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シリア:遠隔地の子ども35万人にポリオの予防接種完了【共同プレスリリース】

ユニセフ・WHO声明




[画像: https://prtimes.jp/i/5176/988/resize/d5176-988-431672-0.jpg ]

【2017年8月18日 ダマスカス(シリア)発】

ユニセフ(国連児童基金)、世界保健機関(WHO)およびパートナー団体は、シリアでワクチン由来ポリオウイルスの発生が認められたことを受け、ポリオ予防接種キャンペーンを開始し、その第一ステージを終了しました。このキャンペーンにより、紛争の影響で特にアクセスが難しくなったデリゾール県とラッカ県の5歳未満の子どもたち35万5,000人に、命を守るポリオの予防接種を提供できました。

「ユニセフは現地のパートナー団体と保健員たちの、この障害を残しかねない疾病に対する予防接種を実施しようとする類いまれな努力と決意を称えます」とユニセフ・シリア事務所代表のフラン・エクイザ(Fran Equiza)は述べました。「ひとりの子どもも、ポリオの悲惨な影響を抱えて生きるべきではありません」

今回のポリオの流行は、2011年にシリアで紛争が始まってから2度目となります。特にデリゾール県とラッカ県では、長引く暴力により保健施設が損傷し、定期的な予防接種が中止される深刻な状態にありました。紛争以前のシリアは、ポリオは根絶され、予防接種率は80%を超えていました。しかし現在の国内の予防接種率は40%まで落ち込んでいます。

「8月18日時点で、33人の5歳未満の子どもが麻痺を発症しました」とWHOシリア事務所代表のエリザベス・ホフ(Elizabeth Hoff)は述べました。「伝播型ワクチン由来ポリオウイルス2型(cVDPV2)発生の症例が確認されたことは、シリアの疾病の監視システムが機能していることを示しています。私たちの現在の優先事項は、ウィルスの流行を防ぐために、可能な限り高いポリオ予防接種率を達成することです」

必要とするすべての子どもたちに予防接種を行うために、ユニセフはアウトリーチ・キャンペーンを通じて、ワクチンとその保存に必要不可欠な冷蔵設備を提供しています。WHOは1,000人以上の現地ボランティアの研修、紛争の影響を受けている地域へのワクチンの輸送、およびキャンペーン実施のための資金支援をおこなっています。

ユニセフとWHOは、地域のパートナー団体およびデリゾール県とラッカ県の保健員と協力しながら、子どもたちをポリオから守る努力を続けていきます。両機関は、すべての紛争当事者に対して、必要とする子どもたちに予防接種ができるよう、予防接種従事者の移動の自由を求めます。

* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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