eモビリティの未来は、協調的なデータ共有と標準化が鍵を握る
[24/07/12]
提供元:共同通信PRワイヤー
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- EV需要の急激な増加により、相互運用性と情報共有の重要性が明確化
- 一貫性のなさとつながりの欠如が、カスタマージャーニーの弊害と判明
- 相互運用性の適切な実現が、顧客を獲得し、価値を獲得するための新しいビジネスチャンスを生む
EYと欧州のエネルギー業界団体Eurelectricは、eモビリティにおけるデータ相互運用性の課題解決に関するレポート「eモビリティのデータ相互運用性という課題を解決するには(PDF: 8.5MB )(以下、本調査)」を発表したことをお知らせします。本調査では、差別なく標準化された方法でデータを共有することが、消費者のEV体験全体を向上させ、エコシステムプレーヤーにおける価値を引き出すために、いかに役立つかを探っています。
EYは、2030年までに7,500万台以上の電気自動車(EV)が欧州のさまざまな充電ネットワークを活用するようになると予測しています。EVエコシステムのさまざまなステークホルダーがデータを生成する中、データ量の急速な増加により相互運用性と情報共有の重要性が高まります。
EY Global Energy & Resources LeaderのSerge Colleは次のように述べています。
「eモビリティは、内燃エンジンから電気自動車への技術的な切り替えにとどまりません。それは、輸送、エネルギー、構築環境の世界と、この相互接続性がもたらす将来の価値をつなぐことです。しかし、この未来の姿を実現するには、データの相互運用性と関係者間の情報共有が必要であり、そこに到達することは簡単ではありません。これを克服することで、EV体験全体を向上させ、エコシステムのプレーヤーが多くの新しい機会から価値を引き出すことができるようになります」
このレポートでは、3つの主要なeモビリティの取り組みにおけるデータの相互運用性を評価しています。また、主要な相互作用とデータ転送の現在の成熟度を探り、ビジネス機会とソリューションの概要を説明しています。
充電スタンドの最適化: 充電スタンドを戦略的に配置することで、EVユーザーに容易なアクセスと利便性を提供し、航続距離の不安を軽減しながら、ドライバーの体験を向上させ、EVの普及を促進します。欧州では、公共充電スポットの数が2022年の約53万カ所から2023年には74万4,000カ所へと40%増加しました。しかし、EVの普及が加速するにつれて、比例して継続的に充電スポットを増やす必要があります。データの相互運用性を向上させることで、ドライバーの使用パターンと利用可能な送配電網容量に基づき、新しい充電スタンドが必要な場所に関するインサイトが得られ、設備の計画と投資に役立ちます。
インテリジェントなグリッド統合: スマート充電により、EVはエネルギー価格やグリッド(送電網)容量、再生可能エネルギーの利用可能性に対応して充電を開始でき、エネルギーの最適化が可能になります。異なるシステムや関係者間でデータを共有することで、リアルタイムの送配電網容量、天気予報、使用時間帯の電気料金、個々のドライバーのニーズに基づいて充電スケジュールを最適化できます。データの相互運用性は、ピーク時にEVがエネルギーをグリッドに供給できるV2G(ビークル・ツー・グリッド)サービスにおいても重要です。これを円滑に機能させるには、グリッド、充電スタンド、EVからのデータを調和させる必要があります。
最適化された充電体験: 最適化された充電体験は、異なる充電ネットワークにまたがる充電インフラへの、ユーザーフレンドリーで一貫性のあるシームレスなアクセスを提供します。データシステム間の相互運用性は、充電スタンドの空き状況や価格、車両との互換性に関するリアルタイムの情報をドライバーに提供し、ドライバーのユーザーエクスペリエンスの向上に貢献します。これにより、ドライバーは十分な情報に基づいた意思決定を行い、効率的にルートを計画できるようになり、航続距離の不安が軽減され、EVの採用が促進されます。
Eurelectric事務局長のKristian Ruby氏は次のように述べています。
「EVのマス市場への普及は、究極的にはスムーズでシームレスな顧客体験にかかっています。そのためには、より良いデータフローが最も重要です」
新たなビジネスチャンス
データの相互運用性の仕組みを正しく理解することで、この新しいダイナミックな環境下で組織がどのような付随的な活動を行うべきかを検討できます。
Serge Colleはまた、次のように述べています。
「EVエコシステムのプレーヤーは、すでに新しいビジネスチャンスを模索し、隣接するサービスへの進出、顧客や価値の獲得のための競争をはじめています。カスタマージャーニーが再設計され、サービスが再構築されるにつれて、さらに様々な要素が組み合わさり、イノベーションが進むことが期待されます。また、各プレーヤーが資産や機能を統廃合し、エコシステムを拡大していくことも同様です」
eモビリティ分野で成功するための5つの重要な構成要素については、こちらをご覧ください。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 EYパルテノン ストラテジー パートナー 早瀬 慶のコメント:
eモビリティの進展に伴い、日本でも産業の枠を超えたデータ連携の取り組みが始まりつつありますが、プレーヤー間の協調・競争領域の見極めや、マネタイズを志向したビジネス実装にはまだ距離があります。加えて、地政学リスクへの対応やデータ保護の観点での法規制・ルールの整備、ブロックチェーン等のデジタル技術活用もさらに加速させなければなりません。
また、日本国内向のみならず、輸出産業としてグローバルに価値を提供するためには、バッテリーやデータ利活用に関連する標準化、EVに偏らない適材適所の現実的なパワートレインのラインアップ、ヒトとモノの移動の両視点での多様なモビリティ+エネルギーサプライチェーン等がカギとなります。
今後、ユーザーに対して経済合理性や安全・安心を担保しながら、利便性の高いサービス網を構築することが求められます。その際に、eモビリティの本質である、サステナブルな環境維持やクリーンでグリーンなエネルギー活用という視点を忘れてはいけません。
※本ニュースリリースは、2024年3月6日(現地時間)にEYが発表したニュースリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文を優先します。
The future of eMobility relies on collaborative data sharing and standardization
EYについて
EY | Building a better working world
EYは、「Building a better working world〜より良い社会の構築を目指して」をパーパス(存在意義)としています。クライアント、人々、そして社会のために長期的価値を創出し、資本市場における信頼の構築に貢献します。150カ国以上に展開するEYのチームは、データとテクノロジーの実現により信頼を提供し、クライアントの成長、変革および事業を支援します。アシュアランス、コンサルティング、法務、ストラテジー、税務およびトランザクションの全サービスを通して、世界が直面する複雑な問題に対し優れた課題提起(better question)をすることで、新たな解決策を導きます。EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。EYによる個人情報の取得・利用の方法や、データ保護に関する法令により個人情報の主体が有する権利については、ey.com/privacyをご確認ください。EYのメンバーファームは、現地の法令により禁止されている場合、法務サービスを提供することはありません。EYについて詳しくは、ey.comをご覧ください。
本ニュースリリースは、EYのグローバルネットワークのメンバーファームであるEYGM Limitedが発行したものです。同社は、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
- 一貫性のなさとつながりの欠如が、カスタマージャーニーの弊害と判明
- 相互運用性の適切な実現が、顧客を獲得し、価値を獲得するための新しいビジネスチャンスを生む
EYと欧州のエネルギー業界団体Eurelectricは、eモビリティにおけるデータ相互運用性の課題解決に関するレポート「eモビリティのデータ相互運用性という課題を解決するには(PDF: 8.5MB )(以下、本調査)」を発表したことをお知らせします。本調査では、差別なく標準化された方法でデータを共有することが、消費者のEV体験全体を向上させ、エコシステムプレーヤーにおける価値を引き出すために、いかに役立つかを探っています。
EYは、2030年までに7,500万台以上の電気自動車(EV)が欧州のさまざまな充電ネットワークを活用するようになると予測しています。EVエコシステムのさまざまなステークホルダーがデータを生成する中、データ量の急速な増加により相互運用性と情報共有の重要性が高まります。
EY Global Energy & Resources LeaderのSerge Colleは次のように述べています。
「eモビリティは、内燃エンジンから電気自動車への技術的な切り替えにとどまりません。それは、輸送、エネルギー、構築環境の世界と、この相互接続性がもたらす将来の価値をつなぐことです。しかし、この未来の姿を実現するには、データの相互運用性と関係者間の情報共有が必要であり、そこに到達することは簡単ではありません。これを克服することで、EV体験全体を向上させ、エコシステムのプレーヤーが多くの新しい機会から価値を引き出すことができるようになります」
このレポートでは、3つの主要なeモビリティの取り組みにおけるデータの相互運用性を評価しています。また、主要な相互作用とデータ転送の現在の成熟度を探り、ビジネス機会とソリューションの概要を説明しています。
充電スタンドの最適化: 充電スタンドを戦略的に配置することで、EVユーザーに容易なアクセスと利便性を提供し、航続距離の不安を軽減しながら、ドライバーの体験を向上させ、EVの普及を促進します。欧州では、公共充電スポットの数が2022年の約53万カ所から2023年には74万4,000カ所へと40%増加しました。しかし、EVの普及が加速するにつれて、比例して継続的に充電スポットを増やす必要があります。データの相互運用性を向上させることで、ドライバーの使用パターンと利用可能な送配電網容量に基づき、新しい充電スタンドが必要な場所に関するインサイトが得られ、設備の計画と投資に役立ちます。
インテリジェントなグリッド統合: スマート充電により、EVはエネルギー価格やグリッド(送電網)容量、再生可能エネルギーの利用可能性に対応して充電を開始でき、エネルギーの最適化が可能になります。異なるシステムや関係者間でデータを共有することで、リアルタイムの送配電網容量、天気予報、使用時間帯の電気料金、個々のドライバーのニーズに基づいて充電スケジュールを最適化できます。データの相互運用性は、ピーク時にEVがエネルギーをグリッドに供給できるV2G(ビークル・ツー・グリッド)サービスにおいても重要です。これを円滑に機能させるには、グリッド、充電スタンド、EVからのデータを調和させる必要があります。
最適化された充電体験: 最適化された充電体験は、異なる充電ネットワークにまたがる充電インフラへの、ユーザーフレンドリーで一貫性のあるシームレスなアクセスを提供します。データシステム間の相互運用性は、充電スタンドの空き状況や価格、車両との互換性に関するリアルタイムの情報をドライバーに提供し、ドライバーのユーザーエクスペリエンスの向上に貢献します。これにより、ドライバーは十分な情報に基づいた意思決定を行い、効率的にルートを計画できるようになり、航続距離の不安が軽減され、EVの採用が促進されます。
Eurelectric事務局長のKristian Ruby氏は次のように述べています。
「EVのマス市場への普及は、究極的にはスムーズでシームレスな顧客体験にかかっています。そのためには、より良いデータフローが最も重要です」
新たなビジネスチャンス
データの相互運用性の仕組みを正しく理解することで、この新しいダイナミックな環境下で組織がどのような付随的な活動を行うべきかを検討できます。
Serge Colleはまた、次のように述べています。
「EVエコシステムのプレーヤーは、すでに新しいビジネスチャンスを模索し、隣接するサービスへの進出、顧客や価値の獲得のための競争をはじめています。カスタマージャーニーが再設計され、サービスが再構築されるにつれて、さらに様々な要素が組み合わさり、イノベーションが進むことが期待されます。また、各プレーヤーが資産や機能を統廃合し、エコシステムを拡大していくことも同様です」
eモビリティ分野で成功するための5つの重要な構成要素については、こちらをご覧ください。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 EYパルテノン ストラテジー パートナー 早瀬 慶のコメント:
eモビリティの進展に伴い、日本でも産業の枠を超えたデータ連携の取り組みが始まりつつありますが、プレーヤー間の協調・競争領域の見極めや、マネタイズを志向したビジネス実装にはまだ距離があります。加えて、地政学リスクへの対応やデータ保護の観点での法規制・ルールの整備、ブロックチェーン等のデジタル技術活用もさらに加速させなければなりません。
また、日本国内向のみならず、輸出産業としてグローバルに価値を提供するためには、バッテリーやデータ利活用に関連する標準化、EVに偏らない適材適所の現実的なパワートレインのラインアップ、ヒトとモノの移動の両視点での多様なモビリティ+エネルギーサプライチェーン等がカギとなります。
今後、ユーザーに対して経済合理性や安全・安心を担保しながら、利便性の高いサービス網を構築することが求められます。その際に、eモビリティの本質である、サステナブルな環境維持やクリーンでグリーンなエネルギー活用という視点を忘れてはいけません。
※本ニュースリリースは、2024年3月6日(現地時間)にEYが発表したニュースリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文を優先します。
The future of eMobility relies on collaborative data sharing and standardization
EYについて
EY | Building a better working world
EYは、「Building a better working world〜より良い社会の構築を目指して」をパーパス(存在意義)としています。クライアント、人々、そして社会のために長期的価値を創出し、資本市場における信頼の構築に貢献します。150カ国以上に展開するEYのチームは、データとテクノロジーの実現により信頼を提供し、クライアントの成長、変革および事業を支援します。アシュアランス、コンサルティング、法務、ストラテジー、税務およびトランザクションの全サービスを通して、世界が直面する複雑な問題に対し優れた課題提起(better question)をすることで、新たな解決策を導きます。EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。EYによる個人情報の取得・利用の方法や、データ保護に関する法令により個人情報の主体が有する権利については、ey.com/privacyをご確認ください。EYのメンバーファームは、現地の法令により禁止されている場合、法務サービスを提供することはありません。EYについて詳しくは、ey.comをご覧ください。
本ニュースリリースは、EYのグローバルネットワークのメンバーファームであるEYGM Limitedが発行したものです。同社は、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。