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WIPジャパン発:「海外における著作権に関する調査」を実施―その1

グローバルビジネス支援サービスを提供するWIP(ウィップ)ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:上田輝彦ジェームズ、以下、WIPジャパン)では、海外進出や海外向けEコマースに必須の多言語マーケティング・サービスを提供。世界89か国・411都市という日本最大級の自社ネットワークをフルに活用して、多くのお客様の海外進出を支援するとともに、幅広い分野の調査にも携わっています。

今年7月、当社は文化庁の委託事業として、中国とタイを対象にした「海外における著作権に関する法的枠組み及び執行状況等調査」を実施しました。その背景には、近年のデジタル化やインターネットの普及による、海外における複雑化した著作権侵害の問題があります。

そうした著作権侵害のグローバル化に対し、コンテンツや著作権保護の観点から、侵害発生国・地域ではどのような法的手段による救済方法が取られているのか、その実態について調べ、分析を行うことが今回の調査の目的です。報告書は、日本や欧米諸国との制度比較も含め、著作権法の最新動向の調査結果等をもとに、現地の法律事務所や、専門家・有識者の協力を得てまとめられました。以下、簡単に内容をご紹介しましょう。

まず、中国における著作権侵害に対する基本的な救済手段は、(1)民事上の損害賠償(2)行政処罰(3)刑事処罰があります。著作権侵害の紛争解決の手段としては訴訟のほか、調停・仲裁・行政申立があります。紛争の程度によって、どの手段を取るかは異なりますが、訴訟が一般的です。

日本企業関連の訴訟事例としては、「クレヨンしんちゃん」について争われたケースがあります。「クレヨンしんちゃん」は、出版社の双葉社が著作権を持っています。当然、そのキャラクター商品を販売する場合には、同社の許可が必要なわけですが、中国では無許可なまま、アパレル商品や文房具、生活商品など、幅広い分野で「クレヨンしんちゃん」のキャラクター商品が出回っていました。

双葉社は著作権侵害を理由に、中国企業3社に対して訴えを起こしました。一審、二審とも双葉社の訴えは退けられましたが、最高人民法院では双葉社の主張が認められ、差し戻し審では、無断使用の中国企業に対し、30万元の損害賠償の支払いが命じられたのです。

このほか報告書では、スズキのロゴに関する訴訟や、フランスの小売大手カルフールのブランド名の侵害事例のほか、インターネット上の著作権侵害事例など、数多くの事例が取り上げられ、分析が施されています。また、日中間における法制度の相違や、中国企業による著作権侵害に対するアメリカの対応状況などもまとめられています。当社の担当責任者は、中国語にも堪能なDaniel White調査員(米国オクラホマ州出身)で、中国語と英語で現地スタッフとのコミュニケーションを取りながら、調査を進めました。

■WIPジャパン株式会社について:
2000年に設立されたWIPジャパン株式会社は、海外リサーチ・マーケティングコンサルティングや多言語翻訳などのグローバルビジネス支援(Global Business Support:GBS)サービスを提供しています。顧客には、多言語で様々な情報を発信・伝達・入手する必要のある約4千社以上の企業、政府組織、研究機関が含まれます。http://japan.wipgroup.com
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