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都市型スマート農園でフレイル予防・改善の実証実験を開始

東京大学高齢社会総合研究機構とタニタが共同研究

健康総合企業の株式会社タニタ(東京都板橋区前野町1−14−2、代表取締役社長・谷田千里)は、東京大学高齢社会総合研究機構(東京大学IOG、東京都文京区本郷7−3−1、機構長・飯島勝矢)と都市型スマート農園の活用による社会的・身体的フレイル予防に関する共同研究を開始します。タニタ本社敷地内の「タニタふれあい農園」※1を実験フィールドとし、都市型スマート農園での体験が社会的・身体的フレイルに及ぼす予防・改善効果を共同で検証していきます。東京大学IOGのフレイルに関する知見とタニタの計測技術を活用することでフレイルの予防・改善効果を可視化し、エビデンスに基づくフレイル予防・改善事業の構築を目指します。まず、板橋区の地域住民を対象に参加希望者を募集し、2024年7月から実証実験をスタートします。

わが国は2065年に人口の38%以上が65歳以上で、さらに75歳以上の割合も25%を上回る超・超高齢社会へと向かっています。高齢化が進む中で、平均寿命と健康寿命のかい離(女性が12.07歳、男性が8.73歳)※2や、これに伴う医療費の増大が大きな社会課題となっています。その要因の1つとして注目されているのがフレイルです。フレイルは「加齢により心身が衰え、弱った状態」のことで、進行すると日常生活活動の低下を経て、要介護の状態に陥るリスクがあります。フレイルは複数の要素が絡み合って進行しますが、身体的な衰えと合わせて、社会とのつながりを失うことが入口になると考えられています。

「タニタふれあい農園」は一人ひとりに区画を貸し出すのではなく、参加者が共同で農作物を育成していくコミュニティー型の農園です。参加者同士でコミュニケーションを取りながら、専用のアプリのアドバイスに従って水やりや土寄せ、間引き、収穫などのアクティビティーを体験します。東京大学IOGとタニタでは、こうした農園での体験を通じて形成される参加者のコミュニティーが、社会的フレイルのリスクを低減させる効果があると考えており、そのメカニズムを検証するとともに、より効果的な介入手法を検討していきます。このほか、収穫した野菜をタニタ食堂やタニタカフェのレシピを基に調理して参加者に提供したり、バーベキューパーティーを開催したりするなど、コミュニティーを活性化させるさまざまな施策を展開し、その効果を検証します。

タニタでは、都市型スマート農園での活動が、農作物をつくる喜びや、仲間とつながる楽しさをフックに、それと意識することなく健康づくりを促す「健康コンテンツ」になると捉えています。コミュニティーの形成による社会的フレイルのリスク軽減に加え、農園で取り組む農作業が自然とからだを動かすエクササイズになるとみており、身体的フレイルへの影響も検証します。

今回の東京大学IOGとの共同研究により、一人ひとりの身体機能を維持・向上させるだけなく、地域住民同士の交流を加速する取り組みとしてその可能性を検証し、健康増進の新たなアプローチ手法を確立していきたいと考えています。

 
※1 タニタ、東日本電信電話株式会社(NTT東日本、東京都新宿区西新宿3−19−2、代表取締役社長・澁谷直樹)、プランティオ株式会社(東京都渋谷区神泉町11−7、代表取締役・CEO・芹澤孝悦)の3社が2023年に共同で開設した都市型スマート農園。参加者同士が共同で農作物を育成するコミュニティー型の農園で、土壌に設置したIoTセンサーで収集したデータを基に専用アプリで栽培のアドバイスを行うため、未経験の人も含め、誰でも手軽に野菜の栽培が行えます。3社が共同で取り組んでいる都市型スマート農園をはじめとするアーバンファーミング事業のテストフィールドとして開設しました。

※2 「厚生労働省健康寿命の令和元年値について」(令和3年12月20日第16回健康日本21(第二次)推進専門委員会)によると、平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳、健康寿命は女性75.38歳、72.68歳。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406192407-O1-wwpOkl2e
「タニタふれあい農園」

 
■東京大学高齢社会総合研究機構(Gerontology:ジェロントロジー)について
少子高齢社会を背景に、「個と地域社会」の両面から高齢社会における諸問題の解決に取り組むために、学際的・総合的・実践的な知の体系【総合知】を創成し、分野横断型の課題解決型実証研究(アクションリサーチ)によって新たな知識と技術を地域社会に還元・実装する研究機構。少子高齢化を基盤とする超高齢社会に対して、新たな地域社会の在り方をエビデンスベースの政策提言も行っています。
また、地域連携・産官学民協働・国際連携にも重きを置き、その卓越性のある総合知から変革を駆動できるジェロントロジー研究拠点として、「地域活力のある、及び多様性のある超高齢社会の実現」に向けて国内外に発信することを目指しています。

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