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三重大学とNTT西日本が医療DX推進に向けた包括連携協定を締結

〜NTT版LLM「tsuzumi」による電子カルテ要約の実証実験を開始〜




 西日本電信電話株式会社(本社:大阪府大阪市都島区、代表取締役社長:北村 亮太、以下、NTT西日本)と国立大学法人三重大学(三重県津市、学長:伊藤 正明、以下、三重大学)は、2024年11月1日に産学連携に関する包括連携協定を締結し、医療DXの推進を通じて、医師の働き方改革や三重県下の医療の発展をめざします。この協定に基づく最初の取り組みとして、三重大学医学部附属病院(以下、三重大病院)において、NTT版大規模言語モデル(LLM※1)「tsuzumi※2」を活用した電子カルテの要約による、医師の事務作業の効率化に関する実証実験を開始します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/32702/455/32702-455-cc5a9c404a399fe0045812ad4a8eedf1-1494x613.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


1.背景・目的
 医療業界では少子高齢化に伴う医師個人の負担の増加などが懸念されており、医師の働き方改革が喫緊の課題になっています。例えば長時間労働問題においては、業務の効率化によって労働時間を削減することで、医療の質や安全性の向上が実現され、より多くの患者を助けることに繋がります。効率化が検討される業務の1つに、医師の書類作成業務があげられます。例えば、入院期間中の治療経過をまとめた「退院サマリ」の作成については、1つ作成するのに30分程度要するケースもあり、多くの医療機関に共通する恒常的な業務効率化の課題です。これを解決するために、文章の生成に優れた能力を発揮するLLMを活用した書類作成の補助が有効であると考えています。
 電子カルテの機微なデータを扱うためにはセキュリティの高い環境が求められますが、NTT版LLM「tsuzumi」は非常に軽量なため、医療機関のネットワーク内に動作環境を置き、情報を外部へ出さない機密性の高いLLMシステムを構築することができます。
 「tsuzumi」の提供および技術検証や、生成AI等を活用したDX推進支援を実施するNTT西日本と、三重県内唯一の大学病院として、先駆的なDX医療人材の育成と地域全体のスマートホスピタル化を通じた県域の医療課題解決をめざす三重大病院が連携し、三重大病院での業務における「tsuzumi」の実用性と適用可能性の評価を実施します。

※1 LLM(大規模言語モデル、Large Language Models)とは、大量のテキストデータを使って学習された言語モデルで、言語の理解や文章の生成に優れた能力を持ちます。 
※2 tsuzumiはNTT版大規模言語モデルです。日本語の処理性能を重視し、独自の大量のテキストデータを使って学習された言語モデルになります。
 URL:https://www.rd.ntt/research/LLM_tsuzumi.html
 「tsuzumi」は日本電信電話株式会社の商標です


2.実証実験の概要
 本実証では、医師の事務作業の1つである、患者の入院期間中の診療経過をまとめた「退院サマリ」(年間約1.5万件作成)の作成過程において、「tsuzumi」が生成した電子カルテの要約文章を活用することで、作成業務が効率化できるかを検証します。電子カルテデータを基に医師自らが文章を作成するのではなく、「tsuzumi」が生成した文章を医師が確認・修正することで、作成に要する時間を短縮しつつ、最終的なアウトプットの質を落とさない業務フローの実現をめざします。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/32702/455/32702-455-1234ecc8f48bb5c7d5fe1b6c779596b1-1500x673.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
<実証実験のイメージ>

(1)実証期間
   2024年11月1日(金)〜2025年3月31日(月)(予定)

(2)役割分担
   ●NTT西日本
   ・「tsuzumi」の提供および環境整備
   ・電子カルテデータを用いた「tsuzumi」の追加学習
   ●三重大病院
   ・検証環境の提供
   ・医療知見の提供
   ・実証実験結果の業務適用可能性の評価

3.実証実験の特徴
1.医療業界の恒常課題にアプローチ
本実証の対象課題である「退院サマリ作成の効率化」は、三重大病院に限らず、他の医療機関でも恒常的に抱えている課題です。一定の効果が確認できれば、他の医療機関へのモデル展開により、医師の働き方改革という社会課題の解決への大きな貢献が期待できます。

2.軽量なLLMによりセキュアな利用環境を実現
Open AI社「GPT-3」が1,750億(175B)のパラメータサイズ※3であるのに対し、70億と非常に軽量な「tsuzumi」を三重大病院内のネットワーク内に構築することで、患者の個人情報を外部へ伝送することなく、機密性の高い環境で電子カルテを要約します。

3.専門用語が含まれる電子カルテの要約
退院サマリの作成に特化したLLMを構築するための追加学習を実施し、医療業界の専門用語が含まれる電子カルテの要約精度の向上に取り組みます。

※3 パラメータサイズとは、LLMの規模を示す値です。パラメータとは、モデルが学習中に獲得する知識やスキルを記憶するための変数です。

4.今後の展開について
 NTT西日本と三重大学は、本実証の効果を評価し、その結果を基に退院サマリの作成業務への本格的な「tsuzumi」の適用を進めるとともに、その他の事務作業への適用や、三重県下における他の医療機関への展開を検討していきます。

※ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。

<本件に関するお問い合わせ先>
西日本電信電話株式会社
エンタープライズビジネス営業部 デジタルビジネス推進部門 デジタルデータビジネス担当(名古屋)
米林・宇賀・稲垣・鈴木
 TEL:052-291-3829  MAIL: ddb-reception-nagoya@west.ntt.co.jp
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