確認ください。
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/rd/index.html
※4 バイオエコノミー戦略
「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現すること」を目標に、持続可能性、循環型社会、健康(ウェルネス)をキーワードに産業界、大学、自治体等の参画も得て推進しているイノベーション戦略です。
(内閣府のサイトから引用:https://www8.cao.go.jp/cstp/bio/index.html)
■独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)バイオテクノロジーセンター(NBRC)とは
NBRCは、9万株以上の微生物を中心とした生物資源及びそれらに関わるデータの提供を行っています。 国内外の多様な微生物を収集・保存するとともに、有用微生物の活用技術や安全・取り扱い情報等を広く社会に提供することで、バイオ産業の発展に貢献しています。
▼NITE公式YouTube動画 「アインシュタインのイナダスコープ(NBRC編)」▼
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406071928-O2-1m688vyA】
▼メールマガジン「NBRCニュース」▼
メールマガジン「NBRCニュース」は、微生物の取り扱いに関する技術情報:保存法や培養法などの情報を連載し、現在微生物をお使いの方も、これから微生物を使おうとされる方にも役立つ情報を満載してお届けしています。https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/others/nbrcnews/nbrcnews.html
NITE(ナイト)[独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長:長谷川 史彦、所在地:東京都渋谷区西原]バイオテクノロジーセンター(以下、NBRC)は、岐阜県食品科学研究所[所長:奥村 和之、所在地:岐阜県岐阜市柳戸]及び株式会社金蝶園総本家(きんちょうえんそうほんけ)[代表取締役:北野 英樹、所在地:岐阜県大垣市高屋町]との共同研究により、伝統の酒まんじゅうの製造に使用される酛(もと)から発酵に関与する酵母や乳酸菌などの微生物を分離しました。
NBRCは、この研究成果を基に、分離した微生物の一部について2024年5月29日より提供を開始しました。伝統的な発酵食品由来の微生物を用いた新たな食品開発などが期待されます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406071928-O1-481v4f57】
図 NBRC、岐阜県食品科学研究所及び金蝶園総本家の役割分担
<今回の取り組みについて>
酒まんじゅうの製造工程には和菓子では珍しい微生物による発酵の過程があります。酒まんじゅうの皮に使用される酛(もと)※1は、その魅力的な香りの要因となっており、酛の品質は、発酵に関与する乳酸菌や酵母などの働きに大きく左右されることが明らかとなっています。そこで、金蝶園総本家は、この酛のさらなる品質向上を目指し、地元岐阜県の食品科学研究所の醸造発酵技術を活かした共同研究に向けて準備を進めてきました。
この取り組みには微生物の取り扱い技術に長けたNBRCも参画し、酒まんじゅう酛に存在する微生物の菌叢解析と培養を行い、酒まんじゅう酛の発酵に関与すると推測される菌株を分離しました。
共同研究開始の際のニュースリリースは以下よりご確認ください。
https://www.nite.go.jp/data/000138960.pdf
<今回のポイントと今後の展望について>
今回の共同研究では、NBRCが実施した菌叢解析によって、酒まんじゅう酛には酵母はSaccharomyces cerevisiae※2がほぼ唯一の種として、乳酸菌では多様な種が存在していることが分かりました。得られたSaccharomyces cerevisiaeの複数の微生物株は、岐阜県食品科学研究所が有する醸造発酵技術を活かした解析により、株によってそれぞれ異なる発酵特性を示すことが確認されました。分離した微生物株のそれぞれの特性や各機関の事業目的を考慮して、NBRCは、岐阜県食品科学研究所と金蝶園総本家とは別の株を所有することにしました。
岐阜県食品科学研究所と金蝶園総本家が所有する微生物株は、引き続き伝統の酒まんじゅうの高品質化に役立てられていきます。また、岐阜県内企業との新たな製品開発への活用も検討される予定です。岐阜県内企業との新たな製品開発への活用も検討される予定です。一方、NBRCが所有する Saccharomyces cerevisiae 6株と、複数の種に分類された乳酸菌8株について、国内のユーザーが利用できるようにRD株※3として2024年5月29日より提供を開始しました。伝統的な発酵食品由来の微生物を利用する新たな食品開発などが期待されます。
今回提供を開始した菌株の一覧は以下のURLよりご確認いただけます。
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/rd/new_rd.html
<NBRCについて>
NBRCは、我が国のバイオ戦略※4が掲げる「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会の実現」に向けて、バイオとデジタルの融合によるデータ基盤の構築を行っています。本共同研究を通じてNBRCは、酛に含まれる微生物とその特徴を明らかにし、伝統的な食品製造における品質の維持・向上を図るとともに、我が国の強みである発酵食品の製造に関わる微生物とそのデータを収集して提供することで、バイオ産業の発展に貢献します。
○ 用語説明
※1 酛(もと)
酒母や酒元とも呼ばれ、日本酒造りの「もと」になるもので、アルコールを造る酵母を育てるために水、米、麹を混ぜて発酵させたものです。酒まんじゅうの皮作りのために仕込まれる酛には必ず前日の酛が加えられ、毎日継ぎ足しで仕込まれています。
※2 Saccharomyces cerevisiae (サッカロマイセス・セレビシエ)
酵母の一種で、糖を分解してアルコール発酵を行う。日本酒やビールなどの酒類やパン類の製造に使用されます。
※3 RD株
RD株は、国内外の多様な環境から収集された微生物株で、属レベルでの同定を行っております。1年毎の利用料をいただくシステムになっており、安価にご利用いただけます。
利用方法等の詳細については、以下のURLよりご確認ください。
https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/rd/index.html
※4 バイオエコノミー戦略
「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現すること」を目標に、持続可能性、循環型社会、健康(ウェルネス)をキーワードに産業界、大学、自治体等の参画も得て推進しているイノベーション戦略です。
(内閣府のサイトから引用:https://www8.cao.go.jp/cstp/bio/index.html)
■独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)バイオテクノロジーセンター(NBRC)とは
NBRCは、9万株以上の微生物を中心とした生物資源及びそれらに関わるデータの提供を行っています。 国内外の多様な微生物を収集・保存するとともに、有用微生物の活用技術や安全・取り扱い情報等を広く社会に提供することで、バイオ産業の発展に貢献しています。
▼NITE公式YouTube動画 「アインシュタインのイナダスコープ(NBRC編)」▼
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406071928-O2-1m688vyA】
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メールマガジン「NBRCニュース」は、微生物の取り扱いに関する技術情報:保存法や培養法などの情報を連載し、現在微生物をお使いの方も、これから微生物を使おうとされる方にも役立つ情報を満載してお届けしています。https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/others/nbrcnews/nbrcnews.html