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勿来IGCCパワー合同会社の石炭ガス化複合発電設備が完工

産業基盤創出と福島県の復興への思い込め、2021年4月16日から運転開始

◆ 当社の火力発電向けボイラー製造技術などを導入した、耐高温・耐高圧の空気吹き石炭ガス化炉を採用
◆ 発電効率向上とCO2排出低減に寄与、資源の有効利用と環境保全を両立する次世代火力発電テクノロジー




三菱パワーを幹事会社とする共同企業体(注1)は、福島県いわき市で進めてきた石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)設備の建設工事を完了し、このほど発注元の勿来IGCCパワー合同会社に納入しました。同設備は、世界最新鋭の石炭ガス化技術による高効率・クリーンな商業発電所として、2021年4月16日に運転を開始。当社は石炭ガス化炉をはじめ中核を担う空気吹きIGCC設備を手掛けたものです。本プロジェクトは勿来10号機(旧IGCC実証機)の経験を活かし、約2倍のスケールアップを実現させた世界最大規模のIGCCであり、国内で開発された空気吹きIGCCの初めての大型商用機になります。勿来10号機と比較しガスタービンの燃焼温度向上により発電効率48%(注2)を達成し、大幅に効率を改善しています。

このIGCC設備は、石炭を高温高圧のガス化炉でガス化し、硫黄、煤じんなどを分離・除去して精製したガスを燃料としてガスタービンを駆動させ、その燃焼排ガスを排熱回収ボイラーに導き、発生した蒸気を利用して運転する蒸気タービンを組み合わせた高効率のコンバインドサイクル方式を採用しています。従来の石炭焚き火力発電に比べて発電効率が向上し、CO2排出低減にも寄与することから、資源の有効利用と環境保全の両立をはかる発電事業者のニーズに応える発電設備として期待されています。

また、ガス化炉、ガス精製設備、ガスタービン、蒸気タービンなどの主要構成設備を三菱重工グループによる取りまとめのもと納入することにより、全体最適化された高い性能と信頼性を有するIGCC設備を提供しています。

勿来IGCCパワー合同会社による今回のIGCC設備建設プロジェクトには、世界最新鋭の火力発電技術の提供を通じて産業基盤の創出と福島県の復興へ貢献するという関係者の思いが込められています。

三菱パワーは、このプロジェクトへの参画を通じて、次世代の高効率発電システムであるIGCCの普及による資源の有効利用と環境保全、そして地域活性化に貢献していきます。

(注1)三菱パワー株式会社、三菱重工エンジニアリング株式会社、三菱電機株式会社、三菱パワー環境ソリューション株式会社の4社からなっています。
(注2)送電端効率(LHV:低位発熱量基準)によるものです。

[画像: https://prtimes.jp/i/25611/235/resize/d25611-235-685325-0.jpg ]
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