アッヴィ、米国FDAが再発又は難治性の濾胞性リンパ腫に対するエプコリタマブの2番目の適応承認
[24/07/18]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2024年7月18日
アッヴィ合同会社
アッヴィ、米国FDAが再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の治療薬としてEPKINLY(R)(エプコリタマブ)の2番目の適応を承認
ー EPKINLY(R)(エプコリタマブ)は、再発又は難治性(R/R)の濾胞性リンパ腫(FL)およびR/Rのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の両方の患者さんの治療薬として、米国で初めてかつ唯一承認された二重特異性抗体
ー 二重特異性抗体は、免疫系に作用することで標的細胞死を誘導するよう設計
ー FLは現在の標準治療では治癒不能と考えられている。R/RのFLの多くの患者さんは、既存の治療法では治療選択肢が限られ、生存期間が短縮する傾向1
イリノイ州ノースシカゴ、2024年6月26日(米国時間)−アッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、EPKINLY(R)(エプコリタマブ)が、2回以上の前治療後の再発又は難治性(R/R)の濾胞性リンパ腫(FL)の成人患者さんの治療で用いられる初めてかつ唯一の皮下投与によるT細胞誘導二重特異性抗体として米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得したと発表しました。この適応は、全奏効率(ORR)および効果の持続性に基づき、FDAの迅速承認プログラムのもとで承認されました。この適応に対する承認の継続には、検証試験において臨床的有用性を検証、説明することが条件となります。
アッヴィのvice president, therapeutic area head for hematologyであるMariana Cota Stirner, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「今回のFDAによるEPKINLYの承認は、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の患者さん、特に他の治療が奏功しなかった場合の治療に、新たな治療選択肢を提供するものです。EPKINLYでの治療により、多くの患者さんで良好かつ長期にわたる奏効が示されました。皮下投与は簡便性が高く、患者さんは入院を必須とせずに3段階のステップアップ用量レジメンにてEPKINLYの投与を受けることが可能です。EPKINLYは複数のB細胞悪性腫瘍に対して、中核となりうる治療法の1つとして、がん患者さんの標準治療の向上に向けた研究を前進させるという当社の使命を後押しするものと確信しています」
エプコリタマブは、アッヴィとジェンマブ社とのがん領域における提携関係の下、両社が共同開発を行っている薬剤です。両社は、米国および日本においては、共同で商業化を担い、グローバルにおけるさらなる商業化についてはアッヴィが担当します。
FLはBリンパ球から発生する非ホジキンリンパ腫(NHL)の1つで、通常、低悪性度(進行が緩徐)です。FLはNHLのうち2番目に多い一般的な病型であり、NHLの全症例の20〜30%を占めています2。米国では毎年約15,000人がFLを発症し3、現在の標準治療では治癒不能と考えられています4。患者さんは多くの場合において再発し、再発を繰り返すたびに、次の治療までの寛解期間が短くなります5。25%以上のFL患者さんは生存率が低く、NHLの悪性度の高い病型であるDLBCLへ徐々に転化していく可能性があります6。
オレゴン州ユージーンのウィラメットバレーがん研究所に所属し、サラ・キャノン研究所(SCRI)のヘマトロジー領域の疾患責任者(Disease Chair, Hematology Research, Sarah Cannon Research Institute (SCRI) at Willamette Valley Cancer Institute in Eugene, Oregon)であるJeff Sharman, M.D.は、次のように述べています。「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の患者さんは、重大な治療課題に直面し、現時点では診療現場で使用できる明確な標準治療がありません。EPCORE NHL-1試験の濾胞性リンパ腫のコホートだけでなく、この試験の再発又は難治性のDLBCL患者さんでも認められた効果は、これらの患者さんに対してEPKINLYが重要な治療選択肢となる可能性を示しています」
白血病リンパ腫協会のチーフサイエンティフィックオフィサー(Chief Scientific Officer at The Leukemia & Lymphoma Society)であるLee Greenberger, Ph.D.は、次のように述べています。「濾胞性リンパ腫の患者さんは再発した際にさらなる選択肢が必要になります。今回の承認は、患者さんにとっても喜ばしいニュースであり、治療困難ながんの病型に対する治療法に新たな手段をもたらしました」
FDAによる承認は、第I/II相EPCORE® NHL-1試験の結果に基づくものです。この試験では、過去に3次治療(中央値)を受けたR/RのFLの成人患者さん127名、そのうち70%が2剤に治療抵抗性の患者さんを対象として、EPKINLYの安全性および有効性を評価しました。結果および安全性の所見では、以下が示されました。
・試験結果によりORR(試験の主要評価項目)82%、完全奏効(CR)率60%および部分奏効(PR)率22%が示されました。
・奏効した患者さんでの追跡期間中央値14.8ヵ月時点で、この試験で治療に対し効果が認められた患者さんの半数超において、治療の効果が維持されていました(奏効期間中央値は未到達)。
・合計213名の患者さんで安全性を評価しました。
・2段階ステップアップ用量レジメンで投与を受けた127名の患者さんを対象にした単群試験である、EPCORE NHL-1試験において目標用量48 mgでEPKINLYの安全性を評価しました。
・最も高い頻度(20%以上)でみられた有害反応は、注射部位反応、サイトカイン放出症候群(CRS)、新型コロナウイルス感染症、疲労、上気道感染、筋骨格痛、発疹、下痢、発熱、咳および頭痛でした。
・別途設定した投与用量最適化コホートでは、CRS低減のために3段階ステップアップ用量レジメンで86名を評価しました。この3段階ステップアップ用量レジメンの総投与量での初回投与については、入院は必須としませんでした。3段階ステップアップ用量レジメンでEPKINLYを投与されたFL患者さんには、グレード3のCRSは認められませんでした。
第I/II相EPCORE(R)NHL-1臨床試験について
EPCORE(R)NHL-1臨床試験は、エプコリタマブの安全性評価および予備的な有効性評価を目的とした非盲検、多施設共同試験であり、投与用量漸増パート、拡大パートおよび投与用量最適化パートの3つのパートから構成されています。FLを含む、2回以上の全身療法後の再発、進行又は難治性のCD20陽性成熟B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)の患者さんを対象にエプコリタマブ皮下投与を評価しました。拡大パートでは患者さんを新たに組み入れ、治療選択肢が限られている各種タイプの再発又は難治性のB細胞NHL患者さんからなる3つのコホートを設定し、エプコリタマブの安全性および有効性をさらに評価しました。このコホートでFL患者さんおよびDLBCL患者さんからのピボタルデータを作成しました。投与用量最適化パートでは、3段階ステップアップ用量レジメンが、グレード2のサイトカイン放出症候群(CRS)を最少にし、グレード3以上のCRSを軽減する可能性を評価しました。拡大パートでは、独立判定委員会(IRC)判定によるORRを主要評価項目、Lugano基準に基つ?く奏効期間、CR率、CR持続期間、無増悪生存期間、奏効まて?の期間を副次有効性評価項目としました。全生存期間、次の治療まて?の期間およひ?微小残存病変陰性率も副次有効性評価項目として評価しました。投与用量最適化パートでは、グレード2以上のCRSの事象割合およびエプコリタマブの初回投与から2回目の総投与量での投与後7日間に認められるすべてのグレードのCRSの事象割合を主要評価項目として評価しました。
NCCN(R)の臨床診療ガイドライン
「B細胞リンパ腫」について、National Comprehensive Cancer Network(R)(NCCN(R))の腫瘍臨床診療ガイドライン(NCCN Guidelines(R))が最近更新され(2024年第2版)、EPKINLYがFL患者さんの3次以降の治療でカテゴリー2Aの推奨として追加されました。
EPKINLY(R)(エプコリタマブ)について
EPKINLYは、2回以上の前治療後に再発又は難治性で、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含む特定の種類、高悪性度B細胞リンパ腫、又は濾胞性リンパ腫(FL)の成人患者さんの治療薬として用いる処方箋医薬品です。EPKINLYは患者さんの奏効データに基づき承認されました。EPKINLYの臨床的有用性を検証するために試験を引き続き行います。小児におけるEPKINLYの安全性および有効性は不明です。
エプコリタマブは、ジェンマブ社の独自技術DuoBody(R)を用いて創製されたIgG1二重特異性抗体であり、皮下投与されます。ジェンマブ社のDuoBody-CD3技術は、細胞傷害性T細胞に選択的に作用し、標的細胞に対する免疫反応を誘導する技術です。エプコリタマブは、T細胞上のCD3とB細胞上のCD20に同時に結合するよう設計されており、T細胞によるCD20陽性細胞傷害を誘導します7。
エプコリタマブ(米国では製品名EPKINLY(R)で承認、欧州連合では製品名TEPKINLY(R)で承認)は、特定のリンパ腫における適応にて複数の規制当局より承認されています。
アッヴィは、国際市場において、今後もエプコリタマブに関する規制当局への申請を継続していきます。ジェンマブ社とアッヴィは、血液悪性腫瘍の複数の治療ラインにおいて、エプコリタマブの単剤および併用療法としての評価を継続しています。詳細はclinicaltrials.govをご覧ください。
がん分野におけるアッヴィについて
アッヴィでは、治療困難ながんと向き合う患者さんのために標準治療の変革に取り組んでいます。血液がんおよび固形がんの幅広いがん種に対する治験薬の開発を積極的に推進しています。私たちは、がん細胞の増殖を阻害したり、排除したりする分子標的治療薬の創製に注力しています。抗体薬物複合体(ADC)、がん免疫療法、二重特異性抗体、CAR-Tプラットフォームなど、さまざまな標的治療手段を通じてこれを実現しています。献身的で経験豊富な当社のチームは、革新的なパートナーと協力し、画期的新薬となり得る製品の開発促進に努めています。現在、当社の幅広いオンコロジーポートフォリオは、さまざまな血液がんおよび固形がんに対する既承認薬および治験薬で構成されています。当社は、世界で最も罹患者が多く、また最も消耗性が高いがん種に対し、20種類を超える治験薬を複数の臨床試験で評価しています。当社の事業の目的は、人々の人生を豊かにすることです。そのため、患者さんが当社のがん治療薬にアクセスすることができるよう、ソリューションの探求にも取り組んでいます。詳細については、http://www.abbvie.com/oncologyをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Facebook、Instagram、X(旧Twitter)やYouTubeやLinkedInでも情報を公開しています。
References:
1.Salles G, Schuster S, Fischer L; et al. A Retrospective Cohort Study of Treatment Outcomes of Adult Patients With Relapsed or Refractory Follicular Lymphoma (ReCORD-FL). HemaSphere 6(7):p e745, July 2022. | DOI: 10.1097/HS9.0000000000000745.
2.Lymphoma Research Foundation official website. https://lymphoma.org/aboutlymphoma/nhl/fl/. Accessed February 2024.
3.Leukemia & Lymphoma Society. https://www.lls.org/research/follicular-lymphoma-fl. Accessed March 2024.
4.Ghione P, Palomba ML, Ghesquieres H, et al. Treatment patterns and outcomes in relapsed/refractory follicular lymphoma: results from the international SCHOLAR-5 study. Haematologica. 2023;108(3):822-832. doi: 10.3324/haematol.2022.281421.
5.Rivas-Delgado A, Magnano L, Moreno-Velázquez M, et al. Response duration and survival shorten after each relapse in patients with follicular lymphoma treated in the rituximab era. Br J Haematol. 2018;184(5):753-759. doi:10.1111/bjh.15708.
6.Al-Tourah AJ, Gill KK, Chhanabhai M, et al. Population-based analysis of incidence and outcome of transformed non-Hodgkin's lymphoma. J Clin Oncol. 2008 Nov 10;26(32):5165-9. doi: 10.1200/JCO.2008.16.0283. Epub 2008 Oct 6. PMID: 18838711.
7.Engelberts PJ, Hiemstra IH, de Jong B, et al. DuoBody-CD3xCD20 induces potent T-cell-mediated killing of malignant B cells in preclinical models and provides opportunities for subcutaneous dosing. EBioMedicine. 2020;52:102625. doi: 10.1016/j.ebiom.2019.102625.
アッヴィ合同会社
アッヴィ、米国FDAが再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の治療薬としてEPKINLY(R)(エプコリタマブ)の2番目の適応を承認
ー EPKINLY(R)(エプコリタマブ)は、再発又は難治性(R/R)の濾胞性リンパ腫(FL)およびR/Rのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の両方の患者さんの治療薬として、米国で初めてかつ唯一承認された二重特異性抗体
ー 二重特異性抗体は、免疫系に作用することで標的細胞死を誘導するよう設計
ー FLは現在の標準治療では治癒不能と考えられている。R/RのFLの多くの患者さんは、既存の治療法では治療選択肢が限られ、生存期間が短縮する傾向1
イリノイ州ノースシカゴ、2024年6月26日(米国時間)−アッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、EPKINLY(R)(エプコリタマブ)が、2回以上の前治療後の再発又は難治性(R/R)の濾胞性リンパ腫(FL)の成人患者さんの治療で用いられる初めてかつ唯一の皮下投与によるT細胞誘導二重特異性抗体として米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得したと発表しました。この適応は、全奏効率(ORR)および効果の持続性に基づき、FDAの迅速承認プログラムのもとで承認されました。この適応に対する承認の継続には、検証試験において臨床的有用性を検証、説明することが条件となります。
アッヴィのvice president, therapeutic area head for hematologyであるMariana Cota Stirner, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「今回のFDAによるEPKINLYの承認は、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の患者さん、特に他の治療が奏功しなかった場合の治療に、新たな治療選択肢を提供するものです。EPKINLYでの治療により、多くの患者さんで良好かつ長期にわたる奏効が示されました。皮下投与は簡便性が高く、患者さんは入院を必須とせずに3段階のステップアップ用量レジメンにてEPKINLYの投与を受けることが可能です。EPKINLYは複数のB細胞悪性腫瘍に対して、中核となりうる治療法の1つとして、がん患者さんの標準治療の向上に向けた研究を前進させるという当社の使命を後押しするものと確信しています」
エプコリタマブは、アッヴィとジェンマブ社とのがん領域における提携関係の下、両社が共同開発を行っている薬剤です。両社は、米国および日本においては、共同で商業化を担い、グローバルにおけるさらなる商業化についてはアッヴィが担当します。
FLはBリンパ球から発生する非ホジキンリンパ腫(NHL)の1つで、通常、低悪性度(進行が緩徐)です。FLはNHLのうち2番目に多い一般的な病型であり、NHLの全症例の20〜30%を占めています2。米国では毎年約15,000人がFLを発症し3、現在の標準治療では治癒不能と考えられています4。患者さんは多くの場合において再発し、再発を繰り返すたびに、次の治療までの寛解期間が短くなります5。25%以上のFL患者さんは生存率が低く、NHLの悪性度の高い病型であるDLBCLへ徐々に転化していく可能性があります6。
オレゴン州ユージーンのウィラメットバレーがん研究所に所属し、サラ・キャノン研究所(SCRI)のヘマトロジー領域の疾患責任者(Disease Chair, Hematology Research, Sarah Cannon Research Institute (SCRI) at Willamette Valley Cancer Institute in Eugene, Oregon)であるJeff Sharman, M.D.は、次のように述べています。「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の患者さんは、重大な治療課題に直面し、現時点では診療現場で使用できる明確な標準治療がありません。EPCORE NHL-1試験の濾胞性リンパ腫のコホートだけでなく、この試験の再発又は難治性のDLBCL患者さんでも認められた効果は、これらの患者さんに対してEPKINLYが重要な治療選択肢となる可能性を示しています」
白血病リンパ腫協会のチーフサイエンティフィックオフィサー(Chief Scientific Officer at The Leukemia & Lymphoma Society)であるLee Greenberger, Ph.D.は、次のように述べています。「濾胞性リンパ腫の患者さんは再発した際にさらなる選択肢が必要になります。今回の承認は、患者さんにとっても喜ばしいニュースであり、治療困難ながんの病型に対する治療法に新たな手段をもたらしました」
FDAによる承認は、第I/II相EPCORE® NHL-1試験の結果に基づくものです。この試験では、過去に3次治療(中央値)を受けたR/RのFLの成人患者さん127名、そのうち70%が2剤に治療抵抗性の患者さんを対象として、EPKINLYの安全性および有効性を評価しました。結果および安全性の所見では、以下が示されました。
・試験結果によりORR(試験の主要評価項目)82%、完全奏効(CR)率60%および部分奏効(PR)率22%が示されました。
・奏効した患者さんでの追跡期間中央値14.8ヵ月時点で、この試験で治療に対し効果が認められた患者さんの半数超において、治療の効果が維持されていました(奏効期間中央値は未到達)。
・合計213名の患者さんで安全性を評価しました。
・2段階ステップアップ用量レジメンで投与を受けた127名の患者さんを対象にした単群試験である、EPCORE NHL-1試験において目標用量48 mgでEPKINLYの安全性を評価しました。
・最も高い頻度(20%以上)でみられた有害反応は、注射部位反応、サイトカイン放出症候群(CRS)、新型コロナウイルス感染症、疲労、上気道感染、筋骨格痛、発疹、下痢、発熱、咳および頭痛でした。
・別途設定した投与用量最適化コホートでは、CRS低減のために3段階ステップアップ用量レジメンで86名を評価しました。この3段階ステップアップ用量レジメンの総投与量での初回投与については、入院は必須としませんでした。3段階ステップアップ用量レジメンでEPKINLYを投与されたFL患者さんには、グレード3のCRSは認められませんでした。
第I/II相EPCORE(R)NHL-1臨床試験について
EPCORE(R)NHL-1臨床試験は、エプコリタマブの安全性評価および予備的な有効性評価を目的とした非盲検、多施設共同試験であり、投与用量漸増パート、拡大パートおよび投与用量最適化パートの3つのパートから構成されています。FLを含む、2回以上の全身療法後の再発、進行又は難治性のCD20陽性成熟B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)の患者さんを対象にエプコリタマブ皮下投与を評価しました。拡大パートでは患者さんを新たに組み入れ、治療選択肢が限られている各種タイプの再発又は難治性のB細胞NHL患者さんからなる3つのコホートを設定し、エプコリタマブの安全性および有効性をさらに評価しました。このコホートでFL患者さんおよびDLBCL患者さんからのピボタルデータを作成しました。投与用量最適化パートでは、3段階ステップアップ用量レジメンが、グレード2のサイトカイン放出症候群(CRS)を最少にし、グレード3以上のCRSを軽減する可能性を評価しました。拡大パートでは、独立判定委員会(IRC)判定によるORRを主要評価項目、Lugano基準に基つ?く奏効期間、CR率、CR持続期間、無増悪生存期間、奏効まて?の期間を副次有効性評価項目としました。全生存期間、次の治療まて?の期間およひ?微小残存病変陰性率も副次有効性評価項目として評価しました。投与用量最適化パートでは、グレード2以上のCRSの事象割合およびエプコリタマブの初回投与から2回目の総投与量での投与後7日間に認められるすべてのグレードのCRSの事象割合を主要評価項目として評価しました。
NCCN(R)の臨床診療ガイドライン
「B細胞リンパ腫」について、National Comprehensive Cancer Network(R)(NCCN(R))の腫瘍臨床診療ガイドライン(NCCN Guidelines(R))が最近更新され(2024年第2版)、EPKINLYがFL患者さんの3次以降の治療でカテゴリー2Aの推奨として追加されました。
EPKINLY(R)(エプコリタマブ)について
EPKINLYは、2回以上の前治療後に再発又は難治性で、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含む特定の種類、高悪性度B細胞リンパ腫、又は濾胞性リンパ腫(FL)の成人患者さんの治療薬として用いる処方箋医薬品です。EPKINLYは患者さんの奏効データに基づき承認されました。EPKINLYの臨床的有用性を検証するために試験を引き続き行います。小児におけるEPKINLYの安全性および有効性は不明です。
エプコリタマブは、ジェンマブ社の独自技術DuoBody(R)を用いて創製されたIgG1二重特異性抗体であり、皮下投与されます。ジェンマブ社のDuoBody-CD3技術は、細胞傷害性T細胞に選択的に作用し、標的細胞に対する免疫反応を誘導する技術です。エプコリタマブは、T細胞上のCD3とB細胞上のCD20に同時に結合するよう設計されており、T細胞によるCD20陽性細胞傷害を誘導します7。
エプコリタマブ(米国では製品名EPKINLY(R)で承認、欧州連合では製品名TEPKINLY(R)で承認)は、特定のリンパ腫における適応にて複数の規制当局より承認されています。
アッヴィは、国際市場において、今後もエプコリタマブに関する規制当局への申請を継続していきます。ジェンマブ社とアッヴィは、血液悪性腫瘍の複数の治療ラインにおいて、エプコリタマブの単剤および併用療法としての評価を継続しています。詳細はclinicaltrials.govをご覧ください。
がん分野におけるアッヴィについて
アッヴィでは、治療困難ながんと向き合う患者さんのために標準治療の変革に取り組んでいます。血液がんおよび固形がんの幅広いがん種に対する治験薬の開発を積極的に推進しています。私たちは、がん細胞の増殖を阻害したり、排除したりする分子標的治療薬の創製に注力しています。抗体薬物複合体(ADC)、がん免疫療法、二重特異性抗体、CAR-Tプラットフォームなど、さまざまな標的治療手段を通じてこれを実現しています。献身的で経験豊富な当社のチームは、革新的なパートナーと協力し、画期的新薬となり得る製品の開発促進に努めています。現在、当社の幅広いオンコロジーポートフォリオは、さまざまな血液がんおよび固形がんに対する既承認薬および治験薬で構成されています。当社は、世界で最も罹患者が多く、また最も消耗性が高いがん種に対し、20種類を超える治験薬を複数の臨床試験で評価しています。当社の事業の目的は、人々の人生を豊かにすることです。そのため、患者さんが当社のがん治療薬にアクセスすることができるよう、ソリューションの探求にも取り組んでいます。詳細については、http://www.abbvie.com/oncologyをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Facebook、Instagram、X(旧Twitter)やYouTubeやLinkedInでも情報を公開しています。
References:
1.Salles G, Schuster S, Fischer L; et al. A Retrospective Cohort Study of Treatment Outcomes of Adult Patients With Relapsed or Refractory Follicular Lymphoma (ReCORD-FL). HemaSphere 6(7):p e745, July 2022. | DOI: 10.1097/HS9.0000000000000745.
2.Lymphoma Research Foundation official website. https://lymphoma.org/aboutlymphoma/nhl/fl/. Accessed February 2024.
3.Leukemia & Lymphoma Society. https://www.lls.org/research/follicular-lymphoma-fl. Accessed March 2024.
4.Ghione P, Palomba ML, Ghesquieres H, et al. Treatment patterns and outcomes in relapsed/refractory follicular lymphoma: results from the international SCHOLAR-5 study. Haematologica. 2023;108(3):822-832. doi: 10.3324/haematol.2022.281421.
5.Rivas-Delgado A, Magnano L, Moreno-Velázquez M, et al. Response duration and survival shorten after each relapse in patients with follicular lymphoma treated in the rituximab era. Br J Haematol. 2018;184(5):753-759. doi:10.1111/bjh.15708.
6.Al-Tourah AJ, Gill KK, Chhanabhai M, et al. Population-based analysis of incidence and outcome of transformed non-Hodgkin's lymphoma. J Clin Oncol. 2008 Nov 10;26(32):5165-9. doi: 10.1200/JCO.2008.16.0283. Epub 2008 Oct 6. PMID: 18838711.
7.Engelberts PJ, Hiemstra IH, de Jong B, et al. DuoBody-CD3xCD20 induces potent T-cell-mediated killing of malignant B cells in preclinical models and provides opportunities for subcutaneous dosing. EBioMedicine. 2020;52:102625. doi: 10.1016/j.ebiom.2019.102625.