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漁獲魚を活かす新技術、いよいよ本格実用化

漁獲時の外傷を回復させ、天然魚を消費者が望むときに提供可能に

広島県立総合技術研究所水産海洋技術センター(広島県呉市音戸町波多見6丁目21-1)が開発した広島県のオリジナル技術、「漁獲魚を活かす技術」(2010年3月に特許出願)が、このたびせとうち漁師市場(広島県福山市内海町)と深江漁業協同組合(広島県江田島市大柿町)で実用化することとなりました。
この技術は、漁の際に網で擦れて傷付いた魚の傷を回復させ、元気に長生きさせることにより、活魚の生簀での出荷調整を可能にし、天然の魚を消費者が望むときに提供できるようにするものです。
実用化は4月から始まりましたが、活きのよい魚をまとまって提供できることで、広島県内の消費者、料理人から好評を得ています。この技術により、これまで漁の多寡や天候によって左右されていた鮮魚販売が「定時」「定量」「一定品質」「一定価格」で可能になります。
せとうち漁師市場、深江漁業協同組合では、現地取材も受け付けております。是非ご検討くださいますようお願い申し上げます。

広島県はこれからも、世の中を良くしていく新技術の開発に積極的に取り組んでまいります。どうぞご期待ください。





■ 漁業現場の課題

<漁獲された魚は体表が傷つくことが多い>
 刺し網や底引き網漁業で獲られた魚は体表に傷が付くため弱りやすく、長時間活かすことが難しい状況にあります。そのため漁獲後すぐに出荷しなければならず、出荷数が多くなると市場での価格は下がり、安定した儲けにつながりませんでした。

■「漁獲魚を活かす技術」とは

◇漁で獲った魚を真水で薄めた海水「低塩分海水」で飼育する方法です。
◇漁で傷付いた魚が長生きするとともに「傷の回復が早く、外観もきれいに維持される」という効果があります。


 <技術の活用範囲>

1. 同じ種類の魚が一度にたくさん獲れた場合でも活かしたままストックし、必要なときに必要なだけ魚が出荷できる。
2. 悪天候で出漁できず、流通が少なくなる時に、活かしたままストックした魚を市場に供給できる。
3. サイズがばらばらだったものを、サイズを揃えて出荷できるようになる。
4. 遠方への輸送では水槽内で魚が痛むが、この技術で痛みを軽減できる。
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