銅酸化物高温超伝導体Bi2212の紫外・可視光領域における大きな光学的異方性の起源を解明
[24/11/20]
提供元:共同通信PRワイヤー
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2024年11月20日
早稲田大学
東北大学
銅酸化物高温超伝導体Bi2212の紫外・可視光領域における 大きな光学的異方性の起源を解明
発表のポイント
○フローティングゾーン法によりさまざまなPb含有量のBi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶を育成し、紫外・可視光をそれら結晶に透過させることで、透過測定によってBi2Sr2CaCu2O8+δ(Bi2212)の特徴的な「うねり構造」が光学的異方性に与える影響を調べました
○ Pb含有量を増加させることで、光学的異方性の大きさが単調に減少することから、光学的異方性の起源がその「うねり構造」に関連していることを明らかにしました
○ Pb置換によって光学的異方性が大幅に低減されることで、光学活性や円二色性のより正確な測定が可能になり、高温超伝導のメカニズムに関する議論において重要な対称性の破れの存否を探求することが可能となります
早稲田大学理工学術院の朝日透(あさひとおる)教授、同大学総合研究機構の中川鉄馬(なかがわけんた)主任研究員(研究院講師)、同大学大学院先進理工学研究科修士2年の時田桂吾(ときたけいご)、東北大学金属材料研究所の藤田全基(ふじたまさき)教授らの共同研究グループは、世界で初めて銅酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8+δ(Bi2212)の紫外・可視光領域における大きな光学的異方性の起源と結晶構造の関連性を明らかにしました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411190198-O2-7BG06uDh】
図:本研究により明らかとなったBi2212の結晶構造と光学的異方性との関連性
本研究成果は、国際学術出版社であるNature Research社発行による『Scientific Reports』誌に2024年11月7日(木)(現地時間)に掲載されました。
【論文情報】
論文名:Wavelength dependence of linear birefringence and linear dichroism of Bi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ single crystals
DOI:10.1038/s41598-024-78208-6
キーワード:
銅酸化物高温超伝導体、光学的異方性、不整合変調、一般化高精度万能旋光計(G-HAUP)、透過測定
(1)これまでの研究で分かっていたこと
銅酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8+δ(Bi2212)※1は、その超伝導転移温度がバーディーン・クーパー・シュリーファー(BCS)理論※2で説明される限界を超えるほど高いため、広く研究が進められて来ました。超伝導の発現に重要なクーパー対の形成に関与するメカニズムは、BCS理論における電子−フォノン相互作用では説明できず、この分野における未解明の課題の一つとなっています。銅酸化物高温超伝導体の構成要素であるCuO2層は、高温超伝導体において最も重要な役割を果たすと広く認識されており、その物理的特性は、さまざまな角度から集中的に調査されています。当研究グループの過去の研究においても、一般化高精度万能旋光計(G-HAUP)※3を使用して、紫外・可視光領域におけるBi2212のc軸に沿った光学的異方性※4の波長依存性を測定したところ、a軸およびb軸の格子定数はほぼ同じであるにも関わらず、大きな光学的異方性のピークが観察されることが明らかになっていました。
(2)今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと
Bi2212は、b軸方向に不整合変調※5を示すことが知られています。この変調の周期性は基本構造の周期性とは一致しません。本研究では大きな光学的異方性のピークの起源がこの不整合変調にある可能性があると考え、フローティングゾーン法※6という単結晶育成法を用いて、不整合変調を抑制したさまざまなPb含有量(x = 0、0.4、および0.6)のBi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶を育成しました。育成したBi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶の光学的異方性のパラメータである直線複屈折及び直線二色性の波長依存性をG-HAUPを用いて測定し、不整合変調と光学的異方性の関連性を検証しました。初めに、異なるPb含有量xを示すBi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶(x = 0、0.4、および0.6)について、走査型透過電子顕微鏡で観察した結果、x = 0では変調周期が結晶のb軸方向の格子定数の4.8倍、x = 0.4では12.7倍、x = 0.6ではほぼ無限大となり、Pb含有量の増加とともに不整合変調が消失することが確認されました。この結果は過去文献と一致しており、電子回折測定においても、不整合変調に由来する衛星反射がPb含有量の増加とともに消失することが確認されました。また、紫外・可視光領域における透過吸収スペクトルは、全てのPb含有量の試料で類似したパターンを示し、この領域では、鉛の含有量によってエネルギーギャップに大きな変化がないことが明らかになりました。一方、光学的異方性のパラメータである直線複屈折および直線二色性の大きさは、Pb含有量によって変化することが確認され、不整合変調の抑制に伴い光学的異方性も抑制されることが明らかとなりました。
(3)研究の波及効果や社会的影響
本研究の注目すべき点は、Bi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶の劈開性を活かし、作製した超薄片単結晶試料に紫外・可視光を透過させることで、透過測定によってこの大きな光学的異方性の起源を解明したことです。紫外・可視光をプローブとして用いた透過測定のアプローチは我々の研究グループ独自のものであり、これにより銅酸化物高温超伝導体の光物性とエネルギーギャップを含む電子バンド構造、とくに「外殻電子の遷移」に関する知見を得ることができました。さらに、Bi2212結晶におけるBiのPb置換は、不整合変調の抑制と同時に、直線複屈折や直線二色性といった光学的異方性を大幅に低減させることが明らかとなりました。この光学的異方性の低減は、将来の実験において光学活性や円二色性の測定精度を向上させる上で重要な成果です。これにより、高温超伝導のメカニズム解明において重要な課題である擬ギャップ相※7および超伝導相における対称性の破れの有無を検討することが可能となり、さらなる高温超伝導体の開発につながることが期待されます。
(4)課題、今後の展望
「常温超伝導」の実現は長年の人類の夢であり、そのためには高温超伝導体における電子対形成や超伝導メカニズムの解明が必要です。常温超伝導が実現すれば、超低損失送電やリニア、医療用MRI、量子コンピュータなど、さまざまな分野で社会的・経済的な恩恵が期待されます。本研究により得られた知見を元に高温超伝導体のメカニズムに関する理解が深まることで、常温超伝導の実現に一歩近づき、これらの技術革新に大きく貢献する可能性があります。
(5)研究者のコメント
現在我々は、測定試料を低温まで冷却可能なG-HAUPを新たに構築しています。今後、低温冷却G-HAUPを用いて擬ギャップ相および超伝導相における光学活性や円二色性を測定することにより、擬ギャップ相における対称性の破れの存否を明らかにするとともに、高温超伝導体が持つ特別な秩序を解明することを目指して研究を進めて行きます。
(6)用語解説
※1 銅酸化物高温超伝導体
CuO2層を含む構造を持ち、従来の金属超伝導体よりも高温で電気抵抗がゼロになる特性を持つ材料。その超伝導メカニズムは従来のBCS理論では説明できず、世界中で精力的に研究が続けられている。
※2 バーディーン・クーパー・シュリーファー(BCS)理論
金属の超伝導メカニズムを説明するために考案された理論。通常、金属中では電子が自由に動き、電気抵抗が生じますが、超伝導状態では電子が特定の相互作用(フォノンを介した引力)で対(クーパー対)を形成し、抵抗ゼロで電流を流せるようになります。発明者のバーディーン・クーパー・シュリーファーは、この業績により1972年のノーベル物理学賞を受賞しました。
※3 一般化高精度万能旋光計(G-HAUP)
固体状態の光学的異方性とキラル光学的性質を測定可能な独自の分光装置。結晶や配向性薄膜といった固体状態では、固体状態特有の異方性により、そのキラル光学的性質の測定が、上述のような汎用的な分光装置ではできない。
※4 光学的異方性
材料の方向に対して異なる屈折率や吸収を示す現象。本研究では、2つの直交する直線偏光に対する屈折率・吸収の差である直線複屈折・直線二色性を測定した。
※5 不整合変調
結晶構造内で基本的な周期性に一致しない周期的な構造変化。材料の物理化学的性質や電子状態に影響を与え、超伝導体や強誘電体などで特に注目されている。
※6 フローティングゾーン法
固体原料の一部を局所的に溶融させ、結晶を成長させる単結晶育成技術。るつぼを使用しないため、不純物の混入が少なく、高品質な結晶を育成するのに適している。
※7 擬ギャップ相
銅酸化物高温超伝導体で観測される現象で、超伝導転移温度より高温でエネルギーギャップが部分的に開く。この相の起源の解明が、超伝導のメカニズム解明に重要な役割を果たすだろうと考えられている。
(7)論文情報
雑誌名:Scientific Reports
論文名:Wavelength dependence of linear birefringence and linear dichroism of Bi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ single crystals
執筆者名(所属機関名):時田桂吾※(早稲田大学), 中川鉄馬※*(早稲田大学), チョウコン(早稲田大学), 岡野洸明(早稲田大学), 松本匡貴(上海交通大学), 中西卓也(早稲田大学), 藤田全基(東北大学), 朝日透*(早稲田大学) ※共同筆頭著者 *共同責任著者
掲載日時(現地時間):2024年11月7日(木)
掲載URL: https://doi.org/10.1038/s41598-024-78208-6
(8)研究助成
研究費名:みずほ学術振興財団 (旧河上記念財団) 第59回工学研究助成
研究課題名:銅酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8+xにおける空間・時間反転対称性の破れの検証
研究代表者名(所属機関名):中川鉄馬(早稲田大学)
研究費名:東北大学金属材料研究所 2023年度・2024年度国際共同利用・共同研究拠点課題
研究課題名:銅酸化物高温超伝導体Bi2.2-xPbxSr1.8CaCu2O8+δの結晶成長と光学的性質測定
研究代表者名(所属機関名):中川鉄馬(早稲田大学)
早稲田大学
東北大学
銅酸化物高温超伝導体Bi2212の紫外・可視光領域における 大きな光学的異方性の起源を解明
発表のポイント
○フローティングゾーン法によりさまざまなPb含有量のBi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶を育成し、紫外・可視光をそれら結晶に透過させることで、透過測定によってBi2Sr2CaCu2O8+δ(Bi2212)の特徴的な「うねり構造」が光学的異方性に与える影響を調べました
○ Pb含有量を増加させることで、光学的異方性の大きさが単調に減少することから、光学的異方性の起源がその「うねり構造」に関連していることを明らかにしました
○ Pb置換によって光学的異方性が大幅に低減されることで、光学活性や円二色性のより正確な測定が可能になり、高温超伝導のメカニズムに関する議論において重要な対称性の破れの存否を探求することが可能となります
早稲田大学理工学術院の朝日透(あさひとおる)教授、同大学総合研究機構の中川鉄馬(なかがわけんた)主任研究員(研究院講師)、同大学大学院先進理工学研究科修士2年の時田桂吾(ときたけいご)、東北大学金属材料研究所の藤田全基(ふじたまさき)教授らの共同研究グループは、世界で初めて銅酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8+δ(Bi2212)の紫外・可視光領域における大きな光学的異方性の起源と結晶構造の関連性を明らかにしました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411190198-O2-7BG06uDh】
図:本研究により明らかとなったBi2212の結晶構造と光学的異方性との関連性
本研究成果は、国際学術出版社であるNature Research社発行による『Scientific Reports』誌に2024年11月7日(木)(現地時間)に掲載されました。
【論文情報】
論文名:Wavelength dependence of linear birefringence and linear dichroism of Bi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ single crystals
DOI:10.1038/s41598-024-78208-6
キーワード:
銅酸化物高温超伝導体、光学的異方性、不整合変調、一般化高精度万能旋光計(G-HAUP)、透過測定
(1)これまでの研究で分かっていたこと
銅酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8+δ(Bi2212)※1は、その超伝導転移温度がバーディーン・クーパー・シュリーファー(BCS)理論※2で説明される限界を超えるほど高いため、広く研究が進められて来ました。超伝導の発現に重要なクーパー対の形成に関与するメカニズムは、BCS理論における電子−フォノン相互作用では説明できず、この分野における未解明の課題の一つとなっています。銅酸化物高温超伝導体の構成要素であるCuO2層は、高温超伝導体において最も重要な役割を果たすと広く認識されており、その物理的特性は、さまざまな角度から集中的に調査されています。当研究グループの過去の研究においても、一般化高精度万能旋光計(G-HAUP)※3を使用して、紫外・可視光領域におけるBi2212のc軸に沿った光学的異方性※4の波長依存性を測定したところ、a軸およびb軸の格子定数はほぼ同じであるにも関わらず、大きな光学的異方性のピークが観察されることが明らかになっていました。
(2)今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと
Bi2212は、b軸方向に不整合変調※5を示すことが知られています。この変調の周期性は基本構造の周期性とは一致しません。本研究では大きな光学的異方性のピークの起源がこの不整合変調にある可能性があると考え、フローティングゾーン法※6という単結晶育成法を用いて、不整合変調を抑制したさまざまなPb含有量(x = 0、0.4、および0.6)のBi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶を育成しました。育成したBi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶の光学的異方性のパラメータである直線複屈折及び直線二色性の波長依存性をG-HAUPを用いて測定し、不整合変調と光学的異方性の関連性を検証しました。初めに、異なるPb含有量xを示すBi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶(x = 0、0.4、および0.6)について、走査型透過電子顕微鏡で観察した結果、x = 0では変調周期が結晶のb軸方向の格子定数の4.8倍、x = 0.4では12.7倍、x = 0.6ではほぼ無限大となり、Pb含有量の増加とともに不整合変調が消失することが確認されました。この結果は過去文献と一致しており、電子回折測定においても、不整合変調に由来する衛星反射がPb含有量の増加とともに消失することが確認されました。また、紫外・可視光領域における透過吸収スペクトルは、全てのPb含有量の試料で類似したパターンを示し、この領域では、鉛の含有量によってエネルギーギャップに大きな変化がないことが明らかになりました。一方、光学的異方性のパラメータである直線複屈折および直線二色性の大きさは、Pb含有量によって変化することが確認され、不整合変調の抑制に伴い光学的異方性も抑制されることが明らかとなりました。
(3)研究の波及効果や社会的影響
本研究の注目すべき点は、Bi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶の劈開性を活かし、作製した超薄片単結晶試料に紫外・可視光を透過させることで、透過測定によってこの大きな光学的異方性の起源を解明したことです。紫外・可視光をプローブとして用いた透過測定のアプローチは我々の研究グループ独自のものであり、これにより銅酸化物高温超伝導体の光物性とエネルギーギャップを含む電子バンド構造、とくに「外殻電子の遷移」に関する知見を得ることができました。さらに、Bi2212結晶におけるBiのPb置換は、不整合変調の抑制と同時に、直線複屈折や直線二色性といった光学的異方性を大幅に低減させることが明らかとなりました。この光学的異方性の低減は、将来の実験において光学活性や円二色性の測定精度を向上させる上で重要な成果です。これにより、高温超伝導のメカニズム解明において重要な課題である擬ギャップ相※7および超伝導相における対称性の破れの有無を検討することが可能となり、さらなる高温超伝導体の開発につながることが期待されます。
(4)課題、今後の展望
「常温超伝導」の実現は長年の人類の夢であり、そのためには高温超伝導体における電子対形成や超伝導メカニズムの解明が必要です。常温超伝導が実現すれば、超低損失送電やリニア、医療用MRI、量子コンピュータなど、さまざまな分野で社会的・経済的な恩恵が期待されます。本研究により得られた知見を元に高温超伝導体のメカニズムに関する理解が深まることで、常温超伝導の実現に一歩近づき、これらの技術革新に大きく貢献する可能性があります。
(5)研究者のコメント
現在我々は、測定試料を低温まで冷却可能なG-HAUPを新たに構築しています。今後、低温冷却G-HAUPを用いて擬ギャップ相および超伝導相における光学活性や円二色性を測定することにより、擬ギャップ相における対称性の破れの存否を明らかにするとともに、高温超伝導体が持つ特別な秩序を解明することを目指して研究を進めて行きます。
(6)用語解説
※1 銅酸化物高温超伝導体
CuO2層を含む構造を持ち、従来の金属超伝導体よりも高温で電気抵抗がゼロになる特性を持つ材料。その超伝導メカニズムは従来のBCS理論では説明できず、世界中で精力的に研究が続けられている。
※2 バーディーン・クーパー・シュリーファー(BCS)理論
金属の超伝導メカニズムを説明するために考案された理論。通常、金属中では電子が自由に動き、電気抵抗が生じますが、超伝導状態では電子が特定の相互作用(フォノンを介した引力)で対(クーパー対)を形成し、抵抗ゼロで電流を流せるようになります。発明者のバーディーン・クーパー・シュリーファーは、この業績により1972年のノーベル物理学賞を受賞しました。
※3 一般化高精度万能旋光計(G-HAUP)
固体状態の光学的異方性とキラル光学的性質を測定可能な独自の分光装置。結晶や配向性薄膜といった固体状態では、固体状態特有の異方性により、そのキラル光学的性質の測定が、上述のような汎用的な分光装置ではできない。
※4 光学的異方性
材料の方向に対して異なる屈折率や吸収を示す現象。本研究では、2つの直交する直線偏光に対する屈折率・吸収の差である直線複屈折・直線二色性を測定した。
※5 不整合変調
結晶構造内で基本的な周期性に一致しない周期的な構造変化。材料の物理化学的性質や電子状態に影響を与え、超伝導体や強誘電体などで特に注目されている。
※6 フローティングゾーン法
固体原料の一部を局所的に溶融させ、結晶を成長させる単結晶育成技術。るつぼを使用しないため、不純物の混入が少なく、高品質な結晶を育成するのに適している。
※7 擬ギャップ相
銅酸化物高温超伝導体で観測される現象で、超伝導転移温度より高温でエネルギーギャップが部分的に開く。この相の起源の解明が、超伝導のメカニズム解明に重要な役割を果たすだろうと考えられている。
(7)論文情報
雑誌名:Scientific Reports
論文名:Wavelength dependence of linear birefringence and linear dichroism of Bi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ single crystals
執筆者名(所属機関名):時田桂吾※(早稲田大学), 中川鉄馬※*(早稲田大学), チョウコン(早稲田大学), 岡野洸明(早稲田大学), 松本匡貴(上海交通大学), 中西卓也(早稲田大学), 藤田全基(東北大学), 朝日透*(早稲田大学) ※共同筆頭著者 *共同責任著者
掲載日時(現地時間):2024年11月7日(木)
掲載URL: https://doi.org/10.1038/s41598-024-78208-6
(8)研究助成
研究費名:みずほ学術振興財団 (旧河上記念財団) 第59回工学研究助成
研究課題名:銅酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8+xにおける空間・時間反転対称性の破れの検証
研究代表者名(所属機関名):中川鉄馬(早稲田大学)
研究費名:東北大学金属材料研究所 2023年度・2024年度国際共同利用・共同研究拠点課題
研究課題名:銅酸化物高温超伝導体Bi2.2-xPbxSr1.8CaCu2O8+δの結晶成長と光学的性質測定
研究代表者名(所属機関名):中川鉄馬(早稲田大学)